社員やお客様など、個人への煩雑な銀行振込業務を効率化するために、送金サービスの導入を検討している方へ。企業から個人への送金サービスの内容や運用方法とともに、おすすめのサービスを紹介します。
企業から個人への送金サービスとは、いわゆるBtoC(企業から一般消費者)への送金が行えるサービスです。返金、キャッシュバック、報酬の支払い、交通費の支払いなどに用いられます。
返金 |
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キャッシュバック |
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報酬関連 |
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支払い |
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交通費 |
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また、2023年4月には「デジタル給与」が解禁となりました。2024年2月時点ではまた、開始時期が公表されていませんが、今後は給与支払方法の1つとして一般化していく可能性があります。
すでにデジタル払いに対応している経費精算の普及具合を見ると、かなりのニーズが期待でき、活用の幅は今後更に広がっていく見込みです。
企業が送金サービスを利用した場合、以下のようなメリットが期待できます。
送金サービスでは、送金手数料が比較的安価に設定されています。料金はサービスによって異なりますが、以下の表からわかるように、他行宛の一般的な銀行の振込手数料に比べて低コストで利用可能です。
一般的な銀行 (他行宛の場合) |
3万円未満 | 3万円以上 | |
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ATM(現金) | 350円 | 500円 | |
窓口 | 550円 | 700円 | |
送金サービス | 50円~、または月間の送金総額に対して5%など |
送金サービスでは、時間の制約を受けないこともメリットの一つです。通常の銀行や郵便局では営業時間が限られているため、時間に合わせて処理を行わなくてはいけません。特に窓口を利用する際は、支店の混雑状況によって待ち時間が長くなることもあります。しかし送金サービスの場合、銀行の営業時間外でも送金の予約を受け付けてくれます。
送金サービスでは、相手の口座情報がなくても送金が行えます。SMSもしくはメールを使って受取人に手続き案内通知を送り、受取人が手続きをすれば完了。銀行口座の入力間違いのような手戻りをなくせるほか、個人情報を取得し管理するリスクや運用負荷から開放されます。
送金サービスを使えば、顧客が希望する受取方法で、24時間365日即時受取が可能に。「入金までの待ち時間をなくしたい」というユーザーニーズに応えることで、顧客満足度の向上が期待できます。
具体的な受取方法については、次の「主な送金方法」にて解説します。
送金サービスには様々な送金方法が用意されています。サービスによって異なりますが、主に以下のようなものが利用可能です。
銀行口座 | 一般の銀行と同様に、国内の金融機関全行への振込が可能です。 |
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ATM受取 | 送金企業が登録を行うと、SMSやメール、郵便で受取人に通知が届きます。受取人は、送られた番号をセブン銀行ATMで入力して受取ります。 |
LINEでの受取 (LINE Pay残高) |
LINE Payユーザーごとに割り振られたLINE Payナンバー(11桁)を使った送金方法です。電子マネーとして受取れるほか、セブン銀行での出金も可能です。 |
コンビニ受取 | 店頭に設置されたローソンLoppi(店頭端末)で受取情報を入力する方法です。発券された申込券をレジに渡せば現金を受取れます。 |
ドコモ口座での受取 | 企業から案内されたWebサイトにアクセスし、ドコモ口座の番号を入力すれば受取れます。 |
au Payでの受取 | KDDI、および沖縄セルラー電話が提供するQRコード決済のau Payで受取る方法です。電子マネーとして利用できます。 |
Amazonギフト券 | メールで案内が届き、Amazonギフト券として受取る方法です。受取ったギフト券は、AmazonのほかAmazon Payを導入するECサイトで利用できます。 |
毎月の振込件数が多い企業にとって振込手数料は大きな負担です。一つひとつの金額は少額でも、月に1,000〜10,000件もの単位になると膨大な金額になります。
特に通販やEC事業で課題となっているのが、返品に伴う振込手数料です。2023年時点の返品率は5~10%ですが、昨対比で見ると大幅に上昇しており、年々返品需要が高くなっています。また、柔軟な返品対応が顧客のリピーター化につながることから、「サイズを間違った」「イメージと違った」といった顧客理由での返品リクエストを受け付けている事業者も増加傾向にあります。
