最終更新日:2023-09-11
毎月膨大な請求書の発行や代金の回収に苦労しており、請求業務のアウトソーシングを検討しているBtoB企業の方へ。請求代行サービスの特徴と内容、導入するうえでの比較ポイントについてご紹介します。
請求代行サービスとは、企業間の取引における請求書の発行・封入・発送、与信審査、代金の回収、入金確認といった業務を代行するサービスのことです。
請求業務は、主に社内の経理部門が行います。業務が集中する月末や月初のタイミングで請求書を作成し封入や発送を行うと、担当者の業務負荷が増加します。
また、企業規模や組織の役割分担によっては、営業担当者が自分で請求業務を行うこともあります。属人的な作業になってしまうため、請求漏れや回収漏れといったトラブルが発生する原因になりかねません。
請求代行サービスは、これらの業務負担を軽減し、担当者の業務を効率化するためのソリューションです。請求書の発行から発送だけでなく、代金の回収や入金の確認まで代行してもらえるサービスも多く、売掛金の入金保証を行っているサービスもあります。
中には、請求データをシステムにアップロードするだけで請求代行を開始できる手軽なサービスもあります。こうしたサービスを利用することで、システム上で回収状況を確認でき、担当者の回収業務の効率化や負担を軽減できるでしょう。
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請求代行サービスを導入するメリットについて、主に以下4つが挙げられます。
請求代行サービスを導入するきっかけの多くは、業務の負担が重くなり、軽減させたいと感じることです。取引先が増えるにつれて、請求書の作成、印刷、封入、発送、入金確認といった間接業務も必然的に増加し、煩雑化します。
請求代行サービスでは、これらの業務を一切任せることによって、その工数にかかる負担が大きく軽減されます。自社でやるべきことは、請求に関わるデータの作成のみで済む場合がほとんどです。経理部門の負担軽減はもちろん、営業担当者が顧客へ督促する必要もなくなります。営業担当者が本来の業務に集中できる環境を整えることで、営業活動の効率化にもプラスの影響を及ぼすでしょう。
請求書を発行・発送しても代金が未回収であれば、請求書の再発行や督促といった業務がのしかかってきます。請求代行サービスの中には、未回収金の保証が付いたタイプもあります。
売掛金の未回収リスクや、支払い遅延に対するリスクを回避できる点が大きなメリットになります。ただし、未回収金の保証はサービス提供会社の審査を経て、適切な債権と判断されたものだけが対象になります。すべての未回収金が保証されるわけではないという点に留意しておきましょう。
手作業による請求書の発行や発送で注意したい点は、請求ミスや誤送付などのヒューマンエラーです。消込ミスや確認ミスによって入金済みにもかかわらず取引先へ督促してしまった場合、企業の信頼を大きく損なうリスクがあります。
請求代行サービスを活用することで、こうしたヒューマンエラーによる致命的なミスの抑制につながります。取引先に対して、より正確に請求を届けられるようになり、請求時のトラブルを回避できるでしょう。
支払い方法を多く用意することは、取引先の要望に柔軟に応えられることにほかなりません。支払い方法が限定されていると、取引自体を進められないケースがあります。決済手段が充実している請求代行サービスを利用することは、取引先の拡大にもつながるでしょう。
また、請求代行サービスに「与信管理」があれば、取引先の与信審査や反社チェックを代行してくれます。そのため、新たな取引先や既存の取引先との今後の取引継続が問題ないかどうかの判断材料として活用できるでしょう。
請求代行サービスを検討するうえで、どんな点に注目すればいいのかといった、比較のポイントを以下の4つにまとめました。
請求書を発行してから入金がない場合、未回収分の入金を保証してくれるかどうかはまず確認しておきたいポイントです。ほとんどのサービスに入金保証が備わっていますが、中には入金保証の有無を選べるサービスもあるため、自社の与信管理体制などを踏まえ、必要に応じた機能を選びましょう。
また、入金保証に対応している場合、取引金額に応じて企業が負担する手数料が変動します。サービスの利用方法によっては手数料のパーセンテージが高くなることもあり、利用総額が膨らんでしまう場合があります。実際に想定される費用を事前にしっかり試算しておくことが重要です。
1件あたりの請求額が大きくなる場合、取引可能な金額の上限を確認しておく必要があります。たとえば、「NP掛け払い」では１社につき月に最大300万円、「Paid」では月に1,000万円といった上限金額があります。また、「SAGAWA B2B決済サービス」では、取引先ごとに利用限度額を個別設定できるようになっており、細かく設定を行うことができます。
