大量の書類を効率よく電子化・保管したい管理部門の方へ。文書(書類)電子化サービスの概要や電子帳簿保存法・e-文書法への対応、サービスのタイプや選び方とともに、おすすめのツールを紹介します。
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文書電子化サービスとは、大量の文書(書類)を効率的に電子化するサービスです。手書きの文書をOCRで読み取って手間なく電子化するサービスや、電子化したい書類を段ボールに詰めて送るだけで、データ化を一括で代行してくれるサービスなどがあります。
中にはサイズ違いの書類や、ファイル、バインダーが付いた書類、ホッチキスやクリップがついた書類に対応するサービスも。電子化のためにホッチキスの針を外して書類を整理するなどの手間が不要に。また、各サービスで徹底したセキュリティ対策が施されているため、個人情報を含む契約書などの機密書類を電子化する上でも安心です。
キーワードを入れて検索すれば、必要な書類をすぐに探し出すことができます。複数人で同時に文書を確認するなど、共有も簡単です。
印刷コストや、書類を管理するためのスペースとコストがカットできます。リモートワーク環境で重宝されるだけでなく、ペーパーレスの促進にもつながります。
書類の保管場所がわからなくなってしまったり、書類を持ち出して紛失するといったリスクを低減できます。
また、文書電子化サービスを導入して文書を電子化することは、2024年1月から完全義務化された電子帳簿保存法への対応にもなります。
法人向け文書電子化サービスをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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従来では紙媒体でのみ保管が認められていたところ、近年の法改正によって、文書の電子化・電子保管が認められるようになりました。特に留意したいのが、特定の文書に対する電子化の範囲を定めた「e-文書法」と「電子帳簿保存法」です。概要を簡単に説明します。
各省庁が管轄し、商法や税法で保管が義務付けられていた書類の電子保存を認めるもの。主に、見読性、完全性、機密性、検索性の4要件を満たすことが求められます。e-文書法に則れば、医療、保険、証券、建築など幅広い法定書類が電子化できます。
財務省・国税庁が管轄し、国税関係の帳簿や書類の電子保存を認めるもの。2024年1月に完全義務化を実施予定。真実性や見読可能性、検索機能などの確保が求められます。電子帳簿保存法に従えば国税関係、注文書、請求書などが電子化できるようになります。
一方で、どの書類が該当するのか不安に感じる方も多いでしょう。その場合、文書管理のプロである文書情報管理士がサポートしてくれるサービスを選ぶのも一手です。
書類電子化サービスを3つのタイプに大別して、選び方とともに紹介します。
データ入力と紙文書の電子保管を効率化したい場合に適したタイプ。たとえば伝票処理やデータ管理などのために、スタッフが紙の文書を見ながらデータを入力しているといった、アナログな業務フローを改善するのに有効です。
電子化の際は、まずAIを使ったOCR(Optical Character Recognition/Reader、光学文字認識機能)で文書を自動で読み取ります。ただし、AI OCRは誤認識することがあるので、オペレーターの目視確認を組み合わせることで、より正確なデータ入力を実現します。
その一例である「eas」は、AI OCRと人手による確認・入力を組み合わせることで、高精度にデータ化。
なお、「目視確認は自社でまかなえる」、「最終的なデータ確認は自社で行いたい」など目視確認のサービスが不要の場合には、AI OCRによる自動読み取りに特化したツールを使うのがおすすめです。
詳細は「AI OCR比較15選!OCRとの違い、選び方、利用上の注意点まで」をご覧ください。
スキャン・電子保存に特化したタイプ。大量の書類を要件に合わせてスピーディーにデータ化したい場合におすすめです。
「法人向け文書電子化サービス(キンコーズ・ジャパン株式会社)」では、「スキャンしたい資料にホチキス留めの資料が混ざっている」「スキャンしたデータそれぞれに指定した名前を付けてほしい」「データ納品の際、指定したフォルダに格納してほしい」「紙文書のやり取りは宅配便で行いたい」といった細かな要望にも対応。スキャン後のデータ活用まで担当営業が伴走してくれるため、「スキャンしても活用の仕方がわからない」といった不安を払拭してくれます。
図面やカルテといった機密文書、法律や社内規則で保管が必要な書類原本などを、電子化後に倉庫で管理したい場合に向いています。自社で保管スペースを用意できない場合は、スペース貸し出しに対応したサービスがおすすめです。
