最終更新日:2024-10-29
工事現場の写真を撮影する際に必要な黒板を電子化して、運用管理や情報共有を効率化したいと考えている工事会社・建設会社・施工会社の方へ。電子黒板アプリの機能やタイプ、選び方と共に、おすすめのアプリをご紹介します。
工事用電子黒板アプリとは、工事現場の詳細状況を記入して補足説明を表示する小黒板を電子化するためのアプリです。
従来の工事現場では、持ち込んだ黒板に現場状況などを手書きして、撮影対象と共にデジタルカメラで写真を撮り、データ管理する体制を取っていました。しかし手書きの黒板での運用には、主に以下のような課題があります。
これらの課題を解決するのが、工事用電子黒板アプリです。スマホにアプリをインストールすれば、画面上に電子黒板が合成された状態で、簡単に写真を撮影できます。黒板を持ち運んだり、現場ごとに一枚ずつ手書きしたりする必要がなくなるため、作業効率アップにつながります。
更に、スマホで撮影した写真データはクラウドソフトに共有され、自動でフォルダへと振り分けられるため、従来のようなデジタルカメラで撮影した写真をPCに取り込んで振り分け作業を行うといった手間を省けます。また、アプリによっては、関係者へスムーズに写真を共有するための導線が用意されているものもあります。
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工事用電子黒板アプリのさらに詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
施工管理アプリの選び方ガイド
工事用電子黒板アプリの主な機能は、以下の通りです。
アプリ内で電子黒板を作成します。複数あるフォーマットから現場に適した種類を選び、工事名や場所などを入力するだけ。一度作成した電子黒板はアプリ内にストックされ、ほかの工事現場で応用できるほか、適宜内容の書き換えも行います。
アプリでは、画面に電子黒板が合成された状態で写真を撮影できます。電子黒板の配置は自由に変えられるため、設置場所を気にする必要がなく、文字のかすれや反射の心配もありません。また、スマホのGPS機能をオンにして写真を撮れば、Exif情報(※)に撮影場所の情報を追加記録することもできます。
※写真の撮影日時や撮影機器のメーカー、シャッター速度、ISO感度、画像の更新日など一枚の写真にまつわる付加情報。
電子黒板アプリで撮影した写真データはクラウドへ保存され、現場ごと、取引先ごとなど、設定したフォルダへ自動で仕分けられます。
専用ソフトとの連携で、写真を挿入した台帳・報告書を簡単に作成。ソフトによっては、電子黒板に記載した内容まで自動転記されるので、入力の手間が大幅に省けます。作成した台帳や報告書は、PDFやExcelなどの形式で出力できます。
写真や台帳の内容は、共有フォルダにて関係者へ展開できます。現場からわざわざ事務所に戻って情報を整理・共有する必要がなくなるので、負担軽減につながります。
写真をはじめ、工事現場で発生した業務の成果は、国土交通省が定める「電子納品要領」に沿った電子データで相手方に共有する必要があります。専用ソフトが、要領に則った形式でデータをディスクに書き出し、出力するため、誤った形式での納品を防げます。
電子黒板アプリには、撮影した写真の改ざんを検知する機能が搭載されています。画像やExif情報を暗号化し、撮影時とチェック時で値を比較することで、改ざんされていないかを精査。写真の信憑性を担保できます。
ちなみに、無料で使えるアプリには改ざん検知機能がないものもあるので、導入を検討する際は、あわせてチェックしてみてください。
工事用電子黒板アプリは、以下の3タイプに大別できます。
電子黒板の利用にとどまらず、工事に関わる業務全般を支援するタイプ。台帳・報告書作成はもちろん、スケジュール管理、図面作成、検査業務の管理や案件の受発注管理に対応したアプリも。業務全体のDXを進めたい企業や、多くの管理業務を抱えていて効率化が必要な企業におすすめです。
主なサービス | 特徴 | 価格 |
---|---|---|
ANDPAD | ガントチャート形式での施工スケジュール管理や、図面の共有、案件の受発注管理など、日々の業務をDXする機能が豊富 | 要問い合わせ |
KANNA | 撮影した電子黒板付きの写真をドラッグ&ドロップで貼り付けるだけでスムーズに報告書を作成可能 | 要問い合わせ |