参考:Recustomer株式会社「2023年度 ECサイトの返品・交換データ調査レポート」より
このように、顧客満足度の向上といった視点からも、これから返品対応が増えていくことが予想されます。そのため、返金に伴う振込手数料に早めに対策を講じておくのがおすすめです。
本記事でご紹介するサービスの送金手数料は以下のとおりです。
サービス名 | 送金手数料 |
---|---|
LINE Pay かんたん送金サービス | 50円/件。または、送金金額の5% |
pring法人送金 | 50円〜/件 |
Kyash法人送金サービス | 50円/件 |
ここからは送金サービスの運用方法を解説します。資金の準備と送金情報の登録方法を詳しく見ていきましょう。
送金サービスを利用するためには、資金の準備が必要です。以下に、主な方法を3つご紹介します。
デポジット型 (事前チャージ型) |
サービス事業者の口座へ事前に入金を行います。残高の範囲内に限り利用可能です。 |
---|---|
都度入金型 | 管理画面から送金情報を登録した後、送金額及び手数料の合算をサービス事業者の口座に入金する方法です。 |
立替型 | 送金サービス事業者が一定の上限額の範囲内で資金を立替えて送金します。送金に伴う費用は締日毎に請求・精算する仕組みです。サービス利用にあたり事前審査があり、保証金の預託が求められます。 |
次に、送金情報の登録方法を解説します。
個別登録 | 送金サービス事業者が提供する管理画面から、受取人の情報や金額を個別に登録します。送金件数が少ない場合に利用されます。 |
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CSVによる一括アップロード | 送金情報を記載したCSVファイル準備して、管理画面から一括アップロードする方法です。大量の送金でも手間をかけずに行えます。 |
API連携 | 送金サービスと企業のシステムをAPI接続し、送金情報を自動登録する方法です。API連携のため開発作業が発生しますが、一連の業務が自動化されて効率化につながります。 |
API連携済みサービス | 各ベンダーが提供する会計システムや経費精算ツールでは、すでに送金サービスとAPI連携済みの製品が存在します。企業側では、両者と契約するだけで開発の手間をかけることなくスムーズな運用が可能です。 |
送金情報の登録方法はサービスによって異なるため、事前確認が必要です。
主な企業から個人への送金サービスを紹介します。
(出所:ATM受取公式Webサイト)
セブン銀行ATM及びセブン-イレブンのレジで原則24時間365日スピーディーに送金できるサービス。メールアドレスや携帯電話番号で送金でき、銀行口座情報は必要ない。送金・受取状況が専用ポータルサイトで随時確認できるのが特徴だ。専用ポータルサイトで送金依頼すると、リアルタイムでメールやSMSで受取人に通知が送られる。受取人はセブン銀行ATMで簡単に受取完了できる。
ECサイトの返金、キャンペーンのキャッシュバック、アンケートの謝礼、採用活動の交通費支払いなど幅広い用途に活用されている。
(出所:LINE Pay かんたん送金サービス公式Webサイト)
初期費用・月額費用がゼロで、1件あたり50円または月間の送金総額の5%で利用可能な送金サービス。LINE Pay残高として24時間365日いつでも送金可能。LINE Payユーザーに割り振られたLINE Payナンバー(11桁)を用いて送金が行われる。新たに「LINE公式アカウント」や「WORKSアカウント」などの作成は不要、LINE Payのみで完結するのが特徴だ。
送金完了後、送金先ユーザーにLINEで通知が届く仕組み。送金情報はExcelによるアップロード、API連携に加え、連携済みサービス(マネーフォワード クラウド経費など)からの登録が選べる。
(出所:pring法人送金公式Webサイト)
24時間365日いつでも送金が行え、受取人はリアルタイムで送金アプリ「pring(プリン)」から受取れるサービス。送金手数料が1件あたり50円〜、初期費用・月額費用0円と低価格ながら、事前エラーチェックによって無駄な送金コストを発生させないのが特徴だ。
また、口座情報不要で電話番号のみでの送金、アプリでの受取、銀行への直接送金などの機能を備えている。会計システムや経費精算システムなど提携サービスとの併用で業務の自動化も可能。
(出所:Bチャージ公式Webサイト)
24時間365日いつでもau PAYに送金できるサービス。送金に必要な情報はau PAY会員ナンバーのみなので、auユーザー以外でもIDの登録とアプリのダウンロードをすれば利用できる。送金方式はAPI連携方式、SFTP連携方式、CSVファイルアップロード方式から選択可能。送金業務を自動化したい、都合に合わせて都度送金したいといったニーズに柔軟に対応する。
