最終更新日:2024-09-24
災害や防犯といったリスクへの対策として安否確認アプリに関心がある方へ。安否確認に特化した専用アプリの概要や機能(できること)を、運用イメージや利用上の注意点、おすすめのアプリとともに紹介します。
企業向け安否確認アプリとは、災害や事件、事故やテロといった非常事態に、従業員の安否確認をスムーズに行う法人向けのアプリです。大規模災害時でも安定稼働し、確実に安否確認ができる方法のため、企業が行うべきBCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)対策の一環としても注目されています。
システムではなくアプリを選択するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
そこで今回の記事では、専用アプリを提供している安否確認サービスを中心にご紹介します。
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以下は、多くのアプリに搭載されている主な機能です。
気象庁連携自動配信 | 気象庁が発表する情報と連携し、自動で安否確認連絡を実施。アプリ、メール、通話のほか、LINE配信(オプション)といった複数の手段で従業員に連絡します |
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外部システムとの連携 | 人事システムやグループウェアなどと連携して、ユーザーや部署の情報を登録 |
各種警報への対応 | 洪水警報や大雨特別警報といった様々な警報に加えて、新しく発令された警報にも対応 |
集計結果自動通知 | 従業員が回答した結果を自動集計し、管理者に通知します |
未回答者への自動再配信 | 未回答の従業員を判別して、安否確認メール等を自動で再配信します |
家族安否確認 | 従業員だけでなく、その家族の安否確認も行います |
手動配信 | 自社のニーズに合わせ、回答内容を手動で設定して配信します |
企業向け安否確認アプリの運用例として、代表的なケースをいくつか紹介します。
一定基準以上の災害が発生した場合に、従業員のアプリにプッシュ通知などで安否確認依頼が届きます。従業員がアプリ上で無事かどうかの状況を回答すると、集計作業が行われます。位置情報も回答できるアプリを使えば、災害時の従業員の位置確認も容易です。
多くのアプリでは、基本的に回答方法をアプリに限定しておらず、メールや電話など複数の手段を備えています。様々な災害状況では、いずれかの通信手段が使えなくなる恐れがあるからです。
たとえば「エマージェンシーコール」の場合は、スマートデバイスアプリや携帯電話(フィーチャーフォン)、メール、固定電話に対応。更に、緊急時の連絡先情報を1人10件まで登録できます。
ビジネスチャットを通じて、災害の通知と回答の収集を行うアプリもあります。
たとえば「安否確認bot for LINE WORKS」では、LINE WORKSだけでなく、個人のLINEアカウントでも利用できます。BOTが送る安否確認の選択肢ボタンをタップするだけで回答可能。回答は自動で集計され、管理者の元に自動で届きます。
よりシンプルな機能の「anppii」では、Slackを使って回答を収集。Slack上のリアクション機能を使って、チャンネルメンバーの安否を迅速に把握できます。
災害時に利用できる安否掲示板では、メッセージの書き込みや確認、PDFなどのファイル共有が可能。災害発生後の指示を伝達するなど、コミュニケーションの場として役立てられます。
「安否確認サービス2」の掲示板は、全社員が自由に利用できるもののほかに、限られたメンバーのみが利用できるグループメッセージ機能を搭載しています。「ALSOK安否確認サービス」では、従業員とその家族のみが利用できる掲示板機能を用意しており、家族内の安否確認ツールとしても有効です。
アンケート形式で回答を収集・集約する仕組みを使って、安否確認アプリを災害時以外にも利用できます。たとえば、スケジュール配信機能を使って、毎朝定期的にアンケートをとるといった使い方も可能です。
また、従業員の日々の健康状態の把握のために、体温や体調を定期的にアプリから報告してもらうなど、コロナ禍などのパンデミックにおいて有効活用されていたケースもあります。
専用アプリの利用にあたって、注意しておかなければいけないポイントもあります。
「いざというときにアプリが使いものにならない」という状況を避けるため、日ごろから運用方法を定めておきましょう。
ここからは、おすすめの企業向け安否確認アプリをご紹介します。
専用アプリの利用にとどまらず、幅広い安否確認サービスから自社にあったものを選びたい場合は、「安否確認システム比較14選!タイプと選び方をわかりやすく紹介」をご覧ください。
