最終更新日:2024-10-24
院内の業務効率化やペーパーレス化を進めるために、電子カルテの導入を検討している動物病院の方へ。動物病院向け電子カルテの機能や比較ポイントを解説し、顧客管理や会計ソフトとしても活用できるおすすめのサービスを紹介します。
動物病院向け電子カルテとは、従来の動物病院で使用されてきた紙のカルテをデジタルデータでの記録に置き換え、PCやインターネット上で管理・編集するためのシステムです。
紙のカルテは手軽かつ運用コストが低いものの、病院向け電子カルテと比べて、以下のようなデメリットが顕在化してきました。
電子カルテを導入すれば、医療現場のペーパーレス化が進んでスペースを有効活用できるうえ、検索性の向上やバックアップ体制の強化も見込めます。
サービス名 | 特徴 | 料金 |
---|---|---|
ミニイク | 獣医師が設計に携わり、予約・電子カルテ・顧客管理・レセプトまでオールインワンで搭載 | 要問い合わせ |
アニレセクラウド | 基本機能に加え、血液検査機器連携や着信顧客表示、待ち順表示などオプションが豊富 | 月額4,900円〜(顧客管理システム+電子カルテ) |
AhmicsV4 Advance | 複数病院間での情報共有が可能。診療履歴管理やカルテの改ざん防止機能も備えている | 要問い合わせ |
ペトレルプラス | 予約、会計、電子カルテのデータがあらかじめ連携され、シームレスに管理可能 | 月額18,000円/3ユーザー(小規模向け・電子カルテAプラン) |
ペットクルーカルテ 7 | SOAP形式で入力する電子カルテ。動画の登録、複数ペットの一括会計処理にも対応 | 年額90,000円(Enterprise版) |
HalopeH | タブレット一つで業務を完結できるクラウド型。薬剤処方もタッチ操作で簡単に行える | 月額2,980円〜+外部のノート型クラウドサービスの利用料金 |
A'alda Vet360 | 幅広い機能を一括管理。アクセス制御、バックアップなど、セキュリティ対策も充実 | 月額34,800円〜(1施設まで・スタンダードプラン) |
Vetty | AIによる自動カルテ生成機能で、記録作業の効率化に貢献。院内メッセージ機能も特徴 | 要問い合わせ |
導入実績が公開されているサービスの中では、「アニレセクラウド」は旧型のオンプレミス版も含めて、2,600を超える多くの病院で導入されています。最近では「Vetty」のようなAIを活用した電子カルテも登場するなど、獣医療業界においてもデジタル化が加速していくと予想されます。
記事後半にはおすすめのサービスについて詳しく紹介していますので、「今すぐツール選定に移りたい」という方は、そちらをご覧ください。
選び方をしっかり理解した上で検討したい方は、このまま読み進めてください。動物病院向け電子カルテの機能や比較ポイントなどを、わかりやすく紹介していきます。
顧客管理システムと電子カルテの機能には、特に大きな違いがないのが実情です。システムの呼称は、サービス提供開始時のメイン機能によって変わる場合がほとんどで、電子カルテの多くは顧客管理機能も備えています。
そのため本記事では、電子カルテ機能を搭載した顧客管理システムも含めてご紹介しています。
動物病院向け電子カルテには、院内の業務を効率的に進めるための様々な機能が搭載されています。大きく分けて以下の3つが挙げられます。
病状や治療内容、検査結果、処方内容などを記録するための基本機能が搭載されています。写真や動画を取り込めたり、シェーマに手書きでメモができたりするシステムも多く、視覚情報を効果的に活用できます。更に、薬の自動計算といった便利な入力支援機能を搭載したサービスもあります。
種別・年齢・性別・既往歴などのペット情報に加え、飼い主の氏名・連絡先などを一元管理できます。システムによっては、予防接種管理や予防接種リマインドメールの自動送信、診察券や各種証明書の発行までサポート。顧客とのコミュニケーションやアフターケアを円滑に進められます。
診療明細や保険請求書類を、テンプレートを用いてシステム上で簡単に作成できます。中には、売上集計機能を搭載したものや、複数ペットの明細の一括会計処理に対応したものもあり、煩雑な事務作業を効率化できます。
そのほかにも、以下のような機能を有するシステムがあります。
自院に必要な機能を備えたシステムを導入するための、5つの比較ポイントをご紹介します。
