運営するWebサイト・アプリで、利用率や購入率の改善を目指したいと考えている方へ。Google Anayticsなどより高精度な分析が可能となる、プロダクト分析ツールの機能や導入メリット、おすすめのツールについて解説します。
プロダクト分析ツールとは、自社のWebサービスやアプリを利用しているユーザーの行動を把握・分析し、購入率や継続率の向上を目的としたアクション実施を支援するためのツールです。
対象となるデジタルプロダクトは、SaaSのようなサブスクリプションサービスやECサイトも含みます。また、Webやアプリなどから得られるオンライン上のデータだけでなく、POSなどのオフラインデータを分析することも可能です。
Google AnalyticsやBIツール(たとえばTableau)などでも、ある程度の分析は行えますが、ユーザーの動向を細かく分析するには、データエンジニアやデータサイエンティストのサポートが必要に。しかし、プロダクト分析ツールを使えば、プロダクトチーム自身で詳細な分析を行えるため、ツールの導入が増えています。
プロダクト分析ツールを使うことで、できるようになる様々な分析機能について解説します。
パワーユーザー(積極的に利用しているユーザー)と一般ユーザーの行動パターンを比較し、その差異を活用する分析方法。
サインアップ後や導入前といったイベントの前後のユーザー行動を特定し、まずはパワーユーザーの行動パターンを見つけます。そして、一般ユーザーの行動パターンと比較することで、「一般ユーザーがどこでつまずいているのか」が見出せるのです。そこから、機能の改善ポイントやパワーユーザーの育成方法を導き出すことができます。
「商品購入」「クーポンタップ」といったイベントごとのCV率から、顧客の属性や行動プロセスを分解し、CVに至る購買行動や、CVに至らない場合の離脱プロセスを測定します。
ファネル分析を行うことで、CV率の向上に加えて、離脱率の高いイベントの特定やペルソナ設定の精度向上といったメリットが期待できます。
リピーターやロイヤルカスタマーを育成するための、施策立案に役立てられる分析手法。
Webやアプリへのユーザーの再訪頻度を見える化し、グループごとの定着率などを比較します。広告キャンペーン実施や新機能リリースの際に、ユーザーの再訪問率の変化を測定し、どんなアクションがリピートにつながるのかを把握。不要な施策を減らすことで、広告の費用対効果の向上が期待できます。
コホートとは、共通因子を持つ観察対象のグループを指す言葉。ユーザーの行動や属性をもとにグループ(コホート)を作り、各コホートの変化を観察したり、他の属性のコホートと比較したりすることで、ユーザー特性にあった施策を立案するのに役立てられます。Google Analyticsでも、コホート分析を行うことができます。
「SNS開始時に●日以内に●人以上とつながると、継続率が高くなる」など、ユーザーが特定のアクションを規定回数以上行うと、サービスの継続率や課金率などが向上する数字のことをマジックナンバーと呼びます。
プロダクト分析ツールを使って、適切なマジックナンバーを設定すれば、どのようなアクションをユーザーに促せばいいかが明確に。キャンペーン施策などの企画立案に役立てられる機能です。
プロダクト分析ツールの主な導入メリットを3つご紹介します。
Google AnalyticsやTableauといったツールでも、ある程度の分析を行えますが、プロダクト分析ツールを使えば、さらに詳細な分析が可能に。DAU(Daily Active User)、WAU(Weekly Active User)といった、Google Analyticsでも確認できる数値だけだと分からない変化も、プロダクト分析ツールならキャッチできます。
たとえば、「Amplitude」のスティッキネス機能は、ある機能がどのぐらいの頻度で利用されているかを、チャート形式で表示。アプリ起動以外のユーザーアクティビティを測定することができるのです。
キャンペーン実施の3カ月とキャンペーン未実施の3カ月の課金状況を測定したり、「新規ユーザー」「既存ユーザー」「新規ユーザー×購入経験あり」といった属性ごとに分析を行ったり、といったことも可能。ユーザーにとって不要な機能を見つけたり、適切なキャンペーンを実施できるようになったりと、様々な効果が見込めるでしょう。
施策を行った結果、どういった効果が得られたのか、ユーザーはどんな行動をしたのか、といったフィードバックがすぐに得られるため、次のアクションが起こしやすくなります。スピーディにPDCAを回せるので、施策の改善がスムーズに。
SQLを使ってデータを取得する手間も省けますし、エンジニアやデータサイエンティストの人的リソースをクリエイティブな作業に充てられるようになります。
プロダクト分析ツールを使わずにデータ分析をしようとすると、エンジニアに取得してもらったデータを、専門チームに加工してもらうなど、人的リソースと工数がかかってしまいます。
しかし、それらの手間を省いてデータ分析ができるようになれば、プロダクトに関わるすべての人がすぐに分析データを見られるように。すると、施策実行のスピードアップに加えて、プロダクトの改善・成長に役立つ様々なアイデアが集まる、などの効果が期待できます。
様々な分析手法に対応したおすすめのプロダクト分析ツールを3つをご紹介します。
(出所:Mixpanel公式Webサイト)
フィンテック、EC、サブスクリプションサービス、SaaS、メディア、ゲームの業種など、世界26,000社以上の企業で導入されている分析ツール。プログラムを使わず、気になるデータを自由に操作し、データ値が上昇・下降したときの原因を探ることができる。フロー分析やファネル分析、リテンション分析など、様々な分析方法に対応。
