ASP・SaaSの基本

ASP・SaaSの意味

ASPは、Application Service Provider(=アプリケーションサービス提供事業者)の略語。
SaaSは、Software as a Service(=サービスとしてのソフトウエア)の略語。
1990年代後半から米国を発信源として広まった概念である。

ASPIC(一般社団法人日本クラウド産業協会)
ASPの定義=
『特定及び不特定ユーザーが必要とするシステム機能を、ネットワークを通じて提供するサービス。あるいは、
そうしたサービスを提供するビジネスモデルのこと』と広く定義しており、「ASP」と「SaaS」は同義語とみなしている。

ASP・SaaSの基本的な仕組みを示すと図表の通りとなる。
ASP・SaaSでは、事業者がアプリケーションソフトをデータセンターや自社施設のサーバーに保有する。
一方、中小企業などの利用者は、主にインターネットやVPN(仮想私設通信網)を経由して事業者のサーバーに接続し、アプリケーションソフトをサービスとして利用する。
また、利用者は、ライセンス(使用権)を買い取らず、料金を利用量や期間に応じて事業者へ支払うかたちをとる。

図表 ASP・SaaSの基本的な仕組み

出典:ASP・SaaS白書2009/20105

クラウドコンピューティングの意味

現在(2009年12月時点)、「クラウド」または「クラウドコンピューティング」という用語が、官民を問わず広く使用されつつある。

米国のカルフォルニア大学バークレー校「電子工学およびコンピューターサイエンス学部」が2009年2月に発表した論文の中で行った定義によると、「クラウドは、データセンターのハードウェアおよびソフトウェアのことである」、「クラウドコンピューティングは、SaaSおよびユーティリティ・コンピューティングの集合体のことである」とされている。

ASPIC(一般社団法人日本クラウド産業協会)
クラウドコンピューティングの定義=
ASPICの定義するASP・SaaSには、ユーティリティ・コンピューティングも含まれる。
『クラウドコンピューティングとは、ASP・SaaSの集合体のことである。したがって、クラウドコンピューティングとASP・SaaS(集合体)は同一のものと捉えている。』

図表 クラウドコンピューティングのイメージ図

出典:ASP・SaaS白書2009/2010