最終更新日:2024-09-11
購入率・客単価アップや返品率低減のためにバーチャル試着システムの導入を検討している方へ。扱っている製品や使用する場所に最適なバーチャルフィッティングを見つけられるよう、メリットや選び方、費用などとともに、おすすめのサービスを紹介します。
バーチャルフィッティングとは、デジタル技術を活用することでサイネージの画面上やインターネットサイト・アプリ上で衣類やアクセサリーなどの試着ができるシステムです。「仮想試着」や「オンライン試着」ともいわれます。スマホやWebカメラを利用することで、ECサイトや実店舗の在庫に左右されず、いつでもどこでも簡単に試着のシミュレーションが可能です。
利用者の顧客体験価値の向上を実現するとともに、販売機会の拡大、更にはサイズ違いによる返品率の低下といった効果が期待できます。
本記事ではユーザーと企業双方にとってメリットが多く、ECサイトの利用者増加によってニーズが高まってきているバーチャルフィッティングについて紹介していきます。
バーチャルフィッティングサービスをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
バーチャルフィッティングには、写真をアップロードするだけで手軽に利用できるものから、入力された体型情報やサイネージを活用することでサイズ感・着心地などを再現できるものまで、様々な種類があります。
以下では「利用しやすさを重視した手軽なタイプ」と、「正確なフィッティングを目指した高機能タイプ」の仕組みについて、具体的なサービスを例示しながらいくつか紹介します。
手軽さを重視したバーチャルフィッティングでは、顔や全身の写真を利用する仕組みを採用。まるで実際に自分が試着しているかのような画像を簡単に確認できます。細かなサイズ感の把握は難しいですが、服の色味やデザインが自分に似合うかといったシミュレーションを行える点が特徴です。
「TIPSNAP」は、顔写真を登録するだけで、試着してみたい服のモデルと自分の顔を瞬時に入れ替え。全身コーディネートした際の雰印象を簡単にイメージできます。
「kitemiru」は、自分の全身画像とモデルの画像をAIが合成し、着用した際のイメージ画像を作成。顔を入れ替えるだけでなく、自分の体型でその服を着た際の見え方を把握できる点が魅力です。
実際の着用感や着心地、正確なデザインの把握を可能にする高機能なタイプでは、以下のような仕組みを採用しています。
「DressMirror」は、デジタルサイネージとAR技術により、ユーザーの骨格を読み取り、事前に登録しておいた服の映像を表示。動きにあわせた服の揺れまで再現するため、リアルなフィッティング体験を提供します。
「Body2Fit」は、身長や体重といった数値を入力し、正面と側面の写真を撮影するだけで、おすすめのサイズはもちろん、体の各部位の細かい着用感まで分析。オンラインと店頭、どちらでも正確な着用感を確かめられる仕組みを実現しています。
バーチャルフィッティングを導入することで、企業側は様々なメリットを得られるように。ここでは、主に3つのポイントに絞って解説します。
バーチャルフィッティングによって、オンライン上や来店した店舗に在庫がない場合でも試着体験を提供できるように。これにより、試着できないことによる販売機会の損失を防げます。
また、トータルコーディネートを手軽に提案しやすくなるため、セット購入の促進にも効果的。客単価のアップにもつながります。
スワイプするだけで数多くの服を簡単に、かつ短時間で試着できるのも、バーチャルフィッティングならではの強み。着る機会のなかったアイテムにもチャレンジしてもらいやすく、提案の幅が広がります。
ECサイトで服を購入された場合、サイズ感やイメージの違いによって返品されてしまうことも。返品が増えれば、その分返品に伴う手間やコストも発生してしまいます。
バーチャルフィッティングの導入により、サイズ感やフィット感、質感などを事前に確認したうえで購入を促せるように。実際に商品を着用した際のギャップを埋めることで、返品率の大幅な削減に貢献します。
