最終更新日:2024-08-22
内部通報体制を整備するために、通報窓口の受付代行や専用ツールの導入、専門家によるコンサルティングを検討している方へ。内部通報サービスに依頼できる内容、タイプ別のおすすめサービスを紹介します。
内部通報サービスとは、企業のコンプライアンス違反やハラスメントなどの不祥事を、従業員が抵抗なく内部通報できるよう促すサービスです。専用ツールや通報窓口のアウトソーシング、コンサルティングを通して、従業員の匿名性・秘密厳守を担保することで声をあげてもらいやすい体制を整備します。
導入によって、社外に伝わる前に、社内の不正を早期発見したり、予防したりできるようになり、健全な経営体制の構築につながるほか、従業員がより快適に働ける環境を整えられるなどのメリットが挙げられます。
内部通報制度とは、会社の不正や違法行為を発見した従業員が、社内に設置された専用窓口へ通報、相談できる制度です。また、通報者が不利益を被ることを防ぐために、通報者を保護する法律「公益通報者保護法」が定められています。2022年6月に、公益通報者保護法が改正され、従業員数301名以上の企業には、内部通報窓口の設置が義務付けられました。従業員数が300人以下の中小企業にも、窓口設置の努力義務が課されています。
内部通報の対象範囲は、主にコンプライアンスや社内規定違反、ハラスメントにまつわる通報です。このような不祥事の通報以外に、サービスによっては組織に対する要望を受け付けるものや、従業員のメンタル相談まで幅広く対応するタイプもあります。
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内部通報サービスは、後述の「通報窓口代行タイプ」「通報ツール提供タイプ」「内部通報体制構築支援タイプ」と大きく3つのタイプに分けられます。タイプやサービスによっても異なりますが、主に実現できることは以下の通りです。
通報者は匿名での通報ができ、個人情報や会社で使うメールアドレスを伝える必要はありません。匿名性を担保することで、「誰が通報したかが漏れないか」「報復されて社内で不利な立場にならないか」など、通報者の心理的ハードルを下げることができます。
内部通報サービスが提供するWebフォームをはじめ、メールや電話、ビデオ通話など多様な通報手段に対応します。PC、スマホ、タブレットといったあらゆるデバイスから通報できるものも。
海外法人や日本で働く外国人従業員にも安心して使ってもらえるよう、多言語に対応。Webフォームに記された内容の自動翻訳機能のほか、ネイティブスタッフが常駐しているサービスもあります。
Webフォーム内の操作に従えば、案件内容をまとめたレポートを自動的に作成できます。サービスによっては、通報案件の概要や調査内容を取りまとめたレポートを代行作成し、依頼企業に納品します。
従業員からの通報が、必ずしも不正に該当するとは限りません。そこで、専門オペレーターが通報の一次対応にあたり、内容を精査。不正に当たらない案件はオペレーターが対応を完結するなどの対応で、依頼企業側の事務負担を軽減します。
弁護士法人が運営しているサービスや、専門弁護士と連携しているサービスは、通報内容に対する法的見解を踏まえたアドバイスが可能です。
サービスを導入する企業に向けて、公益通報者保護法に則りながら、スムーズな通報体制の構築を支援します。
内部通報サービスのタイプは、大きく3種類に分けられます。
依頼企業に代わって、内部通報窓口のアウトソーシングを担うタイプ。知見豊富なオペレーターが、Webフォームやメール、電話など複数のチャネルで通報や相談に対応。窓口で受けた内容は依頼企業へ速やかに報告し、報告者と企業の橋渡しを行います。「代行を頼むことで社内リソースを削減したい」「事案に対する誤った判断を防ぎたい」といった企業におすすめです。
たとえば、「DQヘルプライン」は、Webフォームと電話による通報手段を提供し、24時間365日の受付体制を整えています。更に、37カ国語の多言語に対応、海外法令にも準拠しているため、グローバル展開や多国籍採用を行っている企業のニーズにも柔軟に応えられます(ただし、電話は国内のみ)。
企業危機管理で豊富な実績を持つ企業が提供する「リスクホットライン®」では、第三者の通報窓口として、通報受付から調査、通報者対応、レポート作成、改善提案まで、一気通貫でサポート。通報内容の評価やプロセス改善提案などのアドバイスを受けられるのも強みです。
そのほか、弁護士法人Nexill&Partnersの「内部通報窓口」のように、弁護士法人がアウトソーシングを提供しているケースも多いです。法的リスクや今後のコンプライアンス体制整備など、弁護士や社会保険労務士など専門家の法的見解をもとにしたアドバイスを受けられます。
Webフォームや案件管理ツールなど、内部通報にまつわる専用ツールのみを提供するタイプです。第三者を介さず自社で通報窓口を運営するため、比較的安価に導入できるサービスが多いのが特徴。「まずは安価に試してみたい」という企業にもおすすめです。
企業側への問題報告や、通報窓口担当者とのコミュニケーションを匿名でスムーズに進められるほか、対応の抜け漏れ防止など、案件の進捗管理にも役立ちます。また、ツールには強固なセキュリティ対策が講じられているため、センシティブな情報が含まれている場合も安心です。
