最終更新日:2024-02-27
CPaaS製品の導入によって、SMS送信やビデオ通話といった機能を自社システムに実装したいと考えている方へ。CPaaSの概要や、できること(機能)、比較のポイントとともに、おすすめのツールを紹介します。
CPaaS(シーパース)は「Communications Platform as a Service」の略称。音声通話、ビデオ通話、SMS、メール、IVR(音声応答システム)といったコミュニケーションチャネルをAPI単位で提供するサービスです。API連携によって、必要なチャネルを自社サービスに実装できます。
CPaaSは複数のチャネルを持っているため、新しいチャネルと追加したり、必要なくなったチャネルを外したりと、柔軟なカスタマイズができるのが特徴です。
たとえば、以下のような場面で利用されています。
コールセンター | 自社サイトやアプリと連携。電話転送機能やIVR機能を使って簡易的なコールセンターを構築する |
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二要素/多要素認証 | 認証システムと連携。アカウントIDとパスワードのほかに、SMSやメール、音声等を組み合わせて本人確認を行う |
予約のリマインド | 予約システムと連携。SMSやメッセージングサービス送信機能を使って、リマインドを顧客に送る |
順番待ち呼び出し | 病院や待ちが発生する店舗などで、受付システムと連携。SMSや電話発信の機能を使って、順番待ちの呼び出しをする |
マルチチャネルマーケティング | 自社ツールと連携。SMS、メール、DMなどのチャネルから顧客に応じた最適な方法を選択し、マーケティングを行う |
システム障害の検知・通知 | 業務システムと連携。メールやSMS、音声送信機能でシステム障害の通知を行う |
医療・介護におけるアラート | 患者や利用者に取り付けたセンサーと連携。SMSや音声送信機能を使って状態の変化に応じたアラートの通知を行う |
会議室の予約 | 会議室の予約システムと連携。予約が自動的に実行される予約システムを構築する |
CPaaSをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
CPaaSを活用するメリットとしては、以下が挙げられます。
各チャネルとの連携システムを自社開発しなくても、簡単に自社サービスやアプリに組み込めるため、開発工数の削減が可能に。
業務のDX化やマーケティングにおいては、使用するチャネルを後から追加・変更する場合も多いため、スピーディーな業務改善や時流に合わせた施策の実現に役立ちます。
音声通話、ビデオ通話、SMS、Eメール、チャットボット、IVRなど多種多様なチャネルを自社のサービスに組み込み、それらを一元管理できます。
契約締結や実装なども一括で行えるため、リリースまでにかかる時間を短縮。保守における手間も削減できるので、コア業務にリソースを集中させられます。万が一、障害が起こった場合も、問い合わせ先が一本化されているのでスムーズな対応が可能に。
CPaaSの料金形態は、機能単位の従量課金制のため、無駄なコストがかかりません。機能を絞ってスモールスタートしたい場合や、スポット利用をしたい場合に有用です。
費用対効果を算出しやすいので、顧客の反応を見ながらコストとの釣り合いを検討できるというメリットも。
CPaaSは主に以下のような機能がAPI単位で提供され、必要なチャネルを選んで利用できます。
通常のお知らせはメール、緊急性の高い要件はSMSなど、目的や自社サービスの顧客特性に合わせて、これらのチャネルを組み合わせるとより効果的です。
コミュニケーションチャネルを提供する以外に、以下のような機能/サービスを備えたCPaaSもあります。
CPaaSを比較する際は、以下のようなポイントをおさえて選びましょう。
対応する通信サービス(チャネル)の種類
サービスごとに対応しているチャネルが異なるため、自社が必要とする機能を備えたCPAaSを選びます。リリース後にサービスの拡張(チャネルの追加)を考えている場合には、幅広い選択肢があるかどうかの確認も必要です。
たとえば、スマホを使ったビデオ通話で英会話レッスンを提供したい場合、「SkyWay」のようにビデオ通話機能に強みを持つものがおすすめです。iOS/Android対応のSDK(ソフトウェア開発キット)が用意されており、ドキュメントやマニュアル、サポートも充実しています。
本記事で紹介するCPaaSが対応している、主なチャネルは以下の通りです。
上記のほかにもIVRなど特有のチャネルに対応しているサービスもあるので、詳しくは後半の「主なCPaaS」を参照してください。
主にSMS送信機能を利用する場合は、到達率や開封率の高さが重要なポイントに。「CPaaS NOW」や「SkyWay」などの国産サービスであれば、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの通信網に直接接続(直収)して送信するため、高い到達率が見込めます。
一方で海外のサービスの中には、海外の回線網から日本の受信者に送信するものがあります。受信者の迷惑メッセージ設定によっては、本人に到達しない可能性も。
対応する開発環境の有無
自社で使用しているプログラミング言語に対応していたり、SDKでのサンプルコードが充実していたりすると、開発や管理にかかる負担を軽減できます。業務の引き継ぎもスムーズになり、属人化の防止にも有用です。
たとえば、「SkyWay」には、JavaScriptとiOS/Andorid用のSDKが用意されており、サンプルコードを使いながら開発できます。
