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医療用画像管理システム(PACS)12選。規模別にメーカー紹介

医療用画像管理システム(PACS)12選。規模別にメーカー紹介

最終更新日:2024-12-02

医療用画像管理システム(PACS)の新規導入やリプレイスを検討している方へ。PACSの概要や導入のメリット、価格の目安とともに、主要メーカーをタイプ別に紹介します。

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目次

医療用画像管理システム(PACS)とは?

医療用(医用)画像管理システムとは、一般撮影、CT、エコー、内視鏡など画像撮影装置で撮影した画像データを効率よく保管・閲覧・管理することのできるシステムです。「Picture Archiving and Communication System」の頭文字をとって、PACSと呼ばれます(以下「PACS」とします)。

PACSの必要性

医療の現場では様々な画像撮影装置が用いられ、それらの画像はデジタルデータとして保存されるのが一般的です。ただし、そのやり方はCD・DVDなどメディアに保管したり、院内ファイルサーバーで共有したり、様々です。膨大な量の画像の一元的に管理に手を焼いている病院も少なくありません。

PACSなら膨大な検査画像を一括で読み込み、必要に応じて検索・表示・共有可能。タイムラグのないストレスフリーな読影環境を整えることができます。中には拡張機能を使って電子カルテやほかのシステムとの連携可能なシステムも。

紙カルテからの移行過程で取りこぼしやすい画像やデータを効率よく管理しながら、ペーパーレスを加速させることができるとあって、近年では多くの医院で導入されています。

なお、PACSに加えて「電子カルテシステムについても詳しく知りたい」「幅広く比較検討してみたい」という方は「電子カルテシステム比較15選」をご参照ください。

医療用画像管理システム(PACS)をお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。

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PACSのメリット

PACS導入のメリットとして、以下が挙げられます。

画像確認の効率化

PACS導入の一番のメリットです。モダリティで撮影した画像がPACSに集約されることで管理が容易になるだけでなく、画像データを取り出す時間の短縮化も可能。確認したい画像の一覧からの取り出しや、過去の画像との比較などがスムーズになります。

保存義務への対応

医師法により、医療画像には2年間の保存期間が義務付けられています。ただし、これはあくまで決まりであり、患者の今後の医療方針に関わる貴重なデータ・資料として、更に数年にわたり保管する医療機関もあるでしょう。

レントゲンフィルムなどのかさばる画像データは、管理に手間がかかるのみならず、管理に必要な物理的スペースや、スペースの管理費も必要になります。PACSは法的な保存義務に対応できる上に、管理にかかるコストも削減できるシステムといえます。

院内文書管理の効率化

各種モダリティの検査画像だけでなく、問診票や紹介状など手書きの書類のスキャナ登録や、JPEG、PDFデータのDICOM化に対応したシステムも。画像以外にも、患者に関連する文書の一式を格納できるので、保管や活用がよりスムーズになります。

画像データの院外利用

訪問して往診する場合、来院時に撮影した画像を見ながら診察できます。その際、タブレット端末に対応したシステムを選ぶと、利便性がアップ。クラウド型のシステムであれば、外出先や自宅からの遠隔診断に加え、救命救急など幅広い医療現場で活用できます。

施設間連携や地域医療連携の実現

撮影した画像は、ほかの医療施設との共有も可能。自院で診察している患者をほかの医療施設に紹介する場合など、画像を共有しておけば再度撮影する必要がありません。同様に、遠隔読影や地域連携にも活用できます。

 

PACSの価格の目安

PACSの価格は規模や運用方法(クラウド/オンプレミス)によって異なります。特に中規模・大規模向けのシステムは構成により様々ですが、小規模・クリニック向けのPACSは月額2~5万円程度が目安です。

たとえば「Xronos」のソフトウェア代は120万円(年間保守料36万円~)。5年間利用したとして、月額は26,000円程度となります。

月額制のサービスもあり、その一例である「Climis」は月額15,000円から利用可能。自分で設置し、5年間利用したケースのトータルコストはゲートウェイPC代20万円+15,000円×60カ月=110万円となります。クラウドのため、保守の手間や費用がかからないのもポイントです。

 