単発での請求書の作成だけではなく、サブスクリプションサービスのように、毎月定額でかかる請求を自動的に作成できるかという点も確認しておきましょう。サービス利用料や保守費用、定期購入などの形でサービス提供している場合には確認すべき機能です。
たとえば、「Paid」では取引先の情報を登録し、CSVで一括アップロードすることで請求金額や請求日などの請求プランを登録すれば、自動的に毎月代金を請求してくれるオプションプランがあります。
自社で運営している販売管理システムやSalesforceのようなCRMツールなどを既に導入している場合、システム内にある顧客情報や販売情報を連携できることもあります。システム連携によって入力や管理の手間を減らしたい場合は、API連携に対応したサービスであるかも確認しておきましょう。
たとえば、「マネーフォワードケッサイ」では連携用のAPIを公開しており、基幹システムや販売管理システムのデータベースと連携できます。請求先や請求情報などの取り込み、取引先の与信審査結果の確認、また入金状況の確認や請求書の再発行などに対応しています。「Paid」でも、BカートやMake Shop、ECBBといった各種のECサイト向けサービスと連携が可能です。
こちらでは、おすすめの請求代行サービスをピックアップしてご紹介します。
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（出所：Paid公式Webサイト）
請求業務の手間と未回収リスクをゼロにするBtoB/企業間の後払い決済サービス。請求代行と未払い時の保証がセットとなったサービスで、取引先の未払い時は、支払いの100%を保証。与信審査、請求書発行、代金回収、入金管理、督促まですべての請求業務を代行する。
初回登録時に「取引先」に対する審査を行い、毎回の審査が発生しないため、継続取引に強い点が特徴。会社・部署・担当者ごとなど、請求単位を柔軟に変えられる、専用ページから請求情報をインターネットで確認できるといった、取引先にとってのメリットもある。
（出所：マネーフォワード ケッサイ公式Webサイト）
請求業務にかかるすべてのプロセスを代行してくれる請求業務代行サービス。請求書発行・代金回収だけでなく、与信審査や入金管理、督促、消込まで業務負担を全体的に改善できる。与信審査・取引審査は機械学習の活用によって最短数秒で完了。審査を通過した取引は入金を100％保証されるため（※所定の条件を満たした場合に限る）、未回収・貸倒によるリスクを削減できる。
それ以外にも、本サービスを利用すると自動で同社の請求管理システム「マネーフォワード ケッサイ インボックス」を無料で利用可能。請求・受発注・顧客管理・会計システムなどの基幹システムとの外部連携にも対応。インボイス制度・改正電子帳簿保存法にも対応可能など嬉しいポイントが多数。
（出所：掛売決済公式Webサイト）
取引先選択・請求書を発行するだけで、与信審査・代金回収・入金管理・督促など一連の掛売業務をアウトソースできる請求代行サービス。「マネーフォワードケッサイ」と連携して振込専用口座での代金回収や消込、回収状況の確認、未入金時の督促など、入金管理を一元化できる。売掛保険の適用申請の自動化や任意のフォーマットでの請求書発行など、営業部門・経理部門にかかる負担を軽減し、本業に集中できる環境の構築を支援する。
審査通過率98％、最短数秒で与信審査が完了し、支払遅延や貸倒れの際にも手続き不要で100％入金保証できるのも強み。1,000万円を超える債権の保証にも対応しており、取引規模にかかわらず、低リスクかつスピーディーな新規開拓も実現できる。
（出所：請求まるなげロボ公式Webサイト）
企業間取引における与信・請求・集金・入金消込・督促業務を代行できる、売掛金100%保証の掛け払いサービス。サービス対象の請求企業はもちろん、与信落ちや別事業での請求といった対象外の請求企業に対しても、1つのプラットフォームで登録可能。対象外の請求先でも請求書送付機能や入金消込機能を利用して、業務効率化ができる。
請求はクラウド上で管理でき、請求状況を整理したダッシュボードに加え、メール開封履歴・入金履歴など各取引先の状況が確認可能。取引先からの急な問い合わせにも対応ができ、社内での情報共有もスムーズに行える。
（出所：クロネコ掛け払い公式Webサイト）
買い手企業への与信から請求書発行、集金などを代行し、請求業務の効率化と未回収リスクをなくすことができる、ヤマトグループのBtoB決済。与信から請求書発行、集金、入金管理、督促まで一括で引き受け、審査を通過すれば新規の取引先でも売掛金を100%保証。小口案件や個人事業主にも対応している点がメリット。
