膨大な数の物理鍵をセキュリティを担保しながら無人で管理したい、アナログで管理している鍵管理台帳の運用を効率化したい企業の担当者へ。鍵管理システムを利用するメリットや種類、価格相場とあわせておすすめのシステムを紹介します。
鍵管理システムとは、物理的な鍵の貸出・返却を無人で自動管理するシステムです。利用者の鍵の使用履歴は、すべて管理機に記録されます。
鍵を正確に管理するには、鍵管理台帳の作成が必要です。台帳には、持ち出した鍵の種類・利用者・貸出日時・返却日時などを記録します。鍵の管理者は、利用者の持ち出し状況を常に把握して、鍵が紛失、盗難に遭わないよう注意する必要があります。
しかし、鍵管理台帳を手書き、あるいはExcelなどでアナログ管理する場合、記入もれやミスが発生する可能性が。特に大量の鍵を管理する場合、管理者は貸出・返却された鍵を台帳と照らし合わせながら記録せねばならず、非常に手間がかかります。
鍵管理システムなら、鍵を専用のキャビネットやボックスで厳重に管理可能です。キャビネットは、社員証を兼ねたICカードのタッチや、暗証番号の入力などで開けられるので、鍵の受け渡しの無人化が実現。関係者以外はキャビネットを開けられないよう設定できるため、不正利用を防止できます。
また、鍵の利用履歴は管理機に内蔵されているシステムに記録され、必要に応じてPC・スマホに転送できるので、鍵管理台帳をイチからアナログで作成する必要がなくなります。
なお、物理的な鍵を使わずに扉を開け閉めできる設備を求めている場合は、スマートロック(暗証番号の入力、スマホのタッチなどで扉の施解錠を行うキーレスのシステム)について解説している「オフィス向けスマートロック比較11選!後付けor交換タイプ別紹介」の記事をご覧ください。
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近年、スマートロックや生体認証(指紋や顔などの生体情報を用いて個人を認証する仕組み)によってキーレス化が進んでいる一方、賃貸マンションや、車には物理的な鍵が使われている場合がほとんどです。
また、オフィスによっては、ドアの構造上スマートロックを付けられない場合や、セキュリティの観点からキーレスに切り替えることが難しい場合もあるでしょう。
このような状況を前提に、物理鍵を管理するシステムが必要なシーンと、具体的な利用方法をまとめました。
会議室、資料室、サーバールームなどの施錠が必要な部屋の鍵管理を実施。たとえば、サーバールームには企業の機密情報が含まれたサーバーが集まっています。限られた従業員しか部屋にアクセスできないよう、システム上で鍵の利用者を制限できます。
製造機械・装置が置かれている機械室や、部屋の空調・電気の流れを管理する空調室・電気室などの鍵管理で利用。早朝や深夜の稼働でも、24時間無人で鍵の利用・返却ができるのがメリットです。
また、指定された曜日に特定の機械を稼働させる現場の場合、システムによって、機械室の鍵の利用を曜日ごとに制限可能。ヒューマンエラーの防止につながります。
クレーンなどの各種重機を動かすための鍵管理に活用。特に重機は特別な運転免許が必要な場合が多く、有資格者のみに鍵の利用権限を付与することで、現場の安全を担保できます。
客室の鍵をはじめ、スタッフルーム、浴室など施設内設備のある部屋の鍵を管理。フロントでスタッフと対面しないタイプのホテルや簡易宿所、民泊でも利用可能です。客室数が多い場合は、数百本単位の鍵を管理できるシステムを選ぶのがおすすめです。
宿泊客には、鍵管理機を開けるための暗証番号を有効期限付きで発行できます。たとえば、チェックイン〜チェックアウト時間内で有効な暗証番号を発行すれば、宿泊客に時間外に鍵を持ち出される可能性を回避できます。
