最終更新日:2023-09-16
フロントオフィスからバックオフィスまで、単純な手作業やルーティンワークが多く残っており、自動化による効率化を検討している方へ。手軽な導入で幅広いオフィス業務を自動化できるクラウド型RPAの機能や選び方、比較のポイントと共におすすめのツールを紹介します。
RPA(Robotic Process Automation)とは、ロボットに作業を自動化させる技術です。ビジネス分野におけるRPAツールとは、人力で行っていたオフィス業務を「ロボット」と呼ばれるソフトウェアが代行するものを主に指します。
特に繰り返しの多い作業や、単純かつ物量の多い作業の処理に効果を発揮し、以下のような業務の自動化に役立ちます。
RPAツールは動作形態別にサーバー型、デスクトップ型(インストール型)、クラウド型の3種類に分けられますが、本記事ではクラウド型RPAに絞って紹介します。
他タイプも含めた解説については「RPAツール比較14選!種類・料金相場・活用のコツや選び方」を参考にしてください。
クラウド型RPAツールをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
どの動作形態のRPAツールであっても、自動化によって時間・人的コストを削減し、業務を効率化する点は共通しています。
一方で、ツールを個々のPC端末にインストールするデスクトップ型や、自社のサーバーにインストールするサーバー型と異なり、クラウド型RPAはインターネット上のクラウドサービスにログインする点が特徴です。
クラウド型を選ぶメリット、デメリットは以下の通りです。
デスクトップ型やサーバー型には機材やソフトウェアの設定が必要なのに対して、クラウド型はサービスにログインさえすれば、すぐに利用できます。そのため、導入や運用にかかる手間が比較的少なく、短期間で利用を開始できます。
ブラウザ上で利用するため、インターネットに接続できる端末であれば、OSやスペックによる制限を受けずにツールを使えます。リモート環境や複数のオフィスでツールを同時利用することも可能です。
障害やトラブルが発生した際、デスクトップ型やサーバー型では提供会社への連絡や自社の対応が必要となり、解決までに時間がかかるケースがあります。
一方クラウド型では、システム障害の対応やアップデートを提供元が自動で行ってくれるため、自社で保守する負担が少なくなります。
自動化できる範囲は基本的にWebブラウザ上での作業に限定されます。そのため、端末ごとに存在するローカルファイルの編集や、社内システムなどのローカルネットワークに対する操作には対応できないケースも。
クラウド上でデータを処理するため、インターネットを通じたデータの漏洩や不正アクセスといったセキュリティ上のリスクがあります。また、インターネットの接続そのものに障害が発生した場合、業務が滞るリスクも。
RPAツールでは自動化したい作業の手順(シナリオ、またはフロー)を、ロボットが実行できる形に設定する必要があります。
クラウド型RPAの多くは、プログラミングなど専門の知識を必要とせず、「操作の記録」か「手順の事前設定」のいずれかでロボットやシナリオを作成できます。
ブラウザ上で実際に行った作業を、ツールのレコーダーを利用して記録。記録をもとにロボットが作業を再現します。記録しやすい簡単な作業のシナリオ作成におすすめの方法です。
たとえば、「クラウドBOT」では、ツールが用意する仮想ブラウザ上で実際の操作を行うことで作業を「タスク」として記録。タスクを組み合わせてロボットを作成します。
作業手順を分解して、フローやノードなどと呼ばれる一つひとつの作業単位をあらかじめ定義します。正しく動作させるためには、自動化したい範囲と自動化ができない範囲、必要な工程と不要な工程など、作業工程の洗い出しが重要です。
たとえば「AUTORO」では、汎用性の高い100種類以上のアクションを標準搭載。複雑な設計をしなくても幅広い業務の自動化が可能です。
中には、「Power Automate」のように操作の記録と、手順の設定の両方に対応したツールもあります。または「batton」のように、自動化に必要な業務の洗い出しをサポートするカスタマーサクセスを利用するのもおすすめです。
