診療所・クリニックの効率的な運営や新規開業に向けて、電子カルテの導入を検討しているものの、どのシステムを選べばよいかお悩みのドクターへ。導入メリットや検討ポイントとともに、レセコン一体型の電子カルテも含めて、おすすめをご紹介します。
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電子カルテシステムとは、従来の紙カルテを電子データ化したもので、診療内容や検査結果、処方情報、患者の基本情報などを、PCやタブレット上で記録・閲覧できるシステムです。レセコンと一体型、あるいは連携することで、受付~診察~会計までの病院内の各種データをペーパーレスで一元管理することができます。
電子カルテの導入は進んでおり、一般診療所での導入率は2020年時点で約50%に達しています(参考:厚生労働省「電子カルテシステム等の普及状況の推移」)。その背景には、比較的安価で導入しやすいクラウド型の診療所・クリニック向け電子カルテの普及が挙げられます。
診療所・クリニック向けといっても、診療科や診療方法によって求められる機能は異なってきますので、どのようなポイントで比較・検討すべきか詳しく見ていきましょう。
なお、診療所・クリニック向けに限らず「他にもどんなシステムがあるのか知りたい」という方は「電子カルテシステム比較15選」をご覧ください。
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電子カルテの更に詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
電子カルテシステムの選び方ガイド
電子カルテの導入は、医師や看護師、医療事務職、そして患者にとっても多くのメリットをもたらします。それぞれの立場別にメリットを詳しくご紹介します。
電子カルテには、入力作業を効率化する豊富な機能が搭載されています。
たとえば、診療科や疾患ごとに標準的に確認すべき項目をテンプレート化しておくことができます。入力する際は、プルダウンメニューで〇や×のチェックをするだけ、またはクリックするだけで完了。入力漏れも防止できます。
処置や薬剤などもテンプレートに登録しておけば、入力時間をより短縮できます。更に、AIがよく使う処置を学習して自動で上位表示してくれるものも。また、豊富なシェーマを手軽に呼び出し、タッチペンを使って紙カルテへの書き込みと同じように操作できるシステムもあります。
紙カルテをめくって過去の治療歴を探す手間と比べ、電子カルテは情報が見やすく探しやすいため、経過を把握するまでの時間が短縮されます。また、手書きでは読みにくかった他の医師の記録も、電子カルテならすぐに理解できるように。
検査システムと連携することで、院内はもちろん外部への検査オーダーも電子カルテ上から直接行えます。検査結果も自動的に電子カルテに取り込まれるため、手間が省けるだけでなく、情報管理の効率化やミス防止にもつながります。
電子カルテの文書作成機能を活用したり、診断書作成システムと連携したりすることで、診断書を簡単に作成できるようになります。
入力された処方内容について、相互作用、配合変化、年齢、体重別の用量、禁忌の有無、過去の処方との重複投与などの観点で、リアルタイムにチェックできます。処方の安全性を高め、人的ミスの防止に貢献します。
クラウド型の電子カルテシステムを利用することで、患者のデータは安全にクラウドで保管されるため、PCの故障や万が一の災害時でも、消失の恐れがありません。災害対策としても、個人情報保護の観点からみても、紙カルテより優れているのは間違いありません。
院内業務が効率化されることで、残業時間の抑制が期待できます。同じ時間内により多くの患者を診ることができるようになり、経営力の強化にもつながります。
カルテには定められた保存期間があり、紙カルテの場合、患者数が増えるほど保管場所の確保が課題に。一方、電子カルテは保管要件を満たせば電子媒体での保管が認められているので、物理的な保管スペースが不要になります。
情報の伝達がスムーズに | 電子カルテ上に情報を集約することで、口頭による聞き間違いや言い間違いを防止。医師からの指示や、看護師間の伝達事項が正確に伝わります。 |
