AIサービス研究会

第15回 AIサービス研究会 兼 第7回 法務研究会(会員限定)
AI・データの利活用をめぐる契約その他の法的状況について

開催日時

2020年9月17日(木) 15:00〜17:00

方式

Webセミナー

講演内容

タイトル

AI・データの利活用をめぐる契約その他の法的状況について

講師

NTTデータ経営研究所 社会システムデザインユニット
マネージャー 田中 理視 様

講演概要

AI開発においては、データ(特にビッグデータ)の活用が必要であるが、データの法的な取扱いについては、正しく理解されていない場面があるほか、AI開発においては、その特殊性から従来の開発とは異なる法律上の対応が求められている。

平成30年に経済産業省において「AI・データの利用に関する契約ガイドライン 」が策定され、一般的な法的取扱いの方針が示され、その後、「産業保安版データ契約ガイドライン」、「農業分野のAI・データ契約ガイドライン」など個別分野の取扱いについて示されているところである。本セミナーではこのような状況を踏まえて、データにおける法的取扱いやAI開発における留意点、各種ガイドラインにおけるポイント、契約書作成上の留意点などの概要を示すことを目的として実施する。

アジェンダ
  • AIを使ったクラウドサービスは国民生活や経済活動の様々なところで活用され始めている。
  • 生活向けにはパーソナルデータを活用し、社会サービスにおいてはビッグデータ解析に比重を置いてサービス提供されている。
  • わが国では、「人間中心のAI社会原則」の下に、分野横断、個別分野に関して、AIの利用及び開発等の指針・ガイドライン等の整備が進められている
  • AIの活用においてはデータが不可欠であるが、その法的性質については、誤解が存在する。特に「データの非権利性」(データには所有権は存在しない)についての誤解により、意図しない損害が生じる可能性がある。
  • AIソフトウェアの開発においては、下記のような技術の特性があることから、試行錯誤を繰り返しながら納得できるモデルを生成するという新しいアプローチが考えられる(「探索的段階型」開発)
    @ 契約時に成果が不明瞭な場合が多い
    A 性能が学習用データセットに左右される
    B 開発後もさらに再学習する需要がある
  • クラウドサービスなどでは、利用者における利用データを用いることでさらにデータを収集し、追加学習を行うことも想定される。
  • AI開発の特長は、従来型のソフトウェアに比べて、開発仕様の特定が困難である点があげられる。事前に精度などに関する成果については、ベンダ側から見ると保証できないことが多く、他方、発注側から見ると、契約の目的が達せられないリスクの回避のための方策が求められる。
  • AI開発においては従来のシステム開発やサービス提供と前提となる背景が異なること、またそれらに対する当事者の理解が十分なされていないことから、事後のトラブルが生じる可能性がある。
  • 経済産業省のAI/データ契約ガイドラインでは、AIの技術特性や法律問題等の特殊性を開設したうえで、AI開発に関わる契約の考慮要素などを示す。
  • AI開発において定めるべき知的財産に関する内容として、開発において生じる知的財産「権」(著作権、特許権等)はもちろん、権利として成立しない知的財産(ノウハウ、データ等(学習用データ、パラメータセット等))について契約により取決める必要がある。なお権利として成立しない知的財産については、営業秘密に該当する場合には、適切な管理措置等を行わないと、第三者との関で保護されないため、当事者間で管理方法(セキュリティ措置等)についても定めることが求められる。

資料

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講演模様

  • 講師:田中 理視様

問合せ先

ASPICクラウド研究会事務局
E-mail: seminar@aspicjapan.org
TEL:03-6662-6591