たとえば、「WhistleB」はISO/27001やGDPRといった、国際的な個人データ保護規則に則って運用。加えて、二要素認証など複数のセキュリティ対策を施しているため、機密情報が外部に漏れるリスクを最小限に抑えることができます。
「完全匿名ヘルプライン」は、通報ツールの開発・運用を自社一貫で担っているのが特長です。外部委託しないことで情報流出リスクを防げ、システム上の不具合にも即時対応できます。
ただ内部通報を受け付けるだけでなく、依頼企業のニーズに合わせながら、内部通報の対応フローや実際の運用を一気通貫でサポートするタイプ。具体的には、内部通報を受けた場合の対策検討、運用ルール整備、運用開始後の体制に関するフィードバックなどを行います。
法律事務所ZeLoが提供する「内部通報サービス」は、まず導入にあたって内部通報規程の作成からスタート。運用後は、体制に関するフィードバックや内部通報体制を定着させるための社内向け研修にも対応します。内部通報体制を、一から本格的に整備していきたい企業に適したサービスと言えるでしょう。
通報窓口の対応業務を代行してもらえるサービスを紹介します。
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(出所:DQヘルプライン公式Webサイト)
国内外2,700社以上の利用実績を誇る内部通報サービス。チャネルはWebフォームと電話の2種類を用意しており、いずれも匿名で通報可能(電話は国内のみ)。
電話窓口では、産業カウンセラーなどの有資格者がオペレーターとして常駐。Web受付は24時間365日、電話は平日21時まで対応しているため、就業時間外やシフト制勤務の従業員でも利用しやすい。
不正侵入検知・防止機能や二段階認証などセキュリティ対策も万全。機密情報を厳重に管理しながら、システム上で匿名コミュニケーションを行える。
37カ国語の多言語対応ができるうえ、世界各国の現地弁護士事務所と提携しているため、海外の法令に則った運用も可能。外国人従業員を多く抱える企業や、グローバル企業にも導入しやすいサービスだ。
(出所:リスクホットライン®公式Webサイト)
企業危機管理で豊富な実績を有する同社が提供する内部通報窓口サービス。案件が終結するまで通報者と企業の間に立って伴走する手厚いサポートで、トラブル発生リスクを最小限に抑えながら、問題の早期発見や適切な対応につなげる。
1,200社以上の契約実績にもとづいた経験・ノウハウを活用し、通報受付から調査、通報者対応、レポート作成、改善提案まで、迅速な対応を実現。「通報内容をどう評価するか」「どのように調査すると効果的か」「是正のためのプロセスはどうすべきか」など、第三者の立場から分析・アドバイスの提供も行い、法的リスクや対応上の注意点もわかりやすい。通報1件ごとに初回通報から終結までの対応経緯をまとめた報告レポート(リスクレポート)を作成するため、報告書作成作業も削減できるのもうれしい。
(出所:内部通報窓口代行サービ公式Webサイト)
NECグループが提供する内部通報窓口代行サービス。NEC独自のセキュリティ体制に則った仕組みのもと運営しており、高いレベルの機密性を保持している点が特長。不正行為の告発以外に従業員のメンタル相談も受付可能で、高い傾聴スキルを持った専門の相談員が対応する。通訳サービス提供企業と提携し、多言語対応は最大13カ国語まで拡張可能。日本語も堪能なネイティブ人材が通訳や三者間通話に対応し、外国人従業員も安心して利用できる。
更に、オプションで管理職向けのパワーハラスメント防止研修や従業員向けの内部通報制度説明会などの依頼も可能。企業の実情に応じたサービスを組み合わせることで、より健全な通報体制の整備につながる。大手企業から自治体など、数多くの法人への導入実績あり。
(出所:NHホットライン公式Webサイト)
内部通報とハラスメント相談双方に対応する通報窓口代行サービス。Webフォーム・メール・書面・電話といった複数の受付チャネルを設けて、従業員が通報相談しやすい環境を整備。各チャネルには、内部通報制度に精通した専門オペレーターが常駐し、相談内容に潜むコンプライアンス違反やハラスメントのリスクを的確に察知する。オペレーターが、通報内容のリスクレベルを適宜判断して、柔軟に動いてくれる点も魅力。重要度の高い事案は、即座に専門家へエスカレーション。不祥事や違反に該当しないとみなされた案件はオペレーターの一次対応で完結させるなど、状況に合わせた判断を得意とする。
申し込み手続きはWebサイト上で完結し、最短1週間で導入可能。内部通報体制整備を急務としている企業にもおすすめだ。
(出所:内部通報窓口公式Webサイト)
法律事務所が提供する内部通報窓口代行サービス。弁護士や社会保険労務士などの専門家や、内部通報に知見を持つメンバーが窓口を担当するため、内部の担当者における誤った対応を未然に防ぐことができる。通報内容の解決に向けて、過去の事例や法的見解を踏まえた効果的なアドバイスが受けられるのも、法律事務所が運営するサービスならではの強みだ。また、通報事案に基づく報告書も同社が代行作成するため、依頼企業は報告書作成や、調査にまつわる事務負担を軽減できる。
自社内で窓口の設置、運営を行いたい場合に適した、ツール提供タイプのサービスを紹介します。
