最終更新日:2019-09-26
万が一の地震発生時に備え、企業として対策を取りたいとお考えの方へ、企業向け緊急地震速報配信サービスのメリットや選び方のポイント、おすすめサービスなどをご紹介します。速報を受けてから地震発生までの数秒の初動対応が明暗を分けることもあるため、自社を守るべく策を講じるのは有効です。
企業向け緊急地震速報配信サービスとは、気象庁からの緊急地震速報を、配信事業者がインターネットを通じて専用の受信端末に配信するサービスです。一般的なテレビの速報やスマートフォンのアプリでの通知と違い、企業向けに、より「早く」「確実に」届けるための工夫がなされています。受信端末には、速報を表示させるような専用端末の他、館内放送やエレベーターなどと連動させるための受信端末などがあります。
緊急地震速報は、気象庁が震源に近い観測点(地震計)で得られた初期微動(P波)と主要動(S波)の伝播速度を使って、震源、地震の規模および各地の震度を推定し、到達時間や震度を配信事業者が提供する情報です。しかしその情報には「一般向け」と「高度利用者向け」と2種類存在します。どんな場合においても少しでも早い方がよい、と思いがちですが、精度が高くない情報がテレビで通知されると混乱を招きますし、震度2~3でいちいちスマホが鳴っていると、つい慣れてしまって緊迫感がなくなってしまい、有事の際の対応の遅れにつながる可能性があります。よって、不特定多数に向けた「一般向け」の情報では、人的な地震被害の軽減をめざすことに重点を置くため、速度より精度に重点を置き、大きな地震のみの精度の高い情報を広域にわたり通知します。
対して、企業や商業施設、学校など利用者を限定した「高度利用者向け」情報では、精度より速報性を優先し、小さな地震でも発表します。そうすることで、例えば小さな揺れでも影響が出るような工場や危険な薬品を扱う現場で、速やかに揺れに備えた初動対応を取ることができるからです。
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さて、緊急地震速報には「一般向け」の他に「高度利用者向け」の情報があり、企業などではそちらを利用している旨を述べましたが、改めて企業向け緊急地震速報配信サービスの必要性を確認しておきましょう。
前項で「早く」「確実に」とご紹介したとおり、速度と確実性の2点がポイントです。
企業向け緊急地震速報配信サービスで配信される「高度利用者向け」情報では、一般向けの情報と比べ、精度より配信速度を優先して配信しています。いち早く安全を確保しなくてはならないような現場などでは、一秒でも早く情報を得て安全確保に努めることが最優先事項です。
肝心な時に機器が故障していた、サーバーがダウンしていた、では話になりません。企業が確実に情報を得るためには、送信側、通信環境、受信側、の全てが不具合なく稼働することが前提です。企業向け緊急地震速報配信サービスでは、受信端末とサーバー間の通信が正常に行えるかを確認するヘルスチェックを実施するなど、確実に稼働するような工夫がされています。信頼できるサービスを選ぶことが重要です。
以上のように、企業は一般のテレビやスマホの情報に頼るのではなく、速度と確実性の点で信頼度の高い企業向け緊急地震速報配信サービスを利用する必要があります。
さて、企業向けの緊急地震速報配信サービスの導入の必要性は分かりましたが、実際導入した場合どのような活用メリットがあるのでしょうか。具体的に4点ご紹介します。
企業のオフィスや工場などの現場はもちろん、商業施設や病院などの館内放送を実施します。受信端末と連動させ、あらかじめ震度〇以上の際に自動音声を流す、と設定しておくことで、受信してから人が読み上げるよりも早く館内放送を流すことができます。この何秒かで身を守ることができます。
また、館内放送で情報が周知されることで、施設内にいる人に漏れなく情報を伝えることができるため、商業施設で従業員がお客様を安全な場所に誘導したり、工場で作業を止めたりでき、被害を最小限に留めるよう努めることができます。
一般的にエレベーターは揺れを感知すると止まるようになっていますが、揺れの発生後だと閉じ込めが発生してしまうため、揺れる前に事前に検知することが重要となります。企業向け緊急地震速報配信サービスを専用端末で一定以上の揺れの予報を受信すると、自動的にエレベーターが安全な最寄りの階で緊急停止します。それだけなく、エレベーター内を消灯し、明るいエレベーターの外へ誘導する、といった仕組みにしているケースもあります。緊急時は一刻を争うため、手動での切り替えではなく、このような自動の仕組みが有効です。
