最終更新日:2024-06-19
Excelを使った医療材料・医薬品・消耗品などの在庫管理に限界を感じている担当者の方へ。院内の物品管理を一元化する院内物流管理(SPD)システムの概要や主な機能、選び方のポイントとともに、おすすめのシステムを紹介します。
院内物流管理システムとは、病院内における物品の購入から保管、使用までの一連の情報を一元管理するシステムで、SPD(Supply Processing & Distribution)システムとも呼ばれます。
システムによって違いはありますが、多くの場合、医療材料から医薬品、一般消耗品の管理に対応。院内物流管理システムの導入によって、業務の効率化、業務負担軽減、適正在庫の実現、といった効果が見込めます。
具体的なメリットは主に以下の3つです。
目視や手入力、手書き・Excelでの在庫管理から脱却することで、まず業務の効率化が実現できます。また、実績値をリアルタイムで把握できるシステムを使うことで、報告書作成やチェックにかかる時間・人員・コストを低減。ヒューマンエラーの防止、発注・管理業務の効率化、ペーパーレス化の促進といった効果も見込めます。
設定した定数に合わせて医療材料が自動発注されるため、過不足なく在庫がそろいます。消費した医療材料の適正発注や在庫管理、ロット管理(トレーサビリティ)が実現できるだけでなく、滅菌期限切れ、不良在庫、償還請求もれなどを防止できます。滅菌期限切れや期限が近付いている医療材料をアラートで知らせるシステムもあります。
院内の在庫管理を各部署で行なっている場合、担当者に大きな負担がかかるうえ、過剰な数の発注(安心在庫)を誘発する恐れが。院内物流管理システムによって院内の在庫を一元管理・定数管理することで、担当者の負担を減らしながら安心在庫を削減できます。
院内物流管理システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
システムによって差はありますが、院内物流管理システムでできること(主な機能)は以下です。
物品定数をマスタとしてシステムに登録し、定数在庫の配置、使用実績・期限・ロットの記録(トレーサビリティ)などを行う機能。棚卸の際にも役立つカードやラベル、バーコードを使って効率的に在庫を管理し、適正化を実現します。
病院情報システムなどの外部システムと連携しながら、物品にまつわるデータを一元化。蓄積されたデータはExcelやCSVなどの形式で出力できます。
物品を登録しておいて、追加発注や発注書の作成を効率化する機能。カードなどを読み取るだけで、請求情報が登録されるシステムも。
アイテムの適正数配置・管理によって、物品購入にかかるコストを削減。同時に物品購入・管理にまつわる人的コストもカットできます。
保険請求もれ、有効期限切れ、自主回収、長期欠品を防止する機能。災害、パンデミックなどへの備えとしても有用です。
施設の環境に適した院内物流管理システムを選ぶ際は、以下のポイントに留意しましょう。
院内物流管理システムは、SPD支援サービスの有無によって大きく2つのタイプに分けられます。支援が
ないタイプは、自院のスタッフによる運用を前提に、システムのみを提供。もう一方は、システムと一緒にSPD業務のアウトソーシングも提供するタイプです。
前者のタイプには、システム導入による業務改善、信頼性向上、経営改善を実現する「Medyus2」などが該当。一方、SPD業務までサポートする後者のタイプは、専任のスタッフが在庫管理、品質管理、物流管理、実績管理などの業務を代行する株式会社スズケンの「SPD(院内効率化支援)」といったサービスがあります。
システムのみ提供するタイプの方が比較的安価ですが、多くのシステムで料金は問い合わせが必要に。まずは、支援の要不要を検討したうえで問い合わせるのがおすすめです。
上記の2タイプから自社に合ったものを選んだら、次は管理したい「物品」の対象範囲を確認しましょう。「医療材料のみ」「医薬品のみ」「一般の消耗品まで管理したい」といったニーズにより、最適なシステムが異なります。
たとえば「医療材料向け」と「医薬品向け」に分かれている「Medyus2」に対し、「ZERO Suppply」は診療材料から医薬品、一般消耗品、日用品まで、すべて管理できます。同様に「Medical Stream Next」であれば、診療材料、検査試薬、一般消耗品、医薬品などの詳細なデータを、リアルタイムかつ正確に一元管理することも可能です。
物品のバーコードを読み取るだけで棚卸や受発注ができれば、在庫確認がより効率的に。効率化を重視する場合は、システムがバーコード入力に対応しているかを確認します。
該当システムの一つが、国際基準のバーコード規格GS1-128に対応している「JoyPla®(ジョイプラ)」。バーコードを読むだけで、受発注から入荷・払出、在庫管理のほか、消費した医療材料の適正発注、在庫管理、ロット管理(トレーサビリティ)が可能に。滅菌期限切れや不良在庫の把握、償還請求、製品のリコール発生時の早期対応、消費期限切れの防止など、多くのシーンで役立ちます。
