「第16回AIサービス研究会」 兼 「第24回新技術研究会」実施報告
開催日時
令和3年3月17日(水) 15:00〜16:40
主催
ASPICセミナー事務局
講演内容
タイトル
「脳科学とAIの融合が拓く新たな未来
〜クラウドサービス分野への応用を目指して〜」
講師
一般社団法人応用脳科学コンソーシアム 理事・事務局長 萩原 一平(はぎわら いっぺい)様
(株式会社NTTデータ経営研究所 フェロー)
講演概要
ITやAIの発展に伴ない脳科学が急速に進化しています。また、脳科学の進化がこれからの新たなAI開発にとって重要な役割を果たすとも言われています。今、起こっている脳科学とAIの共進化(スパイラルアップ)が創る新たな社会、産業、そしてビジネスの可能性、さらにクラウドサービス分野への応用について語っていただきました。
脳は、脳の神経細胞の数は人間全体のの細胞の0.02%、脳の重さは人間の体重の2%、心臓から送り出される血流量の20%が脳に送られている、脳は体の中で多消費エネルギー器官、脳の消費エネルギー量は20W(アイドリング時)、思考時(+1W)である。囲碁の「アルファGO」は25万Wであり、省エネルギーである。今後、脳の研究を行っていくことは、AIを進化させることにもつながる。将来、日本の電力消費の1/4〜1/3がIT関連の電力消費であり、効率よく省エネルギーで処理することができるようにならないと問題であり、脳の仕組みを研究することが大事である。
ビジネスで知っておくと役立つ脳の10の特徴
@ 無意識
A 快情動と不快情動
B フィードフォワードとフィードバック
C 二つの意思決定システム
D バイアスとヒューリスティック
E 記憶
F トップダウン処理
G クロスモダリティ
H ミラーニューロンシステムとディフォルトモードネットワーク
I 神経化学物質
その中で、特に重要な
@ 意思決定の9割は無意識
A 意思決定は快・不快で実行
B 意思決定に際し必ず予測と結果比較を実施
C その予測誤差は+なら<快>、−だと<不快>
D 意思決定に影響する脳内情報〜様々な認知バイアスとクロスモーダル効果
について、解説されました。
質問・コメント
次のような質問がありました。
- <快>、<不快>はどのようにして調べるのか、脳が感じたものを言語にして出力すると感情が入ることがないのか?
- 脳情報データベースの研究開発、データの蓄積状況は世界と日本の差はどのような状況なのか?
資料:ASPIC会員限定のHPに掲載
講演模様
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萩原一平様の講演の様子
本件問合せ先
ASPICセミナー事務局
E-mail:seminar@aspicjapan.org
TEL:03-6662-6591