自動化したい業務と照らし合わせて、自社に合う柔軟なシナリオ作成を行えるよう、導入検討の際にはシナリオ作成の方法にも注目しましょう。
クラウド型RPAを比較検討する際におさえたいポイントは、以下の3つです。
クラウド型RPAはインターネット上で利用する性質上、Webサイトの操作や情報取得など、ブラウザ上で動作するものが得意です。一方で、デスクトップのアプリケーションやインターネット上ではなくローカルで動作する自社の基幹システムの自動化の難易度が高い、または対応していない場合があります。自動化を検討している業務が、クラウド型で対応可能か、事前に確認しましょう。
たとえば「Coopel」は、一般的なWebサイトに加えて、Excelやスプレッドシートの自動化に対応しています。また、「Blue Prism Cloud」ではビジネス用途のアプリケーションに加え、SMSやチャットボットと連携する機能を提供しています。
クラウド型RPAツールは、同様にインターネット上で動作するクラウドサービスや、SaaSと好相性です。業務の中でSaaSを利用しており、データを送受信する頻度が高い場合、API連携を利用すると動作が安定します。
また、SaaS側ではなくRPAツール側でAPIを標準搭載している場合は、プログラミング不要で連携が可能な場合もあるため、自社で利用しているSaaSと連携可能か確認しましょう。
「AUTORO」では、GmailやOneDriveなど、オフィスでよく使われるアプリケーションのAPI連携を標準搭載。接続したいアプリケーションを一覧から選び、案内に従って認証を行うだけで連携が完了します。
また「クラウドBOT」では、ZapierやIFTTTといった複数のクラウドサービスを一元管理するプラットフォーム(iPaaS)を利用している企業向けに、iPaaSとの連携機能を提供しています。
自動化したい業務が多い場合や、手順の洗い出しが多岐にわたって必要な場合には、一度作ったシナリオをチームや部門間で共有できると便利です。その際、環境や端末に左右されずに正しく動作するシナリオを作成するよう、気をつけなければいけません。
たとえば、シナリオ用の操作を「操作が行われた画面の位置」で記録するツールの場合、PCの解像度が異なると指定する箇所がずれて、シナリオが動作しなくなってしまう恐れがあります。「batton」では、このような問題を回避できるよう、端末ごとの解像度の違いを自動で調整する機能を備えています。
また、「coopel」では招待したメンバー間でシナリオを共有可能。コピーをベースに部門・業務に応じてカスタマイズしたり、メンバーと共同でシナリオを作成したりできます。
スモールスタートが可能なツールから、大規模システム向けまで。おすすめのクラウド型RPAツールをご紹介します。
(出所:batton公式Webサイト)
業務効率化に貢献する、AI搭載のRPAツール。EC関連、人事、営業、経理、経営、人材募集、飲食店など幅広い業務の自動化に対応している。
AIが正確にPC上の画像や解像度を自動検出するため、端末に左右されず、1台のPCで学んだ業務効率化の作業を社内全体で共有できる。IT知識は不要で、キーボード操作のみで簡単に使用できるのも魅力。
導入からツールの定着、目標達成に向けたフェーズまで徹底サポート。チャットツールを通じて、カスタマーサクセスと常時接続できる。その際、アカウントごとの作業内容を共有できるので、スムーズに詳しい状況確認をしてもらえる。また、導入企業の業務を分析し、自動化すべき業務を提案するサービスも。
(出所:Coopel公式Webサイト)
特別な専門知識がなくても、簡単に利用できることを目指したRPA。一般的なWebサイト、Excel、スプレッドシートを自動で操作できる。
RPAツールに必要とされることが多い変数の設定が不要なため、簡単にロボットを作成可能。約150種類ある操作の要素(アクション)を組み合わせるだけで、柔軟にシナリオを作成できる。動作イメージをアニメーション表示する機能を備えているので、アクションの動作をあらかじめ確認できて使いやすい。また、ツールが実際にブラウザを操作している様子もチェックできるので、作成したロボットが意図した挙動になっているかの検証も簡単。
