最終更新日:2024-11-06
感情分析システムを利用してコールセンターの業務改善を図りたい担当者や、AI、音声を使った感情分析に興味がある方へ。コールセンター向け感情分析システムの概要や具体的な活用シーン、サービスのタイプとともに、おすすめのツールを紹介します。
コールセンター向け感情分析システムとは、音声やチャット、メールなどの文面から相手の感情を可視化し、コールセンターのオペレーターをサポートするものです。顧客の喜怒哀楽などを分析・コーチングしてくれるため、オペレーションがスムーズになり、やりとりにかかる時間やストレスが軽減されます。そのため、顧客の応対満足度の向上、オペレーターの離職率低下につながります。
多くのシステムでは、機械学習済みのAI(人工知能)を使って感情分析が行われます。感情分析に必要な情報は主に「テキスト(文字情報)」「音声」「表情」の3つ。コールセンター向けのシステムの場合、相手の「表情」は分析できないため、日々収集されるリアルタイム/録音の「音声」データや、文字起こし・アンケート回答などの「テキスト」データを中心に分析します。
音声の場合は、抑揚や声の強弱、リズムやテンポ、間の空き方などから相手の感情を読み取り、「喜」「怒」「哀」「楽」のようにラベリングして情報を蓄積。精度の高い分析につなげます。テキストの場合は、「自然言語処理」という技術を応用して、使用されている単語や文脈などから話者(書き手)の感情を解析します。
ポジティブ/ネガティブな感情の識別 | クレーム電話対応において、顧客の不満を解消できたか(ポジティブな感情が生まれたか)、どのような点に不満(ネガティブな感情)があるかを分析します。 |
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通話の満足度分析、信頼度のスコアリング | オペレーターの話し方をAIが定量評価。客観的な分析が可能です。 |
お客さまの声(VoC)分析 | 通話音声を様々な条件でグルーピングして、解析・比較・評価します。 |
感情のリアルタイム認識 | 顧客とオペレーターの感情をその場で認識。応対品質管理や通話分析ができるようになります。複数オペレーターの通話内容を同時に可視化・監視する機能を持つシステムも。 |
キーワード自動認識 | NGワードやキラーワードなど特定の単語発話や、保留を検知し、アラートで知らせます。通話の文字起こし機能を持つシステムであれば、忙しいマネージャーでも、効率的に各オペレーターの応対品質をチェックできます。 |
連携機能 | 音声データと顧客情報を自動連携することで、より高度な分析が可能に。「Zendesk」のように、クラウド型PBXサービス「Amazon Connect」の通話⾳声を収録・連携させることで、システムでの通話分析、モニタリング、応対⽀援などができるツールもあります。 |
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コールセンターに感情分析システムを導入した場合の、具体的な活用シーンをいくつかご紹介します。
通話音声から顧客のネガティブな感情をいち早く察知し、的確な対応ができるように。解約やクレーム抑止に役立ちます。
クレームのやりとりデータを分析して再発防止につなげます。反対に、優良応対を分析して、トークスクリプト(想定問答)の改善に役立てることも可能です。
通話をリアルタイムでテキスト化する音声マイニングシステムで、顧客の怒りの度合いを数値化。そのデータをもとに、以降のクレーム対応をブラッシュアップできます。
応対満足度を客観的にジャッジすることで効果的な研修が実施できます。また、オペレーターの応対音声データを解析して、離職リスクの高いオペレーターを発見し、改善策を打つことができるように。
コールセンター向け感情分析システムは、大きく3つのタイプに分けられます。
コールセンター向けのソフトに感情分析システムが搭載されたタイプ。業務を効率化する多彩な機能をベースに、感情分析機能が搭載されたシステムです。
代表的なシステムのひとつである「MiiTel Phone」は、IP電話や通話録音、文字起こし、IVR(Interactive Voice Response=自動音声応答システム)など、コールセンターに必要な機能を多数備えています。加えて、話す速度やラリー回数、被せ率などをAIが定量評価するスコアリング機能や、感情分析機能を搭載。会話のポジティブ、ネガティブな感情をAIが可視化し、クレームの早期発見やスムーズな応対につなげます。
