タイムカードを使った勤怠管理に限界を感じている、病院の管理部門の方へ。2024年にスタートした「医師の働き方改革」を支援する、病院やクリニック向け勤怠管理システムの特徴や施設規模別の選び方とともに、おすすめのシステムを紹介します。
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病院向け勤怠管理システムとは、病院やクリニックといった医療機関での利用に向いた勤怠管理システムです。
病院向け勤怠管理システムの導入によって、以下のようなメリットが見込めます。
従来、病院をはじめとした医療機関では、医師や看護師の長時間労働が問題視されてきました。それでなくとも、技師・事務職員など多くの職種がいて、常勤・非常勤という雇用形態、夜勤・複数回勤務・宿直といった複雑な勤務パターンがあるため、勤怠管理は煩雑になりがちです。
加えて、2024年4月より「医師の働き方改革」が実施開始。一般職員は360時間/年、A水準医師は960時間/年、B・C水準医師は1860時間未満/年というように、時間外労働の上限を定められたことから、どこの医療機関も勤務状況を正確かつリアルタイムに把握する必要に迫られています。
通常のオフィス向け勤怠管理システムではなかなか上手く対応できないことから、病院向けならではの機能や設定を搭載した勤怠管理システムに注目が集まっているというわけです。
本記事ではそんな病院向けの勤怠管理システムの特徴や施設規模別の選び方を、おすすめのシステムを交えながら紹介します。「他にもどんなシステムがあるのか色々見てみたい」「色んな切り口で比較検討してみたい」という方は「勤怠管理システム比較16選」をご覧ください。
別途、勤怠管理システムに関する情報を網羅的に押さえたスタートアップガイドも用意しています。「専門知識のない方」「忙しくて時間がない方」はぜひダウンロードしてご活用ください。
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医療機関向けに強化されている、病院向けならではの特徴・機能について説明します。
病院向け勤怠管理システムの最も大きな特徴の一つが、複雑な勤務形態への対応です。常勤・非常勤といった雇用形態の違いに対応しているのはもちろん、1日複数回勤務、外回りした後での退勤、フレックスタイム制や変形労働制、在宅勤務など、多様な勤務形態に柔軟に対応できます。
中には、勤務間インターバル考慮のためのアラート機能を備えた「Dr.JOY」のようなシステムも。連続勤務時間制限および勤務間インターバルの取得が義務づけられている、B水準・C水準の医療機関におすすめです。
夜勤・当直などの勤務パターンに応じて、シフト(勤務表)を自動作成します。フォーマットに従って入力するだけでシフトが完成するため、シフト調整がスピーディーに。5分単位で調整できる機能や、管理者とスタッフ間のチャット機能などを搭載したシステムなら、シフト作成業務の効率化にも役立ちます。
入院基本料や特定入院基本料の請求を行うためには、届出書(様式9)に看護師数などを記載する必要があります。病院向け勤怠管理システムを使えば、様式9の自動作成が可能に。
たとえば「CWS就業管理システム」は、委員会・研修などの病棟外業務が控除された様式9と、控除リストを出力できます。委員会の出席簿・議事録を参照しながらのExcel修正作業が不要になるうえ、看護部の勤務表作成も同時に完了します。
2024年度から施行される「医師の働き方改革」では、医師の労働時間短縮計画の作成や、B・C水準の管理といった、医師の時間外上限規制への対応が必要に。出退勤の客観的な記録を残すのはもちろん、自己研鑽や外勤時間、ほかの病院への外勤時間も把握しなければいけなくなります。
多くのシステムはこれらの課題に対応しており、たとえば「CWS就業管理システム」はICカードを用いた打刻機との連携や、スマホ・顔認証機器によって在院状況を把握。様々な出退勤情報を収集できるほか、計画書への記載が必須である医師の時間外勤務の平均時間や最長時間、割合などの情報も提供しています。
中には、スタッフの研修時間や、研修そのものの管理が行えるシステムも。たとえば「CWS就業管理システム」は、院内研修の年間計画立案、研修の申し込み、承認、受講管理に対応しています。
一般の勤怠管理システム同様に、外部システムとの連携が可能。病院向けの場合は特に、給与システムや電子カルテとの連携に強みを持つシステムが多くあります。
