ICT政策研究会

第27回 ICT政策研究会
「自治体システム標準化・ガバメントクラウドについて PART1」実施報告

日時

2024年12月4日(水) 15:00〜17:00

会場

Webセミナー(Zoomウェビナー)

講演内容

タイトル

「自治体システム標準化・ガバメントクラウドについて PART1」

講演者

武蔵大学社会学部 メディア社会学科 教授
武蔵学園データサイエンス研究所 副所長
庄司 昌彦 様

講演概要

自治体システム標準化とガバメントクラウド(以下、ガバクラ)の導入をテーマに、自治体や事業者が直面する課題や将来像について説明されました。標準化は自治体間の連携や効率化を促進する一方で、独自カスタマイズの制限、運用コストの増加、移行スケジュールの遅延といった課題が顕在化していること、特に、ガバクラ導入による通信費用やクラウド利用料の高騰が地方自治体に重い負担を与えていることが解説されました。

研究会では、標準化成功の鍵として自治体、国、事業者の緊密な連携が強調されました。移行計画の柔軟性や現場支援の充実が求められる中、参加者は「デジタルが支える持続可能な地域社会」を目指し、地域特性を活かした政策形成と人材育成の必要性を強調しました。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向け、業務の自動化やデータ活用の高度化、すべての住民が恩恵を受ける取り組みの重要性が共有されました。

さらに、総務省の「自治体戦略2040構想」に基づき、労働力不足に対応するため、自治体業務の効率化が不可欠とされました。参加者はこれらの挑戦を乗り越えるための具体的なアプローチを議論し、共通理解の重要性を確認しました。標準化とガバクラに関する課題を具体的に掘り下げるとともに、今後の施策や取り組みの方向性を提示する有意義な場となりました。

Q&A
  • Q1:デジタル庁がデータ連係の標準化に関する方針提示を断念して、事業者間協議で進めろという話があったと思いますが、その後どうなりましたでしょうか?
  • Q2:26年3月までの計画でしたが、先日改訂された標準化基本方針では「26年度以降の移行とならざる得ないことが具体化したシステムについては〜概ね5年以内に標準準拠システムへ移行できるように〜」との記載に緩和されています。政治的な目標であり、見直しの時期にきているとの発言がありましたが、元の計画に向けて努力している自治体やベンダーもいる訳で、先に始めた自治体負けでは納得感がないと感じています。
    このあたりの現場の声は、デジ庁や総務省に届いているのでしょうか。
  • Q3:自治体の業務について標準業務を使ってSaaS化出来ないのは、ベンダーの責任ではなく自治体をまたがって仕様調整する主体と責任がはっきりしていないからではないでしょうか?
  • Q4:ガバクラ運営事業者(AWS、Google、Oracle、Azure、さくらインターネット)間の競争性については、国はどのようにお考えなのでしょうか?
  • Q5:自治体にとって、自治体クラウドとガバメントクラウドの選択は可能ですか。
  • Q6:システム導入に当たり補助金や助成金の支援がありますが、運用部分に対する支援はいかがですか。

講演資料

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講演模様

  • 進行:ASPIC理事 藤井博之

  • 講師:武蔵大学 庄司 昌彦様

本件問合せ先

ASPIC事務局
E-mail:seminar@aspicjapan.org
TEL:03-6662-6591