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会計作業の効率化 | レセコン一体型または医事システムと連携することで、電子カルテの診療記録から医療費を自動で算出。計算ミスを削減し、事務作業も大幅に効率化できます。 |
診療の一貫性が向上 | 診療情報が標準化されることで、不備や漏れを削減。担当医が交代する際もスムーズに引き継がれるため、継続した医療を安心して受けられます。 |
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待ち時間の短縮 | 病院側の手間が減ることにより、待ち時間が短縮されるうえ、より丁寧な診察が期待できます。 |
電子カルテを導入する場合、どのような点に気を付けて選んだらよいのか、比較のポイントを3点ご紹介します。
まずは、自院の診察の流れを変えることなく、システムに置き換えることができるかを確認しましょう。たとえば、診察後にすぐ会計に進むのか、あるいは診察後に検査・結果説明をしてから会計に進むのかによって、システムに求める使い勝手が異なります。カスタマイズしたい場合は、要望に沿って簡単に変更できるのかも確認しておきましょう。
そのほか以下のように、自院の診察スタイルに適したシステムを選ぶことが重要です。
診察時に患者と向き合う時間を増やすためには、電子カルテの入力操作が簡単であることも欠かせません。キーボード入力だけでなく、マウス操作のクリックや、タッチペンでのタッチといった操作を使用し、なるべく少ない工数で効率よく入力できることが求められます。
ただし、問診後に触診や聴診を行うことが多く、患者が衣類を脱ぎ着している間にさっと入力を済ませられる場合などは、キーボード入力に対応しているだけでも十分と考えられます。画面の見やすさ、入力のしやすさ、そして記録・閲覧時のレスポンスの速さなどを総合的に見て、自院にとっての“使いやすさ”を判断すればOKです。
多くのサービスで無料トライアルを行っているため、まずは使い勝手を試してみるのがよいでしょう。
レセコン一体型を選ぶか、あるいは既存の医事システムと連携させるかを検討しましょう。連携させる場合、サービスによっては対応しているシステムが限定されていることもあるため、事前の確認が必要です。
ここまでお伝えしたポイントを踏まえ、おすすめのクリニック向け電子カルテをレセコン一体型からご紹介します。
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(出所:エムスリーデジカル公式Webサイト)
導入実績5,000施設以上を誇るクラウド型電子カルテ。医療従事者専門サイト「m3.com」を運営するエムスリーグループが開発・提供。約17,000人のカルテデータを分析して開発されたAI自動学習機能を搭載しており、医師がよく使う処置行為やオーダーを自動で学習。使えば使うほどカルテ作成・オーダー入力を簡略化できる。
iPadアプリで書いた内容・撮影した写真は瞬時に電子カルテに反映。ペンタブレットの筆圧や濃淡は自由自在。書きやすさは紙と鉛筆以上。シェーマもハンコ感覚で利用可能。新規開業ならレセコン一体型、既存医院ならORCA連動型というように、選択できるのも嬉しい。
(出所:Medicom-HRf Hybrid Cloud公式Webサイト)
50年以上の実績と高いシェアを誇る診療所向けの医事一体型電子カルテシステム。オンプレだがクラウド環境で利用することもできる。カルテとレセプトの一元管理が可能。直感的な操作性とユーザーアシスト機能でカルテ入力やレセプト作業を効率化。モダリティ・PACSや問診システム、予約・再来受付システムなど、約170社の様々な機器との連携によって、院内業務をよりスムーズに行うことができる。
全国約120拠点の網羅性の高いサポート体制に加え、遠隔サポートも可能。万一のトラブルにも迅速に対応してくれる。個人情報の漏えい防止や不正アクセスの防止機能などを備えており、セキュリティ面でも安心。
(出所:CLINICSカルテ公式Webサイト)
