最終更新日:2024-01-22
紙やExcel、部分的なシステム利用によって日々の業務を回してきたが、工数や原価、在庫管理などに限界を感じている企業の方へ。生産管理システムの機能やタイプとともに、おすすめのシステムをご紹介します。
個別受注生産向け生産管理システムは、いわゆるオーダーメイドの個別受注生産において、その生産計画から工数、納期、進捗管理、在庫管理や原価管理にいたるまで、一元的に管理するシステムです。
システムによって対象業種は異なりますが、個別受注生産向け生産管理システムは半導体製造や産業用機械、機械用部品などの組立業を中心に、次のような業種で導入されています。
個別受注生産の管理は、工程が画一化されている見込生産や受注組立生産と比べて、高い柔軟性が求められます。トライアンドエラーによる設計変更のほか、顧客のニーズに合わせた仕様変更が複数回発生することもあり、納期のズレや原価状況の把握、関係各所への情報共有など、イレギュラーな対応が都度必要になるためです。
また組立業だけでなく、加工業の生産方式にも対応しており、現場の業態に合わせた管理ができるのに加えて、オンプレミス型だけでなくクラウド型のサービスが増えてきているのも特徴。複雑な生産管理を可視化し、管理や費用が手軽にするため、多くの企業で生産管理システムの導入が進んでいます。
| 業務の効率化 | 資材調達に関する入力や部品表の作成、作業実績の報告など、紙やExcelなどを使って手作業で入力していた業務を自動化及び効率化。人的ミスの削減にも有効。 |
|---|---|
| 受注から納品までのリードタイム短縮 | 部門を超えて、顧客の要望や部品管理、作業指示、各担当者の実績状況といった製品の生産に関する情報が伝達・把握・改善。納期遵守率の改善が可能に。 |
| 在庫の適正管理 | 生産に必要な材料と部品の在庫量、受注している製品に必要な数量を管理・把握することで、過剰在庫や在庫不足を未然に防ぐ。 |
| 見積もり精度の向上 | 在庫状況の把握や過去案件のナレッジ化により、原価計算のスピードが向上し、見積もりの精度が向上。原価の変動をリアルタイムに確認できる機能を備えているサービスなら、急な仕様変更による再計算も簡単に。 |
| 属人化の解消 | 原価管理や在庫管理といった業務の属人化を防止。システム上で情報共有も容易になるので、シームレスでエラーのない生産体制が構築できるように。 |
個別受注生産向け生産管理システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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個別受注生産向け生産管理システムのさらに詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
生産管理システムの選び方ガイド
システムにより搭載されている機能は異なりますが、個別受注生産向け生産管理システムは主に以下のようなことができます。
| 生産管理 | システムの中核となる機能。受注情報などをもとに「どんな製品」を「いつ」「どれだけの量」「どのくらいの費用をかけて」生産するかを立案する。 |
|---|---|
| 所要量計算 | 受注情報や生産管理などを用いて、生産に必要な部品や原材料、資材の数量や時期をMRP（資材所要量計画）にもとづいて自動で算出。在庫リスクや資材コストの軽減が見込める。 |
| 購買管理 | 部品や原材料、資材の発注、受け取り、品質チェック、支払いなどを管理する。生産スケジュール（納期）にもかかわるマネジメント機能。 |
| 製造管理 | 製造現場の作業工程を把握できる。進捗と実績を“見える化”し、業務の効率化や遅延の防止に役立つ。作業ごとに工数実績が計上できる場合は、リソースの最適化にも貢献する。 |
| 在庫管理 | 材料や部品だけでなく、製造途中の仕掛品、完成品の管理にも有効。リアルタイムで在庫の動きを把握し、現場の作業計画を崩すことなく製造を進められる。 |
| 原価管理 | 損益の分析や過去案件のナレッジから採算性のある製造原価が把握できる。製品あるいはロットごとの原価計算や、実績原価と標準原価の比較などにより、見積もりの精度やスピードも向上。 |