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(出所:エマージェンシーコール公式Webサイト)
1995年の阪神淡路大震災での経験をもとに生まれた、緊急連絡・安否確認システム。安否確認の回答率100%にこだわり、一人当たり最大10件の連絡先登録、連絡がつくまで最大100回までの繰り返し発信といった独自機能を搭載している。
音声通話の場合は自由に作成できる音声ガイダンスに従っての回答、メールの場合はIDやパスワード不要の操作、スマートデバイスアプリの場合はアプリ内の回答画面からの回答など、シーンに応じて柔軟な回答が可能。東日本大震災や熊本地震などでも安定稼働を続け、災害時の安否確認、BCPの各フェーズで発生する指示伝達、緊急連絡ツールとして活躍した実績を持つ。
(出所:Biz安否確認/一斉通報公式Webサイト)
安否確認依頼の配信や、回答の集計を自動化する安否確認サービス。震度7の地震にも耐えるデータセンターで運用しており、地震発生時の安否確認に強みを持つ。台風・豪雨の注意喚起、感染症流行時の従業員の健康管理としても活用できる。
スマホアプリ・メール・電話と複数の手段で自動配信し、未回答の従業員に対して自動で再送信。組織階層ごとの管理権限設定や、個人情報の非表示設定にも対応している。手動配信・自動集計ができて安価な「ライトプラン」、地震速報連動の安否確認に対応した「お手軽導入プラン」、電話通知ができる「通常プラン」の3つのプランを提供。
(出所:安否コール公式Webサイト)
1,300社以上で導入されているID・パスワード不要の安否確認システム。ユーザとその家族の登録に対応しており、プライバシーを保護しながら安否確認を行える。自動安否確認通知(メール配信・アプリ通知)、スマートウォッチ対応、GPS位置情報、自動集計、家族安否確認、アンケート機能、掲示板機能、手動配信の8つの機能を備える。また、ID・パスワード不要なので、いざというときに「ログインできない」という事態を防止できる。
豊富で快適な機能とシンプルで使いやすい操作性で、有事の際もスムーズに機能。コミュニケーションプラットホームとして日常的に活用できる。
(出所:ANPiS公式Webサイト)
必要な機能だけに絞った、シンプルな設計の安否確認システム。気象庁と連携し、地震や特別警報(台風・洪水など)などの災害発生情報を24時間365日リアルタイムに取得。災害の発生に合わせてメールなどを自動で配信し、従業員の安否や出社可否の確認結果も自動集計する。
地域、震度、警報・注意報の種類など詳細な配信設定が可能。自由に回答フォームを設計できる手動配信で、感染症の罹患状況などを確認でき、パンデミックにも活用できる。有償オプションでLINE配信にも対応。
(出所:セコム安否確認サービス公式Webサイト)
被災時の初動対応と備えをトータルにサポートする安否確認サービス。災害の規模や気象庁などから入手した災害情報の真偽を、専門スタッフが独自のノウハウで確認し、管理者にメールで通知。機械と人力を組み合わせた24時間365日体制のオペレーションで、有事のタイムリーな行動指示と状況把握を実現する。
社内の管理者に代わり、トラストオペレーションセンターが安否確認の通知を代行送信し、社員は「専用Webサイト」「電子メール」「スマホアプリ」「LINE連携」「電話(自動応答)」のいずれかで回答。そのほかにも、テスト送信(災害訓練機能)、複数拠点でのバックアップなど、事業継続・早期再開のためのサポートが充実している。
(出所:安否確認サービス2公式Webサイト)
導入企業3,000社以上、継続率99.8%という実績を持つ安否確認サービス。災害発生時は、メール・アプリ・LINE(オプション)による多様な通知で、従業員への迅速な情報伝達を実現。CSV一括登録や外部システム連携により、情報登録の負担軽減も図れる。双方向に情報共有できる掲示板機能や、メッセージ機能を活用することで、情報共有もスムーズに。
登録できる上限ユーザー数や、利用できる機能によって料金が異なる4つのプランを提供。無料トライアルもあるため、まずは使い勝手を試してみたい場合におすすめ。スマホやPCのほか、ガラケーにも対応している。
(出所:ALSOK安否確認サービス公式Webサイト)
大手警備会社であるALSOKが提供する安否確認サービス。数多くの被災現場に立ち会い、警備会社として培った豊富な経験・ノウハウを元に、家族安否確認を含む様々なニーズに対応している。
