メタバース空間を利用したEC販売やプロモーション、イベントの開催など、メタバースのビジネス利用を考えている企業の方へ。メタバースプラットフォームのメリットや活用事例、おすすめのプラットフォームを紹介します。
メタバースプラットフォームとは、メタバース上にユーザー同士が交流できるワールド(空間)を作れるプラットフォームです。交流だけでなく、物品・デジタルアイテムの販売やイベントも開催でき、個人だけではなく企業がビジネスに利用するケースも増えています。
当初はゲームやイベントなど、エンタメでの利用が目立っていたメタバースですが、近年ではビジネス利用されるケースも珍しくありません。
たとえば、日本発のメタバースプラットフォーム「cluster」は、2020年に渋谷区のスクランブル交差点付近を再現した「バーチャル渋谷」を立ち上げました。バーチャル渋谷では企業タイアップのもと、アニメキャラクターと触れあえるイベントや回遊型のスタンプラリーなどの様々な施策が実施されています。2021年に行われたハロウィンイベントでは、世界中からのユーザー約55万人を動員。売り上げたバーチャルアイテムの収益は渋谷区に寄付されました。
ほかにも、ユーザー数5億人以上の人気メタバースゲーム「フォートナイト」のプラットフォームを利用して、歌手の米津玄師氏がバーチャルライブを開催したこともあります。
日本で主に利用されているメタバースプラットフォームとしては、以下のようなサービスが挙げられます。
主なプラットフォーム | ユーザー数 | 特徴 |
---|---|---|
cluster | 約3,500万人 | 日本企業が運営。渋谷区公認の「バーチャル渋谷」で有名 |
VRChat | 数百万人 | アメリカの企業が運営。大規模なメタバースイベント「バーチャルマーケット」を定期開催 |
ZEPETO | 約3億人 | 韓国企業が運営。SNSとの連携機能が充実しており、Z世代などの若年層ユーザーが多い |
REALITY | 約1,500万人 | スマホで手軽に利用でき、アバター作成、ライブ配信、ゲームを楽しめる |
通信技術やVRなどの周辺技術が向上したこともあって、現在、メタバースの認知・普及拡大が進んでいます。メタバースの市場規模は年々拡大しており、2022年の655億ドルから2030年にはおよそ14倍以上の9,366億ドルまで拡大すると予測されており、また、日本に限っても2022年度の1,825億円から、2026年度には1兆42億円まで拡大すると見込まれています(総務省発表2023年度の情報通信白書)。
本記事では、メタバースプラットフォームについて、企業が利用することのメリットや実際の活用事例などを、具体的なプラットフォームを交えながらわかりやすく紹介します。
企業がメタバースプラットフォームを利用するにあたって、享受できるメリットは以下の通りです。
メタバースは現実世界と異なり、いつでもどこからでも好きなワールドにアクセスできます。そのため、今まで実店舗やリアルイベントに足を運んだことのないユーザーとも、接点を持ちやすいという利点があります。また、メタバース内に広告を配置することも可能。従来のWeb広告やSEO対策、SNS運用だけではリーチできなかった新たな顧客層にアプローチできる可能性が広がります。
メタバースはオンライン上であっても、没入感の高い顧客体験を提供できます。ショッピングシーンを例にとると、メタバースなら3Dで再現した商品を展示でき、ユーザーにも実店舗で品物を手に取る時と近い感覚で買い物を楽しんでもらえます。アバターに扮した店員から商品について説明を受けたり、家族や友人と同じ空間で会話しながらショッピングが楽しめたりするのも、ECサイトでは得られない醍醐味です。
一部のメタバースプラットフォームには、ユーザーの行動履歴を詳細にキャッチアップできる機能があります。具体的には、「ユーザーがワールドに訪れた導線・行動パターン」「一日の訪問者数・商談数」「商品購入に至った年齢層」などの情報を収集・分析可能。それを活かせば、より精度の高いマーケティング施策を行えます。