ローカル実行をサポートしており、クラウド環境とローカル環境を1クリックで簡単に変更可能。クラウドだけでなく社内ネットワーク、ローカルPC上でもロボットを動作させられる。
(出所:クラウドBOT公式Webサイト)
実行環境の構築不要、ノーコードでWebブラウザ上の操作を手軽に自動化できるクラウド型RPAサービス。 独自の自動記録システムにより、仮想ブラウザ上で普段の操作を再現するだけでロボットを作成できる。
自動化できる代表的な作業は、複数のWebサイトに対するデータの入力・集計作業や、ファイルのアップロードとダウンロード、定型文の送信など。PCやスマートフォンのブラウザ上からボタンを押してロボットを作動させる手動実行に加え、スケジュール設定による定期的な稼働も可能だ。
zapierやIFTTTなど6つのiPaaSとの連携に対応。iPaaSが必要とするAPIの代わりに、クラウドBOTで作成したロボットに操作を行わせることで、様々なWebサービスやアプリケーションを介した業務フローの自動化を実現する。
(出所:Biztex cobit公式Webサイト)
インストール不要で即日導入も可能なRPA。2018年にグッドデザイン賞を受賞した、使いやすさにこだわったUIデザインに強み。Eコマース、コールセンター、広告運用、人材紹介、医療福祉、不動産など幅広い業種の活用例がある。
自動化できる業務の範囲はブラウザ上で行うテキストの取得・入力、情報収集、繰り返し処理に加え、Google スプレッドシート連携、csvやExcelのインポートとエクスポートなど多岐にわたる。営業ではターゲットリスト作成や営業支援システムへのデータ入力、マーケティングでは広告運用業務やSEOランキング調査など、フロントオフィス業務の効率化も図れる。
無償で提供している活用支援のサポートに強み。最適化できる業務を抽出する業務診断や、業務全体のIT化を支援するコンサルティングなど、ツールの定着や内製に至るまでカスタマーサクセスが伴走する。
(出所:AUTORO公式Webサイト)
独自のクラウド型RPA、ウェブオートロボットで誰でも簡単に業務効率化のシステムが構築できるサービス。代表的な用途は取引先のリスク調査を行う反社チェック、広告レポートの自動化、ECサイト業務の自動化など。反社チェックでは、Salesforceなど利用中の取引先管理システムと連携することで、取引先情報がアップロードされ次第、すぐに自動で調査を開始。検索結果の証跡はGoogleドライブなど利用中のストレージサービスへ自動で保存。Google検索に限らず、既存のデータベースも活用した調査の自動化を実現できる。
シナリオ作成は、テキストベースのエディタモードを使うことで、業務フローをまるごとコピーして共有可能。個人間やチーム間での共有やノウハウの蓄積を、スピーディーに行えるのが魅力。
(出所:Power Automate公式Webサイト)
マイクロソフト社が提供するRPAソフトウェア。マイクロソフトアカウントがあれば、一部の機能を無料で利用できる。同社が提供するAI Builderと組み合わせることで、AIを用いたテキスト分類や処理、顧客センチメントの分析なども可能に。簡単な業務から高度な分析まで拡張性の高い用途に対応している。
ドラッグアンドドロップによる直感的な操作で、添付ファイルの自動保存や承認フローの確認といった反復的なタスクを簡単に自動化。基本的な用途では、「Outlookを起動」「ドキュメントの印刷」など実行する操作をステップごとに並べるだけで自動化のシナリオ(フロー)が完成。フローは数千種類に渡る構築済みテンプレートを備えているため、一般的な業務であれば内製不要で自動化できる。
また、750を超えるアプリ、データ、サービスと連携が可能。目的に合った用途を検索して、人気のファーストパーティやサードパーティのクラウドアプリやサービスと接続するだけで、自動化を開始できる。
(出所:Automation Cloud公式Webサイト)
国内外のRPA市場でトップレベルのシェアを占めるUiPath社が提供するクラウド型RPA。多数の導入企業で、数万時間単位の業務時間を削減している。
