最終更新日:2024-11-06
タブレットで利用できる訪問看護向け電子カルテを導入することで、記録業務の効率化や請求ミスの防止を図りたい訪問看護ステーションの管理者へ。訪問看護向け電子カルテのメリットや費用相場、シェアとともに、おすすめのサービスをご紹介します。
訪問看護ステーション向け電子カルテとは、医療記録の作成・管理や請求業務(レセプト)といった訪問看護業務の効率化を図る支援システムのことです。
一般的に電子カルテは「医療記録を電子化したもの」または「電子化した医療記録を作成・保管する仕組み」を指しますが、本記事では、医療記録の作成・管理に、請求業務の管理も含めて電子カルテと称します。
従来の医療現場では、紙カルテで作成・管理するのが一般的でしたが、1999年に厚生労働省が通知した「診療録等の電子媒体による保存について」をきっかけに、紙カルテの電子保存が可能に。それにあわせ、紙で行っていたレセプト請求の電子化が認められ、今では不正請求防止や業務効率化を理由に、国が電子カルテの利用を推進するようになっています。
今日では電子カルテは医療の現場だけでなく、訪問看護の現場においても活用されるようになりました。現在主流となっているのは、クラウドシステムを活用した電子カルテ。訪問時でもタブレット端末やパソコンを利用することで、ケアマネージャーや訪問看護師の業務負担の軽減や業務効率化が期待できます。
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訪問看護向け電子カルテを導入することで、記録や請求業務の効率化だけでなく、直行直帰をはじめとする多様な働き方が可能になるなど、様々なメリットがあります。
電子カルテを導入すれば、訪問記録や関連書類の作成・入力にかかる時間の短縮が可能です。フォーマットやテンプレートに沿って必要項目を選択するだけで簡単に作成できます。レセプトシステムと連携できるシステムなら、レセプト情報に過去の訪問記録の自動反映にも対応します。
そもそも訪問看護は、訪問先ごとに看護内容を記録する必要があります。睡眠状況、食事量、服薬状況、排便状況など観察項目だけで記入に時間を要し、同じ項目でも書き方や表現のばらつきが生じることも。書き方を定型化できる電子カルテなら、状況把握や引継ぎ時の正確性を担保できます。
また、スマホやタブレットなどの端末から、クラウド経由でいつでも・どこでもカルテの参照が可能。「出発前に全て準備出来ず、当日訪問分のカルテを取りに看護ステーションに戻る」といった手間を削減できます。紙カルテのように探したり、受け渡したりする必要もないので、カルテを管理しやすくなったり、荷物の持ち運びが減ったりするのもメリットです。
介護保険料や医療保険を請求するためには、訪問看護記録をもとに、請求額を計算する必要があります。対象人数が多いほど、手計算やExcel計算では膨大な作業になってしまいますので、訪問看護向け電子カルテ側で、加算項目などを踏まえて、請求額を算定できると請求業務の負担が圧倒的に軽減されます。
さらに、介護保険の請求に際しては、申請するデータを国民健康保険団体連合会(国保連)に伝送する必要がありますので、訪問看護向け電子カルテから直接、もしくはレセプトシステムを経由して国保連に伝送できると、請求業務が簡略化されます。
訪問看護向け電子カルテの中には、電子カルテの作成・管理機能に特化し、レセプト機能をあえて搭載していないものもあります。その場合、別のレセプトシステムと連携させることで、請求業務がスムーズになります。
先にも述べたように、カルテを紙で管理している場合は事務所への立ち寄りが必要でしたが、タブレットやスマホを使った電子カルテの場合は直行直帰ができるようになります。直行直帰の他、外出先や車内での作業や時差出勤もできるようになり、管理者も在宅ワークができるようになります。
コロナ禍を背景に、感染拡大予防として、事務所での密集や書類等の受け渡しもなるべく避けることが好ましいとされているため、こうした新しい働き方、ワークスタイルは、事業者やスタッフにとってのメリットとなるだけでなく、サービス利用者にも歓迎されるはずです。