メタバースプラットフォームをバーチャルオフィスとして利用すれば、自社の従業員により快適なリモートワーク環境を提供できます。メタバースオフィスなら従来のチャットコミュニケーションメインのリモートワークに比べて、ほかのメンバーと顔を合わせて双方向のコミュニケーションが取りやすくなります。会議や打ち合わせ以外の時間でもちょっとした雑談がしやすくなり、社内コミュニケーションの活性化が期待できます。
メタバース上でバーチャルオフィスや店舗・施設を運営すれば、実世界のようなスペースコスト(賃料)を削減できます。引っ越しやレイアウト変更の手間もかかりません。展示会やイベントを開催すれば、リアルイベントで発生するブース施工料などのコストや設営の手間も減らせます。一度メタバースで設計したデータは保存されるため、何度でも再活用できるのもメリットです。
続いては、メタバースプラットフォームが実際にどのようにビジネス利用されているのかについてです。以下、それぞれの項目で、具体的な事例を交えながら紹介していきます。
アパレルブランドの「BEAMS」は、「VRChat」内で定期的に行われている大規模メタバースイベント「バーチャルマーケット」の開催タイミングに合わせて、毎年仮想店舗を出店しています。空間内では、アバターに着せるためのオリジナルデジタルファッションやアクセサリーを販売。アバター専用の試着フロアもあり、ユーザーは鏡の横に表示される調整パネルを操作して、衣装のサイズや見え方を調整できます。
また、出店期間中は実店舗に勤務するBEAMSのスタッフが交代でバーチャル接客を行い、アバターの試着をサポート。過去には、バーチャル接客を受けた顧客がスタッフと仲良くなり、実店舗に足を運んでくれたことも。メタバース内での取り組みが仮想空間の枠を超えてリアルな世界にも影響を及ぼしている、いい実例です。
開発会社の「株式会社ビヨンド」は、2024年の新卒エンジニア採用に「メタバース面接」を導入。学生は、VRヘッドセットとメタバースに接続できるPC環境を用意すれば、場所を問わず同社の面接を受けられます。同社は「名前・年齢・学歴」などの基本情報の提供を求めず、情報をあえて伏せたまま面接することで、学生の本来の考え方やエンジニアとしての素質を見るためを狙いとしています。
「東急株式会社」はメタバースプラットフォーム「STYLY」と協業して水族館コンテンツ「渋谷空想水族館」を期間限定で実施。ユーザーがQRコードを読み込むと、デバイス越しに現実空間にサンゴやクラゲなど、たくさんの海中生物が幻想的に浮かび上がります。家族連れに好評で、期間中は子供たちが画面をのぞき込む姿が至るところで見られ、複合施設「渋谷キャスト」の集客にも大きく貢献しました。
本社・支社、リアル出社・リモートワーク、フルタイム・非常勤など、それまでは勤務体系がバラバラで「勤務状況がつかめない」と悩んでいたとある企業が、メタバースオフィスプラットフォーム「ovice」を導入。全員がメタバースオフィスにアクセスすることで、勤務状況を一目で確認できるように。また、離れた場所にいる従業員同士が気軽に会話するようになるなど、コミュニケーションの活性化が図れました。
とあるメーカーでは、自社商品を展示するイベントを主催するため、メタバースプラットフォーム「ZIKU」を導入。20種類ものコンテンツを制作して開催したメタバースイベントは社内外に大好評でした。更にコンテンツをストックできるというプラットフォームの特性を活かし、イベント終了後も展示を常設化。自社の取り組みを継続的・対外的にアピールするためのコンテンツとして利用しています。
メタバースプラットフォームはいくつか存在しますが、ユーザーに提供できる体験や対応可能なデバイスは異なります。メタバースのビジネス利用に興味は持っていたとしても、どのプラットフォームを選べばいいかわからないという方向けに、メタバースプラットフォームを5つにタイプ分けして紹介します。
それぞれのタイプについて、詳しい仕様やおすすめの利用場面を紹介します。自社で利用するとしたら、どのタイプが当てはまりそうか考えてみましょう。