電子カルテにおいては、入力の容易さが重要なポイントに。紙カルテと同様の感覚で書き込みができると、現場の業務効率を落とす心配がありません。手入力による自由記述や、タブレットとタッチペンを使ったシェーマへの書き込み機能を活用すれば、電子カルテでも短時間で具体的な記述ができるようになります。
処方せんの作成や薬代の会計に対応する機能があれば、更なる業務効率化を実現できます。
たとえば、「HalopeH」には、よく使用される薬剤情報があらかじめ登録されています。そのため、薬剤一覧を別表で管理することなく、処方せんの作成・会計処理がスムーズに行えます。
多くのシステムは、種別・年齢・性別・住所といった基本情報や、ワクチン接種履歴などの管理に対応しています。加えて、ワクチン接種証明書の発行に対応するシステムも。
たとえば、「アニレセクラウド」には、電話着信時に飼い主の情報をポップアップで表示する「着信顧客表示」機能を搭載。名前の聞き間違いを防止できるうえ、その後のカルテ検索も迅速に行えるため、スムーズな顧客応対を実現できます。
また、「ペットクルーカルテ 7」のように宛名・日付の差し込み印刷、ラベル印刷機能でDMの郵送を簡便にするものもあるなど、顧客管理機能はシステムによって非常に多様です。
血液検査などの検査機器と電子カルテのデータ連携ができると、検査結果を転記する手間が不要になるのでおすすめ。たとえば「アニレセクラウド」では、血液検査機器と連携することで、以下の一連の作業をスピーディーに行えます。
血液検査の結果をリアルタイムに確認できるので、1件ごとの対応スピードが向上し、顧客の満足度アップにつながります。
予約受付のフェーズからシステムを使った効率化を進めたい場合は、オンライン予約機能のあるシステムがおすすめです。
たとえば「ミニイク」は、カルテと連動したオンライン予約機能を搭載。カレンダー形式の使いやすい予約表で、飼い主側の予約負担も軽減します。
また、「ペトレルプラス」では、来院目的ごとに予約の時間幅と受付可能時間を設定できるので、より正確なスケジューリングが可能に。
比較ポイントを踏まえて、おすすめの動物病院向け電子カルテをご紹介します。
(出所:ミニイク公式Webサイト)
予約受付や電子カルテ管理、会計など動物病院のあらゆる業務を一括で管理できる、クラウド型オールインワン電子カルテ。エンジニアが獣医療の現場を経験したうえで開発に携わっているため、導線や動作性に優れている。
電子カルテ、オンライン予約、CRM、レセプトを連携させられるので、それぞれの転記が一切不要に。予約から会計までの流れをスムーズに管理できる。電子カルテには手書きのスケッチやメモも可能だ。
また、薬剤の自動計算や保険適用、病院の売上統計、入院管理、獣医のシフトにも連動するので、病院運営のあらゆる業務を効率化する。直感的なUIと、タイムラグが発生しにくいスピーディーな処理能力で、スタッフがストレスなく利用できる点も魅力だ。
(出所:アニレセクラウド公式Webサイト)
動物病院向け顧客管理システムとして13年の歴史を持つアニコムレセプターが、クラウド型として進化したソフト。顧客管理、会計の標準機能に加え、電子カルテをオプション追加でき、院内業務の効率化と経費削減を実現。ボタンやタブなどが一目でわかるシンプルな画面構成を採用し、患者照会や院内管理のスピードアップに貢献する。
iPad向けにカスタマイズされた診療情報入力機能では、片手操作が容易なUIを採用しているほか、撮影した写真の取り込みや書き込み、手書きスケッチなどが可能に。また、診療明細の発行や売上集計といった会計機能も活用すれば、事務手続きの煩雑さまで解消できる。そのほか、血液検査機器連携や着信顧客表示、待ち順表示といった追加オプションも便利だ。
(出所:AhmicsV4 Advance公式Webサイト)
顧客管理と電子カルテを基本機能とした、獣医療・ペット関連事業者向けの経営管理システム。複数病院間での情報共有から、診療履歴管理、電子カルテの改ざん防止機能まで、豊富な機能を搭載している。電子カルテ、受付、予約、検査、処方、会計、DM作成・送付、帳票・統計など、動物病院に必要な業務を網羅し、トータルで経営をサポートする。
同社が提供するクラウドストレージ「Ahmics Cloud Storage」を標準装備しており、施設内ストレージだけでなく、クラウド上へのバックアップを自動で行う。そのため、災害時のデータ復旧やランサムウェア対策といったリスク管理の面でも安心だ。
(出所:ペトレルプラス公式Webサイト)