キャンペーンのインセンティブ、カーシェアサービスの車両オーナーへの報酬、中古品の買取金などの場面で有効活用されている。
(出所:マルチバリューチャージサービス公式Webサイト)
ヤマトシステム開発が提供するBtoC向け送金サービス。報酬、返金、経費精算、リユース買取金など、幅広い支払いに利用されている。送金先は、セブン銀行ATM、amazonギフト券、LINEPay、楽天Edy、PayPayなどから選択可能で、今後も順次拡大予定だ。
リユース業界の大手企業で導入事例があり、特に買取代金の支払いに強みを持つ。その一例が、決済ID入力や査定額の確認を、顧客が事前に行える専用Webサイト機能。店頭での手続き時間を削減できるほか、ID提示が不要となるため、レジでのストレス削減につなげられる。加えて、サービス提供までの時間短縮と費用削減という、事業者サイドのメリットもあるため、買取をメインにする業者にはおすすめだ。
(出所:ウェルネット送金サービス公式Webサイト)
口座チェック機能によって組戻しを未然に防ぐことができる送金サービス。指定した口座への振込に加え、セブン銀行ATM、ローソン店舗での現金受取、Amazonギフト券での受取、支払秘書アカウント(専用サービス)への入金にも対応可能。
キャッシュバックキャンペーン、イベントキャンセル時の払い戻し、採用活動の交通費支給など、幅広い業種・業界で豊富な導入実績を誇る。新型コロナウイルスの就学支援金送金に活用された事例も。
(出所:CASH POST公式Webサイト)
送金規模や運用体制を問わないBtoC送金サービス。送金資金の提供方法には3つのパターンが用意され、事前にまとまった金額を入金する「デポジット型」、送金毎に必要な金額のみを入金する「都度入金型」、送金額及び手数料等の送金費用を立替えてもらえる「立替型(保証金事前預託)」から選択できるのが特徴だ。
手間のかかる送金情報の登録も、個別登録、CSV登録、API連携の3つから運用体制や利用シーンに合わせて選択可能。
受取には銀行振込、ローソン、ドコモ口座、セブン銀行ATMの4種の方法があり、受取人が選択する仕組みとなる。一部受取方法を除き、24時間365日リアルタイム受取可能。
(出所:DSKスマート送金サービス公式Webサイト)
オプションによって幅広い年齢層にも対応できる送金サービス。オンライン完結する送金サービスが多い中、メールの代わりにハガキで通知できる「ハガキ送付オプションサービス」、コールセンターで口座情報を受け付ける「電話受付オプションサービス」などを提供。携帯電話・スマホやWebサイトを利用せずに利用できるのが特徴だ。
ネット利用に慣れていない層への利用にも適しており、幅広い用途に使い勝手の良いサービス。改正資金決済法にいち早く対応し、第2種資金移動業者としての登録を完了のうえ、事業を展開している点も安心。
(出所:Kyash法人送金サービス公式Webサイト)
デジタルウォレットアプリ「Kyash」を通じて携帯電話番号のみで受取れる送金サービス。リアルタイムに報酬にアクセスできる仕組みでありながら、送金コストは安価に利用できるのが特徴。
Kyashアプリをインストールするとチャージ式Visaカードが発行され、このVisaカードを使って世界中のVisa加盟店での支払いに利用が可能。Apple PayやGoogle Payにも対応しており、普段の買い物がスマホで支払い可能。チャージ式のため、使いすぎを防げるのも強み。その他ATMでの出金にも対応。
(出所:GMO-PG送金サービス公式Webサイト)
EC・オンラインサービス事業者向けに特化した送金サービス。PGマルチペイメントサービスのオプションとして提供。口座登録や送金指示など手間のかかる業務を自動化する各APIが用意されており、返金・払い戻し・報酬支払・キャッシュバックなどに伴う経理負担を大幅に軽減する。
銀行振込のほか、ATM、Amazonギフト券、au PAYでの受取が選べる。銀行振込以外は、24時間365日受取可能。
これまで振込処理は銀行を利用するのが当たり前と思われていました。しかし近年ではインターネットの普及もあり、徐々にインターネットバンキングや全銀サービスなどの利用が進んでいます。その中で個々に発生する振込に特化しているのが企業から個人への送金サービスです。
送金サービスを利用すれば、送金にかかるコストが抑えられるほか、24時間365日いつでも一括処理が行える、経理担当者の負担軽減などのメリットがあります。送金される個人側から見ても口座情報を伝えることなくアプリや電子マネー、コンビニなどで受取れるのは大きなメリットでしょう。
企業から個人への送金サービスには取り扱っている送金先や情報の管理方法などサービスによって様々な特徴があります。事業内容や利用シーンに適した送金サービスを検討してみてください。
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