ドレスや着物などは、着付けに手間がかかったり、試着後にクリーニングが必要となったりします。そのほか、コンタクトレンズのように使い回しができない商品の場合、試着用のサンプルを用意しなくてはなりません。
バーチャルフィッティングなら、実物の商品がなくても、ユーザー自身で簡単にオンライン試着をしてもらえるように。スタッフが在庫確認のためにバックヤードを探し回ったり、試着サポートをしたりする手間やコストが削減されるため、業務の効率化につながります。
バーチャルフィッティングは、主に3つのタイプに分けられます。タイプ別の特徴を把握したうえで目的にあったサービスを選びましょう。
ECサイトでの購買率改善や機会損失低減に特化したタイプです。試着の正確性よりも、コーディネートの提案やファッション性を重視しているといった特徴があります。
ECサイトに特化したタイプは、幅広いユーザーに訴求して新規顧客の獲得に強みを持つタイプと、おすすめ機能やターゲティングによってリピーター獲得に適しているタイプの2種類に分けられます。
ECサイト向けのサービスのなかでも、ユーザーが手軽に利用することを重視したタイプ。スマホやアプリで直感的に操作できるため、利用ハードルが低く、幅広い顧客層にアプローチしやすい点がメリットです。自分の顔や体型にあわせて、着用時のイメージやコーディネートを気軽にチェックできます。
たとえば、「wearcoord」は自分の体型にあったマネキン画像を選んで、簡単にコーディネートを作成するのが特徴。ユーザーはアプリ上に自分だけのクローゼットとして、気になる服や手持ちの服と似たイメージの服を保存しておくことも可能に。自由で楽しいコーディネート体験を提供することで、ついで買いの促進にもつながります。
「kitemiru」では、ユーザーは全身画像を1枚アップロードするだけで、AIが瞬時に試着イメージ画像を合成。試着した姿を気軽にシミュレーションできるため、新規ユーザーでも利用ハードルが低いのが特徴です。
ECサイト向けのタイプのなかには、試着データの分析までカバーしているサービスも。アナリティクスとの連携によるデータ分析によって、マーケティングデータの収集や、収集したデータでパーソナライズした的確なレコメンドも可能に。「ユーザーをターゲティングして提案を最適化したい」「試着・蓄積したデータを活用してピンポイントでアプローチし、リピーター獲得や回遊率を高めたい」といった要望に応えます。
たとえば、「FittingRoom」は、バーチャルフィッティングシステムを中心に高機能な検索・レコメンドサービスを展開。蓄積したデータ解析による最適化された提案と使いやすいUIとの組み合わせによって、ECサイトからの直帰率低下が期待できるだけでなく、リピーターの獲得も見込めます。
デジタルサイネージやバーチャルフィッティングスペースといったハードウェアを活用するタイプは、実店舗での試着の際に活躍します。
「着物やドレスなど試着が難しい衣装の試着を効率化したい」「質感や色味、細かい装飾などのディティールも等身大でしっかり確認してもらいたい」といった場合には、このタイプがおすすめです。
たとえば、「DressMirror」や「Virtual Fashion 2.5D」のようなデジタルサイネージを利用したバーチャルフィッティングサービスは、AR技術を活用して服の揺れや動きまで自然に再現が可能です。
ECサイトとリアル店舗のどちらでも活用できるタイプ。試着効率を向上させ、試着機会を販売促進につなげたいという、ECサイト・リアル店舗の双方が抱える課題に応えます。店舗に在庫がない場合でも、着用感や色味などをリアルに体験できる機会を提供するのも強みです。
たとえば、「あとおしちゃん」は、バーチャルカメラを用いて10秒で試着開始できる機能を提供しています。ECサイトに試着タグを埋め込むだけ簡単に導入を実現。アプリではなくWebサイト上で利用するサービスのため、モニターにつないで店頭に設置する大型試着サイネージとして活用するなど、柔軟に多様な利用法へ対応します。
