最終更新日:2024-05-27
トラックなどの車両を十数台以上管理している運送会社や、社用車の運行管理を効率化したい方へ。Excelや手書きからシステムを使った運行管理へ移行するメリットや、システムの主な機能などと合わせて、おすすめのクラウド運行管理システムを紹介します。
クラウド運行管理システムとは、車両に搭載したデバイスから情報を集約・把握し、安全で効率的な配送車両の運行や、運行管理者の業務負担の軽減を実現するクラウドタイプのシステムです。
スマホや通信機能を持つデバイスに専用アプリをインストールして、車両に搭載し、走行中の情報を随時クラウドに送ることで、リアルタイムで状況を把握・管理する仕組みです。3秒ごとに車両の位置情報を発信できるものもあり、クラウド上の管理画面の地図から、車両の位置や運行状況などが確認できます。
近年では「車両総重量が7トン以上又は最大積載量が4トン以上の普通自動車である事業用自動車」のすべてに、運行記録計の装着が義務づけられています。また、国土交通省などからの助成金も得られるようになったことから、管理するほとんどのトラックにデジタコ(デジタルタコグラフ)を装着している企業も増えています。
デジタコは、基本的に法定3要素(時間・距離・速度)の取得を目的とし、車両の運行実態を数値化して把握するためのもの。しかし、クラウド運行管理システムと連携させることで、動態管理をはじめ、運転日報の作成、荷物や配送、車両本体の状況、労務状態などあらゆる業務をクラウド上で一括管理できるようになるというメリットも。
システムと連携することで飛躍的に業務を効率化できるので、義務化の対象外の車両であっても有益です。5万円台から導入できるシンプルなデジタコもあるので、クラウド運行管理システムとの連携を視野に入れて検討してみるのも良いでしょう。
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クラウド運行管理システムの機能によって実現することを、大きく3つご紹介します。
積載量や到着時刻などの条件を加味した効率的なルート作成や、車両の割り当てを行えます。中にはAIでルートの最適化を図り、効率的に配送計画を立てられるシステムも。
日報作成を自動化することができます。そもそも、トラック運送など、いわゆる「一般貨物自動車運送事業」では、運転日報の記録と一年間の保管が義務付けられています(貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条)。ただし、日報作成は運転手にとって負担になりやすく、走行距離に比例して運転状況を正確に報告しにくくなるのもネックです。
クラウド運行管理システムを導入することで、走行状況の自動記録が可能。取得データは日報に自動反映できるため、常務終了後に運転日報を出力するだけで業務を完了できます。帰社して手書きしたり、Excelへ入力する手間が削減できるため、長時間労働の解消につながります。
また、クラウド上にデータを保存することで検索性が向上し、情報管理が容易化。「必要な日報を検索して、運転手ごとに正確な勤務時間を確認する」など、労務管理にも役立ちます。
運転手・車両ごとの走行状況をリアルタイムで把握します。どのように走ったか、どのルートを通ったかはもちろん、システムの中には急発進・急停車がないか、スピード超過がないか、余計なアイドリングがないかなど、走行状態を可視化できるものも。システムを利用して優良ドライバーランキングを作るなど、運転手のモチベーションアップにつなげることも可能です。
クラウド運行管理システム導入によるメリットを、具体的に6つご説明します。
急発進・急停車などの危険な走行がないかを運転手ごとに把握し、具体的なデータに基づいて運転指導ができるようになります。また、「走行状況を常に見られている」という緊張感から運転手自身の安全運転への意識も高まり、事故防止へとつながるでしょう。
万一事故が発生した場合にも、管理者は管理画面の地図から瞬時に事故現場を把握し、現場へ急行できます。その際、あらかじめクラウド上にアップされた事故発生時の走行記録をドライブレコーダーの動画で確認し、事故状況を把握しておけば、更に迅速な対応が可能に。危険運転のデータは、以降の対策用の資料として活用することもできます。
運送業界における課題として、長時間拘束・不規則勤務やそれに伴う健康問題など、運転手の過酷な労働環境があります。人手不足を補うための連続勤務も珍しくなく、運転手の労働環境はますます厳しいものになっています。