賃貸オフィスビル・マンションの一室や、共用部分などの鍵管理に利用。賃貸物件には、清掃業者や電気・水道設備業者、修繕業者、防犯業者などの様々な業者が出入りします。
鍵管理システムによって、ランダムなタイミングで出入りする業者への鍵の貸出を無人で行えます。業者には、鍵管理機を開けるための暗証番号を有効期限・回数制限付きで付与。期限が過ぎたら暗証番号を無効化すれば、業者のむやみな出入りを制限できます。
各賃貸物件に鍵管理機を設置しておけば、内覧時の鍵管理を効率化可能です。顧客には、内覧時間になったら有効になる暗証番号を付与しておけば、不動産担当者と接触することなく鍵を受け取れます。顧客から鍵が管理機に返却されたことが確認できたら、暗証番号を無効化します。
金庫や、顧客情報が管理された書庫などの鍵管理に利用。たとえば担当者が金庫の鍵を扱う際、金庫内の不審な持ち出しを防ぐため、管理者による承認を経て利用許可が降りる設定にできます。
また、鍵とともに重要物を管理するキャビネットを導入すれば、顧客情報が集約されたバインダー、PCなどをあわせて管理可能。各重要物にも利用者権限を設定できるので、担当者以外の従業員が安易に機密情報を持ち出せない環境を作れます。
病室のほか、部外者以外立ち入り禁止エリア、医薬品保管庫などの鍵管理に利用。医療スタッフごとに、利用可能な鍵の権限設定ができます。緊急で医療ケアが必要な患者が発生した場合、キャビネットにダイヤル錠やマスターキーが備わっているタイプだと、鍵の利用権限に関わらず管理機を開けられます。
各教室や施設の鍵管理を行います。教室のドアの前や校舎のフロアの一角に鍵管理機を取り付ければ、教職員がICカードや暗証番号で鍵を自由に取り出せるように。広い校舎であっても、鍵を受け取るために事務室へ移動する時間が省けます。部室や研究室を利用する学生には、時間を定めて鍵の利用権限を付与すれば、顧問や担当教授が不在でも入退室が可能です。
レンタカーの鍵管理に利用。レンタカー店は、特に朝と夕方が混み合ってしまい、鍵の貸出・返却がスムーズにいかない場合も多いでしょう。鍵管理システムを利用すれば、無人で鍵を受け渡せるので混雑回避につながります。
鍵に付けられたICタグにより、誰がどの車をレンタルしているのかを一目で把握。返却指定時間が近くなったら管理者にアラート通知が行く設定にすれば、利用者に返却をリマインドしやすくなります。
販売している自動車や、店舗に来店した顧客の鍵を管理。鍵管理機の扉にセンサーを設置して、不審な動きがあった場合はアラートを鳴らす設定にすれば、異常をすぐに検知できます。
鍵管理機の種類によっては、取り出したい車のナンバーをディスプレイ上に入力すると、どこに鍵が刺さっているかを表示。似たような鍵が並んでいてもすぐにピックアップ可能です。
鍵管理システムを利用するメリットは、大きく3つ挙げられます。それぞれのメリットを、代表的な機能を例示しながら紹介します。
鍵を安全に管理するシステムによって、防犯・情報漏えい対策が取りやすくなり、企業のセキュリティ体制を更に強化できます。セキュリティ対策に役立つ具体的な機能を紹介します。
システムが「いつ・誰が・どの鍵を」使用したのかをリアルタイムで記録。利用・返却状況は管理機やPCで一覧化され、まだ返されていない鍵の存在を把握しやすいです。
返却されていない鍵があれば、システムが自動でアラート。管理機自体がブザーで知らせるタイプもあれば、管理者にメールを送信して知らせるタイプもあります。システムによっては、鍵の利用時間に応じてアラートをかけられるので、利用者に鍵を時間内に返してもらうよう意識付けができます。
キャビネットに差し込まれた一本一本の鍵には、利用者権限を設定可能。権限のない部外者や従業員が不用意に鍵を持ち出し、部屋に入退室するリスクを排除できます。
