最終更新日:2024-09-02
従業員のモチベーションやエンゲージメントを高めることで、生産性の向上や離職率の低下を目指したい方へ。モチベーション管理システムの目的別の選び方やおすすめのシステムについて解説します。
モチベーション管理とは、アンケートなどのサーベイを通して従業員のコンディションデータを収集し、分析・改善することでモチベーションを維持・向上させることを指します。これらのスムーズな実施を支援するのがモチベーション管理システムです。
モチベーションの高い従業員が多ければ会社全体が活性化し、生産性も向上。モチベーション高く働ける職場で、優秀な従業員が定着しやすく、離職率の低下も見込めます。
モチベーションには、大きく分けて、適切な人事評価やインセンティブを利用して外部から働きかける「①外的動機づけ」と、仕事への興味・関心や意欲を引き出すなど、従業員の自発的な行動につなげる「②内的動機づけ」の2種類があります。職場の状況に応じて、これらをうまく使い分けて、モチベーションを管理することが大切です。
マネージャーや人事担当者の感覚的なマネジメントに頼りすぎると、「適切な評価が行われていない」「管理業務が煩雑化している」といった課題が発生しがちです。また、社員一人ひとりの状態をきちんと把握しようとすると、膨大な量の作業が必要に。
しかし、モチベーション管理システムを利用すれば、各人の状況把握のためのアンケート調査やデータ分析、1on1の自動化といった機能で、公平かつ適切な評価・マネジメントが可能になり、担当者の負荷軽減にも役立ちます。
従業員のモチベーション低下が、生産性の低下や離職率の増加、サービスの質の低下など、様々な問題を引き起こしているケースも少なくありません。「なんだか社内の空気が重い」「理由はわからないが生産性が上がらない」「離職率がどんどん上がっている」といった課題を抱えている組織は、モチベーション管理システムが必要な可能性が高いと言えるでしょう。
モチベーション管理システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
モチベーション管理システムの導入目的は大きく3つあり、これらの目的に合わせて導入システムを検討するのがおすすめです。まずは、目的別に主な機能と導入効果を解説します。
モチベーション低下の原因がはっきりわからない場合は、サーベイ（調査）機能に強みを持つシステムがおすすめ。従業員アンケートからモチベーション低下の原因を究明し、適切な施策を立てるのに役立ちます。
1on1ミーティングなど、上司と部下の関係性を強化する施策はモチベーションの向上に有効です。しかし、ミーティングでの議題を把握したり、一人ひとりのステータスを管理したり、ミーティングのスケジューリングをしたりと、運用にかかる負荷は小さくありません。そのため、モチベーション管理システムの機能を使って、効率的にフォロー施策を行うのがおすすめです。
1on1に特化したシステムを探している方は、「1on1ツールの比較14選。メリットや目的別の選び方」の記事もご参照ください。
心理的安全性が高く、承認・称賛文化が根付いている組織では、「この会社/メンバーのために頑張りたい」という高いモチベーションを維持しやすい傾向にあります。そうした組織風土を醸成するには、頑張りに対して目に見える形で承認・称賛を与えられる、福利厚生系（環境づくり）のシステムが最適です。
感謝や称賛のメッセージに加えて、社内通貨などのインセンティブを添えられる機能があると、より高い効果が期待できるでしょう。
また、離職防止対策としてモチベーション管理をしたいと考えている方は、「離職防止ツール比較15選。導入メリットや2つのタイプを紹介」もご参照ください。
モチベーション管理システムの導入検討の段階で、目的のほかに留意すべき3つの比較ポイントについて解説します。
「モチベーション管理」をどこまで人事施策に結びつけたいかによって、選ぶべきシステムが異なります。
たとえば、従業員のコンディション把握や離職予兆の検知に使いたい場合は、手軽にアクセスできるパルスサーベイ機能を搭載した「カオナビ」などが適しています。
一方、改善アクションの実施支援や、多角的なデータ分析による組織診断といった人事施策に活用したい場合は、マネジメント系の機能を備えたシステムがおすすめ。たとえば、タレントマネジメントシステムとの連携により効果的な人材育成・人材配置ができる「EX Intelligence」や「One人事」など。
また「Wevox」のように、エンゲージメントを学ぶためのオンライン講座を提供しているシステムも。
組織の成長フェーズや組織風土、部署・業務の特性などによって、効果的なアプローチの方向性は異なります。フェーズ・目的ごとに解説していきます。
