最終更新日:2024-10-22
工場での設備異常を防ぐための取り組みを効率化させるため、専門システムの導入を検討している方へ。AIやセンサーを活用した異常検知ソリューションのタイプや、おすすめのサービスをわかりやすく解説します。
異常検知ソリューションとは、AIやセンサーなどの活用により、機械や設備の異常予兆を自動的に検知するシステムです。
製造や生産の現場における従来の異常検知は、熟練者の経験や勘に頼るところも多く、作業の抜けもれや人的ミスにより、検査品質が不安定になりがちです。また検査における工程が複雑化することで、作業者の負荷やリスクが大きくなるといった、生産性の低下に直結する課題も挙げられます。
異常検知ソリューションは、設備やシステムに取り付けた各種センサーで収集した情報をクラウド上に蓄積し、AIなどを使って異常の予兆などがあるかどうかを分析。予兆を検知した際にはメールなどでアラートを発してくれます。
作業時間の記録や集計、分析を自動で行なってくれるシステムを選べば、作業効率の向上、作業員の負荷軽減も実現できます。
異常検知ソリューションは以下のような、様々なシーンで利用されています。
生産性の向上 | 異常の早期発見・復帰だけでなく、異常になる前の予兆段階で把握することにより、設備の生産停止を防止。それによる歩留まりの改善、設備稼働率の改善など。 |
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品質の担保・改善 | 稼働の有無だけではなく、状態を細かく観察することで、設備の位置のずれや調整不良なども見つけ出すことが可能。それによる品質の担保・改善などが見込める。 |
メンテナンスの効率化 | システムによっては、状態異常監視だけでなく、定期的に行われる点検作業の管理に対応したものも。それによりスケジュール管理や点検記録のデータ管理などの効率化が期待。 |
運用の属人化解消 | 「なんか変」など、熟練者の経験や勘に依存していた状態監視を数値に置き換えて監視することで運用を標準化。閾値なども運用を通じて細かく調整できるため安心。 |
人員・コストの最適化 | 監視作業をシステムにより自動化することで、検知作業に割いていた人員をより生産性の高い業務に配置できるように。また異常の早期発見により、損害を最小限にとどめられるほか、予防保全により設備のメンテナンスコスト削減にもつながります。 |
導入に際しては、個別に分析モデルを用意してチューニングしていくことになります。
まずは課題や利用方法に合わせて分析モデルを用意し、最低1〜2カ月データを蓄積。そのデータをAIに学習させることで、何が異常に当たるのかを特定できるようにします。
その後、テスト分析でモデルのチューニングを実施し、精度を向上させます。導入初期に多い検知もれや誤検知を、徐々に減らしていくイメージです。
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異常検知ソリューションを、4つのタイプに分けてご説明します。
生産設備などに取り付けたセンサーのデータをもとに異常の予兆を検知するタイプ。音声や画像、動画などのデータを収集・可視化して検知につなげます。
「MONiPLAT」はTBM(定期保全)とCBM(状態基準保全)の2つのソリューションを展開。併用することで、現場での人手による点検作業、センサーなどを用いた設備状態の監視、双方の管理をワンシステムで効率的に行えます。CBMは、専属スタッフが対象設備へのセンサー設置や接続テスト、閾値設定などもサポートします。
「Impulse」は、機械学習技術の実用化を目的に開発されており、従来の閾値ベースの管理では発見できなかった障害や故障予兆の検知、不良品の検出、作業工程の確認・分析、要因の追究など、これまで対応困難であった業務課題に対してもアプローチ可能。予知保全・故障予兆検知をはじめ、設備診断・劣化診断、特定した要因の制御最適化の支援など、幅広い領域に適用できます。
システムの監視に強みを持つタイプ。たとえば「@DeAnoS(アットディアノス)」は生産設備の監視などもできますが、サーバーやネットワークなど、システムの機器の監視も得意です。CPUやメモリなどのリソース使用率、Syslogなどのログなどだけではなく、センサーで取得したシステムの状況も監視できます。
AI画像解析を使って、カメラ映像に映っているものに異常がないか確認するタイプ。たとえば警備向けの「icetana」では、不信行為や破壊行為などの異常な行動を捉え次第アラートを発し、監視員が対応の要否を判断する流れになっています。既存の防犯カメラシステムとの接続も可能なため、広範囲の状況認識を効率よく行えます。
また、「Impulse作業分析アプリケーション」は、工場での作業者について、作業ステップの抜けや作業手順の誤りがないかなどを検知することもできます。人の手に頼らない機械学習モデルで安定した作業分析を継続的に実行できることで、分析・監視の業務負荷を大幅に低減できます。
音で異常を検知するタイプ。「Monone®」ではAI が機械の音を学習し、正常時の音圧(音の大きさ)や周波数をAI によりモデル化して、正常音に対する乖離を判別しリアルタイムで異常を検知します。異音検知を自動化したい、音による完成品検査を定量化したい、といったニーズに応えます。