クラウド運行管理システムであれば、これまで把握することの難しかった運転手ごとの運転時間、休憩時間、残業時間、待機時間などの管理が可能に。ハードな条件が重なることから起こる事故や過労死、健康被害などを防止します。
資材運搬車など大型車両の出入りが多い現場への配送は、荷捌きスペースの確保の都合などから厳密な到着時間の指定が求められます。運行管理システムであれば、車両が予定したルート通りに走行しているかどうかをリアルタイムで把握でき、遅延がある場合には現場付近のほかのトラックをヘルプに向かわせるなど、フレキシブルな判断が可能です。その際、運転手の勤務時間も確認できるため、超過勤務か否かなど複合的な条件を加味した上で、適切な運転手を割り当てられます。
実働率・積載率・実車率など、ルート最適化に必要なデータを可視化し、車両数を削減することで配送効率が向上。走行記録もすべて自動で保存されるため、配送計画からずれてもすぐに原因究明でき、業務の改善につなげられます。
走行データに基づいた正確な運転日報作成機能などによって業務効率が上がるため、運転手の拘束時間や人件費を抑えられます。システムが作成する運転日報は、手書きの日報よりデータ量が多く精度も高いため、ルート最適化への活用が可能。無駄な走行時間や人件費の削減に役立ちます。
自動化によって、誰もが簡単に配送計画を作成できるように。熟練者の経験や専門知識が必要だった作業から属人化が解消され、業務負担も軽減します。
システムは導入後に使いこなしてこそ効果を発揮するもの。具体的な活用の仕方をご紹介します。
運転日報の自動作成、位置情報の共有による事故や渋滞・遅延などのリアルタイムな状況報告など、システムの活用は、管理者のみならずトラック運転手にとっても大きなメリットをもたらします。一方で、常に走行を監視されていることにプレッシャーやストレスを感じる運転手もいるかもしれません。
システムの目的や活用方法を丁寧に説明し、運転手の労働環境向上や安全運転の確保に大きく貢献するものであることを理解してもらった上で導入すると、理解が得られやすいでしょう。
ルート最適化のためには、配送先の住所の正確な入力が欠かせません。受発注システムや顧客管理システムなどで配送先の住所を保有している場合は、運行管理システムと連携させることで入力の手間が減り、更なる業務効率アップが見込めます。
クラウド運行管理システムは、車両利用に関するあらゆるデータをリアルタイムで可視化して記録できます。収集したデータはそのまま放置せず、フィードバックして以降の業務につなげることが大事です。
特に配送計画と実際の走行記録との差分が分析・記録された走行データは、安全運転指導に活用しやすいものの一つ。更に運転手のリアルな意見をシステムに反映して業務を効率・改善していくことで、管理者にとっても運転手にとってもポジティブな効果が期待できます。
ここまでご紹介したポイントをふまえ、おすすめのクラウド運行管理システムをご紹介します。
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(出所:Cariot公式Webサイト)
輸配送の問題を解決し、業務を効率化するための物流業務最適化クラウドサービス。GPSから3秒に1度位置情報を発信し、車両の位置をリアルタイムで確認。配送指示の効率化や遅延対策、車両・ドライバーの稼働率や走行状況などを把握して、生産性の向上やコスト削減につなげる。また、特定地点の通過確認や到着時刻の計測、走行の予実レポートの作成、駐停車位置や時間の分析、走行状況の取得項目のカスタマイズ、アルコールチェックといった機能が充実。スマホアプリを活用すれば、運転日報の作成・管理も簡単だ。
デバイスはモバイルアプリ、OBD-Ⅱタイプ、シガーソケットタイプやドライブレコーダータイプから選べる。デバイスはリースで初期投資なく気軽に導入できるほか、購入も可能。
(出所:Loogia公式Webサイト)
配車・配送計画をAIによって計算し、最適なルートを提供するクラウドサービス。複雑で手間のかかる配車計画を、配送情報を入力するだけで誰でも簡単に作成できる。
単に効率的なルートではなく、約40種類の条件・制約を考慮した最も生産性の高い配車計画を提供。シンプルなUI、直感的な操作で誰でも利用できるので、現場職ではない事務担当者が配車計画を作成している事例も。ドライバーアプリを使用すれば、リアルタイムでドライバーの動態管理も可能に。