また「CPaaS NOW」は、JSONで通信する方式。可読性に優れるため、システムのブラックボックス化を防げます。
SMS送信や音声通話などは、多くのサービスが従量課金制を採っています。 たとえば音声通話の場合、基本利用料などに加えて従量課金として「SkyWay」では1分0.0003円、「VONAGE コミュニケーション API」では1分0.0127ユーロ(約2円)といった違いがあります。
また、CPaaSは海外製サービスが多く、「Twilio CPaaS」や「VONAGE コミュニケーション API」のように、料金体系がドルやユーロの場合も。その場合、為替レートにより料金が毎月変動するので、予算に幅を持たせておく必要があります。
おすすめのCPaaSを紹介します。
(出所:CPaaS NOW公式Webサイト)
コミュニケーションチャネルAPIを提供する、国産オールインワンプラットフォーム。携帯キャリア直収のSMSや、国内特化のメールサーバーによる高い到達率が特徴だ。また、郵送やFAXといったアナログのチャネルも実装予定。複数チャネルの管理一元化にも優れており、活用シーンは予約リマインドや本人確認・認証、債権回収など幅広い。
セキュリティシートや監査への対応、アクセス制限などが国内の事情に合わせて提供されているのも、国産CPaaSならではのメリットだ。問い合わせ時には専任担当による日本語サポートが受けられるほか、24時間365日の監視体制で異常発生時のスピーディーな対応が可能に。
SMS | メッセージングアプリ | メール | 音声通話 | ビデオ通話 | 本人確認(認証) | 郵送 | FAX配信 |
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○ | - | ○ | - | - | ○ | - ※ | - ※ |
※今後実装予定
(出所:SkyWay公式Webサイト)
ビデオや音声通話などを簡単にアプリに実装できる、マルチプラットフォームSDK。充実したチュートリアルやサンプルコードによる開発のしやすさが強み。サーバーの構築・維持も不要だ。JavaScript、iOS、Androidと3つのプラットフォームに対応し、ビデオ・データ・音声による通信や、画面共有、多人数通話、1対1通話、配信など、様々なチャネルとの連携ができる。
トークンベースでの認証・認可機能によって、エンドユーザーごとの入室可否や映像・音声の送受信可否も制御し、セキュアな開発環境を実現。日本だけでなく台湾、アメリカ、ドイツにもサーバーを設置しているため、海外との通話でも高い品質が保証される。
SMS | メッセージングアプリ | メール | 音声通話 | ビデオ通話 | 本人確認(認証) | 郵送 | FAX配信 |
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- | - | - | ○ | ○ | - | - | - |
(出所:Twilio CPaaS公式Webサイト)
通知、本人確認、マーケティング、IVRなど幅広いチャネルに対応するプラットフォーム。世界180カ国以上・4,500社超のキャリアをサポートしているため、グローバル企業でも利用しやすい。
メンテナンス期間なし、99.95%のアップタイムSLA(サービスレベル契約)、自動フェイルオーバー機能搭載という可用性の高さが特徴。顧客の検討タイミングを逃さない、安定した運用が可能に。数あるチャネルの中でも、Facebook MessengerやWhatsAppなどのメッセージングアプリを使った顧客とのエンゲージメント構築に強みを持ち、顧客対応や会話型コマースに対応。加えて、AIによる配信性の最適化や不正トラフィックの検出といった、業務効率化機能も搭載している。
SMS | メッセージングアプリ | メール | 音声通話 | ビデオ通話 | 本人確認(認証) | 郵送 | FAX配信 |
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○ | ○ | ○ | ○ | - | ○ | - | - |
(出所:コミュニケーション API公式Webサイト)
メッセージング、音声、ビデオなど様々なチャネルを通じて、顧客のエンゲージメントを高めるコミュニケーションAPI。「Voice API」「Video API」「SMS API」「Verify API」の4種類が用意されている。従来のメールやSMSといった一方向のチャネルだけでなく、双方向のリアルタイムチャットにも対応しており、サービスの利便性向上に寄与する。
SMSや音声を用いたモバイル二要素認証による不正行為の防止、コミュニケーションチャネルに関するレポート作成、カスタマーエクスペリエンスの分析といったサービスを用意。多機能な点が評価され、幅広い業界で利用されている。
SMS | メッセージングアプリ | メール | 音声通話 | ビデオ通話 | 本人確認(認証) | 郵送 | FAX配信 |
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○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - |
(出所:Webex Connect公式Webサイト)
大手グローバル組織で採用されている、プログラマブルなエンタープライズ対応型CPaaS。コミュニケーションチャネルと既存のバックエンドビジネスシステムを統合し、企業と顧客との対話を自動化する。フロービルダーやデバック機能を搭載したサンドボックスを備え、開発コストの削減とシステムの明瞭化を実現している。また、拡張性の高さとセキュアな環境を兼ね備えており、コンプライアンスに準拠した運用を目指す企業も強力にサポートしてくれる。