株式会社エスユーエスの 「異常検知/設備等の非破壊検査」は音データを画像化し、ヒートマップで視覚的に不良箇所を把握できるようになっています。
4つのタイプ別におすすめの異常検知ソリューションをご紹介します。まずは機械・設備監視向けのツールから。
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(出所:MONiPLAT公式Webサイト)
異なる設備監視をクラウド上で一元的に管理できる設備点検ソリューション。異常を示す挙動は、設備の振動、作油センシングなど設備によって異なるが、設備ごとに最適なソリューションの選定・センサーの設置、更に初期設定や設備の登録、状態異常の通知メール設定まで代行してくれるのがポイント。登録後はWeb上で遠隔からリアルタイム監視。状態がグラフやメーターなどでわかりやすく可視化され、状態異常の予兆まで検知可能。料金はセンサーや通信ユニットなどの月額利用料のみのため、コストを抑えて利用したい場合にもおすすめ。
スマホアプリを使って現場点検を効率化するTBMは、20設備まで無料で利用することが可能。500社以上で登録されている。
(出所:Impulse公式Webサイト)
最新のAI技術によって故障予兆・稼働監視を自動化・高度化する、製造‧⽣産現場向けの異常検知システム。高度な分析技術を持ったデータサイエンティストだけでなく、より幅広いユーザーが利用できるプラットフォームを目指し、機械学習技術を容易に導入・運用するためのアーキテクチャや機能を備えている。
最大の特徴は特許を取得した異常検知モデル構築装置、 異常検知モデル構築方法及びプログラムであるオートモデリング機能。複雑で膨大なデータの特性を自動的に分類し、標準アルゴリズムを用いたシミュレーションにより、最適な分析モデルを導き出してくれる。機械や設備の不具合・故障につながらないよう、センサーなどから取得したあらゆる稼働データをAIによって多角的に分析・検知。監視コストを削減するだけでなく、これまで人間では検知できなかった異常を、AIの力で見つけ出せたという実績も。
(出所:AIOTICA公式Webサイト)
マルチインターフェース対応で、多様なセンサー・機器と接続できるIoTプラットフォーム。アナログ・デジタルを問わず、温度・湿度センサー、照度センサー、流量センサー、CO2センサー、磁力センサー、PLC制御盤などに幅広く対応し、無線・有線いずれのネットワークでも検知データの収集が可能。農業や畜産業、医療介護、工場、環境モニタリングなど、幅広い領域に対応する。高度なダッシュボードを搭載し、異常検知やアラート管理はもちろん、ニーズに応じてデバイス制御や自動化作業などの機能の付与・一元管理も可能だ。
IoTプラットフォームのため、企業ニーズや運用課題に合わせてフルカスタマイズが可能。短期間かつ少量のプログラミングで導入でき、IoT利用がはじめてでも設計や開発、運用などをワンストップでサポートしてくれるのも心強い。
(出所:AdaWatcher®公式Webサイト)
モノづくりの現場の検査工程、製造工程で活用される、異常検知AI技術を活用したプロダクトの一つ。動画異常検知プロダクトである「AdaWatcher®」は、正常状態を動画で学習し逸脱した挙動を異常としてリアルタイムで検知可能。一般的な対象認識AIでは難しい現場の異常検知シーンで活用されている。具体的には、金型破損を防止としたプレス機へのワークロード状態や、バイオマス発電所における木材チップ供給コンベアの監視、ゴミ焼却炉の燃焼コントロールといった事例が挙げられる。
そのほかにも、静止画異常検知プロダクト「PTDetector」、画像検査プロダクト「AdaInspector® Cloud」などを展開。いずれのプロダクトも、GPU不要で通常のPC上で実行可能となっている。
(出所:BiG EYES公式Webサイト)
製造現場に特化したオンライン異常予兆検知システム。過去の操業データをビッグデータとし、正常な振る舞いをAIが学習。学習結果を使用し、センサー値の小さな異常予兆を高精度に発見。工場や建物のプロセス、設備、製品品質、排水や大気などといった環境変数を常時オンラインでモニタリングし、いつもと異なる動きを予兆の段階で検知する。
シャットダウンメンテナンス(定修)、計器キャリブレーション(校正)、手動介入、CIP・SIPなど、製造現場を知り尽くした機能が満載。既存の制御系(DCS、PLC、SCADAなど)とOPCを介して簡単につながり、異常予兆監視を始める。データサイエンティストのような専門家は不要で、各部門の担当者が自ら簡単に機能構築と運用維持できるのも魅力。電力、ガス、石油精製、石油化学、機能性化学、医薬品、食品、水処理、焼却炉、熱源機など、幅広い分野で活用されている。
続いては、システム監視に強みを持つタイプです。
(出所:@DeAnoS公式Webサイト)
NTT研究所が開発したディープラーニング技術に基づく異常予兆検知技術”DeAnoS®”を搭載し、複雑なシステムや設備の異常を事前に検知するAIパッケージ。閾値ルールなどの保守者の経験や、設計に基づく従来の異常検知方式では対応の難しかった「異常の判断」や「異常の要因推定」、「潜在的な未知の障害の発見」を深層学習(ディープラーニング)により解決へ導く。
