広告運用において、Excelなどを使ったレポート作成や、クライアントへの報告に課題感を持っている方へ。運用データの集計、レポートの作成を効率化する広告レポート自動化ツールの機能や選び方、比較のポイントと共におすすめのツールを紹介します。
広告レポート自動化ツールとは、広告媒体と連携して広告運用に必要なデータを自動で集計してレポートを作成、クライアントに自動送信するツールです。
Excelなどを使ってデータを集計する場合、媒体ごとの管理画面へアクセスする手間や、グラフや表を作成するために指標を統一する必要があり、その分の工数がかかります。作業負荷が高いと、入力にもれや間違いなどの人為的なミスが発生する恐れも。また、クライアントに都度レポートを共有する作業の非効率さも無視できません。
しかし、専用ツールを用いて広告レポートにまつわる業務を自動化すれば、正確かつ効率的に広告データをまとめて共有することが可能に。集計データに基づいて分析や改善の検討に時間を割くことで、広告運用のクオリティ向上を実現します。
広告レポート自動化ツールに搭載されている主な機能について解説します。
複数媒体の運用状況を一括してデータを集計。時間別やメディア別など、ツールに搭載された様々な切り口のレポートを出力します。出力後のデータはダッシュボードやメール自動送信機能を活用することで、社内の担当者や顧客との間でスムーズに共有できるように。
複数媒体の配信状況を一元管理する機能。運用型広告やSNS広告、アフィリエイト広告など、異なる種類の媒体をツールに連携して、データを一覧で確認できるように。管理・確認にかかる作業負荷を軽減します。
KPIの達成状況や予算を管理します。一覧画面から異常値のあるプロジェクトを抽出したり、アラートを自動送信したりすることで、対応・改善が必要な状況を早期発見できるようにサポートします。
ExcelやGoogleスプレッドシート、Googleが提供する「BigQuery」や「LookerStudio」といったデータ分析ツールと連携する機能。それぞれに対応したファイル形式でレポートを出力して、施策の分析・改善に役立てられます。
広告レポート自動化ツールは大きく3つのタイプに分けられます。それぞれの特徴と選び方について解説します。
レポートの自動作成に特化したツール。多くの場合、様々な媒体の一元管理や、豊富な切り口での分析に対応しています。
たとえば「glu」は、Yahoo!広告やGoogle Adsなどの運用型広告、SNS広告、各種DSP経由のディスプレイ広告、アフィリエイト広告や効果測定ツールといった様々なツールとのAPI連携に対応。APIに対応していないデータパートナーでも、csv形式でインポートが可能です。
「Roboma」では、広告素材別に分析を行えるクリエイティブレポートを作成できます。次の施策に活かしたい効果的なクリエイティブの検討に役立ちます。
多くのツールでは、社内データの分析に用いられるBIツールと連携するための、出力機能を備えています。BIツールの導入を検討している場合や、広告レポート自動化ツールとの併用を検討している場合は、BIツール機能を兼ね備えたものや、連携に関わる操作が簡単なものを選びましょう。
たとえば「アドレポ」は、手軽に使える簡易BIツール「アドレポデータポータル」を提供。広告媒体別・キャンペーン別・広告別など、一般的な広告レポートで使われるパターンがプリセットされたBIツールを、外部APIに接続するだけで利用できます。
また「Databeat Explore」では、Googleが提供する無料のBIツール「Looker Studio(旧Googleデータポータル)」のデータソースとして使える形にダッシュボード化が可能。テンプレートも配布しており、Looker Studioとの連携しやすさに強みを持ちます。
レポート作成だけでなく、予算管理や最適な入札設定、効果改善の取り組みといった広告運用にまつわる業務も自動化できるタイプ。
たとえば「Shirofune」では、複数の広告媒体をまたがって計算された最適な予算配分から、各キーワードやターゲットごとの入札最適化を自動で実施。更に任意の期間やキャンペーングループ、媒体アカウント別など予算管理の枠組みを柔軟に設定できます。
広告レポート自動化ツールを比較検討する際におさえておきたいポイントは、以下の3つです。
効率化を実現するには手動による作業を残さないよう、利用している広告媒体のすべてに対応していることが望ましいでしょう。そのため、自社の運用実態に合った媒体と連携しているか確認が必要です。
たとえば「ATOM」は、Google広告、Yahoo!広告、Facebook広告、X(Twitter)広告をはじめ、LINE広告、インディード広告、TikTok for Businessなどの広告媒体や、CriteoやUNIVERSE Adsのような広告配信サービスとの連携にも対応しています。
また「ADRAS」では、SmartNewsやGunosy、Amebaなど29種類の広告媒体に対応しています。
日別、媒体別、時間別やキャンペーン別など、必要な切り口のフォーマットを利用できるかどうかも要チェックポイントです。
リスティング広告であればキーワード別や検索クエリ別レポート、ターゲティング広告であればクリエイティブ別レポートなど。広告種別ごとに必要になるフォーマットを提供しているか、また、自社の運用に合ったカスタマイズが可能か比較・検討しましょう。