イベント、ECなど、どの用途にも活用可能で、かつVRヘッドセットを接続できて没入感の高い顧客体験を提供できるタイプです。
たとえば、「VRChat」は同プラットフォームだけでなく、ほかのプラットフォームからもイベント会場にアクセスできる導線を整えられます。より多くの集客を見込みたい場合におすすめです。「DOOR」は、テンプレートをベースに空間作りを行えるタイプから、オリジナルの空間やアイテム・アバターをイチから制作依頼できるプランまで料金プランが多彩。Google Analyticsを連携して来場者数・PVなどを計測できるのも特徴です(オプション)。
どんな用途にも活用できますが、VRヘッドセットの接続には対応していないタイプ。その分、PCやタブレット、スマホなどで手軽に利用できます。
たとえば、「ZEPETO」はプラットフォーム内で作成した写真やムービーを、InstagramやX(Twitter)などのSNSと連携して、気軽にシェアできる機能を搭載。自社のブランドやサービスの認知拡大に役立てられます。また、「Vket Cloud」は生成AI「ChatGPT」と連携しており、テキストチャットで会話するAIアバターの配置が可能。プロンプトを設定すれば、メタバース空間内での無人接客・無人案内を実現します。
メタバース上にショップを開設し、有人アバターを介して接客が行えるタイプ。ユーザーが「商品を購入したい」となった場合でも、スムーズにECサイトに遷移する仕組みが整っています。ECサイトよりも空間への没入感が高く、きめ細かな接客対応が行えるのがポイントです。
たとえば、「ハコスコ」はECプラットフォーム「Shopify」と連携可能。ECサイトに遷移せずに商品の購入手続きが完結するため、ユーザーの離脱防止や商品の在庫把握に役立ちます。また、スタッフによる音声・ビデオチャットによる接客ができるのはもちろん、スタッフ不在の際はチャットボットによる無人接客に切り替え可能。時間帯を問わず接客が行える体制を整えられます。
オフィスや学校・塾での利用に適したタイプ。ビデオ会議ツールと同じように、資料やWebサイトの画面を共有できる機能が搭載されています。ビデオ会議ツールにはない没入感を演出する機能があるのも魅力です。たとえば、「Horizon Workrooms」は、メタバース空間に自身のPC画面をミラーリング表示できる「リモートデスクトップ」機能を搭載。画面を切り替えなくても作業ができるため、自身がメタバース空間の中に入り込んだ感覚を味わえます。
そのほか、「ovice」はすぐ近くにいる人にだけ声を届けられるウィスパー機能を搭載。リモートワーク下でも、気軽に雑談を交わせる環境を整えられます。「Virbela」は、学習塾や教育機関向けに、生徒がクラウド上でメモを取りながら授業を受けられる仕組みがあります。プラットフォーム上で宿題の提出ができる機能も搭載しているため、現実の塾や学校と変わらない体制での運営が可能です。
数千〜数万人規模の大規模なオンラインイベント開催におすすめのタイプ。いずれもPCやスマホで気軽にアクセスできます。たとえば、「XR CLOUD」には、イベント中に登壇者から参加者へマイクを受け渡せる機能があります。参加者から登壇者へ向けられた質問や意⾒をスムーズに拾えるので、オンラインウェビナーと比べて双方向のコミュニケーションが取りやすいのがポイントです。
そのほか、「REALITY」は1カ月間にわたって開催したイベントで、累計来場数約650万人を動員した実績があります。また、企業の要望に合わせて空間の開発だけでなく広告展示も依頼可能。たとえば、大規模なイベントに合わせて広告を配置し、多くのユーザーにアプローチするといった従来のマス広告のようなプロモーション施策も実行できます。
自社に合ったメタバースプラットフォームのタイプが何となくつかめたら、今度は個別に比較検討していく番です。ポイントとしては以下のようなものが挙げられます。
メタバースプラットフォームの種類によって、利用ユーザーの目的や年齢層が異なります。したがって、自社商品やサービスに見合ったターゲットが属しているプラットフォームかを見極める必要があります。