社内の主な課題をまだ把握できていない状態であれば、まずは「Geppo」のようなサーベイに強みを持つシステムを使って現場の声を吸い上げるのが先決です。サーベイはモチベーション管理の基本であり、スコアリングによる施策の効果検証や、同業他社・他部署との比較検証などにも役立ちます。
従業員一人ひとりのコンディションケアやエンゲージメントの向上に注力したい場合は、「WAKUAS」や「TeamUp」のような1on1支援システムが有効。面談のスケジューリングやログの管理などもできるので、現場の負担に配慮した運用が可能です。
マネジメントがある程度うまくいっている状態で、更なるチームワークの向上や理念の浸透を目指すなら、「Agelu」「Unipos」「シナジーHRサンクスツール」といった社員間でポイントやサンクスカードを贈り合う機能のあるシステムが適しています。承認・称賛文化を醸成し、顕在化しにくい「貢献」を見える化することで、心理的安全性を高め、働きがいの向上にもつながります。
組織内の対話の質を高めたい場合には、事前に部下から上司へ1on1で話したいトピックを共有できる「TeamUp」がおすすめ。そのほか、1on1中の発話量を分析し、上司の発話割合が多い場合にアラートを表示することで、上司の喋りすぎをコントロールできるようなツールもあります。
組織の状態のデータ化・スコア化ができても、分析結果を読み解いて目標や改善項目を設定するのが難しいことも。社内だけでPDCAを回せない場合は、専門家によるサポート体制が整っているシステムを選ぶと良いでしょう。
「EX Intelligence」なら、豊富な知見を持つコンサルタントによるサポートが受けられます。分析から具体的な組織改善施策の実行まで並走してくれるので、改善効果が実感できるでしょう。
「Qualtrics XM for People Teams」は、各分野の専門家チームがデザインや分析、アクションプラン・レポート作成などを幅広くサポート。「Wevox」のように社内メンバー向けの学習コンテンツなどをパッケージ化したシステムもあります。
サーベイ機能に強みがあるタイプのモチベーション管理システムをご紹介します。
（出所：EX Intelligence公式Webサイト）
従業員エクスペリエンスに着目した、国内初の組織診断サーベイ（特許取得済み）。
採用から定着、育成、離職まで、ライフサイクルに沿ったサーベイを実施することで期待値と実感値を収集し、そのギャップを可視化。個人と組織の課題を把握し、現場・人事の両面から理想に近づけるための最適な施策を実施することで、離職の防止やエンゲージメントの向上を実現する。同社のタレントマネジメントシステム「HRBrain」との連携によって、より効果的な人材育成・人材配置などの施策の実行も可能。
HRのスペシャリストによる伴走型のサポート体制も魅力。
（出所：タレントパレット公式Webサイト）
人事業務や人事戦略に必要な様々な機能を、ワンプラットフォームで提供するタレントマネジメントシステム。人材データの一元化・分析によって、最適な人材配置や適正評価、有望人材の採用・育成、離職防止など、データに基づく「科学的人事」を支援する。
スマホやPCで手軽に回答できるアンケートによって、社員のモチベーション状況を収集。テキストマイニング技術で回答結果を分析し、離職した社員の発言傾向と現職の社員の発言を比較することが可能。時系列で変化を追いながら、危険な状態にある社員や組織を瞬時に把握し、アラートメールによって早期にフォローできるので、離職防止に役立つ。
（出所：カオナビ公式Webサイト）
人材情報の一元化・見える化を実現するタレントマネジメントシステム。多様な人材情報の管理・分析の他にもモチベーション管理・分析にも強みを持ち、パルスサーベイやアンケート機能を定期的に活用すれば、従業員のコンディションを定点観測して、離職傾向の高い従業員を見つけ出し、早期にフォローすることも可能。
アンケートは用途に応じたテンプレートが多数用意されている他、パーツを組み立てて簡単にオリジナル作成することも可能。回答後の管理・集計もスムーズで手間がかからない。収集したデータは、グラフや表などを用いてわかりやすく可視化できるのもポイント。
（出所：One人事公式Webサイト）
人事労務とタレントマネジメントをトータルでサポートするシステム。あらゆる人材情報を一元管理。従業員がどのような状況にあるかを可視化するためのサーベイ機能にも優れており、社員満足度調査、テレワーク調査、ハラスメント調査、身上調査など15種類のアンケートをテンプレートを利用して簡単に実施可能。回答を上司経由にするか否かの回収ルートや、記名の有無なども設定できるため、柔軟に運用できるのもポイント。取得したデータはグラフなどでわかりやすく可視化されるため分析も簡単。効果的な人事施策につなげることで、モチベーションやエンゲージメント向上が期待できる。