現場と本社、協力会社などの関係者同士で、撮影した写真や現場の状況に関する情報をスムーズに連携できるタイプです。電話やメールなど複数にまたがっていた連絡手段を一元化したいと考えている企業に最適です。「言った、言わない」の混乱を防ぎ、スムーズな情報共有を実現します。
主なサービス | 特徴 | 価格 |
---|---|---|
蔵衛門 | 写真や台帳の共有グループを社内外の関係者を含め工事現場単位で作成可能 | 月額600円/名~(プレミアムプラン・10ライセンス購入の場合) |
OPTiM Taglet | 電子小黒板やタグによる写真アップロード/整理、報告書作成をスマホ完結できる | 要問い合わせ |
現場Plus | 全体個別での情報共有に加え、写真・図面等の一括管理が可能。指示出しがスムーズになる朱書き機能も搭載 | 月額10,000円~(60ID/ストレージ50GB) |
ミライ工事アプリ | 撮影した写真をもとに、スマホで台帳作成まで完結。アプリまたはPDF形式で共有できる | 月額2,500円/名(法人契約の場合) |
Photoruction | 電子黒板のフォーマットが豊富。色やサイズの変更、図形や軸線の挿入など、柔軟なアレンジで様々な現場に対応 | 要問い合わせ |
電子黒板の利用に特化したタイプ。アプリをダウンロードするだけで、電子黒板の作成や、写真撮影の機能などを無料で利用できます。「写真の整理を自動化したい」、「台帳の作成まで完結させたい」場合は、別途有料で関連ソフトを導入したり、アプリ内課金をしたりする必要があります。
まずは、これまで手書きで運用していた黒板を電子化して、アプリの使い勝手を試してみたい企業におすすめです。
主なサービス | 特徴 | 価格 |
---|---|---|
電子小黒板PhotoManager | 連携できるオンラインストレージが豊富。専用ソフト「PhotoManager」との連携で、写真の編集・整理がスムーズに | 無料。「PhotoManager」利用の場合、10,380円/名~(税込) |
工事写真 | 撮影した写真はクラウドへ自動で保存・振り分け。クラウドへのデータ保存容量に応じて料金が変動 | 無料。クラウド利用の場合、月額250円/1GB~ |
現場DEカメラLITE | 買い切り型の「現場DEカメラPRO」なら、電子黒板への図面貼り付けや撮影時のフラッシュ制御機能も利用でき、電子納品も可能に。 | 無料。「現場DEカメラPRO」は3,000円(税込) |
どこでも写真管理Plus | GPSで位置情報や日時を自動取得し、黒板に自動転記。クラウド保存するには同社の土木施工管理システム「EX-TREND武蔵」の導入が必要 | 無料。「EX-TREND武蔵」の料金は要問い合わせ |
コストや導入の手軽さといった面で考えると、「③電子黒板の利用に特化」が有力な選択肢となるでしょう。会社全体で同じアプリを導入する場合は、コストや手軽さ重視で選ぶのも一手ですが、中には外部とのデータ共有に手間がかかったり、データのインポート・エクスポートに対応していなかったりするアプリも。
そのため、チームや社内外でのデータ共有が頻繁に発生する場合には、「②現場情報の共有に強み」タイプのアプリがおすすめです。
特化型のアプリも、別売りの共有用アプリなどを利用することで、データ共有を効率化できます。たとえば「電子小黒板PhotoManager」は別売ソフトの「PhotoManager」と連携すれば、PC上での写真整理や編集、電子黒板のレイアウト構築などが可能に。「現場DEカメラLITE」は「iTunes」や「Dropbox」などのオンラインストレージとの連携に対応しています。
工事現場にまつわる業務全体のDXを実現できるアプリを紹介します。
“工事用電子黒板アプリ”の 一括資料ダウンロードする(無料)
(出所:ANDPAD公式Webサイト)
建築業界のDXをワンプラットフォームで実現する、クラウド型建設プロジェクト管理サービス。電子黒板アプリでは、黒板作成から撮影、整理、台帳作成まで一気通貫で管理できる。数十種類の電子黒板レイアウトが用意されているほか、黒板に反映したい内容のCSV一括入力や、撮影画像の電子黒板ごとのフォルダ分けなど、数多くの工事現場を管理するのに役立つ機能が充実している。