PACSのタイプと選び方

PACSは導入医院の規模別に、クリニック向け・中規模病院向け・大規模病院向けにタイプ分けできます。また、クリニック向けは導入形態によって「クラウド型」「オンプレ型」に分かれます。以下、どのような特徴があるのか簡単に説明していきます。この後、タイプ別におすすめのPACSも紹介していますので、参考にしてください。

クリニック向けクラウド型のPACS

インターネットを通じて利用するタイプの小規模医院向けのPACSです。オンプレミス型のようにクリニック内にサーバーを設置することがないため、スペースを確保したり、サーバーを購入・メンテナンスするコストがかかりません。すぐに利用開始できて、月額の安価な料金で使い続けられるのが魅力です。

クリニック向けオンプレ型のPACS

小規模医院向けで、かつクリニック内にサーバーを設置して利用するタイプのPACSです。VPN接続機能を搭載しているものを利用すれば院外からの接続も可能。セキュリティや速度に安心感が欲しい方、保守など運用のサポートも取り入れたい方に適しています。

中規模病院向けのPACS

複数の診療科がそれぞれに画像撮影装置を利用しており、相当数の医用画像の管理が必要な場合におすすめのタイプです。膨大なデータ容量でも、ハイスピードでオンデマンド参照できるような機能を搭載しており、またチームでの利用を想定して画像の閲覧・編集権限設定など情報保護に配慮しているのも特徴です。

大規模病院向けのPACS

大規模病院ならではの大容量のデータ処理やセキュリティ対策などのニーズに答えたタイプ。ビューアーとしての基本機能のほか、VRなどの3D機能や動画、MFERなど多様な用途に利用できるのも特徴です。多くはカスタマイズ性に優れており、病院独自の仕様や利用法に対応してもらいたい場合にもおすすめです。

 

主な医療用画像管理システム(クリニック向けクラウド型)

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クラウド型PACS「LOOKREC」(株式会社エムネス)

クラウド型PACS「LOOKREC」公式Webサイト

(出所:クラウド型PACS「LOOKREC」公式Webサイト)

現役放射線診断専門医が開発した実用的なクラウド型PACS。レスポンスや表示の早さにこだわっており、保管・閲覧・共有といった基本機能の使いやすさが強み。放射線科医にありがちなミスを防ぐアラートや、自分好みにカスタムできるビューワも備わり、診断から説明までスムーズな対応を実現できる。実際に導入事例では「治療や経過観察、紹介まで一連の画像管理に利用している」「治療前後の画像比較が詳細にできる」との声が。電子カルテ連携、遠隔読影依頼など現場の課題や悩みをピンポイントで解決するための拡張オプションも豊富だ。
専用設備や更新費が不要でランニングコストも抑えやすい。ISO 27017をはじめ国際的なセキュリティ規格に準拠しているので、初めてでも安心して利用できる。

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WATARU(株式会社スリーゼット)

WATARU公式Webサイト

(出所:WATARU公式Webサイト)

初期費用なしでスタートできる、医療画像管理クラウドサービスシステム。高性能・多機能・スピーディーな処理速度、マンモビューアーも含めた複数モダリティをカバーする使いやすいビューワ、複数モダリティや電子カルテとのシームレスな連携で、診療効率アップに寄与する。
大切なデータを国内東西2拠点のデータセンターで二重保管することで、万一の災害時にも安心な万全のセキュリティ体制を実現。データセンターとの通信制御・管理、 各検査装置とのDICOM 受信や院内他システムとの連携まで PACS 運用のあらゆる役割をきめ細かく果たす。オンプレタイプの「Caps-Web」も提供(後述)。

  • 料金:要問い合わせ

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SonicDICOM PACS Cloud(フジデノロソリューションズ株式会社)

SonicDICOM PACS Cloud公式Webサイト

(出所:SonicDICOM PACS Cloud公式Webサイト)

画像共有・地域連携に活用したい場合や、バックアップとして利用したい場合におすすめのシステム。端末に画像データが残らないセキュアな環境で、どこからでも画像の閲覧や共有ができる。
閲覧制御機能、公開機能などを搭載しており、検査後すぐに画像を共有可能。タブレットのタッチ操作やPCのマウス操作で使えるシンプルなUI、モバイル回線や低スペックの端末でもストレスなく利用できる高速表示で、多様なシーンで活用できる。10カ国語の多言語に対応しており、またデータの保存先は6カ国7リージョンから選択可能。