病院向け勤怠管理システムの選び方を、医療施設の規模に分けて解説します。
たとえばタイムカードでの打刻と手作業による集計から、システム管理への切り替えを希望する場合には、必要な機能をコストパフォーマンスよく利用できるタイプがおすすめです。
たとえば「HRMOS勤怠」は、30名以下なら無料利用が可能。コストの低さに加えて、マニュアルを見なくてもスムーズに導入できる使い勝手の良さにも定評あり。忙しいクリニックでも手軽に導入できて、勤怠管理業務の大幅な効率化を実現します。
200床未満の、中小規模の病院向け。ある程度複雑な勤務形態対応できる勤怠管理システムを利用する必要があります。
たとえば「CAERU勤怠 医療」は、常勤・非常勤、夜勤・宿直といった、様々な雇用形態・勤務形態に対応。打刻ミスなどはリアルタイムでアラート表示されるほか、管理画面で簡単にミスを修正できるので、柔軟かつスムーズな勤怠管理が行えます。打刻用のタイムレコーダー(タブレット)がレンタルできるのもポイントです。
また、「freee人事労務」も、常勤・非常勤、夜勤・宿直など病院特有の複雑な勤務形態に対応。各種手当や控除項目も自由に設定でき、給与計算業務を効率化できます。法改正にも自動で対応するため、常に最新の状態で利用可能です。
200床以上の大病院向け。大病院ならではの複雑な要件にも対応できる、機能性の高い勤怠管理システムが該当します。
たとえば「TimePro-VG」は、一人に対して複数の権限を設定したり、部署をまたいだ権限を付与したりといった、柔軟な管理機能を搭載。大学病院のような複雑な勤怠管理が求められる環境でも活用できます。打刻の状況と集計データが即座に確認・分析できるため、職員の勤怠管理への意識が向上し、忙しい勤務の中でも高い打刻率を実現。
また、無線のビーコンを用いた勤怠管理機能で打刻忘れを防止する「Dr.JOY」のようなシステムも。医師や職員が持ち歩くビーコン発信機のデータを、院内に設置した受信機が把握してクラウドにデータを送信。クラウドから勤怠画面に自動的に出退勤時間が反映されるため、打刻もれが発生しません。
大病院向け勤怠管理システムの中には、カスタマイズで特有の要件に対応できるものも。施設の環境に合わせて細かくカスタマイズしたい場合は、ベンダーに相談してみるのも一手です。
病院規模とは別に、デバイスと対応言語が挙げられます。特に往診や在宅医療、地域医療連携などに取り組んでいる場合、打刻機としてスマホを利用できると出先から出勤・退勤ができて便利です。中には打刻と同時に位置情報を取得できるものも。スマホ利用を重視する場合は「勤怠管理アプリおすすめ15選」を参照ください。
また、院内に外国籍の従業員が多い場合は、日本語以外に表示画面を英語にワンタッチで切り替えられるものの利用を検討すると良いでしょう。詳細を知りたい方は「英語対応の勤怠管理システム10選」をご覧ください。
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(出所:ジョブカン勤怠管理公式Webサイト)
人事・採用1,000名以上の声を基に開発されたクラウドサービスシリーズ「ジョブカン」の医療機関向け機能。36協定超過に対してのアラート機能や5分単位で設定できるシフト作成機能を搭載しているほか、日勤・夜勤・宿直などの複雑な勤務パターンに対応し、医師の働き方改革を支援する。
顔認証打刻、ICカード打刻、指静脈認証打刻、LINE打刻など、打刻機能が豊富なのが特徴。労働時間と別に宿直回数なども集計できる。紙とペンのような使い心地のシフト作成といった直感的な操作性も魅力だ。
「ジョブカン勤怠管理」単体プランに加えて、従業員情報を一元管理できる「労務HR」と給与計算がセットになった「医療機関向けセットプラン」も安価で提供している。
(出所:HRMOS勤怠公式Webサイト)
中小企業・ベンチャー企業を中心に、累計60,000社で導入されている勤怠管理システムシリーズ。利用人数30名以下なら無料で使え、有料プランでも月額100円からスタートできるコストパフォーマンスの高さが特徴だ。
手軽に使えるiOS・Androidアプリを提供しており、PC・スマホ・タブレットはもちろん、ICカード、Slack、LINE WORKSなどを用いた打刻も可能。打刻データは自動で集計され、給与計算ソフトへアップロードするだけで、給与明細の発行・配布まで完了する。残業や休日出勤の申請・承認(ワークフロー)機能も備えており、日単位もしくは月単位での申請・承認が可能。