訪問看護向け電子カルテの導入にかかる料金は、事業所の提供サービスによって異なります。たとえば、訪問看護に加えて在宅リハビリテーション、ターミナルケアなどを提供している場合、これらのサービスに対応した電子カルテを導入することになります。事業規模や導入システムによりますが、中規模だと初期費用を含めて年間100万円以上の維持費がかかると予想されます。
提供サービスが訪問看護のみの場合は、作成する書類の範囲によって導入すべきシステムが変わります。電子カルテに求める目的や要件をあらかじめ定めた上で、個別に見積を取るとよいでしょう。
また、システム導入費用以外にも、訪問看護師が持ち歩くスマホやタブレット、管理用パソコンなどの準備代金も必要になります。
続いて、訪問看護向け電子カルテの導入実績についてご紹介します。主なメーカー・製品名と、公表されている導入実績数は以下の通りです。
メーカー | 製品名 | 導入実績 |
---|---|---|
株式会社エス・エム・エス | カイポケ訪問看護 | 5,000件以上(2024年4月時点) |
株式会社eWeLL | iBow | 2,200件以上(2023年6月時点) |
いきいきメディアケアサポート株式会社 | いきいき訪看 | 500件以上 |
メーカー | 製品名 | 導入実績 |
---|---|---|
NDソフトウェア株式会社 | ほのぼのシリーズ (「ほのぼのNEXT」を含む) |
71,900件以上 (2024年4月時点。訪問看護以外も含む事業所全体) |
株式会社ワイズマン | 介護・福祉向け製品 (「訪問看護事業所向けソフト」を含む) |
61,200件以上 (障がい事業所を除く、介護サービス全体) |
訪問系サービスには様々な種類があるため、これらを包括的に提供しているシステムでは、ご覧の通り万単位の導入実績になるケースもあります。一般的に、導入実績が数十件以上ある製品では、業務上必要な機能が備わっていることが多いです。よって、導入実績数はあくまで一つの目安として参考にしてください。
気になる訪問看護向け電子カルテがある場合は、後述のタイプと選び方に沿って比較検討していくとスムーズです。
訪問看護向け電子カルテは、次の2つに大別されます。
看護記録の作成・管理から請求作業まで、同じ電子カルテで実現できた方が管理面では便利といえるでしょう。
ただし、電子カルテの導入目的の一番が「看護記録の作成・管理の効率化」であれば、「どれだけ看護スタッフに負荷なく簡単に入力できるか」「データ参照・管理が行いやすいか」という観点がより重要になってくるため、看護記録の作成・管理に特化したタイプを選ぶのも一手です。
カルテ管理に特化したタイプでも、外部のレセプトソフトとの連携が充実していることが多いため、必ずしも請求の一元管理を優先させる必要はありません。
また、訪問看護ステーション以外に、居宅介護支援などの事業を行っている場合は、システム管理のしやすさから、複数の事業で利用できるオールインワン型を選ぶのもおすすめです。
まずは、看護記録の作成・管理だけでなく、請求管理のためのレセプト機能も備えたタイプをご紹介します。いずれもデータの一元管理に強みを持ち、中には事業所の経営支援にも役立つ分析機能を備えたものもあります。
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(出所:iBow公式Webサイト)
訪問看護ステーション向けのクラウド型電子カルテ。看護記録・看護計画書・報告書の作成など、メイン業務のほとんどがタブレット端末で完結可能。記録は選択式となっており、業務の流れに合わせて選択項目を選ぶだけで、看護記録を作成できる。
作成した看護記録と帳簿はシステム上で連動。従来のように転記する必要がなくなるため、帳簿作成にかかる時間を短縮。訪問看護計画書にAI(人工知能)機能を搭載している点もポイント。