上記のほかにも、サービスによっては品質管理や出荷管理、顧客管理といった多数の機能があります。機能の定義やカバーしている範囲が異なるため、自社の課題解決に非通用な機能を見極めてください。
個別受注生産向け生産管理システムには、個別受注生産に特化したタイプと、複数の生産方式に対応するハイブリッドタイプの2つがあります。それぞれの特徴について解説します。
個別受注生産の効率化と生産性向上が目的の場合は、このタイプがおすすめです。リアルタイムで情報を可視化する機能に優れており、個別受注生産の現場で起こりがちな伝達ミスや納期の遅れを防止します。
たとえば「Dr.工程PRO」は、日々変化する膨大で複雑な工程管理を自動スケジューリング機能で解決。実績収集の機能と連携し、素早い現状判断を実現します。原価計算や日程管理、販売など各工程に特化した「Dr.工程Family」シリーズと組み合わせれば、より効率的な生産管理が可能に。
組立業と部品加工業両方の生産方式に対応している「Prevision」のように、受注管理や発注仕入れ管理、在庫管理、原価管理など、個別受注生産現場の課題を解決する機能がひと通りそろったシステムも。
また、「rBOM」は、リアルタイム統合部品表を中心に「モノと情報」の一元化・共有化に強みあり。個別受注生産業務では、営業から製造、経理・経営部門にいたるまで品質、コスト、納期の生産管理３要素（QCD）を意識した改善が見込めます。
依頼に合わせた個別受注生産だけでなく、量産のための繰返生産や少量多品種生産、見込生産など、複数の生産方式に対応しているタイプ。異なる生産方式の拠点を横断的に管理する場合や、中長期的な事業の拡大を計画している場合におすすめです。
たとえば「R-PiCS V4」は、個別受注生産はもとより、見込生産や在庫品生産などにも対応。組立加工製造業に精通しており、生産計画から発注、在庫、工程、原価管理までカバーします。また、国内だけでなく海外の法規制や商習慣にも対応しているため、海外ビジネスを展開している企業のリプレイスにも最適です。
「Factory-ONE 電脳工場MF」は、段階的な導入が可能です。量産と個別受注生産の混在生産に対応した「ハイブリッド版」のほかに、量産や繰返、ロット生産向けの「MRP版」と、個別受注生産向けの「製番管理版」、「販売管理ベース」の４つのサービスをラインアップ。販売管理ベース導入後に、自社の成長に合わせてシステムを追加できます。
また、「TPiCS-X」なら、量産繰返生産から少量多品種生産、一品受注設計生産までワンシステムで対応。オリジナルのMRP（資材所要量計画）ロジック「f-MRP」も有用で、現場の負荷を考慮しながら自動で計画立案をしてくれます。
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（出所：Dr.工程PRO公式Webサイト）
高機能・高精度のスケジューリング機能を備えた、個別受注向け工程管理システム。適切な日程計画を自動立案してくれるほか、現場の状況をリアルタイムに可視化する実績入力機能で、早期の問題発見と対策を支援する。20年以上のノウハウに基づいた、資源割り当ての正確性にも強みあり。
パレットチェンジャー割付、追加飛び込み再割付など各現場の工夫を加味したスケジューリングで、企業の生産性向上に貢献する。同社が提供する「Dr.工程Family」シリーズの、「Dr.大日程」や「Dr.原価PRO」といった製品を追加することで、より効率的かつ高精度な生産管理が可能に。「Dr.工程Family」」は500以上の工場で導入されている。
（出所：TECHS-S NOA公式Webサイト）
産業用機械・装置業向けに開発された、中小・中堅企業のための生産管理システム。受注から請求までを一元管理し、事務工数や集計が大幅削減できるのが特徴。進捗・納期管理から原価実績管理までの“見える化・見せる化”により、全社的な意識改革が見込める。
CADやExcelからのデータ取り込み機能で、資材調達部門の再入力工数を削減。製造の要ともいえる部品表はシステム上で簡単に作成でき、発注書・作業指示書もバーコード処理で簡略化できるなど、オフィスオートメーション効果が高い。仕掛原価と完成予想原価をリアルタイムに反映するなどの、価格交渉に役立つ機能も備えており、利益率の改善にも有効だ。自社の運用に合わせて、オンプレミス型とクラウド型を選択できる。
