最終更新日:2023-01-30
これまで手作業で管理していた紙の帳票を、電子化して業務を効率化すると一口に言っても、効果はそれぞれです。ここでは、どのような効果があるのか、電子化する際の注意点はないのか、電子化はどのように進めるべきかなどを詳しくご紹介します。
帳票を電子化することで、これまで抱えていた紙での問題点の大半が改善されます。
まず、紙の帳票において、「作成」「送付・配信」「保管・管理」の3つの観点からそれぞれどのような点が問題になるのかを確認してみましょう。
企業のIT化が進んだ今、ほとんどの企業がPCを使って帳票を作成していますが、これまでの慣習などの理由から、現在も一部を手書きで作成している企業もあります。膨大な数の帳票を手書きで作成することは、人員・時間・手間、全てにおいて負担がかかります。苦労して作成した割に、乱筆であったり、誤字脱字があったり、作成する人によって精度の違いが大きく現れます。
また、PCを使ってExcelやWordなどで作成しても、印刷して紙に出力するとなると、取引先が多い場合は多数のファイル作成が必要になるうえ、プリンタで出力する作業も手間がかかります。それに数が多いとミスをする確率が高まります。
紙の帳票の送付はFAXや郵送となります。郵送の場合には、印刷・封入・投函などの作業があり数が多くなるほど重労働となり人的ミスも発生しやすくなります。また、一部電子化していたとしても、送付先が多数になると、相手先によって、電子メール、郵送、FAXを使い分ける必要があるようになり、処理が複雑になります。
紙の帳票は、物理的に場所を取り、限られた社内スペースのなかで保管場所を確保することは数が増えるほどに困難になっていきます。保管のために倉庫を借りている企業もあり、コストがかかります。
また、日々増え続ける膨大な帳票をファイリングして整理することも手間がかかり、そのファイリングの中から閲覧したい帳票を探し出すのも一苦労です。紙媒体に閲覧者の制限をかけることも難しいため、セキュリティ面でも不安があります。紛失や災害時の復元にも対応できません。
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では、これらの問題点は電子化することでどのように改善されるのでしょうか。3つの観点でそれぞれのメリットをご紹介します。
一度帳票フォーマットを用意しておけば、フォーマットに入力していくだけで簡単に帳票を作成することができます。サーバーやクラウド上にフォーマットを格納しておけば、誰でも場所を選ばずに作成することも可能です。また、見積書を引用して請求書や納品書に展開するということもでき、汎用性も高くなります。
電子化するにあたり、帳票ツールの導入も検討すると良いでしょう。帳票ツールとは、プログラミング不要でGUI画面上で帳票の開発や設計などができるサービスやソフトウェアのことです。
専門知識がなくても思い通りのレイアウト作成ができるのが特徴です。帳票ツールを利用することで、一つ一つの項目を確認しながらWordやExcelを使って手作業で入力する労力も不要になり、人的ミスの発生やデータ入力業務の省人化も図れます。利便性の高いフォーマットをあらかじめ設定しておくことで、誰でも簡単に入力するだけで帳票が作成できるのも魅力です。
また、基幹システムと切り離した環境で利用できるので、帳票の開発や設計、メンテナンスが必要な際にも、稼働中のシステムに影響を与えることなくフレキシブルに運用することが可能です。レイアウトやフォーマットの変更の際にも外部のプログラマーに発注することなく、実際に利用する現場の社員自身で操作できるため、コストもかからず、タイムリーに帳票を作成できます。社会情勢の変化に応じた定期的なバージョンアップはもちろん、消費税率の変更といった法改正や内部監査にも臨機応変に対応して常に最良の帳票を用意できます。
ペーパーレス化することで、印刷、封入、切手貼り、送付という一連の配送作業及び、印刷代、封筒代、郵送料といったコストがすべて不要になります。大量の帳票を少人数で送付できるので人件費を抑えることにも繋がります。
また、郵送の場合、相手先に届くまでに日数がかかりますが、電子帳票であれば、メールに添付したり、サーバーからダウンロードしたりできるので、瞬時に複数名に送り届けることが可能です。いつ、だれが、どのようなデータを送り、どうなったかといった送受信のデータを提供しているサービスもあるので、リアルタイムで配信状況を確認することもできます。
封入作業がなくなるので、送付先の間違えリスクが減ります。送付方式によっては、万一、誤って送信してしまっても、相手が受領する前にデータを差し替えることもできるので、送付ミスによって業務が滞る心配がありません。
また、電子化にあわせて、人の手を介さずに自動配信できるサービスを使うことで、人的な送付ミスを未然に抑えることが可能です。スケジュールを組んで定期的に配信するサービスもあるので、ミスを防止するだけでなく、配信業務の負担軽減にもなります。
紙の帳票のように物理的な場所を取らないので、膨大な帳票を社内空間に負担をかけることなく保管することが可能です。紙媒体のように経年劣化で判読できなくなる心配もなく、社外に持ち出して紛失する恐れもありません。閲覧にパスワードや権限を設定して制限をかけることや、どの端末からいつアクセスがあったかの履歴確認もできるのでセキュリティ面でも安心です。
データ化された帳票は検索性が高く、企業名、商品名、日付など、様々なキーワードから必要な帳票を短時間で抽出することができ、自動で仕分けることも可能です。
また、ワンクリックでCSVなどのファイル形式に変換できる機能もあり、帳票データの有効活用が手軽に。膨大な紙の帳票の中から必要な情報を探す手間と時間がなくなり、生産性のある業務に集中できるようになります。