音声認識サービスに感情分析システムが搭載されたタイプ。「ForeSight Voice Mining(フォーサイト・ボイス・マイニング)」のようにコールセンターでの利用を想定したものと、「心sensor」のように感情分析に特化したサービスがあります。
「ForeSight Voice Mining(フォーサイト・ボイス・マイニング)」は、NTT研究所が独自に開発したディープラーニングに基づく音声認識技術を利用した、高度な感情分析が可能。声の高さや大きさ、会話のリズムや言葉遣いなど様々な観点から、「静かな怒り」のような、日本人特有の抑制された感情も判別できます。更に、会話内容に応じてリアルタイムでマニュアルを表示するなど、オペレーターサポート機能も充実。
また、「心sensor」は動画をもとにした感情分析に対応。ビデオ会議システムなどを使ったオンライン接客・商談の分析にも活用できます。
APIやSDK(ソフトウェア開発キット)によって、自社アプリや既存のCTIシステムと感情分析システムを連携させて利用するタイプ。学習プロセスを省略して、感情分析AIサービスを利用・搭載したい場合や、導入済みのCTIシステムを使い続けたい場合に向いています。
「Amazon Comprehend」などの自然言語処理サービスがこのタイプに該当。AWSやAzureのサーバーリソースを利用している場合に便利です。使い勝手の良さや導入のしやすさでは(1)(2)のタイプに劣るものの、コールセンター向けの機能が必要なく、導入コストを抑えたい場合に適しています。
コールセンター向けソフト搭載型の感情分析システムを2つ紹介します。
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(出所:MiiTel Phone公式Webサイト)
IP電話、録音、文字起こし、音声解析などの機能がまとまったAI電話サービス。ポジティブ/ネガティブの感情が解析画面に示されるため、会話の当事者以外もクレームなどに速やかに対応できる。通話のスコアリングやキラーワード・NGワードの可視化といったセルフコーチングに役立つ機能も搭載。
加えて、どこからでも同じ番号で受電・架電ができるリモート機能、正確に情報共有・蓄積ができるSFA/CRM連携など、コールセンターの業務をサポートする機能がそろう。国産サービスなので、オンボーディングや活用支援セミナーなど、サポート体制が充実しているのも魅力だ。営業・インサイドセールス用ツールとしても利用できる。
(出所:Zendesk公式Webサイト)
CTIであらゆるチャネルと連携できるカスタマーサポートプラットフォーム。通話、ボイスメール、テキストメッセージ、メール、チャット、SNSを介してのやり取りを一元化できるオムニチャネルが特徴だ。
AWSのクラウド型コンタクトセンターサービス「Amazon Connect」、音声分析機能「Contact Lens for Amazon Connect」との連携に対応。顧客情報をZendeskで一元管理しながら音声のテキスト化、感情分析ができる次世代クラウドコンタクトセンターがスピーディーかつスモールスタートで構築できる(別途費用あり)。
音声認識サービス搭載型の感情分析システムを4つ紹介します。
(出所:Deep SEA公式Webサイト)
オペレーターの人材定着促進をミッションとする感情解析システム。イスラエルで開発された国際的な実績を持つ音声感情解析エンジンを搭載している。応対音声データを解析し、離職リスクのあるオペレーターを早期特定してフォローすることで、従業員満足度向上・離職率の低下を実現する。従業員満足度の改善により、顧客満足度の向上も見込める。
診断結果をもとにした現場の環境改善のサポートも行う。対応策を考えるミーティングのファシリテーションや、具体的な施策例などをレクチャーするプログラムを通じて、現場マネジメント力を底上げする。
(出所:ForeSight Voice Mining公式Webサイト)
⼤規模コールセンターでの実績を多数持つ、コールセンター向けAIソリューション。膨大な量の通話音声を定量的かつ客観的に分析することで、応対品質・CX・販売力の向上といった経営課題を解決する。中でも特徴的なのが、抑制された感情も判別できる高度な感情分析技術。日本人特有の「静かで冷静な怒り方」も識別する、NTTの特許技術が活用されている。
通話内容のリアルタイムでのテキスト化・要約、通話中の適切なFAQのレコメンド、重要事項の自動チェック、スーパーバイザーへの支援依頼・チャット、過去の通話内容の確認といったオペレーター向け機能のほか、スーパーバイザー/マネージャー向け、アナリスト向けの機能もそろう。