たとえば日本通運株式会社が運営する「文書電子化サービス(スマートスキャニング)」は、引取から輸送、保管、溶解処理までワンストップで対応。更に、長年培ったノウハウを活かして万全のセキュリティで輸送・管理してくれるため、機密情報でも安心して任せられます。
「そのままスキャン」では、提携倉庫で文書保管した後は、然るべきタイミングでの廃棄・処理まで一手に引き受けてくれます。更に、スタッフの電子帳簿保存法・e-文書法への知見を深めるため、定期的な社内勉強会を開催しているほか、文書情報管理士が常駐しており、品質・工程管理を徹底している点も特長です。
なお、国税関係の書類を適切に電子化・保管したい場合は、電子帳簿保存法への対応を明記している「DenHo」「TOKIUM電子帳簿保存」「invox電子帳簿保存」といったサービスが安心です。詳しくは「電子帳簿保存システム比較14選!対応ソフトをタイプ別に一覧紹介」をご覧ください。
ここからは3つのタイプ別に、おすすめのサービスをご紹介します。まずは、OCR読み取りと目視確認に対応したサービスから見ていきましょう。
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(出所:Sakura-Eye公式Webサイト)
マルチエンジンAI OCRと人手によるデータエントリーを組み合わせて、100%の精度を目指すAI OCR+BPO帳票データ化ソリューション。帳票イメージから読み取り項目を切り出す処理技術を備えており、罫線と文字の区別、明細行の高さも自動判別できる。クラウド型ツールの懸念点であるセキュリティ面は、重要なデータの特定を困難にする仕組みによりカバーしている。
帳票を送るだけの「おまかせタイプ」や、PDFから項目や範囲を指定してデータ化できる「ツールタイプ」、非定型帳票や画像のデータ抽出にも対応する「生成AIタイプ」を提供。ニーズや予算に合わせて選べる。
(出所:eas公式Webサイト)
AI OCRと人力によるデータ作成から確認・修正作業までがセットになったサービス。AI OCRとオペレーターがそれぞれ入力を行い、一致したデータを採用する「AI OCR+オペレーター入力」により、正確な読み取りを実現する。オペレーターが2人(最大4人)で同一資料を読み取り、データの一致を確認する「オペレーター2人入力」も用意している。クセのある手書き文字でも99.98%の精度でデータ化し、FAX用紙や可変する明細行・訂正線・複数のレイアウトの書類などにも対応。データ化業務にかかる負荷を削減する。
情報ごとに画像分割してオペレーターが作業するため、セキュリティ対策も徹底。初期設定から導入後のチューニングまで、万全のフォロー体制でサポートも充実している。
(出所:DEEP READ公式Webサイト)
ディープラーニングに基づくAIを活用した、手書き文字のデジタル化サービス。従来型のOCRに比べて手書き情報の読み取り精度が高く、幅広い業種で活用されているため、カスタマイズ機能が充実。アンケート用紙、答案用紙、申込書、診断書など、様々な帳票に対応している。
サポート機能「帳票分類ツール」を使えば、帳票タイプを設定したフォーマットに従って画像データを分類することも可能。帳票ごとに設定された項目を読み取りタイプごとにCSV化できる。今後は非定型書類にも対応していく見込み。クラウド型、オンプレミス型のどちらも提供。
(出所:FROG AI-OCR公式Webサイト)
企業や図書館、自治体などが保有する様々な文書を高精度に電子化するAI OCR。初期費用・固定費は不要。文書をスキャンし、データをアップロードするだけでテキストデータを出力可能。専門知識のない担当者でも簡単に電子化できる。
近代文書や書籍などを正確に読み取る機能が充実。レイアウトの自動認識機能で本文や図表の位置を把握することで、高精度なテキスト化が可能に。更に、独自AIによって読み順の推定や高精度な校正、多段組対応機能によって複雑な構造の文書の読み取りにも対応。また、透明テキスト付PDFでのキーワード検索機能を使えば、PDF内で記事内のキーワードをハイライト表示できるほか、新字新仮名への変換機能によって古い文書も現代の文書と同じように検索可能。古い情報資産を有効活用できるのも特徴だ。
(出所:LAQOOT公式Webサイト)
AI OCRによる読取結果と、クラウドワーカー(人間)のエントリー結果を突合し、一致/不一致を判定・修正する独自プロセスで、識字率100%を実現。チェック及び修正済みデータは、専用の目視チェックツールで分解・色分け表示し、確認作業を手間なく簡単に完了できる。クラウドワーカーの実働者数100万人以上の大規模なネットワークを確立し、1日1万~2万枚以上を目安に短期の大量処理にも対応。
クラウド型のため、コストを抑えて即日導入が可能。テンプレートの設定やRPAとの連携も容易で、手作業が必須だった紙帳票の読取り・データ化からシステムへのデータ入力までを半自動化できる。