「Body2Fit」では、簡単な質問に答えて写真を2枚撮影して送るだけで、正確な3Dアバターを生成。データをもとにおすすめのサイズを絞り込めるため、店舗で利用すれば実際の試着でサイズをあわせる負担を大幅に減らせます。
「MPカラコン(サークルレンズ)シミュレーター」は、カラコンの試着をサポートするサービスです。オンライン上で瞳の色に応じた微妙な色味も再現。気軽に正確な試着シミュレーションを行えるのはもちろん、実店舗でもサンプルを用意する手間が省けます。
(出所:wearcoord公式Webサイト)
性別・身長・体型ごとの着せ替え用画像を選ぶことで、リアルな着用感を把握できるバーチャル試着システム。導入されているブランドECサイトからアプリを起動すれば、スワイプするだけで直感的に着用イメージや組み合わせを確認。自由で楽しいコーディネート体験を提供することで、同一ブランド内での「ついで買い」も促進する。更に、手持ちの服と似たアイテムを使ったコーディネートも試すことができ、購入後のイメージ違いによる返品防止にもつながる。
(出所:TIPSNAP公式Webサイト)
スマホから気軽に試着が行える、バーチャル試着サービス。ユーザーが自分の写真とアップすると、モデルと自身の顔を入れ替えた合成写真が表示され、試着イメージを確認できるように。高度なAI画像処理技術を備え、違和感を生じさせない試着画像をスピーディーに合成することで、リアルな試着体験を提供している。
プラグイン対応もしくはAPI連携で、手軽な導入を実現。スタッフのコーディネート画像を活用するため、導入に伴う新たな撮影といった手間もかからず、リソースの有効活用につなげられる。
(出所:kitemiru公式Webサイト)
自社開発している最新のオンライン試着技術を活用した、バーチャル試着サービス。ECサイト用に撮影したモデル画像を登録するだけで、オンラインストアをはじめ、SNSにも組み込める試着ページが発行される。
ユーザーはスマホで撮影した全身写真と、購入を検討している商品や気になったアイテムのスクショ画像をアップすると、AIが瞬時に試着イメージを生成。自分自身はもちろん、家族や友人の写真をアップすれば、実際の購入前に似合うかどうかをチェックできる。
(出所:ENCODE Koala公式Webサイト)
ユーザーの指の動きをリアルタイムで検知する「ハンドトラッキング」を応用した、指輪専用の3Dバーチャルフィッティングアプリ。試着の最中でも石のカラーや素材をARで変更できるため、複数のバリエーションのある商品の比較に最適。ショップ側の導入で必要な作業は、ECサイトの管理画面に3Dモデルをアップするだけ。発行されたURLをSNSやECサイト、QRコードなどで案内するだけで、ユーザーが手軽に試着できるようになる。
(出所:FittingRoom公式Webサイト)
バーチャルフィッティングシステム「Virtusize」を中心とした、アパレル向けの高機能検索・レコメンドエンジン。蓄積したデータを活用した高機能な検索サービスが魅力。既存ユーザー向けに、購買行動やボディデータ、デモグラフィックデータに応じた商品をレコメンドしてくれる。スムーズでストレスフリーなUIとの組み合わせによって、回遊率の向上も期待できる。別途Analyticsを利用することで、購買行動に基づいたピンポイントな広告配信も行える。
(出所:unisize公式Webサイト)
いくつかの質問に答えるだけで、アイテムごとの最適なサイズを提案してくれるフィッティングサービス。導入サイト数は国内最多クラスの250サイト。蓄積された膨大な体型データとブランドごとのサイズデータを独自のアルゴリズムで解析し、精度の高いレコメンドを実現している。親切さ、丁寧さを追求したシンプルなUIデザインも魅力だ。キッズサイズでは、子供の成長を加味したおすすめサイズを提案。バッグは身長に対するサイズ感や、具体的に何がどのくらい入るかも表示する。
(出所:Virtual Fashion 2.5D公式Webサイト)