多数の監視項目を一度に分析するだけでなく、異常の主要因も推定可能。異常箇所の切り分けにかかる時間を削減し、異常の影響を小さくできる。統合運用管理ソフトウェアとの連携はもちろん、RPAツール「WinActor」との組み合わせにより、自動化適用領域が拡大できる。設備保守運用現場の一層の業務効率化・DXを促進したい方にもおすすめ。
続いては、カメラ解析に強みを持つサービスです。
(出所:icetana公式Webサイト)
警備の現場で抱える課題を解決する異常検知ソリューション。あらゆる異常やその予兆を防犯カメラ映像から発見し、監視業務・巡回/立哨警備の省人化を実現する。
AI画像解析技術を活用した防犯カメラのサポートシステムで、カメラ映像から異常となり得るあらゆる事象の発見を支援。監視員はicetanaが検知した映像のみを確認することで対応要否を判断できるため、無駄な対応を減らし、効率的な監視・運用が可能となる。画素(ピクセル)の集合の「位置・濃度・動きの方向・速さ」の時間帯ごとの学習、人・物体や事故・事件など特定のモノ・事象は非識別する、平日と休日を区別して学習するなど、柔軟な機械学習が可能。
そのほか、ChatGPT連携でレポートの自動作成にも対応しており、事件報告の効率化も図れる。
(出所:Impulse作業分析アプリケーション公式Webサイト)
約21,000ものモデル運用が稼働している「Impulse」のアプリケーション。AIを利用した動画認識技術により、作業の品質監視やパフォーマンスの分析を自動化。数多くの現場で鍛え上げられたアルゴリズムに加え、録画・モデルの学習・判定・見える化までを一元化する。
認定カメラ、PLC連携による作業の自動録画や録画データの検索により、現場のトレーサビリティを強化。また、作業時間の計測に加えて、異常検知技術を応用した作業品質の監視も可能。判定結果の集計・見える化を行うダッシュボード機能を提供しており、日々の改善業務に簡単に取り入れられる。悩みがちなカメラ設置・精度のチューニング、日々の運用までを専門の技術者がサポートしてくれるので、継続的な運用を促進できる。
最後は、音を使って異常を検知するサービスです。
(出所:Monone®公式Webサイト)
モノの状態を数値として見える化する異音検知ソリューション。ノウハウを持つ熟練者のようにAIが「モノ」の状態を自動的に聴き分け、装置の状態監視や製造品の品質検査、予防検知につなげる。遠隔監視を行うシステムでは、装置の音をAIが機械学習し、稼働状態を監視。学習したデータはフィールド端末に反映され、異常があった場合は管理者にアラートが通知される。ほか、オンラインタイプで計測するシステムなどニーズに応じたシステムタイプを用意している。
時間や場所を選ばず自動で異音検知を行い、保守業務の効率化に貢献。装置の状態を定量的に測定し、コンディションによるメンテナンスの目安とすることで、装置の状態を把握することも可能。⾵⼒発電機の遠隔監視サービス、重機のエンジンの健全性チェック、ポンプの動作不良の確認、⽳あけ機の⼯具摩耗状態の検知、⾷品機械や電動シートの製品不良のチェックなど、活用シーンは多岐に渡る。
(出所:異常検知/非破壊検査公式Webサイト)
エンジニアリング、研究開発などを手がける運営会社が提供するAIソリューションサービスの一つ。製造現場での異常音データをAIが感知し、独自の技術であるヒートマップによって不良箇所を可視化するシステム。
音データは画像化され、直感的なデータ確認が可能。また、音データに前処理を⾏うことで異常検知アルゴリズムに適⽤。音検査という属人性の高い工程を自動化することで、作業者の負担や人件費などのコストを軽減する。更に故障による思わぬダウンタイムを防止することで、安定稼働につなげる。「貯まった設備の稼働データを活用しきれていない」といった悩みを解消したい方にも。
そのほか、AIを活用して、良品/不良品を自動判定する「画像診断/外観検査」も。ディープラーニングを用いた異常検知により、不良品画像データが少なくても対応可能となっている。
異常検知ソリューションの導入によって実現できることや活用シーン、4つのシステムのタイプをご紹介しました。
利用したいシーンや検知の対象(画像・音)を明確にした上で、業種やニーズに合わせた最適なツールを絞り込んでいきましょう。
異常検知ソリューションの導入することで、効率や生産性が上がるだけでなく、それまで同様の業務を行っていたスタッフがよりクリエイティブな業務に集中できるようになります。AIだからできることと人間にしかできないことを上手に組み合わせて、DXを促進していきましょう。
異常検知ソリューションをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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株式会社バルカー
異なる設備の定期点検や状態遠隔監視を一元管理できる設備点検プラットフォーム。点検のスケジュール管理・記録管理をスマホ・タブレットを使って効率的に行えます。...
ブレインズテクノロジー株式会社
機械や設備などの故障予兆検知・稼働監視など、予知保全の取り組みを最新のAI技術によって自動化・高度化。故障・停止のリスク低減、現場負担の軽減、技術伝承に貢献。...
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