請求管理のレセプト機能を搭載しているが、他社のレセプト請求ソフト「ほのぼのNEXT」「ワイズマン」「すこやかサン」「ケアカルテ」との連携も可能。また、ボタン一つで連絡可能なカスタマーサポートがシステム操作のみならず、保険制度・加算・返戻など、訪問看護に関する専⾨的な質問にも対応してくれる点も強み。
(出所:いきいき訪看公式Webサイト)
クラウド型訪問看護・リハビリ事業者向け電子カルテ。訪問スケジュール管理や看護記録書の入力・作成に加え、レセプト・請求書の自動作成、データ収集・抽出などまで幅広く支援するオールインワンタイプ。
訪問スケジュールが確定すると、訪問看護記録が自動作成されるテンプレート機能も搭載。また、タブレットに話しかけて看護記録を作成する音声入力機能など、「かゆいところに手が届く仕様」が特徴だ。ユーザーや看護協会と協力の上、場面ごとに使い分けられる4種類の帳票も用意。カスタマーサポートも充実し、訪問や電話のほか、リモート操作や50本以上の操作説明動画などで手厚くフォロー。オプションで、作成した介護請求ファイルを国保連へ伝送できるサービスもあり、コスト削減も期待できる。
(出所:カイポケ訪問看護公式Webサイト)
株式会社エス・エム・エスが提供・販売する訪問看護向け電子カルテ。訪問スケジュールの管理や保険請求や実績作成はもちろん、勤怠や実績などのデータ管理機能、請求書作成・管理、HP作成機能など便利な機能を豊富に備えており、その中から必要なものだけを無駄なく利用できる。
入力したデータはシステム内で連携しているため、転記・集計の必要なし。予定実績データを入力するだけで、国保連請求や利用者請求を自動作成でき、作成した請求データはそのままソフトから国保連に伝送請求可能。中小事業所から大手事業所まで約5,000件の導入実績を持つ。
(出所:訪問看護事業所向けソフト公式Webサイト)
医療・福祉分野に特化したソフトウェアを展開している同社が提供する、訪問看護事業所向けソフト。介護保険・医療保険の両方の請求業務に対応。手書き感覚で医療文章を作成できたり、訪問看護ステーション表などの集計帳票を簡単に出力できたりと、事務作業の効率化に貢献する。
更に、拡張機能「すぐろくHome」と併用することで、タブレット端末からでも訪問スケジュールの管理や看護記録の作成が可能に。本部管理支援システムや利用料合算システム、ケア記録オプションなど、同社の様々な関連製品と連携して利用できる点も魅力だ。
(出所:ほのぼのNEXT公式Webサイト)
介護福祉分野で国内トップクラスのシェアを誇る介護業務支援ソフト。50種類以上リリースされている「ほのぼのシリーズ」のひとつで、訪問看護事業所でも利用可能。介護請求も医療請求もカバー。医療レセプト作成から報告書まで、事業所での必要業務を多彩な機能でトータルサポートする。カラフルで文字が大きく、視認性に優れたUIや、キーボード操作が不慣れなユーザーに合わせて、ほぼ全ての業務をマウスあるいは画面タッチで行える点など、操作性にも強みがある。
ほのぼのNEXTとの連携が可能な訪問系アプリ「Care Palette Home/Nurse」は、Android、iOS問わずマルチデバイスに対応。利用者の最新情報や履歴確認、実績登録、記録入力、訪問担当職員の入室/退室の時間と位置情報もチェックできる。訪問指示内容の確認もできるため、特定事業所加算の要件に対応。
(出所:ココナース公式Webサイト)
月額10,000円から利用できる訪問看護ソフト。介護と医療保健の両方に対応し、記録から請求までを一貫してサポート。 看護記録や計画書・報告書・提供票の作成、担当者/利用者別のスケジュール管理、訪問実績の入力など、訪問看護業務に必要な機能を網羅。タブレットを使って外出先から簡単にアクセスできるため、直行直帰の勤務スタイルも実現可能。国保連伝送機能(無料)も備えている。
経験豊富なスタッフによるサポートも充実。電話、メールでのオンラインサポート、FAQ・動画マニュアルに加え、初めての請求時には説明会も実施されるなど、フォロー体制が整っているため安心だ。2カ月間の無料トライアル期間も用意されている。
