最終更新日:2023-12-13
広告制作などにおいて、薬機法関連の表現チェックを自社内で対応するのに限界を感じ、専用ツールによる効率化を検討している方へ。薬機法チェックツールの機能や選び方、比較のポイントとともにおすすめのツールを紹介します。
薬機法チェックツールとは、医薬品や化粧品、健康食品などの製品・サービスの広告表現について、薬機法や景品表示法といった法規制に抵触していないか簡単にチェックできるツールです。
広告制作において、効能・効果または性能についての虚偽または誇大な表現は、薬機法や景品表示法によって禁止されています。法規制に違反した場合、企業としての信頼を失うだけでなく、課徴金など重い罰則が課されるリスクが。一方で、法律を遵守するために厳密なチェック体制を設けると、チェックや修正に時間とコストがかかりすぎてしまいます。
薬機法チェックツールを使えば、正確なチェック結果を簡単に得られ修正案の作成まで時間をかけずに行なえます。主には次のようなメリットがあります。
本記事では、化粧品や健康食品向けツールを中心に紹介します。
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薬機法チェックツールは、主に以下のような機能を搭載しています。
ファイルやWebサイト上のテキストデータに加えて、画像上のテキスト内容を判読する機能。専門家による人力チェックを提供するサービスでは、動画や音声媒体に対応している場合もあります。
違反リスクがある文章表現をわかりやすくハイライト表示。指摘されるリスクの程度によって表示を分けられるツールや、指摘理由を添えて表示するツールも。
違反リスクがある文章に対して、広告審査に通る安全な言い換えを提案する機能。前後の文脈を踏まえた言い換えや、広告としての訴求力を損なわないように配慮した言い換えに強みを持つサービスもあります。
チェック結果をPDFやCSVに出力、または履歴として保存する機能。法に抵触しない広告表現に関するノウハウを蓄積したり、クライアントに結果を共有したりする際に役立ちます。
薬機法チェックツールは以下の4タイプに分けられます。それぞれの特徴と選び方について解説します。
広告文のチェックを自動化できるタイプ。広告掲載面やLPのURLを指示する、もしくはPDFなどのファイルをアップロードすると、その内容を分析して、使われている文章表現に対して修正すべき箇所や注意点などを表示します。
AIによる文章解析を行うツールも増えてきており、たとえば「RiskMill」のように、違反表現を検知してハイライトするとともに修正の方向性を提案するツールもあります。
また、「LOGRIZa」では、チェックしたい出稿先のURLを登録しておけば、一定時間ごとに自動で掲載面をチェック。更新があった場合に通知するとともに、テキストや画像など更新された内容の差分を確認できます。
自動チェックだけでは精度に不安がある、あるいは、自動チェック後に目視で結果を確認する手間を軽減したい場合に適したタイプ。専門家の見地からの高いチェック精度、信頼できる表現の提案が期待できます。
たとえば「Legal Core」は、プロフェッショナルな弁護士による目視チェックを最短即日〜3営業日で提供。なお、自動チェックツールは即時に結果を確認できるのに対して、専門家に依頼するタイプは結果を得られるまで数日かかる場合があります。
チェックツールの動作について、どのようなものかとりあえず体験したい場合向け。ただし、「薬事法 広告表現チェックツール」は30文字だけの確認、「セルフ薬機法チェック」は利用するたびに連絡先などを入力しなければいけないといった制限があります。
チェック精度に納得がいき、まとまった分量のチェックや業務において頻繁に使うことになった場合には、有料ツールの利用を検討してください。
上記のタイプを踏まえたうえで、薬機法チェックツールを選ぶ際に留意したい3つの比較ポイントについて解説します。
チェック対象の範囲がテキストデータのみなのか、画像化された文字にも対応できるかによって、チェック作業の効率は大きく異なります。また、ツールによっては一回のチェックにおける文字数が限られている場合も。キャッチコピーだけでなく記事本文のチェックも自動化したい場合には、一度でチェックできる文字数を確認しておきましょう。
たとえば「TRUSQUETTA AD」は、テキストのほかにOCRによる画像チェックにも対応しており、最大5枚までの一括アップロードに対応。また「広告チェックAI」は、2,500文字までのWordファイルをチェックできます。
薬機法違反の可能性がある表現を指摘するだけでなく、修正案まで提示できるツールなら、更なる業務効率化が可能に。指摘理由を示して修正の方向性を提案するものや、代替表現そのものを提案するツールがあります。