(出所:Omnis公式Webサイト)
Google Cloudの機械学習のエンジンを利用した、コンタクトセンター向けの音声テキスト化サービス。通話音声のテキスト化・FAQ提示・要約・感情分析を基本機能として搭載している。感情分析機能では、対話のセンテンスごとの感情を「平静」「喜び」「怒り」「悲しみ」でそれぞれスコアリングするほか、オペレーターの元気度も数値化できる。
Google独自のディープラーニングのニューラルネットワークアルゴリズムを利用することで、最先端の精度を実現。全世界のユーザーが認識精度を向上させてくれるのでチューニングも不要だ。Googleの音声認識を使用すれば、用途に応じてオプションを組み合わせることも可能。クラウド型かつ従量課金制のため、低コストで運用できる。
(出所:心sensor公式Webサイト)
リアルタイム録画機能を備えた表情・感情分析アプリ。感情認識AI「Affdex」に蓄積された膨大な人間の表情データをもとに、動画やリアルタイム映像から感情を分析する。表情筋の動きから23種類の表情、10種類の感情、2種類の特殊指標が抽出可能。
ローカルベースで、ネットワーク接続のない環境でのスタンドアローン実行に対応。グラフ表示のビューア機能、サマリー情報のGUI・レポート出力、およびCSV 形式のログ出力などができる。「感情分析を手軽に試したい」「分析結果のログデータが欲しい」といった方におすすめ。営業向け表情トレーニングやオンライン講師の指導品質向上といったシーンでも導入されている。
API対応型の感情分析システムを3つ紹介します。
(出所:Empath公式Webサイト)
世界50カ国での利用実績を持つ音声感情解析AI。言葉の意味内容ではなく、声のスピード、抑揚、トーンなどの物理的な特徴量から、機械学習をベースに独自のアルゴリズムで感情を推定。数万人の音声データベースをもとに、喜怒哀楽や気分の浮き沈みを判定する。
また、2020年にはコールセンター用通話解析エンジンとして「Beluga Box」をリリース。クラウドCTIと連携させることで、顧客満足度測定の可視化や、通話から感情・音響特徴を用いた話し方解析が可能になり、オペレータ・ケアや応対品質向上につながる。
(出所:Amazon Comprehend公式Webサイト)
機械学習を使用して、テキストからインサイトや関係性を発見するためのAWSの自然言語処理(NLP)サービス。Amazon Comprehend API を使用した「自然言語処理」機能では、エンティティ認識、感情分析、構文解析、キーフレーズ抽出、および言語検出により、自然言語からインサイトを抽出することで、ポジティブ、ネガティブ、またはそれらが混じった感情などを比較・分析できる。コールセンターで運用する場合、通話音声をテキスト化したものを分析することになる。
100文字=1ユニット単位での従量課金制で、各リクエストにつき 3 ユニットの最低料金が発生する。多言語にも対応。
(出所:Vokaturi公式Webサイト)
ディープラーニングを活用して人間の声から感情や精神状態を認識するサービス。幸せ、悲しみ、中立、怒り、恐怖の5つの基本感情の認識機能を備えている。
リアルタイム分析および事後分析に対応しており、完全なオフライン環境で動作する。個人データを収集することもないため、セキュリティ・プライバシー保護を重視する機密データの測定に最適。
無料で使用できる「Open Vokaturi」と、有料でディープラーニングをベースとした「Vokaturi PLUS」「Vokaturi PRO」の3つのプランが用意されている。
コールセンター向けの感情分析システムの概要や利用シーンなどとともに、タイプ別のおすすめのサービスを紹介しました。コールセンターの業務を効率化する機能まで一式導入したいのか、音声認識サービスに強みを持つシステムを選びたいのか、既存のシステムと連携させて使いたいのか、導入目的を検討するだけでも、自社に適したサービスが絞られるはずです。
相手の表情が見えないコールセンターにおいて、音声は顧客の心理を正確につかむための重要な手がかりです。特に、本音をストレートに表現しにくい日本人が相手の場合、AIがデータに基づいて客観的な判断を下すことで、オペレーターの心理的負荷は大幅に軽減されるでしょう。オペレーターと顧客、それぞれの満足度の向上のために、システム導入の検討をおすすめします。
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