たとえば、「ZEPETO」の国内ユーザー層は小中高校生が約8割を占めるため、Z世代である若年層ユーザーをターゲットにしたビジネスと高い親和性が見込めます。一方、「ZIKU」は商談展示会や説明会の開催に特化しています。アバターを介してブース担当者が来場者に話しかけられる機能や、商談の状況をその場でメモできる機能などがあり、リアル会場で展示会を開く感覚で利用できます。
メタバースプラットフォームの利用にあたり、VRヘッドセットへの接続が必須なのか、あるいはPCブラウザやスマホアプリでも操作できるのか、選択可能なのかはチェックしておくべきでしょう。
たとえば、オフィス利用向けの「Horizon Workrooms」は、「Meta Quest」シリーズのVRヘッドセットを接続しないと、アバターを利用することができません。メタバースの醍醐味を味わいたい場合は、従業員全員にヘッドセットを用意する必要があります。「cluster」はVRヘッドセット接続前提のコンテンツを展開したい場合、ユーザーには「VR Ready」の認証を受けているPCを用意してもらう必要があります。
また、VR機器の他にも、各プラットフォームによって推奨される利用環境が異なるため注意が必要です。どれくらいの通信速度があれば快適に利用できるか、事前に確認しておきましょう。たとえば、展示会特化の「ZIKU」や、オフィス・アカデミー利用向けの「Virbela」の推奨する通信速度は10Mbps以上。また、「Virbela」はVPN接続が推奨されていない点にも留意する必要があります。
メタバースプラットフォームを上手く活用すれば、自社商品・サービスの魅力を多くのユーザーへ届けることができます。ただし、プラットフォームによって空間の創り方や再現性が異なるため、自社に合ったタイプを選ぶのが重要です。たとえば、EC利用に特化した「αU Place」の場合、実店舗の空間をスマホアプリでスキャンし、そのままメタバース上で再現できます。ユーザーにブランドの雰囲気や世界観を届けやすいのが特徴です。
よりオリジナリティを追求したメタバース空間を作りたい場合は、自社の要望に応じて空間を作成してくれるプラットフォームを選ぶと良いでしょう。たとえば、「cluster」で企業が商用利用する際は、同社に空間の制作依頼をする必要がありますが、同社には年間200社以上のメタバース空間の制作実績があるため、自社がイメージするメタバース空間を再現してもらいやすいでしょう。
イベント、EC利用、展示会など様々な用途で利用でき、VR機器の接続にも対応しているメタバースプラットフォームを紹介します。
(出所:cluster公式Webサイト)
スマホやPC、VR機器など様々な環境からアクセス可能なメタバースプラットフォーム。累計来場者数3,500万人以上を動員しており、集客プラットフォームとしては最適。企業が商用利用するには同社に空間の制作依頼をする必要があるため、初期コストはかかるが、制作後の月額費用や管理費はかからない仕組みになっている。年間200社以上のメタバース空間の制作実績があるため、確かなノウハウのもとメタバースをビジネス利用できる。
特筆すべき点は、ユーザーが不快感のある配信やアバターを報告できる仕組みが備えられていること。同社が適切なペナルティを課して対処するため、ユーザーがトラブルに遭うリスクを軽減できる。
制作実績は幅広く、会社セミナーや採用説明会、音楽ライブ、観光地の再現など様々。代表的な事例に、渋谷区公認で街並みを再現した「バーチャル渋谷」がある。
(出所:VRChat公式Webサイト)
ユーザー数数百万人のアメリカ発メタバースプラットフォーム。VRChat自体は商用利用に関する規定を明確に定めておらず、商用利用したい場合は、VRChatの商用代行を行っている日本の企業「株式会社Gugenka」に相談や空間制作を依頼するのがベター。依頼すると、チケット制の有料イベントの開催、外部リンクへ誘導するための導線確保やプラットフォーム内へのデジタル広告設置などを実現できる。