「Medyus2」では、GS1-128の読み込みによって患者ごとの実績管理ができるほか、JANコード(バーコード)の世代管理にも対応。棚卸時には新旧商品が別々に表示されるので、旧商品の在庫を把握できます。定数の設定情報や商実績の引き継ぎも可能です。
「ZERO Suppply」を導入した施設では、ソフトウェアサービス電子カルテ薬剤実施情報を出庫データとして取り込んでいる事例も。薬剤の発注にハンディーターミナルを活用し、診療材料はSPDカードで運用しています。
電子カルテをはじめとした外部システムとの連携に強みを持つシステムであれば、データの一元化によるミス防止や業務負担の軽減、経営につながるデータの集計・分析などが容易になります。
たとえば「Medical Stream Next」では、使用した特定診療材料が、電子カルテシステムや医事会計システムに登録されているかどうか確認できます。医事請求間違いや、特定診療材料の請求もれ防止に有効です。
中には、東亜システム株式会社の「院内物流(SPD)システム」のように、電子カルテ・医事データを集計し、統計を作成できるシステムも。手術1件で消費している材料の量などコストを見える化し、経営支援・分析に役立てられます。
自院のスタッフによる運用を前提に、システムのみを提供する院内物流管理システムをご紹介します。
※料金はすべて要問い合わせ
(出所:Mediboard公式Webサイト)
医材や消耗品、医薬品の購買・在庫管理機能のほか、ワークフロー機能、契約管理機能などを搭載。在庫もプロセスも見える化し、医療機関や介護施設の様々なバックオフィス業務をサポ―トする統合プラットフォーム。
物品の請求から発注、在庫までを一元管理。発注したい物品の画像を見ながらわずか数クリックで申請できるため、誤発注を防げるのはもちろん、バーコード読み取りにも対応しており、現場の負担を最小限に抑えられる。設定した在庫数を下回った場合に自動で購入申請できる「発注点管理機能」を搭載。各部署からの購入申請を集約し、発注書も自動で作成できるため、無駄なくスムーズな発注が可能に。発注価格の適正化とコスト削減が見込める。蓄積したデータをもとに、部署・拠点ごとの物品購入状況など、様々な角度から分析が可能。予防経営に活かすことができる。
(出所:Medyus2公式Webサイト)
医療材料版と医薬品版の2タイプを提供している病院物流管理システム。定量発注、複数定数レベル設定、使用量自動計算発注、予約発注など、複数の定数管理方式で発注業務をサポートする。商品マスタや納品データ、運営会社が独自に収集した約56万点の医療材料マスタなどを活用して、病院と納入業者が情報共有する仕組みを構築できる。
原価計算システム「CostManager」との連動により、病院経営の改善が見込めるほか、電子カルテ、レセプトなどの各種システムと連携可能。クラウド版とサーバー設置型の両方に対応している。
(出所:ZERO Supply公式Webサイト)
診療材料、医薬品、一般消耗品、日用品などを管理できる医療機関向け物流管理システム。各科請求運用やハンディーターミナルによるラウンド運用、SPDカード運用など、ニーズに合わせた環境を構築できる柔軟性に強みを持つ。豊富な統計機能を搭載し、すべてのデータがExcel出力可能。
物品マスタメンテの際には、医療情報システム開発センター(MEDIS)や厚生省のデータを取り込めるほか、薬価改定などにもワンクリックで対応できる。物品供給の円滑化、在庫適正化のほか、複数施設統合によるコスト削減にも有用だ。
(出所:Joypla®公式Webサイト)
受発注から在庫状況の把握まで、病院の物流を一元管理できる中小規模向けのSPDシステム。バーコードの読み取り、病院担当者と卸担当者間での情報のリアルタイム共有などの機能で、業務効率を上げて人的コストを削減する。
複数の病院・施設の在庫を一括で管理し、本部の集計工数を削減する「グループ施設管理機能」を搭載。各施設の承認権限者を設定できるため、現場の不正防止対策としても活用できる。クラウド型ならではの低コストと、強固なセキュリティ対策を両立しているのも強み。
(出所:Medical Stream Next公式Webサイト)
施設の規模を問わず幅広く導入されている物流管理システム。診療材料、検査試薬、一般消耗品、医薬品などのデータをリアルタイムで正確に把握することで、経営改善と現場の業務負荷軽減を実現する。
「Medical Stream」からのバージョンアップによって、各種入力業務の軽減やシステム処理スピードなどが改善され、ユーザビリティが大幅に向上。また、RFIDやAI-OCRなど多様化する最新技術を、個別カスタマイズではなくオプションとして提供しているので、初期費用をできるだけ抑えながらも、自院に最適なシステムを構築できる。月額料金での運用にも対応。
(出所:SPDシステム公式Webサイト)