（出所：Prevision公式Webサイト）
受注生産の組立業と部品加工業、どちらの生産方式にも対応するシステム。受注から在庫・原価管理まで、個別受注生産における工程をワンストップでカバーする。大日程・小日程の手動スケジュールと、自動スケジュールの3種類から選べる工程進捗管理が強みだ。
個別原価計算、自動在庫引き当て機能によって、組立・加工以外の間接工数を削減し、生産性向上に寄与する。部品表、受注データの取り込みはExcelファイルからダイレクトにインポートでき、反対に倉庫別の在庫リストや手配リストをExcelファイルで出力することもできるため、CSV変換のひと手間が不要なのも嬉しい。
(出所：rBOM公式Webサイト)
部品中心に「モノと情報」の一元化・共有化・リアルタイム化を実現する、販売・生産管理システム。設計部品表と製造部品表が合わさった「リアルタイム統合部品表」によって、部品ごとの工程数と進捗状況を、営業・設計も含めた全部門がいつでも確認できる。情報共有のタイムラグや、トラブルの同時多発による現場の混乱を最小化することで、納期順守率の改善に役立つ。
また、企業独自の業務フローに適したカスタマイズにも定評があり、中小企業から大企業まで部門間連携の実現・強化を促進する。
（出所：i-PROERP3公式Webサイト）
部品加工業における個別受注・多品種少量生産に適した、中小・中堅規模企業向けのサービス。受注・出荷や工程進捗管理、在庫管理はもちろん、売上・請求や仕入・買掛管理、トレーサビリティまで幅広い業務内容に対応している。
見積もり作成には自動計算機能、受注入力には製品マスタから各種情報をセットで表示する機能がそれぞれ備わっており、入力にストレスを感じさせないのも特徴だ。進捗管理の画面では、工程着手や作業の遅れ、材料の入荷状況が色分けで表示されるため、トラブルの発生要因を一目で把握できる。更に、当該工程で過去のトラブルを自動表示する機能を搭載。再発防止や重欠陥クレームを防止することで、企業の信頼性向上に貢献する。
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(出所：R-PiCS V4公式Webサイト)
個別受注生産だけでなく、見込生産にも利用可能な生産管理システム。25年もの間、現場の要望に合わせてシステムをアップデートしており、法改正やOS・データベースの改定、他社システムとの連携強化も都度行っている。
生産計画から発注、在庫、工程、原価管理機能までを標準搭載しているほか、導入前にはパッケージ適合分析で業務形態に合わせた仕様にカスタマイズする。海外の法規制や商習慣なども踏まえているため、海外拠点を有する企業にもおすすめだ。
(出所：WorkGear公式Webサイト)
20年以上の開発販売ノウハウをもとに開発された中小製造業向け生産管理・業務支援システム。シリーズ展開しており、単品受注や在庫/生産管理向きの「WorkGear-XZ」、多階層の組立対応の「WorkGear-UZ」、MRP在庫生産管理対応の「WorkGear-MRP」の主要3システムは、見積もり・受発注・生産管理・売上仕入れ・売買買掛と工場で必要な全機能を網羅。個別機能としてガントチャート上で受注や工程ごとのスケジュール調整や設備稼働状況を見える化できる「簡易スケジューラー機能」や、加工品を含めた製品・部材の先入れ先出し、最適数量のピッキングができる「製品部材トレース機能」も搭載し、業務可視化で管理効率化や品質向上を支援する。
その他、見積管理や売買管理、情報管理など、関連シリーズを組み合わせることで、企業の要件や希望にあわせた柔軟なカスタマイズにも対応している。
（出所：EXPLANNER/J公式Webサイト）
NECが提供し、受注から生産・出荷までをフルサポートするWeb型基幹業務システム。電気機械、工作機械、生産用機械などの組立製造業を中心に展開されており、個別受注生産や受注生産に適した製番管理のみならず、見込生産で多く用いられるMRP管理にも対応している。更に、製番とMRPの混在管理も可能だ。
生産スケジュールは標準部分を先行手配し、個別部分を仕様が決定した部品ごとにさみだれ式で手配することで最適化を実現。リードタイムと納期から逆算して、可能な限り材料の調達にバッファを設けるため、仕様変更による発注の重複を避けられる。