（出所：Wevox公式Webサイト）
アルゴリズムが各人に最適な質問を自動配信し、リアルタイムで分析。「エンゲージメント」を指標に、マネジメント支援や離職率改善をめざす組織診断ツール。
設問パッケージは、エンゲージメント研究の国内第一人者が監修。回答にかかる時間は1回あたり3分と簡便だが、生産性との関係が科学的に証明された「エンゲージメント」を9つの指標で可視化し、改善行動につなげやすいように設計されている。
2,940社以上の導入企業から得た豊富な回答データをベースに、類似業界・規模の他社と自社を比較できるのも強み。
（出所：Qualtrics XM for People Teams公式Webサイト）
組織全体での継続的な改善アクションの実施をサポートする従業員エクスペリエンス管理ツール。AIと自動化の活用によって、従業員の声を継続してヒアリングし、網羅的に把握する。高度な分析によって、自由コメント欄の記述内容から従業員の感情を深く理解。様々なシーンを想定した改善アクションが自動で提案され、管理者はパフォーマンスの最大化につながる注力すべきポイントを正確に把握できる。
各種改善アクションの期日設定や担当者の割り当て、目標達成に向けたタスクの整理、進捗ステータスの管理といった管理機能も充実。全社的かつ継続的な改善活動を支援する。
（出所：Geppo公式Webサイト）
2種類のサーベイで人事における「個人の課題」と「組織の課題」を見える化し、働き方改善を個人・組織の両方から支援するHRサーベイ。
個人サーベイは毎月3つの設問に回答するだけで人事課題が網羅でき、組織サーベイは半期/四半期に1回20の設問に回答することで組織の課題を深掘りすることができる。回答結果と組織・職種・性別などのデータを組み合わせた高度な分析機能や、エンゲージ悪化の要因をすぐに特定できるレポートフォーマットなど、人事業務の支援に役立つ機能が充実。
また、テレワーク環境での従業員のストレスマネジメントにも活用可能だ。
従業員へのフォローを重視するタイプのモチベーション管理システムをご紹介します。
（出所：WAKUAS公式Webサイト）
OKRと1on1を軸にしたパフォーマンスマネジメント支援ツール。従業員一人ひとりの目標とそれに向けた進捗状況を可視化（公開範囲は任意に設定可能）。「フィードバックリクエスト機能」を利用すれば、他の従業員からアドバイスや「いいね」をもらうこともできる。チームとして一体感が醸成され、メンバー間での自発的な相互バックアップが期待できる。
また、ユニークな機能として1日に1回、その日の気分を色で登録する「コンディションチェック機能」あり。個人・組織のコンディションを可視化することで、より適切なタイミングでの声かけやフォローができるようになる。
（出所：Happiness Planet Energize公式Webサイト）
サーベイとAIコーチングで自律した組織作りを支援するマネジメントツール。15年以上のノウハウとデータを活用して設問を3つに厳選しているため、実施時の負担が少ない。週1回の回答に対して、AIがフィードバックをすばやく提供。個人に合った具体的なアドバイスで、自発的な行動を促進する。
上司にはマネジメントガイドを通じて、心理学の理論に基づいて対話を深めるためのキーワードや具体的なアプローチ方法を共有し、部下と1on1の質やマネジメント力を高められる。
また、レポートベースで部下全員の状況を把握できるため、組織課題の特定にも有用だ。シンプルな仕組みと実践的なフィードバックで、社員一人ひとりの挑戦意欲と主体性向上を支援する。
（出所：TeamUp公式Webサイト）
「対話とフィードバックの文化」を組織に定着させるためのクラウド1on1ツール。社内の1on1を見える化することで、人事、経営者、部門長も含めた会社全体での社員フォロー・育成を実現する。
部下から上司へのトピック事前提出機能や、ログの保存、スケジュールの繰り返し設定など、1on1の実施を効率化するための機能が充実。さらに、360度フィードバック機能も搭載しており、客観的かつ公平な評価が可能に。様々な視点からのフィードバックによって、従業員の成長実感につながる、というメリットも。
ログの作成や予定の調整など、1on1ミーティングを効率化するための機能も備わっているので、1on1定着にも役立つ。
組織の環境整備を重視するタイプのモチベーション管理システムをご紹介します。
（出所：Unipos公式Webサイト）
ピアボーナス（称賛のメッセージ＋少額のインセンティブ）を通じて、組織変革を促すWebサービス。