(出所:LINKEETH公式Webサイト)
3,000社、10万台を超えるシリーズ導入実績を持つクラウドサービス。安全運転支援システムと動態管理システムを活用し、車両に関する業務を総合的にサポートする。
AI搭載の通信型ドライブレコーダーを通して車両ごとの基本情報に加え、保険会社やリース会社、事故対応担当者の情報をクラウド上で一元管理。走行データやスマホアプリから入力した情報をもとに日報の自動作成が可能。業務の合間に入力することで運行日報作成の手間を低減する。合わせて同社のアルコールチェックサービスを利用すると、アルコール測定した結果も日報に自動反映。13か月前までのデータを日報出力できるため、2022年道路交通法で制定された1年間の保存義務も満たすことができる。
(出所:DRIVE CHART公式Webサイト)
事故の未然防止に役立つAIドライブレコーダー。車両別にその日の走行ルートを確認できる走行軌跡表示機能や、日報・月報自動作成機能などの運行管理機能を標準搭載。AIが常にドライバーの運転を解析し、脇見運転や一時不停止などを自動で検知してアラートするため、事故リスクを大幅に軽減できる。
クラウド上に残された映像やヒヤリハットマップを活用すれば、より効率的・効果的な安全運転指導が可能。アルコール検知器との連携で、2022年より義務付けられた運転前後のアルコールチェックにも対応できる。
(出所:MOVO Fleet公式Webサイト)
協力会社も含めた車両の一括管理ができる物流特化型の動態管理サービス。専用端末を取り付けるだけで、車両位置や配送状況を可視化。5秒に1回の位置情報取得して車両状況をリアルタイムで反映できることに加え、GPS情報から着荷判定や停留時間の自動検知を行い、ダッシュボード上で進捗をまとめて把握できる。配送計画と連動して、遅延見込み時のメール自動通知にも対応。取引先と画面の共有もできるため、電話やメールでのコミュニケーションコスト削減にも役立つ。
車両ごとに走行ルートや速度ログ、CO2排出量目安といった走行実績データの取得も可能。取得データに基づいて日報を自動作成したり、CSVデータによる深堀分析したりと、多角的なデータ活用による業務効率化も支援する。
(出所:ODIN動態管理公式Webサイト)
配送業界に特化したシステム。スマートウォッチやスマホのGPSを利用するため、車両専用の機械・ソフトウェアなどが不要で導入しやすいのが特徴。
GPS位置情報記録機能を使って、リアルタイムで複数ドライバーの位置を把握できる。複数に一斉送信できるメッセージング機能や自動出力できる日報機能、配送先のカテゴリー別の管理・分析などの機能を搭載。また、配送先をCSVでアップロードも可能。配送計画が一体化した「ODINリアルタイム配送システム」も提供している。
(出所:運行管理システム「TacMan」・動態把握システム「TacNet」公式Webサイト)
富士通製デジタルタコグラフを通じて様々な車両情報を取得し、運輸業のニーズに対応したソリューション構築をサポートするシステム。「運行管理システムTacMan」は拡張性が高く、デジタコ側の操作パッドを自由にカスタマイズできる。また、「動態把握システムTacNet」は車両側から送られてくる位置・積載状況・速度・温度などを地図にプロットし、リアルタイムに確認できる機能を持つ。
各事業所で運用している請求・給与・配車などの基幹業務システムと連携して、社内でバラバラに管理・活用されていた運行に関わるデータを一元化し、事務所内のコスト削減が実現できる。24時間365日体制の電話サポートも提供。
(出所:運管PRO公式Webサイト)
デジタルタコグラフとドライブレコーダーを利用して業務を管理する、クラウドタイプの運行管理アプリケーション。リアルタイムでの動態管理や稼働実績の集計、拘束時間管理、改善基準告示違反のチェック、運転日報の作成、改善基準告示を遵守した配車・運行指示などができる。
デジタコやドラレコには、国土交通省の事故防止対策支援推進事業の補助対象として登録されている、テクノホライズン社のGFITシリーズを使用。東海電子製のアルコール検知器を連携すれば、アルコールチェックにも対応できる。
(出所:KITARO公式Webサイト)
運行記録計設置義務に対応した国土交通省認定のデジタコ。すべての車両の位置情報をリアルタイムで把握し、緊急時には最寄りの車両に素早くヘルプ指示が出せる。また、過去の走行履歴の閲覧や到着時刻の予測もできるので、配送先からの問い合わせにもスムーズに対応可能。運転手が事務所に戻れば日報が自動作成される機能も便利。