ダッシュボードを使用すれば、プロダクトの主要パフォーマンス指標をすべて1カ所でモニターできるので、チーム全体が最新の数値をもとに意思決定を行える。ダッシュボードはいくつも作成できるので、目的に合わせて使い分けることも。
AWSやAzure、mParticleといった外部サービスとのシームレスな連携も可能。
(出所:Amplitude公式Webサイト)
世界45,000、国内1,000サービス以上で導入されているプロダクト分析ツール。世界トップクラスのアナリストたちが利用する最先端グロース向け分析テンプレート(14種類)を提供し、スピーディかつ精度の高い課題抽出を実現している。
Webやアプリのデータに加えて、店舗などのオフラインデータを統合し、クロスチャネルでユーザーの行動を可視化することもできる。分析業務をチームで共有し、今まで数日〜数カ月かかっていた作業を数分で完結。工数削減のために諦めていた分析にも着手できる。
また、チャート機能を使えば、分析数値を掛け合わせ経済効果の見積を算出可能。具体的な数字を提示することで、新しい施策の狙いや効果をわかりやすく示すことができる。
月間1,000万イベントまでなら無料で使える。
(出所:Heap公式Webサイト)
定量分析と定性分析を組み合わせて、より良い顧客体験を提供するための方向性を示す、デジタルインサイトプラットフォーム。Web、iOS、Androidにまたがるユーザーの行動全体を自動的にトラッキングし、プロダクトに関する様々なユーザーアクティビティを自動収集して、レポート化するのが最大の特徴。集まったデータはダッシュボードに集められ、主要な指標や重要なレポートを一元管理できるように。イベントビジュアライザー機能を使えば、社内でのデータ共有が可能となる。
コホート分析やリテンション分析、ファネル分析などに対応。分析プロセスの最適化によって、エンジニアの作業工数削減にも貢献する。
SaaS企業だけでなく、EC事業者や金融機関など、様々な業界で導入されている。日本語版がリリースされていないので、導入するには英語の知識が必要。
特徴的な機能を搭載した、プロダクト分析ツールを3つご紹介します。
(出所:Pendo公式Webサイト)
「ソフトウェアで世界のプロダクト体験を向上する」をミッションに掲げるプロダクトプラットフォーム。プロダクトにおけるユーザーアクティビティを把握するための分析機能、オンボーディングと定着化を向上させるためのアプリ内ガイド機能、改善すべき事項を管理・優先順位づけするフィードバック機能を備えている。
分析機能では、Web、モバイル、社内アプリ全体でのユーザーの行動を自動でトラッキンすることが可能。ユーザーがよく使っている機能、使われていない機能などを把握し、プロダクトの改善に活用できる。専門的なスキルがなくても分析機能を使いこなせるので、チーム全体でのデータ・インサイトの共有が可能に。
一番の特徴はアプリ内ガイド機能。ユーザーがプロダクトを使いこなすための、オンボーディングガイドを設定。コード不要なので、エンジニアのサポート無しでアプリ内ガイドを導入でき、よりよいカスタマーエクスペリエンスの提供に貢献する。
(出所:LogRocket公式Webサイト)
ユーザーがWebサービス・アプリ上でどんな行動や操作をしたのかを記録し、そのログをユーザーエクスペリエンス改善のために活用するプロダクト分析ツール。特徴は、すべてのユーザーアクティビティを記録し、ピクセル単位で操作を再現できること。ユーザーの離脱ポイントと要因が明確になるので、どのアクションがファネル(ボトルネック)になっているのか把握するのに役立てられる。
ユーザー別のセッションを検証して、課題の解決やユーザーエクスペリエンス改善のための意思決定をサポートする。高性能ながらもサイトやアプリの動作が重くなることはない。より深い顧客理解によるCV率の向上や、顧客体験の最適化など、様々なメリットが期待できる。リリースは英語版のみ。
(出所:fullstory公式Webサイト)
オンライン上でのユーザーの行動を記録・分析し、ユーザーエクスペリエンス向上を目指すプロダクト分析ツール。デジタル上での、ユーザーエクスペリエンスに必要な情報を自動的にインデックス化し、ダッシュボードからすべてのチームメンバーがアクセス可能な状態にすることで、適切な意思決定をサポートする。ユーザーがプロダクト内でたどる経路を動画で可視化するので、データ上では見逃されがちな些細なボトルネックも見逃さない。
ユーザーの注目ポイントを可視化するヒートマップや、クリックした箇所がわかるクリックマップ、特定のスクロール深度に達したセッションの割合を計算するスクロールマップなど、ユーザーの動きをビジュアル化する機能が充実している。また、カスタムコンバージョン分析やファネル分析といった、迅速な分析・意思決定に役立つ機能や、Slack連携などチームのコラボレーションを促進する機能も多数揃う。リリースは英語版のみ。
「自社のデジタルプロダクトが伸び悩んでいる理由がわからない」「効果があやふやなまま広告施策を打っている」「プロダクト分析にかけているコストが割に合わない」。Webサイト・サービス、アプリの開発に関わる多くの人が、こうした悩みを抱えているはずです。
これらの悩みを解決し、プロダクトの効率的な成長をサポートするのが、本記事でご紹介したプロダクト分析ツール。用意されている分析テンプレートの種類や、日本語対応の有無、どんなデータを取得できるのか、といった条件を参考に、自社に最適なツールの導入を検討してみてください。
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