災害・気象情報と連携し、メール配信やアプリ内プッシュ通知を自動化。GPS機能を活用した位置情報の確認に加え、写真・音声の添付機能によって詳細な報告が行えるため、迅速な状況把握や適切な対応につながる。また、クローズドな掲示板を通して、従業員とその家族間で状況を共有できる「家族安否サービス」も標準搭載している。
国内に複数のデータセンター拠点を設置。サービス開始以降、震災時にも安定稼働した実績を持つので安心だ。
(出所:安否確認bot for LINE WORKS公式Webサイト)
LINE WORKS・LINEアプリ内で安否確認が完結するソリューション。アプリ内でBOTが送る安否確認の選択肢ボタンをタップするだけで安否確認ができるため、従業員へ使い方の説明も容易だ。
気象庁連携、自動配信、最大10問まで自由に設定できる質問といった機能を搭載。勤務先以外にも、自宅や常駐先、出張先といった住所を、従業員ごとに最大10件登録できる。個人のLINEアカウントやメールアドレスの登録でも利用できるため、スモールスタートや少人数での運営にも適している。また、従業員の連絡先を自動的に把握するので、「メールアドレスが間違っていて届かない」「設定をし忘れていて届かない」といった状況を防止できる。
(出所:anppii公式Webサイト)
Slackを通じて安否確認が行えるサービス。災害情報をSlackに自動通知し、安否確認や災害状況の確認・共有を迅速に行えるため、普段からビジネスチャットにSlackを利用している企業におすすめだ。
メッセージのやり取りはもちろん、スタンプのリアクションだけで返答可能。リアクションの有無を元に、安否状況の一覧が自動で集計されるため、緊急時の安否確認がしやすい。また、リマインド機能により、返信がないメンバーに自動でメッセージを送信することも。地域、震災、警報・注意報の種類や災害レベルにより、通知先のSlackチャンネルを振り分けられるので、チームや拠点ごとに柔軟な運用が可能だ。料金体系は、チャンネル数に応じて選べる。
(出所:WowTalk公式Webサイト)
コミュニケーションの活性化と管理者による統制を実現する国産ビジネスチャットツール。災害時や緊急時のBCP対策として安否確認機能を備えており、チャット形式でのメッセージ送信・集計、CSVデータでのエクスポート、気象庁と連携した自動送信などに対応している。
そのほか、社内からの問い合わせに対応するAIアシスタント「WowTalk AI」や、管理機能、ISMS運用によるセキュアな環境など、業務をサポートする機能の数々も魅力。安否確認機能を搭載したビジネスチャットツールの導入/リプレイスを検討している組織におすすめだ。
災害時や緊急時に従業員の安否を素早く確認し、事業の継続的な運用につなげる安否確認アプリ。メール、通話、チャット、LINE、掲示板など様々な手段で安否を確認できるほか、平時にはアンケートツールとしても活用できます。
利用するにあたっては、下記のような運用上の工夫や、運用ルールの制定が必要です。
特に頻度の高い地震をはじめ、洪水、津波、火災、事故…と、予想される非常事態は様々。有事の際に従業員を守り、企業の損害を最小限にとどめるためにも、できるだけ早く対策することが大切です。本記事を参考に、ぜひ安否確認アプリの導入を検討してみてください。
企業向け安否確認アプリをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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選び方をもっと詳しく知りたいという場合は、こちらのガイドブックやより詳細な比較表をぜひ参考にしてください。
安否確認システムの選び方ガイド
インフォコム株式会社
2拠点同時稼働で大災害発生時でも安定したサービス提供を実現する安否確認システム。危機管理ポータルサービスとも連携し、情報共有をサポート。事業継続を支えます。...
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
NTTコミュニケーションズの「Biz安否確認/一斉通報」は、大規模自然災害発生時に、社員の安否状況等を迅速かつ確実に収集・集計するサービスです。...
株式会社アドテクニカ
「ASPIC IoT・AI・クラウドアワード」「グッドデザイン賞」受賞。3.11でも問題なく稼働した実績を持ち、上場企業をはじめ1,300社以上で導入されている...
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必要な機能に絞ったシンプルな設計により、月額6,600円(税込)からの低価格で導入できる安否確認システム。コストを抑えつつ、BCP対策をしっかり行いたい企業にお...
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