たとえば「機械良文」はリライト機能を搭載。指摘箇所について、どのような言葉で置き換えるべきか、複数のリライト案を提示します。
「RiskMill」は、違反の可能性がある箇所を修正する場合、修正依頼文を自動で作成。修正にかかる手間も省力化できます。
広告審査の関係で、景品表示法やほかの法規制への対応も行いたい場合には、チェック可能な法律やガイドラインの範囲を確認する必要があります。
たとえば「TRUSQUETTA AD」は、景品表示法や医療広告ガイドライン、各種広告ガイドラインに対応。約8,000語に及ぶ薬機法、景表法にまつわる表現からOK・NGワードを判別します。
また、景品表示法のうち、特にステルスマーケティング（不当表示）にも対応したい場合は、「RiskMill」のように、「関係性の明示」をチェックできるツールが便利。広告主と広告との関係性の明示に不備がある場合、アラートが表示されます。
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（出所：LOGRIZa公式Webサイト）
広告の掲載面を監視・記録し、可視化するソリューション。出稿後の管理が難しいWeb広告表現のリスクに対応する。
主にエステ・脱毛・サプリメントなどを取り扱う広告主向けに、薬機法チェックの機能を搭載。掲載面に薬機法に抵触する表現がないかどうかをチェックし、判定結果と代替表現までを一覧表示する。
広告ごとの様々な掲載面を一括で管理。チェックしたいURLを案件ごと、クライアントごとといった単位で登録すれば、一定時間ごとの自動チェックが可能に。掲載面に変化があった場合には、テキストや画像、リンクまで差分をわかりやすく表示。過去の差分チェックデータを13カ月分保存できるので、掲載内容の変化がCVRやROAS、LTVにどのように影響を与えたかを分析するのにも役立てられる。
（出所：TRUSQUETTA AD公式Webサイト）
コスメ・サプリメントを扱う企業や広告代理店向けの広告表現チェックツール。コスメや健康食品に関する広告文章を自動チェックして、広告出稿までの手戻りを削減することで業務の効率化を支援する。
5年以上かけて蓄積した、約8,000語の薬機・景表法表現におけるOK・NGワードおよび代替表現のビックデータを搭載。Google、Yahoo、LINE、Facebookなど、主要媒体のガイドラインに準拠したNGワードも収録しており、広告審査落ちのリスクを回避する。
NGワードには理由の解説や危険度も表示されるので、広告制作の知見の蓄積にも役立つ。また、OCR機能 を搭載しており、最大5枚まで画像を一括でアップロードしてチェックできる。チェック精度を維持するために、弁護士とともに情報を毎月アップデート。万が一問題が起きた場合には、広告表現に関する法律相談を行える。
（出所：RiskMill公式Webサイト）
薬機法やステマ法規制などの違反表現を自動でチェックする、広告代理店やSNSマーケティング事業者、インフルエンサーマーケティング事業者向けのツール。実際の審査業務フローを踏まえて、工数削減に効果的な機能を提供するほか、既存の業務フローに合わせた開発にも対応している。
チェックしたい原稿の全文をそのままコピー&ペーストするだけの簡単操作で、1,000文字以上の長文チェックにも対応。社内のチェック担当者はもちろん、インフルエンサー自身でセルフチェック・修正することも可能。修正の要否を選ぶだけで内容を原稿に反映できるため、修正作業の手間もかからない。「ステルスマーケティングに関する法規制」に合わせて、広告と広告出稿主の関係についての不備もチェックする。
（出所：機械良文公式Webサイト）
年間10,000件を超えるサービス提供実績と、そのノウハウに由来する50,000件超の教師データをもとに開発されたAI薬機法チェック＆リライトツール。15年にわたって広告表現の薬事コンサルティングに携わってきた薬事法広告研究所が監修。自然言語の専門家と共同開発することで、文脈に合った適切なリライト案の提示を実現している。
リライト案を複数提示できる機能に加え、全体の文脈から違反のリスクがある表現を把握。文章のつながりから、どういったリスクがあるかを判断できる。リスクがあると判断された場合は、その理由についても表示される。
利用回数無制限、1回につき200文字までのチェックができるβ版を無料提供している。
（出所：広告チェックAI公式Webサイト）
専門家監修の独自データベースから、化粧品広告の表現における薬機法チェックと代替表現を提案するAIツール。監査体制の強化を実現するとともに、クリエイティブ制作などのコア業務をサポートする。
広告制作者、または監査担当者が対象のWordファイルを選択・アップロードすれば約2分でAIによるチェックが完了。ChatGPTと自社開発AIの統合技術を用いた文章解析により、薬機法に抵触する可能性が高い文章・キーワードをAIが検知し、アラートと言い換え文章を表示する。