(出所：TPiCS-X公式Webサイト)
従来のやり方に固執せず顧客本位のものづくりを追求する、“攻撃型生産管理”を目指す企業に最適なシステム。量産繰返生産、少量多品種生産、一品受注設計生産をワンパッケージでカバーする。中でも特徴的なのが、オリジナルのMRPロジック「f-MRP」機能。情報をもとに自動で生産計画を立案してくれる。
各部門にかかる負担はガントチャートで表示されるため、現場の負荷を考慮しながらクライアントからの要望や変更を反映できる。また、開発なしですべてのフォームやタブにユーザー項目を追加可能な、カスタム設定機能も便利だ。受注販売管理オプションや製造履歴管理オプションなどの選択肢も豊富で、市場の変化に応じた“攻め”の工場経営をサポートする。
（出所：生産革新 Raijin公式Webサイト）
組立製造業を中心に、繰返生産と個別受注生産に対応するハイブリッド型生産管理システム。受注から製造、出荷、請求、入金までのプロセスをトータルで管理でき、どの段階においても「見える化」を実現。在庫の狂いや出荷ミスを日常的に防止する。
細部まで行き届いた原価管理も特徴で、品目別、製番別、間接費配賦それぞれの積上計算を通じて、案件ごとの見直し評価が行える。同じ「生産革新ファミリー」シリーズの、部品構成表管理システム「生産革新 Bom-jin」と連携すれば、設計側との一気通貫管理も可能に。設計ルールを統一し、標準化と流用化による業務効率の向上までを支援する。
（出所：Factory-ONE 電脳工場MF公式Webサイト）
オンプレミス型とクラウド型が選択できる、中堅・中小製造業向けの生産管理システム。金属製品製造業、自動車・同部品製造業、食料品製造業と幅広い業種・業態に対応しており、生産計画だけでなく販売管理機能も標準装備されている。
段階的なシステム構築に対応しているのが大きな特徴。量産と個別受注の混在生産に対応した「ハイブリッド版」、量産や繰返、ロット生産向けの「MRP版」、個別受注生産向けの「製番管理版」、「販売管理ベース」の４つのサービスを用意している。販売管理ベース導入後、自社の成長に合わせた効率的なシステム拡張が可能だ。
（出所：FutureStage公式Webサイト）
日立グループのモノづくりにおけるノウハウが凝縮された、製造業向け生産管理システム。特定の業種に特化したテンプレートが用意されているのが特徴で、業種特有の商習慣や業務プロセスに柔軟に対応する。
個別受注生産に適した一般機械製造業向けテンプレートは、製番別の原価計算、手配進捗、さみだれ式の手配といった現場に必要な機能を一通り搭載。マウスレスの操作性で、実績報告もスムーズに行える。自動車部品製造業向けのEDI取引や、金属加工製造業向けのショット数管理など、引き出しの多さが魅力のサービスだ。
個別受注生産向け生産管理システムは、生産計画や工数、納期、進捗管理、在庫管理、原価管理といった一連の工程をまとめて管理するシステムです。電気機械器具製造業や精密機械器具製造業など、製造現場の幅広い分野で利用されています。
組立業だけでなく加工業にも対応しており、個別受注生産の煩雑な工程管理をわかりやすく可視化。近年では従来のオンプレミス型に加え、クラウド型サービスも台頭しているため、管理や費用の手軽さから導入する企業が増加しています。
個別受注生産向け生産管理システムの利用をこれから検討する場合は、自社の課題解決につながる機能を見極めるのに加えて、下記の2タイプから自社の生産方式にふさわしいものを選択することが大切です。
システムの導入により、業務が自動化及び効率化して人的ミスの削減が可能に。また、在庫の適正管理や見積もり精度の向上、属人化の解消といったメリットも期待できます。
工場力や現場力、経営力アップには欠かせない個別受注生産向け生産管理システムを、自社の成長のために検討してみてください。
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個別受注生産向け生産管理システムのさらに詳しい選び方は、こちらの選び方ガイドをご覧ください。
生産管理システムの選び方ガイド
株式会社テクノア
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