動物病院の日常業務をクラウドベースで管理する、診療マネジメントシステム。PC、スマホ、タブレットを使って、インターネットブラウザからいつでも情報の確認ができる。電子カルテはテキスト入力に加え、画像、シェーマ、検査結果などを自由に登録可能。更に修正履歴を記録できるので、改ざん防止にも有用だ。予約、電子カルテ、会計のデータはあらかじめ連携されており、転記不要でシームレスに管理できるのが便利。
そのほか、予約とリンクしたリマインダーメールの送付、手術などで高額な診療費になる場合の見積書作成、電子カルテのテンプレートなど、利便性向上に役立つ機能が豊富に用意されている。
(出所:ペットクルーカルテ 7公式Webサイト)
病院内業務の効率化と顧客満足度の向上を実現する、動物病院専用の情報管理ソフト。シンプルでわかりやすい画面構成と、必要に応じて画面内に表示される説明によって、人的ミスを未然に防止する。SOAP形式で入力する電子カルテは、シェーマ機能も利用可能。血液検査機器との連動によって、検査データを自動でシステムに取り込み、スムーズにカルテへ反映する。
動画やPDFの登録、複数ペットの明細の一括会計処理など、現場のニーズに応える独自機能が充実している。また、災害時の備えとなるバックアップ機能では、外付けHDD・USBメモリに加え、OneDriveやDropBoxといった一般的なクラウドストレージをバックアップ先に設定可能な点も便利。
(出所:HalopeH公式Webサイト)
来院受付、カルテ管理、会計などの業務を、タブレット一つで完結できる、クラウド型顧客会計管理サービス。UI・レイアウトはタブレット用に最適化されており、救命救急の現場に求められるスムーズな操作性を実現している。1アカウントに対する端末接続数に制限がないのも特徴で、院内受付ではPC、往診先ではタブレットといった使い分けできる。
また、外部のノート型クラウドサービスと連携することで、電子カルテ化することも可能。撮影した患部の写真をその場で電子カルテに転送したり、紙カルテをPDF化してペーパーレス化したりと、業務効率化をサポートする。そのほかのオプション機能として、ペット保険レセプト対応、血液検査機器連動などがあり、効率化する業務の幅を広げたい場合に有力な選択肢となる。
(出所:A'alda Vet360公式Webサイト)
40超の動物病院を運営する同社の知見を元に開発された、動物病院向けの電子カルテ。オンライン予約から患者登録、受付、診察、会計まで、業務効率化をはじめとした、医院のオペレーション改善に大きく寄与する。幅広い業務をシステムで一括管理できる点が魅力。登録された情報はシステム内ですべて連携されているため、転記作業などにかかる労力を省いて、医療業務にリソースを集約できるように。
アクセス制御、定期的な監査、バックアップと復旧など、セキュリティ対策が幅広く施されている点も安心。また、導入時のサポートでは、飼い主・ペットの情報のデータ移行方法、運用方法のアドバイスなどが受けられる。
(出所:Vetty公式Webサイト)
AIによる自動カルテ生成機能を搭載した動物病院向けクラウド電子カルテシステム。来院予約から、電子カルテやオーダーの入力、会計処理までがシームレスに連携し、一気通貫のサービスを提供している。また、AIを活用した診察アシスト機能も特徴。マイクを通して診察をするだけで、獣医師と飼い主の会話がリアルタイムで文字起こしされ、カルテの形式に沿った要約を自動で生成。患者とのコミュニケーションに集中できるようになり、サービス品質の向上が期待できる。
院内メッセージ機能を活用すれば、スタッフ間の情報共有もスムーズに。そのほか、複数病院の一括管理、会計処理や保険請求の効率化など、事務作業を支援する機能も充実。
動物病院において紙カルテを利用し続けるには、時間と手間、保管スペースが必要なうえ、管理も煩雑になりがちに。電子カルテを導入することで、ペーパーレス化が進み、管理コストも削減できます。
また、システムによっては予約、顧客管理、会計などの業務を一括して管理する機能も搭載しており、医院の業務効率化に大きく貢献します。
動物病院の電子カルテを選ぶ際は、以下の項目を比較検討することをおすすめします。
電子カルテの活用には、業務効率化に加えてデータのバックアップ強化、医院間の情報共有の円滑化など多くのメリットがあります。この機会にぜひ導入を検討してみてください。
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