検出項目をクリックすれば、規制に関する解説文が表示されるので、修正案の参考にできる。結果はPDFに加え、CSVでも出力できるため、クライアントや社内作業用に共有しやすく便利。過去の履歴についても結果画面やPDFで確認できるため、以降の広告表現において知見を蓄積できる。
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（出所：Legal Core公式Webサイト）
薬機法などに精通した弁護士が、自社サイトやプロダクトに薬機法上の問題がないかをチェックするサービス。複数の専門家によるチェックを実施することで、判断の属人性を排除し、信頼性を担保する。NGと考えられる文章表現にはその判断理由も明確に記載されるため、社内にノウハウを蓄積することもできる。
状況に応じ最短で即日対応するスピーディーさも魅力。また、業界に先駆けて、行政からの指摘による課徴金が発生した場合に補償を行うサービスを付帯しており、万が一に備えることができる。
（出所：薬事チェックサービス公式Webサイト）
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、健康食品の広告表現が、薬機法や景表法等の法令に抵触していないかチェックするサービス。リーガルチェックのみならず、広告表現として適切な”売れる”＆広告審査に”通せる”実際的な代替表現を提案するのが強み。
チラシやリーフレットなどの紙媒体はもちろん、Webサイト、動画、ラジオなど、幅広いメディアのチェックが可能。更に、薬機法、景表法、健康増進法、JAS法、特商法といった法規制に幅広く対応している。熟練した専門家と法務委員会の2段階で精査する、チェック体制も心強い。
また、媒体や行政、業界団体から指摘された場合の適切な回答も提供。加えて、回答書を踏まえて審査が通らなければ、無償で反論書の作成を支援するなど、リスク対応サービスも提供している。
（出所：I.P.C公式Webサイト）
広告専門弁護士と提携してSNS投稿をサポートする薬機法・景表法チェックサービス。化粧品・健康食品・健康美容器具・医薬品・医療機器といった商材の広告表現を対象に、薬機法や景品表示法、特定商取引法に基づいたチェックを行う。
指摘事項の記載はもちろん、指摘理由の解説も含めて提供。InstagramのPR投稿をはじめ、TikTokやYouTubeにアップされる動画、LP・WEBサイトやWEB広告など、様々な媒体のチェックに対応する。また、7,000人を超えるモニター会員と1,000人以上のSNSインフルエンサーで構成されたネットワークを保有しており、SNS投稿やUGC（ユーザー生成コンテンツ）の生成にも対応可能。投稿作成から薬事チェックまで、一気通貫で依頼できるのが魅力だ。
（出所：薬事法 広告表現チェックツール公式Webサイト）
1回につき30文字まで広告表現の自動チェックができる無料ツール。簡易的なチェックを実施したい場合におすすめ。
ジャンルを選択して、チェックしたい文章や単語を入力すれば、チェック結果欄に抵触箇所とその理由が表示される。化粧品（薬用化粧品含む）、健康食品、健康食品原材料（成分本質）の3つの分野に対応。健康食品として使用したい原材料が、医薬品成分に該当するかどうかも調べられる。
（出所：セルフ薬機法チェック公式Webサイト）
マーケティング支援事業を手掛けるネオマーケティングが提供する無料ツール。薬機法、景品表示法、広告審査、健康増進法にまつわるチェックができるほか、リライト表現の提案も行う。
化粧品、健康食品、医療広告といったカテゴリを選択し、チェックしたいテキストをBOXに入力すると、AIがテキストを判定。利用時に入力したメールアドレス宛に、判定結果が届く仕組みになっている。また、有料の薬機法・景品表示法等リーガルチェックも提供。
薬機法チェックツールは、広告表現が薬機法に抵触しているかチェックできるツールです。確認や修正対応に時間がかかる薬機法への対応について、時間をかけずに正確に行えるようになります。
ツールは「自動チェックタイプ」「専門家が人力でチェックするタイプ」「無料で自動チェックできるタイプ」の3タイプに分類可能。
その中から、自社の確認フローに合ったものを選び、「チェックの対象範囲」「修正案の提示機能の有無」「対応する法律やガイドラインの範囲」といったポイントで、さらに詳細な比較を進めるとスムーズです。
薬機法チェックツールの導入により、薬機法に関わる広告制作の時間を短縮できるようになり、業務効率化が見込めます。本記事でご紹介した比較ポイントなどを参考に、薬機法チェックツールの導入を検討してみてください。
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