紙よりも圧倒的に利便性の高い電子帳票ですが、いくつか注意点もあります。導入前にデメリットになる可能性も考慮して対策しておくと良いでしょう。
企業の規模や帳票ツールの導入の有無、どのようなシステムを使うかによって違いはありますが、いずれにせよ、これまで紙で作成してきた帳票を電子化するにあたり、数十万~数百万単位のコストがかかります。電子化した帳票を活用するためのタブレットやパソコンなどのデバイスも新たに必要になってくるでしょう。
また、帳票フォーマットの準備にも手間や時間がかかります。特殊なフォーマットや、複雑なシステムを使っていると、急な変更に対応できません。ITリテラシーが高い一部の社員だけでなく、帳票が必要な部署の全社員が実務レベルで使いこなせるフォーマットを試行錯誤しながら作りこんでいく必要があり、一時的に効率が落ちる期間も想定しておかなければなりません。導入コスト以上に生産性が見込めなければ、効率の後退にも繋がりかねないので、どの程度電子化をすべきか、慎重に検討する必要があります。
コスト面などの理由から電子化に踏み切れていない企業や電子化に否定的で紙でのやり取りを希望する企業もあります。また、国税関係の帳簿の中には、手書きしたものをスキャンした電子書類は認められないものもあるので注意が必要です。電子帳簿保存法が改正され、規制緩和が進んでいる近年、電子化を取り入れやすい環境になってはいるものの、完全なペーパーレスにするのは難しい側面もあります。紙と電子が混在するなかで重複管理の負担がかからないよう、できる限り不要な紙媒体での対応を削減していく工夫が必要です。
帳票を電子化することで何をどこまで効率化させたいのかを具体化して、電子帳票を活用する範囲を検討することが最初の1歩です。
たとえば、帳票の種類が限定的であれば、特定用途に強いクラウド帳票のサービスで事足ります。一方、中規模以上の企業で、帳票の種類や取引先が多数ある場合には、システム連携を含めたより汎用的な帳票システムの導入を考える必要があるでしょう。
いくつか進め方のポイントを紹介するので、ご参考にしてみてください。
電子帳票システムは、基本的に、「作成」「配信」「保管・管理」の3つの分野で大別することができます。自社にとって、何が業務上ネックになっているかによって、どの分野に強みがあるサービスを選ぶべきかが決まってきます。
また、帳票の種類が多数ある場合には、一度にすべての帳票を電子化することが負担になることもあるので、帳票を精査し、どこまで電子化対応するのかを検討することも必要です。その際、閲覧回数が多く、帳票の量が多いものから始めると効率的に進められます。帳票の種類が請求書や領収書などに限られるのであれば、Web請求書システムのように、特定の帳票に強いクラウドサービスでもよいでしょう。
どの部署の業務を効率化させるのが目的かを明確化しましょう。たとえば、営業部が中心となって見積書や請求書などを作成していて、そのボリュームが大きいのであれば、営業部に使ってもらうことが大切です。業務フローが変更して一時的に効率が落ちることもあるかもしれませんが、一度導入してしまえばその後の業務が効率化されるので同意は得やすいはずです。操作性が高くシンプルなシステムであれば学習コストをかけずにスムーズに導入できるでしょう。
また、見積書発行などに課長・部長などの承認フローがある場合には、合わせて電子決裁の導入を検討することもおすすめです。フロアがまたがっている場合や、出張や在宅勤務の場合などでも申請や回覧、承認がオンライン上でできるので大幅な時間短縮に繋がります。
販売管理システムなどの基幹システムと連携することで横断的に分析できるBIツールの活用は、会社の規模が大きく、部署を横断して情報をまとめる必要があるときなどには有効活用できます。一方、中小規模の企業で、帳票の数がそれほど多くなく、発行時期も頻度が月に数回程度であれば、それほど連携を重視する必要はありません。
帳票の種類が請求書、納品書、領収書といった明細書類に限定される場合にはCSVやPDFのデータをアップロードするだけで利用できるクラウド型システムの導入でも十分対応できるでしょう。これまで蓄積された社内データをうまく活用できればよいですが、システム連携して結局使われなかったいうことにならないよう、連携の目的を明確にして、利用範囲を考えることが重要です。
現在、各社から多数の帳票電子化システムが提供されています。「作成」「配信」「保管・管理」のうちどこまでの範囲で利用するのか、電子帳票のフォーマットの対応形式やシステム連携について、また、大容量の帳票をいかにスピーディーに配信できるのかも、導入するシステムを比較する際のポイントです。
自社の運用目的にあったシステムを選択し、場合によっては、複数のシステムをうまく組み合わせることで効率化を図ることを検討するとよいでしょう。具体的なシステムは「電子帳票システム比較15選。3分類してわかりやすく紹介」をご覧ください。
なお、請求書や領収書などの発行・配信であれば、Web請求書システムも選択肢になります。Web請求書システムについては「Web請求書システム比較14選!わかりやすくタイプ別に紹介(図解)」でご紹介しています。
紙の帳票を電子化することで、人員、時間、コストの削減はもちろん、業務の在り方を根本的に見直す機会となり、大幅な効率化が見込めます。政府が働き方改革の一環として推進してきたペーパーレス化は、着実に企業の生産性をあげることに貢献しており、今後益々加速していくことが予想されます。
新しい業務フローを取り入れることはコストも労力もかかり、全社員に浸透するまでには時間がかかることもあるでしょう。しかし、電子化への取り組みが遅れるほど、電子化を実現している企業へ遅れを取ることになりかねません。企業規模にかかわらず、帳票の電子化は避けることのできない早急に対処すべき課題と言えます。
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