SMS、音声、プッシュ通信、RCS、Instagram、ビデオなど16種類以上のチャネルに対応。顧客に合わせたメッセージング戦略をサポートし、長期的な関係構築につなげる。
SMS | メッセージングアプリ | メール | 音声通話 | ビデオ通話 | 本人確認(認証) | 郵送 | FAX配信 |
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○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - |
(出所:Amazon Connect公式Webサイト)
あらゆるチャネルでの顧客対応において、理想的なカスタマーエクスペリエンスの提供を実現するクラウド型のサービス。
音声通話、ビデオ通話、Webチャットやモバイルチャット、SMS、Facebook Messenger などのメッセージングアプリを用いたコンタクトセンターを、短期間かつ低コストで立ち上げられる。自然な会話型IVRやAIを活用したチャットボットも利用可能だ。生成系AIが電話やメッセージを分析し、必要な情報を担当者にリアルタイムで提供するエージェントアシスト機能により、問題解決のスピードや顧客満足度の向上が期待できる。
SMS | メッセージングアプリ | メール | 音声通話 | ビデオ通話 | 本人確認(認証) | 郵送 | FAX配信 |
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○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - |
(出所:U-cube CPaaS公式Webサイト)
通話・メッセージ機能を搭載したシステム・アプリケーションが簡単に開発できる、コミュニケーションAPI プラットフォーム。既存システムへの組み込みにも柔軟に対応できる。
主なチャネルは、電話発信や会議通話、通話録音、IVR、チャット、SMS送信など。SMSは国内の4キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)に対応し、国内番号での発信も可能。シンプルなコードを書くだけで様々な通信機能をもつシステム・アプリが開発でき、オフィスの代表電話受付やシステム保守、コールセンター、病院受付など、幅広い用途で活用されている。保守・運用を同社スタッフに任せられる点も心強い。
SMS | メッセージングアプリ | メール | 音声通話 | ビデオ通話 | 本人確認(認証) | 郵送 | FAX配信 |
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○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - | - |
(出所:CPaaS X公式Webサイト)
様々なチャネルを用いた柔軟なコミュニケーションを実現する、次世代のCPaaS。ユーザーの細かな要望に合わせて、理想の環境を作成できる。
SMS、MMS、RCS、Eメールやメッセージングアプリなど、新しいチャネルを迅速に導入できるため、収益化までのリードタイム短縮に有用だ。更に、リソースの準備やキャンペーンの登録、クライアント固有の消費レポートなどを自動化するためのAPIも導入されており、運用負荷の軽減まで実現できる。また、世界中に 80 以上のオフィスと 800 以上の直接通信事業者接続を備えているほか、現地のコンプライアンスや法的ノウハウにも精通。ビジネスの地理的拡大をサポートする。
SMS | メッセージングアプリ | メール | 音声通話 | ビデオ通話 | 本人確認(認証) | 郵送 | FAX配信 |
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○ | ○ | ○ | ○ | - | - | - | - |
ビジネス環境がめまぐるしく変化する昨今、サービス提供者にとって重要なのは「いかに素早く市場の変化に対応できるか」ということ。たとえば、スマホの普及によって顧客とのコミュニケーション方法は多様化しており、状況や目的に合わせて様々な通信サービス(チャネル)への接続を用意しておく必要があります。
しかし、複数のチャネルを導入しようとすると、ベンダーとの多重契約による管理の複雑化やシステム開発のコスト増加といったリスクも。しかし、APIによって手軽にサービスとチャネルを連携させられるCPaaSを利用すれば、システム開発や保守のコストを減らしながら、顧客ニーズに合わせたメッセージング戦略が実現できます。
CPaaSを選ぶ際は、次のようなポイントを比較して選定してください。
CPaaSを活用すれば、顧客満足度向上やコスト削減、業務効率化が見込めるだけでなく、セキュリティ対策としても有効です。この機会に、導入を検討してみてください。
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株式会社ネクスウェイ
メール・SMSなど複数の通信手段に対応した、コミュニケーションチャネルAPIのオールインワンプラットフォーム。エンジニア・DevOpsのDXに。到達率も高い「国...
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