看護記録の入力・共有に特化したタイプの電子カルテです。レセプト・請求機能を利用するには、外部システムと連携させる必要があります。すでに利用しているソフトがある場合は、連携可能か・連携しやすいかをチェックしておきましょう。
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(出所:Care-wing公式Webサイト)
ICタグの読み込みにより、文字入力不要で利用できる訪問介護・看護支援システム。契約事業所数は2,400を超える。利用者のICタブにスマホをかざすだけでログインできる上、開始と終了の時刻は自動入力。実施内容も定型文や音声入力で簡単に登録できるため、ITに苦手意識を持つスタッフが多い場合でも導入しやすい。
多くの請求ソフトとの連携可能で、介護記録から自動的に実績記録データを作成し、実績の取り込みまで一元化できる。加えて、特定事業所加算要件の指示出し・報告、シフト一括管理などの機能も搭載。
ICタグによるログイン情報は、責任者や家族にもメール通知されるため、訪問漏れや遅延といった不足の事態が起きた際も迅速に把握可能。更にICタグは剥がすと壊れる仕組みを採用し、不正やミスの防止も図れる。
(出所:homis Nursee公式Webサイト)
看護記録を起点に、チーム力の最大化をサポートする訪問看護向け電子カルテ。現役訪問看護師が開発に関わり、スマホからいつでも・どこでも・誰でもすぐに使えるシンプルな操作性が強み。
在宅アセスメントツール「オマハシステム」を搭載し、看護計画・看護記録は項目をチェックするだけで簡単に作成可能。在宅看護でよく使われる評価スケールのテンプレート利用や、計画書、看護サマリー、カンファレンス議事録などの引用も簡単に行える。外部レセコンとの連携に対応。記入作業の手間を削減し、現場の業務に集中できる環境構築をサポートする。そのほか、LINE感覚で使えるチャット機能も搭載し、個々の訪問記録と紐づけできる。タスクや状況を共有することで、チームマネジメント力の向上や業務負担軽減を実現する。
(出所:Waroku訪問看護 ver.2 公式Webサイト)
電子カルテメーカー「レスコ」が開発したクラウド型の訪問看護支援システム。同社の電子カルテを利用している病院・診療所と情報連携できる点が特徴。また、カスタマイズ可能なテンプレート機能も充実しており、従来の紙や電子カルテと同じ使い慣れたレイアウトや項目に沿って記録することが可能。よく入力する文言をあらかじめ登録し、クリック操作のみで記録に転記できる機能や、スマホからの音声入力といった入力補助機能を活用することで、事務作業の効率化に貢献する。
スマホやタブレットを使って外出先からでもアクセスできるため、利用者情報や訪問記録を時系列に沿ってリアルタイムに閲覧・更新できる。
訪問看護ステーションの業務内容は、訪問先で提供する看護ケアはもちろん、記録の作成や請求業務など多岐に渡ります。短時間でテキパキかつ正確に業務をこなす必要があるため、業務の負荷は大きくなりがちです。
訪問看護向け電子カルテを導入することで、スタッフの事務作業の負担を軽減することが可能に。気持ちや時間に余裕を持てるようになり、質の高い看護ケアの提供につながります。
訪問看護向け電子カルテのタイプは、「請求管理まで対応するタイプ」と「カルテ作成に特化したタイプ」の2つに大別されます。自事業所のサービス提供範囲や目的に合わせて、最適なサービスを検討しましょう。
直感的な操作で簡単にデータを記録・参照できるシステムが多いため、期待した導入効果が得られる可能性が高いといえます。本記事を参考に、ぜひ訪問看護向け電子カルテの利用を検討してみてください。
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株式会社eWeLL(イーウェル)
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いきいきメディケアサポート株式会社
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