代表的な制作事例に、サンリオと提携し、キャラクターが出演する音楽フェス「SANRIO Virtual Festival」を開催した実績が。同イベントはVRChatだけでなく、動画配信サービス「SPWN」からもアクセス可能。単一プラットフォームでイベントを開催するよりも多くの集客が見込める画期的な施策が取られている。
(出所:DOOR公式Webサイト)
新たな顧客との接点創出を目的とした法人向けメタバースプラットフォーム。バーチャルショップやライブステージなど、用途に合わせた空間テンプレートが充実。自社で所有する3Dオブジェクトを組み合わせてオリジナルの空間を作ることも可能だ。アバターも同様にカスタマイズできるほか、自分の顔を常時画面に映せるアバターも利用可能で、商談や接客の際に使いやすい。ほかにも、説明会向けにPowerPointのスライドを共有できる機能や、万が一部外者がルームに入ってきたら強制退出させる機能など、ビジネス利用の機能が充実している。
料金プランは4種類あり、テンプレートをベースに空間作りをするタイプから、オリジナルのアバターや空間をイチから制作依頼可能なプランも。別途有料オプションで、PV、UU、新規ユーザー数などをGoogle Analyticsから抽出、レポーティングするサービスも利用できる。
(出所:STYLY公式Webサイト)
クリエイティブに強みを持つメタバースプラットフォーム。ユーザーはVRやARなどの作品を制作して、公開型のギャラリー「STYLY GALLERY」に自由に公開可能。外部サイトへ遷移するリンクを設置できるため、店舗の集客増加・ブランド認知向上の導線設計も行える。過去にはQRコードを読み込むだけでデバイス越しにサンゴやクラゲなどの海中生物を浮かび上がらせる「渋谷空想水族館」のキャンペーンを行い、「渋谷キャスト」の集客を実施している。
無料でも商用利用が可能だが、作品には必ずSTYLYのロゴを入れる規約が定められている。ロゴを外したい場合や、作品をギャラリーに公開せず、特定のユーザー同士でクローズドに公開したい場合は、法人向けの「Pro」プランか「Pro Unlimited」プランを契約する必要あり。Pro Unlimitedプランの場合、別途料金で技術サポートやコンサルティングを受けられる。
スマホやPCで手軽にアクセスでき、イベント、EC利用、展示会など様々な用途で活用できるメタバースプラットフォームを紹介します。
(出所:ZEPETO公式Webサイト)
企業のニーズに応じて、仮想店舗やイベント・ゲーム用のスペースを構築可能な韓国発のメタバースプラットフォーム。空間作りは、日本の運営会社であるソフトバンクに依頼する仕組み。有人アバターやチャットボットを設置でき、接客やイベント案内が行える体制が整っている。オリジナルアイテムの制作やプロモーションもあわせて手がけているため、本格的にメタバースビジネスに参入したい企業にも適している。
国内ユーザーのうち小中高校生が約8割を占めるため、若年層ユーザーをターゲットにしたビジネスを展開する場合におすすめ。プラットフォーム内で撮影した写真やムービーを、InstagramやX(Twitter)などのSNSと連携してシェアできる機能を搭載しているため、自社のブランドやサービスの認知拡大に役立てられる。
(出所:Vket Cloud公式Webサイト)
アプリなし、URLのクリックだけでメタバースワールドを制作できるブラウザ完結型プラットフォーム。法人向けプランを契約すれば、レイアウト・背景・3Dモデルのテンプレートがそろっており、簡単に空間を作れる。また、生成AI「ChatGPT」との連携により、テキストチャットで会話するAIアバターを配置可能。プロンプトを設定すれば、無人接客・無人案内を実現できる。ほかにも、商談や接客のために訪問者がワールドに来る時間を予約できる機能や、EC利用向けにShopifyと商品情報を連携できる機能など、様々なビジネスの展開に役立つ機能が搭載されている。
単発で大人数を集客したい場合に適したパッケージプラン「VKET SPACE」も提供しており、社内イベントやファンミーティングなどの用途で活用できる。
EC利用に適しているメタバースプラットフォームを紹介します。