また、写真の改ざんの有無を精査して、結果をCSVで出力できるのも便利だ。写真台帳の作成は、使いたい写真を選択して専用のフォーマットに反映させるだけ。コメントの入力や写真の並べ替えも自在で、PDF出力までスムーズに進められる。ほかにも、ガントチャート形式での施工スケジュール管理や、図面の共有、案件の受発注管理などにも対応。業務全体のDXを推進したい企業におすすめだ。
(出所:KANNA公式Webサイト)
約30,000社で導入されている施工管理アプリ。オプションで電子小黒板アプリが用意されており、スマホでの現場写真撮影、電子黒板の作成、内容書き換えなどがスムーズに行える。アプリにはあらゆる現場を想定した電子黒板テンプレートが用意されており、必要な情報を入力するだけで作成可能。撮影データ改ざん検知機能もあり、不正な書き換えもすぐに発見できる。
現場の写真だけでなく、工事のスケジュールや進捗状況、顧客状況も案件ごとに管理可能。アプリ内のチャット機能で関係者と会話できるため、必要な情報をリアルタイムで把握・共有できる点も強みだ。導入の際は専任の担当者がサポートにつき、自社に合わせたカスタマイズなども提案してくれる。
現場情報の共有に強みを持った工事用電子黒板アプリを紹介します。
(出所:蔵衛門クラウド公式Webサイト)
工事写真や黒板、図面をすべての現場メンバーとリアルタイムに共有できる現場共有アプリ。iOS専用の電子黒板アプリとして「蔵衛門クラウドApp」が用意されている。充実した撮影機能に強み。露出補正や電子納品に対応した解像度、セルフタイマーの設定に加えて、GPSをオンにして撮影すれば、緯度や経度を含めた位置情報が、Exif情報の中に自動記録される。
また、「蔵衛門クラウド」上では、AIが電子黒板や被写体の情報を読み取りながら、写真を自動で仕分け。専用ソフト「蔵衛門御用達」を利用すれば、工事写真をまとめた台帳の自動作成も可能に。電子黒板に入力した文字は台帳上に自動転記されるので、事務負荷の軽減や入力ミス防止につながる。
写真や台帳を共有できるグループは、現場単位で作成が可能。メンバーは人数無制限で追加でき、協力会社などの社外関係者も無料で招待できる。
(出所:OPTiM Taglet公式Webサイト)
撮影・アップロード・整理・共有まで現場完結できる業務効率化アプリ。スマホやタブレットで利用できる電子小黒板をはじめ、情報共有に役立つ機能を多数搭載。撮影時にタグを選択するだけで写真や動画をクラウドへ自動アップロードしたり、タグ情報をもとに自動整理したりと、管理の手間を大幅に削減できる。
撮影した写真を使用して、報告書作成も可能。写真に付与されたタグやメモ情報をそのまま転記できるため、入力作業を半自動化できるのもうれしい。
(出所:現場Plus公式Webサイト)
住宅会社・工務店向けに使いやすさとにこだわって作られた実用的な施工管理アプリ。工程表作成、多段承認による作業報告、入退場管理、危険予知活動など、現場で必要な機能を標準搭載し、追加料金なしで利用できることが強み。
電子黒板機能では写真に追加する際の色や項目、表示方法などを細かくカスタマイズ可能。項目の編集や保存はもちろん、改ざん検知機能に対応しているため写真の信頼性も安心だ。掲示板やトーク機能以外にも写真・図面・書類のフォルダ一括管理、指示出しをサポートする朱書き機能といった現場のコミュニケーションに役立つ機能が充実。また、施主様との情報共有機能もあり、施工状況の共有もスムーズに行える。
(出所:ミライ工事アプリ公式Webサイト)
電子黒板作成から写真の撮影、台帳の編集までを現場で実施できるアプリ。電子黒板を合成した写真撮影と写真を使用した台帳の作成を、スマホ内で完結できるのが最大の特徴。現場の担当者は事務所に戻ることなくスキマ時間で台帳を作成し、PDF出力まで行える。また、同アプリで作成した台帳をExcel出力できる「カスタム台帳」機能も便利。台帳の書式は自社や取引先に合わせて自由に調整できる。また、既存の台帳の内容を電子黒板に自動転記できる機能も。
料金プランは5種類。個人向けのフリープランから、外部関係者の専用アカウントを作成できる法人プランまで、ニーズに合ったものを選択できる。
(出所:Photoruction公式Webサイト)
データで施工管理の生産性向上を支援する施工管理システム。電子小黒板機能では、数百種類を超える豊富なフォーマットから工事用電子黒板を作成できる。罫線・図表の挿入や、黒板の色・文字の大きさまでアレンジでき、あらゆる工事現場に柔軟に対応。撮影した写真はクラウドで共有され、電子黒板に入力した情報をもとに自動で振り分けられる。また、各工事現場に必要な電子黒板を、図面と照らし合わせながら作成できる機能も。更に、CSVの一括入力によって複数の黒板をまとめて作成できるため、多くの現場を抱える企業の業務効率化に役立つ。