(出所:WhistleB公式Webサイト)
EUを中心に150以上の国で利用されているSaaS型の内部通報管理ツール。通報の際は、Webフォームに個人情報やメールアドレスの入力は一切不要。ツール内で窓口担当者とのやり取りが完結するため匿名性がしっかりと保たれている。GDPRやISO/27001といった国際基準の個人データ保護規制に則った運用や、二要素認証、データの暗号化など数々の強固なセキュリティ対策を取っていることも特長。
管理画面はシンプルで使いやすく、窓口担当者の対応の抜け漏れなど人為的なミスを防止できる。カテゴリーやグループごとに通報データを表示できるため、データをもとにした現状分析、課題の抽出も可能。届いた通報メッセージはおよそ60種類の言語から日本語へ自動翻訳できるので、外国人従業員が母国語で利用しやすい。
(出所:コンプラチェッカー公式Webサイト)
法律事務所が運営する内部通報管理ツール。依頼企業は、同事務所の公式HPにリンクされる専用Webフォームを持つことができ、従業員が内部通報しやすい導線を確保している。報告者のメールアドレス入力が必要だが、会社用ではなく個人アドレスの入力でもOK。
また、同事務所が従業員に向けて、内部通報にまつわるメールマガジンを定期発行する機能もあり、通報制度を従業員へ周知できる効果が見込める。通報内容は、同社の弁護士が守秘義務のもと厳格に管理。案件によっては、別途専門弁護士への相談もできる。
従業員数に関わらず、年間一律9,600円と低コストで利用できるのも嬉しいポイント。
(出所:完全匿名ヘルプライン公式Webサイト)
警察庁の「匿名通報ダイヤル」運営受託会社が提供する内部通報管理ツール。Webフォームを介して従業員からの通報が来たら、企業の担当者にメールで通知。その後は専用ツール内で直接やりとりできる仕様になっている。企業側は、通報者の受付から回答、進捗確認までツール内で行えるため、対応漏れの防止に役立つ。報告内容や対応履歴をもとに、内部通報に関する報告書を自動で作成できるのも便利なポイントだ。
自社開発のツールなので、システムトラブルやプログラム修正には即時対応可能。警察庁からの受託実績含めて、過去に100万件以上の事案を取り扱った経験から、機密性の面でも安心して利用できる。
内部通報の仕組みを構築し、社内に定着するまで支援するタイプのサービスを紹介します。
(出所:グローバル内部通報プラットフォーム公式Webサイト)
オリジナルのクラウド型プラットフォームを起点に、内部通報受付体制の整備、弁護士等第三者機関との連携、通報内容の是正など、企業の体制整備を総合的に支援するサービス。プラットフォームは、一件の通報に対して固有のIDを紐づける仕組みを採用。通報者は、IDをもとに匿名でコミュニケーションが取れて、窓口担当者は、IDごとに案件の進捗管理がしやすくなる。PC、スマホ、タブレットとあらゆるデバイスから通報できる機能もあり、通報者の利便性を加味した設計になっている。
世界中で採用されているサーバー上に構築されたプラットフォームなので、セキュリティ面も安全。アクセス制御やデータ保護、脆弱性管理など数種類の対策が取られており、機密性の高い情報を安心してやりとりできる。
(出所:内部通報サービス公式Webサイト)
法律事務所主導で、導入前の支援から通報後の調査、法的リスクに対する助言まで一気通貫で対応する内部通報サービス。導入前は、公益通報者保護法に基づいた体制整備の構築をきめ細かくサポート。必要に応じて、内部通報にまつわる社内規程の作成も依頼できる。対応方針の打ち合わせなど、一連の流れをすり合わせた上で運用に移るため、本格的に内部通報サービスを外注する企業も安心だ。導入後は、通報内容の調査報告書の作成はもちろん、処分の検討や調査委員会の立ち上げ、専門弁護士のアサインも任せられる。
運用後のフォロー体制も手厚く、運用状況や体制整備にまつわるフィードバックは無料で受けられるほか、社内アンケートや従業員研修も対応可能。
2022年6月に改正された公益通報者保護法によって、内部通報窓口の設置や見直しが急務となりました。すでに内部通報窓口は用意しているものの、従業員からの利用が活性化されていない現状を改善したいと考えている方も多いでしょう。
内部通報サービスが提供する、匿名性やセキュリティが守られたツールや通報窓口のアウトソーシングを導入すれば、それらの課題を解決、改善に導くことが可能です。更に、サービスを通して弁護士などの専門家と連携すれば、法律に基づいた適切な通報体制を整えることができます。
自社に合った適切な内部通報体制を構築したい方、社内の不正を未然に防ぎ、組織の健全化と従業員の働きやすさ向上を実現したい方は、ぜひ導入を検討してみてください。
内部通報サービスをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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株式会社エス・ピー・ネットワーク
企業危機管理の専門会社が運営する内部通報窓口サービス。案件終結まで通報者・企業の間に立って伴走サポート。問題の早期発見や通報の適切な対応を支援します。...
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