たとえば「アドレポ」では、広告グループ、地域別、時間別など運用現場で利用される一般的なレポート形式を豊富に用意。サマリー/メディア別レポートからは、キーワード単位、バナー画像単位の結果を出力することもできます。
「ATOM」は157種類のレポートフォーマットを搭載。フォーマットを自由に変更できるカスタマイズレポートも作成可能です。
KPIの進捗や予算管理など、広告運用を支援する機能の有無も比較ポイントとなります。着地予想やコスト上限など、希望の条件に応じた通知設定を行えるツールなら、早期の対応が可能に。
たとえば「アドレポ」では、媒体をまたいだ合算値の進捗を一覧表示。全アカウントの広告主別/アカウント別/キャンペーン別に、アラート機能で予算消化状況を確認できます。
「glu」は、設定した目標KPIに応じたデータの一覧作成に対応。着地予想の個別確認を行えます。また「ATOM」は、予算超過や目標未達といった望ましくない状況へのアラートや、CV獲得やKPI達成といった成果を得られたタイミングなどカスタマイズした条件で通知設定が可能です。
更に「Roboma」のように、広告費用やコンバージョン単価(CPA)などが一定の基準を超えると、Slackやメールによるアラート通知が届くツールも。異常値を早期に発見して、非効率な予算配分を防ぐのに役立ちます。
(出所:ATOM公式Webサイト)
導入企業600社以上、年間の接続広告費1,000億円の実績を持つ広告レポート自動化ツール。数分で簡単に設定できる157種類のレポートフォーマットを搭載。加えて、フォーマットを自由に変更できるカスタマイズレポートも用意されており、自社の運用ルールに合ったレポートを作成できる。また、複数アカウント・別媒体をまたいでの一元管理ができるほか、それぞれの毎日の進捗管理をサポートする数値管理機能も備える。予算超過や目標未達など対応が必要となる状況から、CV獲得やKPI達成といった好調な状況まで、必要な通知を設定できるため、調整・改善をスピーディーに行える。
取得したデータはExcel、Googleドライブ、BigQuery(β版)などから、自社に合った出力方法を選べる。作成したレポートは指定したメールアドレスに自動で送信可能。日次や週次など送信のタイミングも自由に設定できる。
(出所:glu公式Webサイト)
運用者に寄り添う、運用型広告レポート作成支援システム。運用型広告やSNS広告、各種DSP経由のディスプレイ広告、アフィリエイト広告や効果測定ツールなど、豊富なAPI連携の実績を持つ。業界最多クラスの対応メディア数と、効果測定ツール数で、自由自在にモニタリングできる柔軟性が強み。
業種別・組織別・メディア別など、任意に設定した自由な単位で集計。更に細かく、キャンペーン単位からキーワード単位、月別から日別まで、様々な角度からデータを分析できる。
取得データは任意のExcelファイルにワンタッチでレポートとして出力。Excelで表現できるあらゆる図表フォーマットに対応しているため、社内外で活用されているExcelレポートをそのまま活用可能。メール添付やFTP、クラウドなど柔軟に出力先を選べるのも便利だ。
(出所:Lisket公式Webサイト)
導入実績650社、広告運用の実績が豊富な同社が開発したWeb広告レポート自動作成・広告予算管理ツール。リスティング広告、SNS広告の主要媒体を簡単操作でまとめて管理できる。
レポート作成に必要な項目を選択するだけで、適切にデータを比較できるExcel形式のレポートを自動作成。作成後に編集することも可能なので、適宜調整を加えられる。また、Google広告やYahoo!広告など複数の媒体の配信状況を一覧で管理できるので、様々な管理ページへ飛んで広告費の消化状況を確認する手間を省く。
更に、アカウントごとに残り日数と予算から算出した適切な1日の予算を自動で計算する予算管理機能も搭載。日ごとの消化コストやコンバージョンなど、日々の運用が適切に行われているかどうかを確認できるので、配信ミス防止に役立つ。
(出所:Roboma公式Webサイト)
レポートの自動作成からデータ分析までを行うクラウド型のデータマーケティングツール。媒体横断で広告データを一元管理して、すばやく改善策を導き、マーケティングDXを促進する。
Google、Yahoo!検索・ディスプレイ、Facebook、Instagram、LINEなどの主要広告プラットフォームと自動連携。手間がかかるクリエイティブレポートも一瞬で作成できる。広告素材別の分析に対応しているので、効果の高いクリエイティブをすぐに見つけて施策改善に活かせる。商材やサイトごとにプロジェクトを管理したうえで、ユーザー招待や社内外の担当者ごとの閲覧権限が可能。スムーズな情報共有を実現する。
また、Googleアナリティクス、アドエビスなどの効果測定ツールのデータを取り込んで、広告プラットフォーム間で、効果的な流入経路を比較するなど、ROAS/ROI(費用対効果)を把握できるのも魅力だ。
(出所:ADRAS公式Webサイト)
広告代理店の手間を「徹底排除」することを目的として作られたダッシュボードツール。運用型広告のレポート集計業務を自動化して、正確なコンバージョン計測を実現する。必要な情報を一画面に集約して、媒体を横断した集計データをひと目で確認可能に。