写真の改ざん検知機能が付いているほか、ログインパスワードなど機密性の高い情報はすべて暗号化されるため、セキュリティ面も安心だ。
最後に、電子黒板の利用に特化したアプリを紹介します。
(出所:電子小黒板PhotoManager公式Webサイト)
工事現場での写真撮影をスマホ一台で完結できる電子黒板アプリ。電子黒板は、数種類のレイアウトから作成する仕様になっており、必要に応じて豆図(工事写真を補足するための図面)も挿入できる。撮影した写真は、一括選択で「Dropbox」「Google Drive」などのオンラインストレージへのアップロードが可能。
同社の工事写真管理ソフト「PhotoManager」と連携することで、PC上での写真整理や編集、電子黒板のレイアウト構築などを実現。SVGファイル(一枚の写真に複数の写真や画像を透過して重ね合わせられる形式)での保存にも対応しており、元の写真にマークやメモなどを追記して重ねていくような運用にも適している。
(出所:工事写真公式Webサイト)
スマホのカメラ機能と工事用電子黒板が一体となったiOS専用アプリ。常にシャッターが押せる画面をメインに設計されており、現場で必要な時にすぐに撮影可能。画面の黒板部分をタップするだけですぐに編集画面に切り替わり、何回も利用する黒板は一度保存しておけば、次回撮影時にスピーディーに呼び出せる。
特許を取得した写真の自動整理機能に強み。工事名や工種、測点の情報をもとに撮影した写真を自動でフォルダ分けし、測点の順番や撮影日付の順番に並べて工事写真帳も自動で作成可能。写真整理にかかる工数を大幅に削減する。クラウドへ保存するデータ容量によって月額料金が変動する。
(出所:現場DEカメラLITE公式Webサイト)
工事写真の撮影業務を効率化するiOS専用の電子小黒板機能付き工事写真カメラアプリ。7種類のフォーマットが用意されており、黒板の位置やサイズはアプリ内で自由に調整可能。その後に作る台帳や報告書の様式に合わせて、写真の解像度も設定でき、「iTunes」や「Dropbox」などのオンラインストレージサービスとの連携で、撮影した写真をPCで編集することもできる。
買い切り型のアプリ「現場DEカメラPRO」なら、電子黒板への図面貼り付け機能や撮影時のフラッシュ制御機能なども利用可能。公共工事電子納品にも対応しており、より一層の作業効率向上が見込める。
(出所:どこでも写真管理Plus公式Webサイト)
電子黒板付き工事写真の撮影に特化したアプリ。電子黒板は複数のテンプレートから現場に最適な種類を選択できるほか、GPSにより位置情報や日時を自動取得し、黒板に自動転記することが可能。改ざん検知機能も搭載しているため、電子納品の際も安心だ。
撮影した写真はアプリ内のカメラロールに保存できるが、クラウド上に保存してPCで編集するには、同社の土木施工管理システム「EX-TREND武蔵」を導入する必要あり。PCで事前に作成した電子黒板をスマホへ反映できたり、写真を指定のフォルダへ自動振り分けできたりするなど、日々の事務作業を更に効率化できる。
電子黒板アプリは、現場に黒板を持参しなくて済むうえ、手書き運用にかかる手間を省ける画期的なアプリです。専用ソフトと連携すれば、写真の整理や台帳作成も自動化でき、日々の業務の効率が大幅にアップします。
電子黒板アプリは、アプリ単体で使えるものから専用ソフトとの連携が必須なものまで様々です。また、電子黒板の利用だけでなく、施工スケジュール管理や、外部関係者との情報連携ができる高機能なタイプも。導入サービスを検討する際には、自社に必要な機能を精査するところからはじめるのがおすすめです。
今回の記事で紹介した選び方を参考に、ぜひ自社に合った電子黒板アプリの導入を検討してみてください。
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工事用電子黒板アプリのさらに詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
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