(出所:ハコスコ公式Webサイト)
スマホやPCから気軽にアクセスできるEC利用向けメタバースプラットフォーム。会場のレイアウトや家具、アバターをテンプレートから選んで空間に配置するだけで、仮想店舗を簡単につくれる。音声・ビデオチャットによる有人接客はもちろん、チャットボットによる無人接客も可能。ユーザーがアクセスする時間帯を問わず商品を販売できる。外部リンクによりECサイトに誘導する機能はもちろん、Shopifyと連携してECサイトに遷移せずとも商品の購入が完結する機能も搭載。
利用実績は仮想店舗がメイン。画期的な事例として、銀行がメタバース上に新たな支店を作った実績があり、将来的にはメタバース内で銀行サービスが受けられる体制も整えている。商用利用の場合でも、月額1万円でリーズナブルに利用できるのも嬉しい。
(出所:αU(アルファユー)Place公式Webサイト)
大手通信会社・KDDIが手掛けるEC利用に特化したメタバースプラットフォーム。店内空間を専用のスマホアプリでスキャンして、メタバース上で再現する仕組み。ブランドの雰囲気や世界観にこだわりをもっている場合にはおすすめ。新規利用者の獲得や既存顧客の関係性強化が期待できる。
メタバース内では画面内のアイコンをタップすると商品の詳細情報が表示され、遷移先のECサイトで購入可能。まるでリアル店舗に足を運んでいるかのような買い物体験を提供できる。更に、実店舗の店員からチャットやビデオ通話によって接客を受けられる機能も搭載しており、双方向でのコミュニケーションが取れる体制が整っている。
導入事例は、銀座に構える「無印良品」の旗艦店を再現した店舗をはじめ、老舗食料問屋が世界中のユーザー獲得のためメタバース店舗をオープンした事例も。
バーチャルオフィスや教育機関での利用に適したメタバースプラットフォームを紹介します。
(出所:Horizon Workrooms公式Webサイト)
「Meta Quest」シリーズのVRヘッドセットと連携することで、没入感の高いメタバースオフィス空間に浸れるプラットフォーム。ヘッドセットを持っていなくても、「Zoom」と接続することでビデオ会議に参加できる仕組み。表情に加えてジェスチャーが豊かなアバターを使えて、ノンバーバルなコミュニケーションが取りやすいのがポイント。また、オプションのホワイトボード機能では「Meta Quest」付属のコントローラーを使えば、ペンを走らせる感覚で画面上のボードへ自由に書き込みができる。ホワイトボードに書き込んだ内容はクラウド上にストックされ、必要な時にすぐ引き出せるため企業の会議効率化にも役立つ。
その他、メタバース空間に自身のPC画面をミラーリング表示する「リモートデスクトップ」機能もあり、画面を切り替えなくても作業が行える。
(出所:ovice公式Webサイト)
世界で約4,000社の導入実績を誇るバーチャルオフィス用プラットフォーム。顔写真の載ったアバターをダブルクリックして相手に近づくと会話ができる。鍵付きの会議室も用意されており、機密性の高い内容を安心して交わせる。すぐ近くにいる人にだけ声を届けられるウィスパー機能を利用すれば、従業員同士気軽に雑談しやすいのも特徴。また、誰がどの部屋、フロアにいるかを検索できる機能も便利。更に、検索すれば個人の出社状況とステータスが「対応可」「作業中」などで表示されるため、話しかけて良いかの判断がスムーズに行える。会議中の会話をリアルタイムで文字起こしする機能もあり、スムーズな内容把握や議事録の作成に役立つ。
その他、ダッシュボードで各従業員のバーチャルオフィス滞在時間、発話回数を分析可能。データをメタバースオフィスの利用促進、コミュニケーション促進のために有効活用できる。
(出所:Virbela公式Webサイト)
バーチャルオフィスやバーチャルスクールの構築に特化したメタバースプラットフォーム。プランに応じてフロアサイズを選べ、バーチャルオフィスであれば最小10人から最大200人まで収容可能。フロアには社員交流イベントなどに活用できる大部屋や、打ち合わせに使える小部屋などが用意されており、現実のオフィスと同じような感覚で利用できる。オプションで、ビデオ会議ツールのように資料やWebサイトを共有できる機能も付けられる。また、学習塾や学校などの教育機関での利用に適した機能も豊富。たとえば、生徒がクラウド上でメモを取れる機能や、プラットフォーム内で宿題を提出できる機能が用意されている。