オンライン診療システムで豊富な実績を持つ同社が提供するクラウド型電子カルテシステム。レセコン一体型のため、外部のレセプトソフトの別途操作が不要で、予約〜受付〜診察〜会計業務まで医療機関と患者がスムーズにつながる仕組みを実現。独自のレセコン移行プログラムを構築しており、他社のレセコン情報のデータ移行もスムーズに対応できる点も嬉しい。
臨床医とデザイナーの目線で徹底的にこだわった使いやすいUIも強み。外部の検査会社からの検査データ取り込みにも対応している。オンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」をオプション追加することで、電子カルテ上から患者のアプリと連携して利用できる。
(出所:きりんカルテ公式Webサイト)
レセコンを利用しない場合は無料で使えるクラウド型電子カルテ。日医標準ORCAのクラウドサービスである「日レセクラウド」とワンパッケージでの提供のため、「レセコンと電子カルテを合わせて検討したい」という方には最適。
電子カルテとしての基本機能はもちろん、それ以外にも、診療予約(自動受付)、画像撮影・取込み、在宅医療に対応した機能、自由診療カルテの作成など便利な機能を標準搭載。その他、外注検査結果データの取込み、PACS・検査ビューアなどの機器とも連携可能。
(出所:MAPs for CLINIC公式Webサイト)
予約、受付から会計までクリニック業務全般を効率化するクラウド電子カルテ。内科では薬剤変更や換算マスタへの変換に簡単に対応、小児科では入力時に小児用量画面を自動表示、整形外科では撮影オーダーのマスタを「撮影種別+部位+加算」などで合成化するなど、各診療科に特化した機能を搭載。専用アプリを使うことで操作性を高めており、テンプレート・入力セットの柔軟な設定で入力速度を向上できる。
レセコン、レセプトチェックソフトは標準装備しているため、別途用意する必要はなし。外部機器・外注検査の双方向連動、他社製アプリのカルテ端末との同居運用にも対応するなど、拡張性も強みだ。
(出所:ダイナミクス公式Webサイト)
開業医が現場のニーズに基づいて開発した、オンプレミス型のレセコン一体型電子カルテ。受付から会計、レセプト作成まで、診療業務全般を一元管理。カルテ入力と同時に会計処理を自動で行い、入力ミスの削減や業務効率化に貢献する。訪問診療先でもスマホ・iPadからデータ参照が可能。予約・決済システム、PACS・検体検査など50社以上の製品とも柔軟に連携し、幅広いニーズに応えられる。
画面レイアウトを独自に変更したり、他ユーザーが作成・公開した機能をダウンロードできたりと、カスタマイズ性の高さも特徴。ユーザーコミュニティも備え、クリニックの経営や診療報酬改定など、開業医が直面する課題について意見交換できるのが便利。月額固定料金を採用し、端末台数やユーザー数などに応じた従量課金もないため、ランニングコストを抑えた運用を実現。
(出所:Hi-SEED W3EX公式Webサイト)
受付から会計までの情報をネットワークで繋ぐことにより、患者・医者・スタッフそれぞれの動線を大幅に効率化できるオンプレ型の電子カルテシステム。
登録した診療行為と処方内容に基づき、レセプト上必要になる病名の候補リストを表示、学習機能にも対応し、頻度の高い病名は常にリスト上位へ表示されるほか、忘れがちな併記病名も自動でお知らせ。内視鏡機器や心電図データなど各種医療機器との連携もスムーズ。ペンタブレットで所見の手書きでの記入や、ノート型の端末を使ってさまざまな場所での入力・閲覧できる機能なども人気。
(出所:TOSMEC Aventy IV公式Webサイト)
医事会計一体型の電子カルテ。電子カルテから各種診断装置に患者属性情報を送信することで、スムーズに検査が行え、撮影された画像は電子カルテ情報とともにサーバーに一元管理される。撮影画像以外に患者が持参した紹介状などの各種書類も、リストで一括管理でき、ステータス管理も行える。ペンを使って紙カルテと同じ感覚で入力できるため、キーボード操作が苦手な人でも安心。往診先でもタブレット端末で院内と同じようにカルテ入力、閲覧、検索が行える。
会計機能では、縦覧点検や突合点検に強みを持つレセプトチェックソフト「Mighty Checker PRO」を採用。難病患者の診察時には難病外来指導管理料を誘導表示するなど、算定漏れの削減に貢献する。
(出所:SUPER CLINIC公式Webサイト)