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(出所:freee人事労務公式Webサイト)
入退社手続きから勤怠管理、給与計算、年末調整まで人事労務業務を一元化し、大幅な効率化を実現する勤怠管理システム。医療福祉業界特有の複雑な業務に対応。入退社手続きにおいては、必要な情報を従業員自身が入力し、資格証明書のアップロードも可能にすることで、ペーパーレス化を実現。シフト管理においては、職種や部署ごとに勤務パターンを設定できるほか、様式9の帳票出力にも対応。給与計算においては、夜勤や訪問回数に応じた手当など、自由に手当や控除項目を追加できる柔軟性も兼ね備える。更に、医療業界専任の担当者によるサポート体制も充実しており、初めてシステムを導入する病院でも安心して利用できるのもうれしい。
(出所:CAERU勤怠 医療公式Webサイト)
タイムレコーダーの無料レンタル、初期費用無料など、導入のしやすさに強みを持つクラウド勤怠管理システム。常勤・非常勤、夜勤・宿直と様々な雇用・勤務形態に対応した、柔軟な勤怠管理がスムーズに行える。
AIが勤務の予定と打刻実績を自動チェックし、予定に合わない打刻は自動でリストアップ。そのほかにも、残業の上限規制、有給休暇の管理、残業アラート、申請承認など、便利な機能がそろう。ベンダーの専任担当者が施設のルールに合わせてシステムをカスタマイズするため、修正・加工の手間なしにすぐ使いはじめられる。
拠点単位での月額制のため、スタッフの人数が多い施設ほど高いコストパフォーマンスを発揮。
(出所:ADVANCE勤怠クラウドHospital Edition公式Webサイト)
パブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスの3タイプから導入形態を選べる勤怠管理システム。一般職員・看護師の出退勤打刻・各種申請から、看護師長の申請承認・勤怠チェック、人事や給与担当者の集計・管理作業まで、業務処理の一元管理を実現する。様式9の出力や、看護・介護支援システムとの連携も可能。
また、2交替や3交替、宿直、夜勤シフト、48時間までの勤務シフトなど、複雑な勤務体系に対応。打刻した場所の位置情報を打刻時間とあわせて送信できる「GPS打刻」で外出先への直行・直帰をフォローするほか、富士通エフサスの「TIME CREATOR」と連携することで、不必要な残業を抑止する。
(出所:OLude公式Webサイト)
医師の働き方改革に対応する医療向けクラウド勤怠管理システム。医師の自己研鑽時間や兼業時間の管理ができるほか、シフト変更のクリック回数を従来の約1/5に短縮するパターンパレット機能が用意されている。またオプション機能として、国が定める人員配置基準を満たしているか確認できる常勤換算表出力や、様式9出力に対応。勤怠管理業務を大幅に効率化する。
打刻方法は、QRコード社員証、ICカード、生体認証、スマホGPSの中から目的に合ったものを選べ、併用も可能だ。電子カルテからシフトデータを取り込むこともできる。
(出所:MOT勤怠管理公式Webサイト)
会計システムとの連携によって、集計時間の大幅な削減とミスの防止を実現する勤怠管理システム。フォーマットに従って入力するだけで簡単にシフトを作成できる。また、スマホからの勤怠打刻に加えて、有給休暇や残業の申請・承認にも対応。システム上で集計されたデータはCSV出力できるので、外部システムとの連携も可能だ。
入室制限のかけられるセキュリティゲートを設置し、顔認証と組み合わせれば、両手がふさがった状態でも打刻と温度計測、入退室管理が行える。また、顔認証と入場ゲートとの連動にも対応しており、顔認証やQRコード認証も実現可能。勤怠管理と併せてセキュリティも強化したい場合に適している。
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(出所:COMPANY公式Webサイト)
幅広い業務領域をカバーする、大企業向けのクラウド総合人事シリーズ。フレックス、裁量労働、変形労働、在宅勤務など、多種多様な勤務形態を1つのシステムで管理できる。加えて、勤怠情報を一目で把握できる勤怠ポータル、長時間労働のアラートなど、長時間労働を抑制する機能が充実しているため、大病院での利用にも適している。