テレビなどの情報では〇〇市、〇〇町といった地域単位で震度が発表されますが、企業において必要なのは支店や工場、店舗などがあるピンポイントの地点です。別のシステムと組み合わせて利用することで、事前に登録した地点の地震の影響を知ることができます。例えば全国の拠点の状況を本社で把握する、といった使われ方もされています。
企業向け緊急地震速報配信サービスの導入を周知することで、有事の際の安心感、そして信頼を得ることができます。企業で働く従業員はもちろんのこと、施設に出入りするお客様や患者、生徒といった個人に安心してもらえます。また、例えば、工場で緊急地震速報配信サービスを受信し初動対応を取るため生産ラインに影響を出さずに稼働を続け、有事の際も欠品しない、といった点も取引先から信頼を勝ち得るのに有効なアピールポイントとなるでしょう。
企業向け緊急地震速報配信サービスの必要性やメリットを見てきましたが、実際に導入するにあたりどのようなポイントでサービスを選んだらよいのでしょうか。比較のポイントを2点ご紹介します。
必要性の項で述べたように、遅延なく確実に受信できることこそが企業向け緊急地震速報配信サービスの導入の一番のポイントです。よって、その点で信頼できるサービスを選ぶべきです。
配信方法については、インターネット経由のユニキャスト方式と比較して遅延が少なく、多拠点に効率よく配信できるIPv6マルチキャスト配信を利用するなどといった工夫のされたサービスもあります。
また、確実に配信できるよう、サーバーと専用受信端末間の通信が正常に行えているかを、30秒間隔で、3段階でヘルスチェック(動作監視)を行っているタイプもあります。万が一、異常が発見された場合は、あらかじめ登録された担当者へエラー通知メールが送信されるようになっているため、安心して利用することができます。
専用端末での受信データと他システムとの連携性も重要です。主な用途としては、館内放送とエレベーター制御の2つが多いですが、他の手段で通知したい、というケースもあります。
例えば、稼働音の大きい工場では館内放送をしても聞こえにくいため、パトライトでの通知の方が適しています。また、小さな揺れでも影響が懸念されるような危険な薬品を扱う実験室などでは、個別の表示端末で通知をしています。
他にも、工場の生産ラインの自動緊急停止、爆発を防ぐためにガス供給停止、鉄道における減速指示、航空機の離発着規制、津波被害の防止のための水門の閉鎖、など現場それぞれで様々な対応が求められますので、それに合わせて連携が必要です。
ここまでお伝えしたポイントを踏まえ、おすすめの緊急地震速報配信サービスをご紹介します。
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(出所:緊急地震速報配信サービス公式Webサイト)
ユニキャスト配信に比べ効率的で遅延の少ないIPv6マルチキャストを採用することで、より早く配信できる仕組みの緊急地震速報配信サービス。専用受信端末は、速報を表示させるのみの機能を持ったものから、エレベーター制御・館内放送機器制御・集合住宅のインターフォン制御といった各種機器制御と連携することのできるインターフェースを持つものまで、用途に合わせて複数の中から選択でき、様々な企業で導入可能。より確実な配信を行うために、受信端末とサーバー間の通信が正常に行えるかを確認する状態確認(ヘルスチェック)を3段階で実施しており安心。
(出所:セコム緊急地震速報サービス公式Webサイト)
強い揺れが来る前に、音声放送や警報装置等を通じて企業に緊急地震速報を配信する、企業の防災リスクマネジメントに役立つ緊急地震速報配信サービス。警報ユニットやパトライトを設置し、音声や視覚で危険を迅速に訴えることが可能。緊急地震速報を確実に配信する回線から、警報ユニット、企業内LAN接続にいたる設計・構築・運用・監視まで一括提供。
企業向け緊急地震速報配信サービスの必要性やメリット、比較のポイント、おすすめサービスなどをご紹介しました。いつ来るか分からない脅威に備えるためには、いざという時に間違いなく機能するサービスおよび受信端末の信頼性が何よりも重要です。また適切な通知手段も職場によって大きく異なるため、どういった手段がより適しているのか等も検討が必要です。自社と似た事例について、サービス担当者に説明を求めるなど、できることから始めてみることが、万が一の際に被害を最小限に留める第一歩となるはずです。
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エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
気象庁が発報する緊急地震速報(高度利用者報)をインターネットを経由することなく配信するサービスです。...
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