  • 料金:月額9,800円(ライトプランの場合)

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Climis(株式会社ジェイマックシステム)

Climis公式Webサイト

(出所:Climis公式Webサイト)

月額15,000円で利用できる開業医向けクラウドPACS。データ容量に制限がないため、一般撮影、CT、エコー、内視鏡などの総検査数が月に100件程度の施設に向いている。
DICOM動画に対応しているほか、国内シェア上位5社の電子カルテとシームレスに連携可能。オプションで東京メディカルイメージング株式会社の遠隔画像診断サポート「e-読影」が利用できる。タブレット対応で往診にも便利。遠隔読影の依頼や結果レポートのオンライン配信が気軽にできるため、近隣のクリニックとの連携が強化されたという導入事例も。

  • 料金:月額15,000円、初期費用200,000円(ゲートウェイPC代)

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主な医療用画像管理システム(クリニック向けオンプレ型)

Xronos(ライフサイエンスコンピューティング株式会社)

Xronos公式Webサイト

(出所:Xronos公式Webサイト)

拡張性やコストパフォーマンスの高さを強みとする、新規開業の小規模病院やクリニック向けのPACS。非DICOM画像や他施設のCD、DVDメディアなどに保存されたDICOM画像を読み取れる。また、HISやRIS、電子カルテ等の上位システム、MWMとの連携も可能。
VPNを使用したセキュアな環境での遠隔での画像閲覧や、iPadなどのタブレット端末からの閲覧も可能。院内サーバー型、クラウド併用にも対応しているため、医院の環境に合わせて無駄なく導入できる。画像診断の専門医が画像診断報告書を提供してくれる「遠隔読影サービス」などのオプションも提供。

  • 料金:1,200,000円(年間保守料360,000円~)

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Caps-Web(株式会社スリーゼット)

Caps-Web公式Webサイト

(出所:Caps-Web公式Webサイト)

システム構築から細部の使い勝手まで、柔軟に個別対応できるWebベースの多機能PACS。各種モダリティの検査画像から手書きの書類、JPEG・PDF データまで、あらゆる画像をDICOM 化して一元管理できる。他社システムとのあいのりの実績も多く、会社間での動作検証やソフトウェアインストールのサポートも対応してくれる。
ドラッグ&ドロップの直感的かつスピーディーな操作で、画像の閲覧や比較、健診・検診向けレポート作成などができる。よく使う機能のボタンサイズや配置レイアウトはカスタマイズすることで効率や利便性がアップ。CPUやメモリ、グラフィックボードなど、施設に合わせてサーバーの容量が変更できるのがオンプレならではの魅力。

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主な医療用画像管理システム(中規模病院向け)

NOBORI(PSP株式会社)

NOBORI公式Webサイト

(出所:NOBORI公式Webサイト)

初期投資不要、月額使用料のみで利用できるクラウド型PACS。コンパクトな専用アプライアンスサーバーを設置して使用するシステムのため、種類と数を調整すれば、様々な規模の施設で利用できる。基本アプリケーションは基本契約に含まれているため、ライセンス数を気にする必要がない。
データは東日本/西日本二拠点に設置されたデータセンターで多重管理。暗号化と秘密分散(データ分割)処理をした上で、広域のネットワーク上に送信・保管することで、個人の診療データ、プライバシー情報を守る。データセンターにあるデータを事前に取リ寄せる「Smart-Retrieve」機能を実装しているほか、関連施設との患者データ・症例データの共有など施設を横断した情報連携、遠隔読影やモバイルでの情報参照などのサービスも提供可能。

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iRad-IA(インフォコム株式会社)

iRad-IA公式Webサイト

(出所:iRad-IA公式Webサイト)

画像参照機能を備えた高機能DICOM画像サーバー。Wavelet圧縮を利用した高速で簡単な画像参照と、導入規模に応じた拡張性の高いシステム構築でエンタープライズなフィルムレス環境を実現する。保管画像の圧縮率のモダリティ別指定、URL呼び出しによる画像表示・検査一覧表示、Web画像配信、画像のハイスピードでのオンデマンド参照などの機能を搭載。複数施設の画像を1つのサーバーで管理でき、施設間の画像は権限設定によりオープン/クローズできるため、地域医療や遠隔医療に活用できる。
段階的に導入できるだけでなく、稼動後のサーバー増設やディスク増設も可能。複雑な計測が必要な整形外科業務のサポートや、歯科にて発生するデンタル画像(IO:Intra Oral)表示に対応できるオプションも。