従業員同士はオープンなタイムライン上で、互いの貢献に感謝とポイントを贈り合ったり、誰かの投稿に対して「拍手」で共感を示したり、といったコミュニケーションを取ることができる。こうしたコミュニケーションから「隠れた貢献」が見える化され、心理的安全性の向上や称賛文化の醸成につながる。さらに、企業理念・行動指針を浸透させる「ハッシュタグ機能」が加わることで、部門やチームの壁を超えた信頼関係構築が可能となり、全社的な生産性の向上も期待できる。
Uniposを通じて受け取った称賛はソートして一覧表示できるため、ポジティブな体験を振り返って、モチベーションアップにつなげることも可能だ。
(出所：Agelu公式Webサイト)
SNS感覚で使えるコミュニケーション機能で信頼関係構築を支援するサンクスカード。ありがとうを伝える「感謝機能」、ポジティブな共感を伝える「コメント＆リアクション機能」、近況や独り言を投稿できる「つぶやき機能」と、シンプルな機能を搭載。メッセージはもちろん、チップや絵文字などを、スマホやWebブラウザで手軽に送り合えるため、利用を継続しやすいのもうれしい。称賛や共感、普段交流の少ないメンバーの人柄や関心事を社内全体でオープンにすることで、心理的安全性を高めてエンゲージメント向上につなげられる。
管理画面では、メンバー同士のつながりを表示する「相関図」、メンバーの利用状況を可視化する「ダッシュボード」も搭載。普段の活躍やメンバーからの評価を把握することで、フォローやマネジメントにも活用できる。
（出所：THANKS GIFT公式Webサイト）
「ありがとうカード」や「オリジナル理念コイン」を活用し、組織と従業員の相互理解を深めることができるコミュニケーションプラットフォーム。「理念の浸透」「承認・称賛文化の醸成」「部署間の連携強化」によって、強固な組織づくりを目指す。
上司部下や従業員同士で「感謝」「称賛」を伝え合える「ありがとうカード」は、顕在化しづらい貢献を見える化し、心理的安全性を高めるのに役立つ。また、「オリジナル理念コイン」は、理念に沿った行動に対して贈り合うことができ、企業理念の浸透や企業文化の醸成、行動規範の浸透による自律的行動の促進など、様々な効果が期待できる。
（出所：シナジーHRサンクスツール公式Webサイト）
クラウド上でサンクスカードを贈り合い、社内の感謝や称賛を見える化して、「働きがい」を醸成するコミュニケーションツール。集まったサンクスカードは、クラウド上で自動集計されるため、効率的な集計作業が可能に。紙でサンクスカードを運用している場合は、本サービスに移行することで、運用負担を大幅に軽減することができる。
「サンクスツール」のほかにも、人事関連の様々なオプションツールを備えており、人事業務を幅広く効率化。たとえば、従業員のスキルを可視化する「スキルツール」、自社の評価制度の運用を効率化する「評価ツール」、1on1や定期面談などの面談内容を記録・共有する「面談ツール」、掲示板やアンケートなどで従業員の声を簡単に収集する「意見ツール」のオプションツールなどを、自由に組み合わせて利用できる。
（出所：TUNAG公式Webサイト）
社内のコミュニケーション設計を改善し、エンゲージメントを高めることで会社の成長を支援するエンゲージメント経営プラットフォーム。「会社の情報」と「従業員」が自然と集まるリビングのような環境をオンライン上に構築し、コミュニケーションの活性化とエンゲージメント向上を実現する。
タイムライン上では、社内報や販促情報、お客様の声など、様々な情報のやり取りが可能。さらに、各社の課題や状況にフィットした柔軟なサービス設計ができるため、大手企業から中小企業、ベンチャー企業も含めた400社以上で導入されている。幅広い業種を対象とした豊富な導入ノウハウを活かした、導入支援サービスも心強い。
サンクスカードツールについては「サンクスカードアプリ比較11選。メリット・デメリットや選び方」でも詳しく解説しています。
「モチベーションは自分で管理するもの」というイメージがまだまだ強いですが、組織全体でモチベーション管理に取り組めば、生産性の向上や離職率低減といったメリットが得られることがわかってきました。更に、モチベーション管理システムは心理的安全性を高めたり、社員同士のコミュニケーションを促進したりと、組織風土の改善にも役立ちます。
また、モチベーション管理システムを導入することで、マネジメント業務や人事業務の効率化も可能に。管理職のマネジメントスキルアップに役立つものもあります。自社組織の成長フェーズや導入目的に合わせて、適切なシステムを導入することで、従業員と組織両方の成長が期待できるでしょう。
モチベーション管理システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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