スキャンに特化した文書電子化サービスをご紹介します。
(出所:法人向け文書電子化サービス公式Webサイト)
創業30年の経験と実績、パートナー企業との協力関係から、あらゆる文書を安全かつ正確にPDFデータ化する、文書電子化サービス。電子化した文書の保管・検索・活用などあらゆるサポートもワンストップで解決できる。更に、担当営業が「パートナー」として、スキャン後のデータ活用までを全面サポートする。
「ホチキス留めしたままの資料をスキャンしたい」「古くなって他社では断られた資料に対応してほしい」など、細かな要望にも対応。ISO/IEC27001を取得したスキャン体制で、人事関連書類や決裁資料などの社外秘の重要書類も安心して預けられる。
(出所:スキャン電子化BPO公式Webサイト)
あらゆる企業文書を高品質にスキャンし、PDFファイルなどのデジタルデータに変換するサービス。保存文書だけでなく、業務帳票など日々の業務との連動性が高い文書にも対応。顧客の業務の一部を担う中で新たな課題を見つけ、継続的な改善も実施するといった高い提案力にも定評あり。ドキュメントソリューションを通じて業務を改善してきたノウハウを活かして、電子化で実現したいことやデータ活用環境に対するアドバイスも行う。
最新鋭のネットワークカメラ、顔認証入退出システムを含む多段階セキュリティゲートが設置された場所でスキャン電子化作業を行い、データは自営のデータセンター(FISCに準拠したティア4レベル)で保管。電子化後に不要になった原稿の溶解処理にも対応しているなど、セキュリティ面でも安心なので、契約書などを含む機密書類も預けられる。
(出所:機密文書電子化(スキャニング)サービス公式Webサイト)
課題のヒアリングから最適な電子化プランの提案、その後の運用展開まで提案してくれる顧客密着型の機密文書電子化サービス。大阪市に拠点があるため、特に阪神エリアの企業におすすめだ。
独自の配送網や施設を保有し、プラン提案から回収、電子化、ファイル名変更、機密文書の廃棄まで、ワンストップで対応。オプションとして、「OCR処理サービス」「PDFファイル名変更サービス」「仕分け代行作業」「機密文書破砕廃棄サービス」などを提供。枚数単位、ファイル単位など、料金体系がわかりやすいのも魅力。
文書保管にも対応した文書電子化サービスを3つご紹介します。
(出所:文書電子化サービス(スマートスキャニング)公式Webサイト)
セキュリティ輸送ノウハウを活かし、文書の輸送から電子化、納品までを行う文書電子化サービス。文書の輸送には各種セキュリティ輸送を用い、書類の原本は専用倉庫で厳重に保管する。
すべての文書を一括してスキャンし、PDFファイルでデータ納品する「フル電子化サービス」と、必要な分のみ電子化し顧客専用Webに掲載する「オンデマンド電子化サービス」の2プランを提供。大量の文書があり、原本保管も依頼したい場合は後者が適している。
(出所:そのままスキャン公式Webサイト)
書類整理・電子化・入力作業・保管/廃棄までに対応した電子化サービス。1ページ3円からとリーズナブルで、数量に応じたボリュームディスカウントもあり、コストを抑えて大量にスキャンしたい場合におすすめ。大学法人、宗教法人、社団法人など貴重資料や文化財を所有する顧客からの依頼も多く、資料を傷つけずに電子化するためのノウハウを備えている。
電子帳簿保存法やe-文書法について、定期的に社内勉強会を開催し、最新の知識を保有。更に、文書情報管理士の資格を有する従業員が複数名在籍し、品質管理や工程の管理を厳重に行っている。
(出所:スキャニングサービス公式Webサイト)
スキャニングからその後の紙の廃棄、外部倉庫への移管、紙文書にかかる業務プロセスの代行まで、様々な業務を支援するサービス。会社の機密文書や、日常の業務にも頻繁に使う資料など、社外に持ち出せない書類の電子化は、現場でスキャンを行う出張スキャニングサービスで対応できる。
運営会社は電子帳票システムに強みを持っており、文書情報管理士が多数在籍。電⼦帳票サービスやe-文書法対応ソリューションも手がけている。
文書電子化サービスの概要や選び方などとともに、タイプ別のおすすめのサービスを紹介しました。
自社の業務内容や、「目視を取り入れたサービスが欲しい」「大量の書類を手早く電子化したい」「書類の保管まで依頼したい」といった使用目的を軸にすると、最適なサービスがスムーズに絞り込めるでしょう。
本記事でご紹介した3つのタイプ別の選び方を参考に、自社に最適な文書電子化サービスの導入を検討してみてください。膨大な書類は、眠らせておくだけでは活用できません。コストを減らし、スペースを有効利用しながら、情報資産を上手に運用していきましょう。
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