実績レポートに加え、広告案件、配信媒体、キャンペーン別といった切り口のレポートの作成に対応。指定期間内抽出や、配信媒体やASPを絞った表示もできるので、条件別の比較検討に効果的だ。簡単な操作で前日の媒体ごとの数値を確認できるので、注力すべき媒体をすぐに見つけ出せる。また、広告主、代理店ごとにソートをして前月数値をまとめられる機能を搭載。広告主・代理店ごとに前月の獲得件数の比較をする際に役立つ。媒体数・広告数無制限で使えるのもうれしい。
(出所:アドレポ公式Webサイト)
国内最大級、接続可能な媒体数20社以上の広告レポート自動化ツール。テンプレートの利用に加え、既存のフォーマットもそのまま自動化できる。出力形式はExcel、Googleスプレッドシートのほか、BigQueryにてGoogleデータポータルなどのBIツールへ連携し、リアルタイムなデータ共有も行える。
また、集約した広告データをもとに前月とのデータ比較や分析、今後に向けた改善アドバイスを自動で出力できるユニークなオプション機能も。「キャンペーン」「施行月」「デバイス」「キーワード」「広告」の5つの切り口で考察コメントを自動生成する。
APIから取得した広告運用データを表・グラフでビジュアライズし、BIツールのようにブラウザ上で表示させることができる機能「アドレポデータポータル」も提供。Google、Yahoo!などの媒体別サマリやキャンペーン・広告グループ別のパフォーマンス表示が行える。
(出所:Databeat Explore公式Webサイト)
データドリブンマーケティングの課題になりがちなデータの抽出・更新・集計・可視化を自動化するマーケティングデータプラットフォーム。マーケターが見たいデータを、見たいタイミングで可視化・分析することができる。
広告詳細レポートや広告パフォーマンスレポート、広告&Google アナリティクスレポートといった、見える化に役立つテンプレートを無料で提供。Google広告、Yahoo!広告、Facebook広告、X(Twitter)広告、Microsoft広告といった種類豊富な広告媒体からデータを集約してGoogleデータポータルに出力する。自動でデータが更新されるため、好きなタイミングで広告の分析や効果検証を行える。Google アナリティクスに広告の費用データを自動インポートして、費用データとアクセス解析データを統合・分析できるのも便利。
(出所:SUPERMETRICS公式Webサイト)
150を超えるプラットフォームからデータを統合して広告レポートを自動化できるツール。媒体をまたぐようなキャンペーンについても、リアルタイムに広告効果を算出できるため、柔軟に広告費用の最大化が図れる。運用媒体数が多く、ニッチな媒体も利用している場合にはおすすめ。
収集したデータはBIツールだけでなく、スプレッドシート、データ可視化ツール、データストレージなど様々なツールに自動で転送可能。広告データをマーケティング以外にも多角的に分析したり、データレイクやデータウェアハウスなど様々な用途で利用したい場合にも有用。日本語対応されていないものの、月額29ドル〜と比較的安価に利用できるのは嬉しいポイント。
(出所:Shirofune公式Webサイト)
プロによる広告運用を再現できるようにシステム化した広告運用自動化ツール。初期設定から予算管理や入札最適化、運用改善、広告効果の可視化、レポート作成・分析まで、トータルでの運用自動化に対応している。複数媒体で出稿する場合には、キャンペーンや媒体間を横断した自動化が可能。任意の期間やキャンペーングループ、媒体アカウント別など、予算管理も柔軟に設定できる。
また、広告を出稿したいWebサイトのURLや代表的なキーワードを解析し、高い広告効果が見込めるキーワードを提案する機能を搭載。キーワード洗い出しの工数を削減し、出稿キーワードの追加・削除も簡単に実施できるのが魅力。ツールから自動提案される「改善カード」に沿って画面を操作するだけで、改善施策を実行できる機能も搭載している。
Excelなどを使って広告レポートの作成をしていると、複数の広告媒体のデータ集計やレポート作成における作業コストが大きいうえ、人的ミスによって不正確なレポートが作られるリスクもあります。
広告レポート自動化ツールは、様々な切り口のレポートを自動で作成・送信、媒体の一元管理、進捗管理、分析ツールへの連携といった機能を搭載。導入することで、レポート作成にかかる人的・時間コストを削減し、効率的な広告運用を実現します。
システムは特徴別に、「レポート作成特化型」「BIツールの活用にも強みのあるタイプ」「広告運用の自動化にも対応するタイプ」の3タイプに分類可能。自社の運用ルールに合ったタイプの中から、「連携媒体の対応範囲」「レポートの種類の豊富さ」「進捗管理機能の充実度」といったポイントで、更に詳細な比較を進めましょう。
広告レポート自動化ツールの導入により、正確かつ効率的にデータ集計とレポート作成を行えるようになれば、広告運用の分析や改善施策の質向上が期待できます。本記事でご紹介した比較ポイントなどを参考に、広告レポート自動化ツールの導入を検討してみてください。
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