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Claio(株式会社ファインデックス)

Claio公式Webサイト

(出所:Claio公式Webサイト)

検査機器1台の画像データから大規模病院にある各診療科の自科検査、各種紙データなどのトータルファイリングまで、幅広く利用できる画像ファイリングシステム。DICOMモダリティではDICOM通信のほか、DICOMキャプチャ方式でのデータ取り込みができる。非DICOMモダリティでも専用のデータ変換装置は不要。取り込んだ画像や、Claioに搭載された多彩なシェーマに原本画像を担保し、履歴を管理しながら手描きで編集も可能。
各診療科の検査結果やレポート、動画等を一元管理できる画像サマリ機能、HISとの連携、DICOMキャプチャ機能、動画の取り込み・管理・再生などの多彩な機能がそろう。利用者のニーズに応じ、JPEGエクスポート、DICOMエクスポート、CSVエクスポート、匿名化にも対応している。

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主な医療用画像管理システム(大規模病院向け)

NEOVISTA I-PACS CX(コニカミノルタジャパン株式会社)

NEOVISTA I-PACS CX公式Webサイト

(出所:NEOVISTA I-PACS CX公式Webサイト)

経営資源の有効活用や効率的な医療連携を実現する医用画像管理システム。2D、3D、動画、MFERの表示に対応。PACSビューアーとしての基本機能に加え、VRなどの3D機能、歯科用のビューアー機能、乳房トモシンセシスにも対応したマンモグラフィビューアー機能、心電図のMFER規格の波形データの表示に対応したECGビューアー機能、超音波や内視鏡検査のレポートを作成する機能を搭載。必要な機能を選択、拡張することで、施設にフィットしたシステム環境が整う。
医療ITクラウドサービス「infomity」を活用すれば、セキュアな環境下で、離れた場所との画像情報の共有や、クラウド上での画像保管が可能。

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SYNAPSE(富士フイルム株式会社)

SYNAPSE公式Webサイト

(出所:SYNAPSE公式Webサイト)

サーバー側で処理後の情報のみをクライアント側に配信するサーバーサイドレンダリング方式を採用し、HTML5対応の標準ブラウザで高速に動作する高機能PACS。高速な画像表示・配信を実現する一方、ネットワークやクライアントの負荷を軽減。端末に画像データを残さないゼロフットプリント方式で、セキュリティも確保する。
大規模ネットワーク型システムから診療所運用型PACSまで、幅広い用途に対応。システム更新時のソフトウェアライセンスは継続使用でき、コスト面の心配がない。運用規模が拡大した時も、安価にアップグレードできる。

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XTREK series(株式会社ジェイマックシステム)

XTREK series公式Webサイト

(出所:XTREK series公式Webサイト)

施設の要望にきめ細かく対応してくれる画像診断用ビューアープログラム。フィルムレス運用や電子カルテ/RIS/レポートとの連携、災害対策、地域医療連携、クラウド利用など、柔軟なニーズに対応可能。納入後1年間の初年度保守など、放射線画像IT部門のパイオニアである運営会社によるトータルサポートも受けられるのも魅力。放射線科での利用を想定して、放射線科医や放射線技師向けの便利な機能も豊富に搭載。
そのほか、統合PACS用DICOMビューアー「XTREK VIEW」、マンモグラフィー専用ビューアー「XTREK MAMMO」など多様なシリーズを提供しているのも心強い。

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まとめ

医療用画像管理システム(PACS)の概要やメリット、価格の目安を解説しました。新規導入もしくはリプレイスにあたり、まずはクラウドかオンプレミスかを検討し、施設の規模を考慮して吟味することで、適切なシステム環境を構築できるはずです。

コンパクトな設備だけで多様なシーンで活用できるクラウドか、容量の大きいオンプレミスのサーバーでカスタマイズしていくのか、ほかのシステムや電子カルテとの連携が必要なのか…。導入を機に改めて自院のニーズを探れば、より快適な環境でのスムーズな診察が実現するでしょう。

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現役放射線診断専門医が開発した、専用設備不要のクラウド型PACS。Googleクラウドを利用しているのでセキュリティ対策も安心。...

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