初期費用を抑えたい場合は、アダプタタイプのサービスがおすすめ。
(出所:AORINO Biz公式Webサイト)
通信機能・GPS機能を搭載したAIドライブレコーダー。Web上の管理画面で車両の現在位置だけでなく、「どこにどれくらい停車していたか」も確認可能。現場ごとにどれくらい時間がかかっているのかを把握して作業効率アップにつなげるほか、従業員のサボり抑止も期待できる。
その他、危険運転を検知したら自動でアラートして注意喚起を促す機能や、実際に交通事故発生やあおり運転の際にはボタン一つで110番通報して、ハンズフリーで会話できる機能も搭載。安全運転推進をトータルサポートしてくれる。
(出所:TCloud for SCM公式Webサイト)
物流・サプライチェーン領域において30年以上にわたりコンサルティング・システム構築・運用保守などのサービスを提供する都築電気による運行管理システム。スマホで取得した位置情報から、ドライバーの走行状況を把握可能。取引先より厳密な配送時間を指定されている場合でも「到着予定予測機能」によって、管理者側で遅延状況を把握し、スムーズにルート変更などの指示出しができる。
これまでの走行実績やルート、作業履歴は一覧で確認でき、ルート別の待機発生率や納品先ごとの作業時間、積載率など、取得データをもとにした分析支援機能も充実している。
(出所:ネットワーク型車載情報システム公式Webサイト)
ネットワーク型デジタコを利用した運行支援サービス。富士通デジタコで記録した運行管理情報を整理・集計し、日報や管理帳票、ドライブレコーダー映像などを活用できる。24時間365日受付のコールセンターを完備しているほか、車載機に不具合が生じた際に、代替機を先行送付して現地交換するセンドバック式の故障対応もあり、手厚いサポート体制が強み。ITP-WebMPを利用すれば、6500社,20万台以上の車両に搭載されている富士通デジタコのデータをWeb APIを通して取得できる。
運行管理システムを導入することで、業務の効率化や安全運転促進による事故の削減、生産性の向上や燃料費などのコストダウンなど、様々なメリットが得られます。
上記の内容に加えて、本記事内でもご紹介した6つの機能・メリットも魅力的です。
① 事故の防止や事故発生時の迅速な対応
② 運転手の労働環境を整え安全確保
③ 到着時間の厳守支援
④ 配送効率の向上
⑤ 運転手の人件費の抑制
⑥ 運行管理者の負担軽減と属人化の解消
クラウド型でコストを抑えやすいうえに、初期費用をかけずに利用できるものや、トライアルを提供しているツールもあるため、まずはテスト導入して利便性を体感してみるのがおすすめです。
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株式会社キャリオット
リアルタイム位置情報活用と車両管理業務のDXにより、現場の業務効率化と安心・安全を提供する車両動態管理クラウドサービス。「運転×業務活動×顧客データ」をまとめて...
株式会社オプティマインド
ラストワンマイルに特化した、誰でも高精度な配車計画を作成できる「自動配車クラウド」です。「業務の属人化・ドライバー不足」などの課題解決や車両台数・物流コストの削...
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
高度な車両管理業務を実現する次世代型テレマティクスサービス。車両管理業務の効率化・安全運転支援に加え、日報の自動作成や、2023年12月から義務化となったアルコ...
GO株式会社
AIが危険運転を自動で検知して事故を未然に防止してくれるAIドラレコサービス。アルコールチェック義務化にも対応可能。通信型ドライブレコーダーを車内に設置するだけ...
株式会社Hacobu
協力会社も含めて動態・位置情報を一元管理できる物流特化型動態管理サービス。取得データの活用で、輸配送の課題解決を支援します。...
スマートモバイルコミュニケーションズ株式会社
全ての機能を月額500円から利用可能。危険運転アラート・動画の自動クラウドアップロード機能を備えたAIドライブレコーダー。GPSで位置情報・停車時間を把握可能。...
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