ヤマトグループの法人向けサービス「ヤマトビジネスメンバーズ」との自動連携が可能で、決済以外にも配送や、ロジスティクス、システム開発など様々な領域でBtoBビジネスを支援できることも特徴。
（出所：NP掛け払い公式Webサイト）
与信審査、請求書発行、入金管理、督促などの一連の請求業務を代行し、遅延・未払い・貸倒の債権保証も可能な、未回収保証型の企業間後払い決済サービス。オペレーションの柔軟性が強みで、独自の与信管理システムでは個人事業主から中小企業まで幅広く取引対象として取り込める。
後払いサービス「NP後払い」で培ったノウハウを活用した督促と回収や、取引先の倒産、支払いが遅延してしまった場合も含め、代金の100%を保証していることも特徴。API連携サービスでは、取引情報の登録、与信結果の受信、請求確定の登録などすべての作業を自動化し、業務効率化の面でも効果が高い。
（出所：SEIKYU+公式Webサイト）
掛け売りに必要な与信審査・請求書の発行発送・入金管理・未入金フォローなど、請求に関わるすべてのプロセスを代行、売掛金の保証まで行うクラウド型BtoB請求代行サービス。未入金が発生した場合には入金を保証し、売掛金は最短3営業日後には入金可能。請求フローは電子帳簿保存法に対応し、JIIMA認証も取得済み。
既存サービス、独自システムなど各種の連携もスムーズで、Bcartや楽楽B2Bなどの請求・受発注システム、顧客管理システムのkintone、マネーフォワードクラウド会計などの会計システムに対応。支払い限度額も1社あたり最大1,000万円である点が魅力的。
（出所：掛払い.com公式Webサイト）
企業間における請求業務のすべてを代行し、売掛金を100%保証するリスク保証付きの掛払い決済サービス。1,000万円以上の高額取引にも対応。各調査機関(TDB、TSRなど)のデータベースに登録されていない法人や個人事業主でも与信審査が可能で、審査は原則即日回答とスピーディーな取引が特徴。
請求データはCSVデータの一括アップロードのみで業務の効率化が図れる点、ECサイトとのシステム連携により請求を自動化できる点、取引先への督促作業が不要な点などのメリットが挙げられ、請求書タイプも封書やPDFから選択できる。土日祝日もフリーダイヤルのサポートが受けられるので、トラブルにも対応しやすい。
（出所：SAGAWA B2B決済サービス公式Webサイト）
佐川グループが提供する、企業間取引における掛け売りの決済ソリューション。主な機能として、信用調査の代行、販売代金の保証、回収業務の代行の3つがある。与信の下りない小口顧客や遠方の顧客に対しての販売機会を逃さずに取引先を拡大できる点がメリット。
利用限度額は取引先ごとに個別設定できるので、無理にビジネスを縮小することなく営業活動できることも特徴。物流大手の強みを活かし、倉庫管理や物流の自動化ソリューションも提供しているため、物流関連の業種には導入メリットが大きいサービス。
（出所：GMO掛け払い公式Webサイト）
企業間取引における与信、請求、入金確認、督促業務を代行し、未回収リスクを負担してくれる掛け払いサービス。立替払いに対応するため、コア業務に専念できるようになる。リアルタイム与信を導入することで待つことなく取引が完了、成約率の向上が期待できる。
オプションサービスが豊富で、所定日より早く入金できる早期入金サービス、与信審査が通らなくても請求書発行と入金管理を代行する集金代行サービス、SaaS系サービスの定期的な請求に利用できる定額請求サービスなど充実しており、自社だけでなく取引先にとっても嬉しい機能が多い。
経理部門においては工数が多く、業務の負担となりがちな請求業務をできるだけ負担を減らし、効率化するのが請求代行サービスです。請求代行サービスの多くは、請求するデータがあれば自動的に請求書を発行・発送でき、督促や回収、未入金の保証までカバーしてくれます。そのため自社のキャッシュフローを安定させるという観点でもメリットがあります。
請求書代行サービスのメリットをまとめると、「請求業務の工数削減」「未回収金リスクの低減」「請求ミスの抑制」「決済手段の拡充と与信審査の代行」の4つが挙げられます。
また、現在利用している各種システムと連携することで、ECサイト含めてより自動的に請求業務ができるようになれば、ほかの業務に時間を割けるようになります。
サービスの利用料は請求金額や入金保証の有無に応じて決まるものが多いため、現状の請求・回収からどれほどの利用料が発生するのかをよく確かめながらサービスを検討するとよいでしょう。
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マネーフォワードケッサイ株式会社
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