医療材料から消耗品、文房具まで管理できるSPDシステム。電子カルテ・医事システムメーカーが運営しているため、コスト管理統計に強みあり。電子カルテ・医事データを集計し、保険請求と消費材料の比較統計などのデータ作成を容易にする。また、複数施設の管理もでき、施設ごとの購入価格や購入データを分析して経営改善に役立てられるのも特徴だ。
バーコード、ハンディーターミナルなど、各種入力端末に対応。「在庫管理のみ」「発注業務と払出業務」など、必要な機能だけでも導入できるため、スモールスタートにも向いている。
(出所:Medilia公式Webサイト)
「簡単・正確・安価」がコンセプトの、シンプルで使いやすい在庫管理システム。商品の払い出し情報や、期限・ロット情報などを登録したラベル管理が特徴で、払い出し、請求など定数管理が簡便に。システムで自動算出される発注やPDAでの簡単入庫、商品マスタのダウンロードなど、在庫管理のための機能も豊富にそろう。
システムに蓄積した情報は、帳票形式やExcel・CSV形式でのデータ出力が可能。SPD専門商社の強みを活かして、専任のスーパーバイザーがシステム操作から運用方法の提案までサポートしてくれる点も魅力だ。
(出所:Mr.SPD®公式Webサイト)
カードやシールを使って、診療材料・医薬品から文具、日用雑貨、印刷物まで管理できる物流在庫管理システム。診療現場からの物品請求の受付、機器卸への発注入荷、診療現場・倉庫の在庫管理、購買管理が簡単に行える。各帳票のExcelデータ出力機能や、データベースから自由にデータを取り出せるツールを標準搭載しているので、データを活用した業務改善にも役立つ。
また、電子カルテ、オーダリングシステムとの連携に可能。移行支援や導入サポートもあるため、新規導入はもちろん、既存システムからのリプレースにも適している。
(出所:SAVE-HP公式Webサイト)
情報管理機能にフォーカスした材料SPDシステム。消費・在庫・購買に関わる諸情報を一元管理することによって、医療機関の経営指標改善をサポートする。バーコードラベルや持込管理シートを利用することで、預託品や業者持込品についても、買取品と同様の購買・在庫・消費管理を実現。GS1-128コードによって、ロット・滅菌期限も容易に管理できる。
患者別の消費データを管理でき、取得したデータは患者別原価計算をはじめ、院内で実施する各種収支分析のインプットとして活用可能。消費実績と請求実績は日単位、材料単位で照合し、整合票に落とし込める。保険請求データと消費実績の照合によって、保険請求もれも防げる。
(出所:SPD(院内効率化支援)公式Webサイト)
院内物流業務の効率化と、業務代行による支援で院内の管理をサポートするSPDシステム。独自の在庫適正化エンジンで在庫状況などを分析し、発注点・適正在庫数を算出して在庫管理システムへ反映。欠品の防止や、過剰在庫・不動品の削減を実現する。
専門スタッフが薬局、病棟、外来を調査し、代行可能な業務を抽出。その中から在庫管理、品質管理、物流管理、実績管理に関わる業務を代行し、病院職員(有資格者)が本来の業務に集中するための環境を構築する。SPD提案に加え、ソリューションツールを使った業務改善の提案も受けられる。
(出所:ムトウSPD公式Webサイト)
大学病院やグループ病院、単科病院、クリニックなど、大〜小規模の300施設で利用されている院内物流システム。物流管理をベースに様々な外部システムと連携し、購買代行業務、手術室運営サポート、印刷物・検体などの搬送を行うメッセンジャー業務などのサービスを提供する。
在庫管理やデータ管理、コスト管理、リスク管理のほか、患者別原価管理機能、病院情報システム連携機能などの多彩な機能で、院内物流の合理化や管理コストの低減に貢献。また、全国4カ所の物流センターから一括仕入をしているので、災害時は被災を免れたセンターからの緊急仕入体制を構築できる。
病院内における物品の購入から保管、使用までの情報を一元管理できる院内物流管理システム(SPDシステム)。導入により、業務の効率化、業務負担軽減、適正在庫の実現、コストの削減といったメリットが生じます。
院内物流管理システムを選ぶ際は、まず「SPD支援サービスの有無」から検討し、必要なシステムのタイプを絞り込みます。
その後、以下の3点を比較することで、施設の環境やニーズに合ったシステムを選びやすくなります。
(1)物品管理の対象範囲
(2)バーコード入力への対応有無
(3)電子カルテなどとの連携有無
膨大な手間と時間がかかる物流管理を専門システムに任せることで、担当者の負担を大幅に軽減し、効率的な管理が実現します。更に、管理する物品から得られたデータを用いて、施設の経営改善や適正な数量の把握も可能に。この機会に、院内物流管理システムの導入を検討してみてください。
院内物流管理システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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