自動化を担うロボットを作成する「UiPath Studio」、ロボットをシナリオに従って動作させる「UiPath Robot」のライセンスを標準で搭載。ブラウザだけではなくOffice製品や、画像情報の読み取り、顧客管理システムなど、様々な場面で操作を自動化する。また、多岐に渡る同社のRPA関連製品をクラウド上で一元管理。自動化のアイディアを共有する「UiPath Insights」など、全社的な自動化をサポートする様々なUiPath製品と連携して機能を拡張できるのが強みだ。
すべての変更を記録する監査ログでロボットを追跡できるため、管理者不在の「野良ロボット」の発生を抑止。大規模なシステムの自動化に対応可能でありながら、ツールの安定した運用を実現する。
(出所:Blue Prism Cloud公式Webサイト)
「RPA」という言葉を創出した歴史ある国際的なRPAベンダー、Blue Prism社が提供するクラウド型RPA。大規模なエンタープライズ向けに、全社的な自動化の取り組みやRPA管理に向いている。粒度の高いセキュリティ、拡張性に優れたアーキテクチャを備える点も強み。
代表的な用途は、ビジネスアプリケーションとの連携、電子メールの読み込み、SMSやチャットボットとの連携など。バックオフィス業務からフロントオフィスの業務まで、自動化の適用範囲を広げられる。作業手順の作成、ロボットの実行、作業記録はデータベースに蓄積され次のロボット(デジタルワーカー)作成に活用できるため、開発経験が少ない担当者でも簡単かつスピーディに、標準化された開発・運用を担えるのが魅力。
管理面ではロボットの稼働状況を可視化するダッシュボードを搭載。海外展開している場合にはダッシュボードをそれぞれのチームの言語にカスタマイズして、運用管理業務を委任できる。
定型的かつ繰り返しの作業が求められるオフィス業務を人力で行う場合、時間・人的コストがかかります。そのため、本来取り組むべきコア業務に回すべきリソースが減り、生産性向上を妨げることに。
RPAは、手軽にオフィス業務を代行するロボットを作成することで、営業や経理、総務から経営企画まで、幅広い業務の自動化を実現。中でもクラウド型RPAは、ブラウザ上で始められるため、導入や運用・保守の手間がかからず、OSや端末といった環境に左右されないメリットがあります。
一方で、ツールによっては自動化できる範囲がブラウザ上の作業に限定される点や、インターネットの接続障害・セキュリティリスクを抱えている点に留意しましょう。
比較検討の際には、「自動化対象のアプリケーションの範囲」「SaaSなどとの連携のしやすさ」「シナリオ共有機能の充実度」といったポイントをチェックしましょう。
クラウド型RPAの導入により業務の自動化を実現することで、幅広い業務で生産性向上やコスト削減が期待できます。本記事でご紹介した比較ポイントなどを参考に、クラウド型RPAの導入を検討してみてください。
クラウド型を含む各種RPAツールを「オフラインで資料を見ながらじっくり検討したい」「より詳細に比較したい」という方は、以下、選び方ガイドをダウンロードできます(より詳しい13システム比較表付き)。
RPAツールの選び方ガイド
クラウド型RPAツールをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
株式会社batton
専門知識がなくても簡単に利用できるRPAツール。AI搭載で、既にあるマクロ(レシピ)を再利用できるから、初心者でもすぐ使える。導入から目標達成まで専属の担当者が...
<重要なお知らせ> サイトリニューアルに伴い、初回ログインにはパスワードの再設定が必要です。
アスピックご利用のメールアドレスを入力ください。
パスワード再発行手続きのメールをお送りします。
パスワード再設定依頼の自動メールを送信しました。
メール文のURLより、パスワード再登録のお手続きをお願いします。
ご入力いただいたメールアドレスに誤りがあった場合がございます。
お手数おかけしますが、再度ご入力をお試しください。
ご登録いただいているメールアドレスにダウンロードURLをお送りしています。ご確認ください。
サービスの導入検討状況を教えて下さい。
本資料に含まれる企業(社)よりご案内を差し上げる場合があります。