オンプレ型のクリニック向け電子カルテ。カルテ2号用紙のレイアウトを踏襲し、左側に過去カルテ、右側に当日のカルテを表示し、マウスではスクロールやクリック、タッチペンではタッチ&スライドなど、基本的な操作だけで入力可能。
次回の予約や紹介状の作成など院内で生じる多様な業務も、全ての診療情報が一元化された電子カルテからアクセスでき、業務の改善と効率化を推進。カルテ情報は独自の「トランスレート機能」により請求データに自動変換。簡単に紹介状や診断書が作成できる文書管理機能もあり。
レセコンも搭載されており、診察料などの自動算定やレセプト確認機能などを備える。
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(出所:CLIUS公式Webサイト)
法人向け業務効率化サービス「ジョブカン」などを運営する同社が手掛けるクラウド型電子カルテ。目線の動きまで考えた使いやすい画面設計が人気。左側が過去の情報で右側が現在の情報ということさえ把握していれば、使い方を教わらなくても直感で入力が可能。異なる医療法人のクリニック間でも同一患者の診療録や検査結果を共有・閲覧できる機能も。
自動学習機能により医師の使い勝手がいいように改善されていく操作性にも定評あり。iPhoneで撮影した画像のカルテへの取り込みも簡単。オプションで診療WEB予約など、患者にとって利便性の高い機能もあり。
(出所:blanc公式Webサイト)
全国200施設以上で利用されている電子カルテシステムをベースに、よりシンプルなレイアウトや操作性を追求したクラウド電子カルテシステム。カルテ内の各種情報から紹介状や診断書などの文書を自動作成でき、オーダーもワンクリックで可能。作成・登録状況も一覧で可視化できるため、作成漏れ・オーダー漏れを防げる。
その他、オーダーの期間重複チェックや薬剤投与時の禁忌チェックなどのチェック機能や、患者様の予約状況がひと目でわかる予約簿機能なども充実。わかりやすいUIのため誰でもすぐに使いこなすことができ、遠隔診療や訪問医療・看護・介護など様々なシチュエーションで利用可能。
(出所:MALL公式Webサイト)
診療所から200床未満の病院向けにつくられた電子カルテ。運用歴約20年、導入医療施設は200以上を数え、99%と高い継続率を誇る。
医師・看護師など、利用者ごとの好みに応じてカルテ画面のレイアウトを簡単に変更可能。医療機関の意見をもとにして年2回のバージョンアップを続けており、利用する病院はその中から必要な機能を自由に取捨選択し、自院に最適な仕様を導入することができる。透析、薬剤、検査、リハビリ、手術、内視鏡などの部門システムが電子カルテと一体となっているため、スムーズなデータ連携や相互参照による業務効率化が可能。また、約150社の他社システムとの連携が可能で、既存のオペレーションに適応させることができる。
診療所・クリニック向け電子カルテの導入メリット、検討する際の比較ポイント、おすすめサービスなどをご紹介しました。
電子カルテを導入することで、入力のしやすさ、管理のしやすさばかりについ目が行きがちですが、作業の負担が少しずつ軽減されることで、患者に向き合う時間が増え、医療の質があがることが何よりのメリットと言えます。
日々の診療を行いながら紙カルテからの切り替えを進めるのは腰が重いかもしれませんが、導入サポートが充実しているサービスを選べば負担を軽減することができます。まずは、自院の課題や診療スタイルに適したサービス探しから始めてみることが、業務改善への近道となるでしょう。
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診療所・クリニック向け電子カルテのさらに詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
電子カルテシステムの選び方ガイド
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<電子カルテシェアNO.1>医事一体型電子カルテシステム。多くの診療所ドクターから支持された圧倒的な使い勝手。...
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