たとえばある高機能急性期病院では、「COMPANY 人事・給与」「COMPANY Web Service」「COMPANY 就労・プロジェクト管理」「就労モバイル勤怠」を導入することで、勤務時間をタイムリーに把握し、副業・兼業の労働時間や自己研鑽の時間なども管理できるように。人事領域のシステム統一によって、人材データ活用の基盤として用いることも可能となる。
(出所:Dr.JOY公式Webサイト)
ビーコン(無線の端末)での自動打刻が特徴の勤怠管理システム。大学病院45施設と、一般病院106施設での導入実績を持つ。岡山大学病院と共同開発したビーコン発信機を持ち歩くだけで、自動的に勤怠打刻されるため、打刻率100%を実現できる。工事不要で受信機を設置できるのもポイント。また、医局員の超過時間申請や管理者の承認・非承認をスマホから手軽に行えるため、ICカードや生体認証では打刻率に改善が見られない場合などに適している。
時間外申請のアシスト機能を使えば、超過時間にいた検知場所から「時間」「残業」「研鑽」を自動仮入力。時間と場所をタイムラインで振り返れるため、まとめて申請を行う際に役立つ。
(出所:TimePro-VG公式Webサイト)
あらゆる業種に柔軟に対応する勤怠管理システム。⽇・週・⽉の法定超過計算、ポジション(役割)に応じたシフトの自動作成、実績データや見込みデータを基にしたアラートなど、労務課題の解決に役立つ多彩な機能を搭載している。
専門SEが各業務フローの課題を洗い出し、業務効率化と労務リスクの排除を両立できるシステムを構築するなど、導入サポートの手厚さが特徴。Excelのような使用感で、各種操作画面をそのままExcelへとデータ出力できる。オンプレ版とクラウド(PaaS)版に加えて、初期コストを抑えたサブスクリプションモデルも用意している。
(出所:Vicsell勤怠管理Ⅱ公式Webサイト)
ライセンスフリーで使える病院・介護施設向けの勤怠管理ソフト。9,999通りのシフトマスタを作成でき、部署ごとに関係するシフトのみを登録できる。シフトの組合せをパターンとして登録することで、シフト作成がよりスムーズに。様々なタイムレコーダーと連携し、勤務実績の自動収集もできる。
様々な給与ソフトとの連携が可能で、給与ソフトから社員マスタ情報を取り込んで、簡単に情報の追加・変更を行えるほか、元データとの矛盾防止にも役立てられる。また、就業時間集計結果をCSVデータ出力すれば、給与計算業務の効率化が可能に。電子カルテとの連携にも対応。
(出所:CWS就業管理システム公式Webサイト)
医療機関における法制度や診療報酬への対応も含め、医療従事者の勤怠管理業務をサポートする就業管理システム。オンコール勤務の管理、「医師の2024年問題」への対応、B・C水準にも対応した医師の時間外上限規制、院内の設備・環境の有効活用など、医療機関に求められる課題を幅広くサポートする。クリニカルラダーやマネジメントラダーの自己評価、他者評価、認定までの記録を管理する「キャリアラダー」や、新人看護師技術チェックなど、教育支援機能も備えている。
様式9と控除リストの出力が手軽にできるなど、入院基本料届出書類に対応。電子カルテ、給与システム、看護勤務システムのほか、様々な出退勤デバイスとの連携実績を持つ。
病院やクリニックといった医療機関での利用に特化し、労働時間を客観的に把握・記録できる勤怠管理システム。2024年4月から「医師の働き方改革」が開始されており、勤務状況の正確な把握や複雑なシフトの自動調整・作成を実現するには欠かせないシステムです。
病院向け勤怠管理システムならではの特徴として、以下が挙げられます。
また、導入システムを検討する際は、「クリニック向け」「中小病院向け」「大病院向け」と、施設の規模によって検討するのがおすすめです。
36協定に加え、医師の働き方改革により、労働時間の管理はますます厳しくなります。とはいえ、「上限があるから」「厳罰化されるから」といった後ろ向きな感情からではなく、「より良い労働環境づくりのため」「医師やスタッフが本来の業務である医療行為に集中できるように」と、前向きに取り組んでみてください。
病院向け勤怠管理システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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アマノ株式会社
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