デジタルサイネージを用いて試着体験を提供するインタラクティブコンテンツ。カメラを通して映し出したユーザーの体に、画像化された服をあわせて表示。AIが人の動きを感知して処理することで、フリルの揺れといった動きまで再現した自然な試着イメージを確認できる。店舗側で行う作業は服の写真登録のみで、専用の管理アプリから簡単に操作可能。実店舗だけでなく、オンライン上でのリモート試着にも対応している。短期間の利用者向けに、サイネージ(ディスプレイ)と周辺機器がセットになったレンタルプランも用意。
(出所:DressMirror公式Webサイト)
サイネージを利用した試着シミュレーションシステム。実際にモデルが試着している写真から服のコンテンツを制作し、ユーザーの動きにあわせて合成する。モデルの骨格データを登録することで、体の動きにあわせて服の自然な動きも再現。骨格を認識して表示するため、小さな子供でも利用できるほか、別途3Dコンテンツを作成することで服の裏側の確認にも対応。試着時の操作はすべてジェスチャーで行い、サイネージの画面にタッチすることなく、安心して利用してもらえる。
(出所:あとおしちゃん公式Webサイト)
ARとAIの技術を用いた、スマホ利用向けのオンラインバーチャル試着システム。専用アプリやシステムの開発不要で導入でき、初期コストや準備の手間を削減する。試着に使う服の3Dデータも独自ツールで作成するため、企業側での準備は不要。既存のECサイトにボタンを埋め込む形式のため、ユーザー側・企業側がどちらも気軽に利用できるのが魅力だ。Webサイトに限らず、LINEやメルマガ、紙DM上にも展開可能。モニターに接続して、店頭設置の大型試着サイネージとして利用するといった活用法も。
(出所:MPカラコン公式Webサイト)
カラコン・サークルレンズ専用のシミュレーター。ユーザーが気軽に着用時のイメージを確認できるだけでなく、試着用のサンプルにかかるコストの削減にもつなげられる。1枚の顔写真をもとに、カラコンを重ねた際の複雑な色も表現するため、リアルな色味の再現度も高い。iOSやAndroidなど幅広いプラットフォームに対応し、ECサイトと店舗両方で活用が可能だ。カラコンだけでなく、コスメ、メガネのシミュレーターも展開している。
(出所:Body2Fit公式Webサイト)
アパレル向けのボディスキャンシステム。身長、体重、年齢、性別の入力後に正面・背面の写真を撮影するだけで、体の33カ所の計測データと姿勢データに基づいた正確な3Dアバターを生成。服を実際に着た時の細かい着用感まで測定でき、ユーザーに最適な2サイズを割り出しておすすめする。店舗とオンラインのどちらにも対応し、幅広い場面で試着の手間を減らす。返品率の低下と購買率アップの高い実績を持ち、世界中で利用されている。
デジタル技術を活用し、服やカラコン、アクセサリーといった各種アパレル商品の試着体験をより手軽にしてくれる、バーチャルフィッティングを紹介しました。以下、よくある質問をまとめておきましたので、参考にしてください。
多くのバーチャルフィッティングでは、具体的な費用は問い合わせのうえ、見積もりを取ることが前提となっています。実店舗での利用を想定している際は、サイネージや周辺機器も必要となるため、見積もりの際に詳細を確認しておきましょう。
デジタル技術を活用することで、違和感を抑えながらリアルな試着体験を提供してくれるバーチャルフィッティングですが、アイテムの詳細な質感までは把握しにくくなっています。
しかし、バーチャルフィッティングの導入によって、購買率や顧客単価の向上、返品率の低減、試着効率・コストの改善といったメリットが得られ、これまでECサイトや店舗での試着で抱えていた課題の解決につなげられます。
バーチャルフィッティングサービスをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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