空間の型が決まっているサブスクプランと、自社オリジナルの空間作成を依頼可能な個別対応プランを用意。なお、セキュリティ保護の観点からアバター同士の会話やチャット履歴は一切保存されない。
最後に、数千、数万人規模のユーザーを動員するのにおすすめのメタバースプラットフォームを紹介します。
(出所:ZIKU公式Webサイト)
展示会や説明会などのビジネス利用に特化したメタバースプラットフォーム。テキストチャットやボイスチャット機能が備わっているため、ブース担当者が来場者に話しかけるのも簡単に行える。商談の内容はその場でメモ可能。また、来場者の行動履歴をリアルタイムで把握できる機能もあるため、自社に興味のありそうな来場者を判別しやすいのもポイント。ブースの設計も簡単で、豊富なテンプレートからデザインや色を選択し、展示ポスターやロゴを設定するだけで構築できるため、専門知識が必要ない。
制作事例に、企業が単独で商品・サービスをPRする展示会や、複数の企業が集まる大規模な商談会などがある。その他、リアルイベントとZIKUでのメタバースイベントを並行して開催することもできる。
(出所:XR CLOUD公式Webサイト)
展示会やバーチャルツアー、ファンミーティングなど大勢のユーザーが接続するイベント設計に向いているメタバースプラットフォーム。独⾃の接続エンジン技術を採用しており、10数人程度の規模から数万人が同時接続する大規模なイベントの開催に対応。また、イベント中に登壇者から参加者へ自由にマイクを受け渡せる機能も搭載。参加者から登壇者に寄せられた声をスムーズに拾いやすく、オンラインウェビナーと比べて双方向のコミュニケーションが取りやすい。
過去に、アニメキャラクターなどのバーチャルアーティストとタイアップして総勢7万人を動員した音楽イベントを行った実績が。また、医療業界向けに、特定疾患を持つ患者同士が交流したり、専門家の講演を開いたりする場としても活用されており、幅広い業界で利用できる。
(出所:REALITY公式Webサイト)
スマホ一台でオリジナルアバターを作成でき、ライブ配信やゲームを楽しめるメタバースプラットフォーム。同社が過去開催したメタバース合同展示会には、約650万人が訪れた実績が。更に、全世界でのダウンロード数が1,500万以上あるため、より多くのユーザーの目に留まりやすいプロモーション活動が行える。また、空間の開発だけでなく広告展示も依頼可能。たとえば、メタバース内の大型ビジョンやビルの壁面などの空間に広告を配置できる。
その他、プラットフォームでNFTの取引ができる環境構築や、メタバースをビジネス利用するうえでのコンサルティングも依頼でき、企業のニーズに柔軟に応えられる体制が整っているのもポイント。アイドルグループの展示イベントや、Z世代向けの就職活動イベントなどの制作実績あり。
近年、利用が増えているメタバースプラットフォーム。「新たな顧客層を開拓できる」「没入感の高い顧客体験を提供できる」「商品やブランドの価値観を届けやすい」といった理由から、EC販売、商品のプロモーション、イベント開催など、ビジネス利用する企業が増えています。そのほか、「双方向のコミュニケーションが取りやすい」といった理由から教育機関でも利用するケースが増えています。
今回の記事では、あらゆる用途に汎用的に対応するタイプから、EC利用に特化したタイプ、バーチャルオフィス・バーチャルアカデミーの開設に適したタイプなど、全14種類のメタバースプラットフォームを紹介しています。本記事を参考に、自社に最適なプラットフォームを選んでみてください。
<重要なお知らせ> サイトリニューアルに伴い、初回ログインにはパスワードの再設定が必要です。
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