鍵を利用する予定の日時のみ有効な暗証番号・QRコードを発行する機能。たとえば、常に鍵の利用権限を与える必要のないホテルの宿泊客や、施設を不定期で出入りする業者などに活用できます。
鍵をキャビネットから取り出す際に、ICカードや暗証番号のほか、指紋・顔などの生体認証で本人確認を行うことも可能です。特に重要な機器や書類が置いてある部屋は、なりすましがきかない生体認証の利用や、「ICカード+暗証番号」など複数の認証方法を組み合わせた管理が安全です。
入退室管理システム(いつ・誰が・どこに入室/退出したかを管理するシステム)と連携可能な鍵管理システムもあります。連携すると、たとえば鍵を返却していない利用者がいたら、部屋から退出できないようロックをかけるといった運用が可能に。鍵を部屋の外に持ち出す動きを阻止します。
部屋に監視カメラを設置して、入退室者をリアルタイムでモニタリング。鍵の利用権限を与えられたユーザー以外が部屋に入室する様子をとらえられ、その場で追跡できます。すでに問題が起こった後でも証拠映像が残るので、問題の早期解決につながります。
鍵管理システムを利用すると、鍵の利用・返却状況を記録管理する効率が飛躍的に向上します。効率的な管理に役立つ機能は、以下の通りです。
システムが、鍵の貸出・返却履歴を自動で記録。必要に応じて専用のソフトやクラウドを経由してPCにデータを連携します。データをもとにレポートを出力したり、Excelで加工したりが可能で、アナログで鍵管理台帳を運用する手間が省けます。
会議室などの予約が必要な部屋の場合、従業員はPCやスマホから鍵の予約ができます。システムで予約者に鍵の権限を付与し、それ以外の従業員は鍵を抜き差し不可に。会議室が勝手に使われてしまう事態を防ぎ、予約ルールを保った運用ができます。
複数の店舗やエリアに点在している鍵管理システムを、クラウドにより遠隔で集中管理できます。管理者は、どの場所からでも各拠点に設置された鍵管理機の履歴確認や、利用者権限登録などを行えます。
鍵がどこに保管されているか、誰が持ち出しているかをシステム上で検索。管理者が、長時間返されていない鍵を見つけ出し、利用者に返却を促す対応が簡単に行えます。
鍵管理システムを利用することで、管理者は遠隔で鍵管理ができるうえ、利用者も管理機を操作するだけですぐに鍵を取り出せます。利便性向上に関連する機能を紹介します。
キーパッドやタッチパネルの操作によって鍵の貸出・返却が行えるため、ITに不慣れな利用者でも簡単に操作できます。システムによっては操作方法がタッチパネルに流れるため、説明書をたどらなくても使い方がわかります。
24時間365日いつでも鍵管理機を開けられる設定にできるので、時間外業務が発生した場合や、緊急時でも鍵を利用可能です。
鍵管理機を開けたら、利用者が取り出せる鍵の位置がディスプレイ上、キーラック上で点滅します。並んでいる鍵が大量にあっても、どれを利用すれば良いのか見分けやすいです。
鍵管理機の種類によっては、PCで検索しなくてもタッチパネル上に鍵の利用者が表示されます。使いたい鍵がすでに使われている場合、利用者にすぐ問い合わせることができます。
専用のスマホアプリ・ブラウザから遠隔で鍵管理を行えるタイプも。たとえば、従業員が新たな鍵の利用権限付与を望む場合、管理者は、その場にいなくてもスマホから権限を与えることが可能です。急に特定の鍵の利用が必要になった場面などで重宝します。
鍵管理システムは、管理する鍵の本数や重視する機能によって、以下のタイプに分けられます。それぞれの特徴を詳しく解説します。
オフィスをはじめ、ホテル、レンタカー店、不動産管理会社などで数百〜数千本単位の膨大な物理鍵を管理できるタイプ。各拠点の鍵管理機を遠隔で一元管理できる仕組みも備わっています。
「Traka Touch Pro」には、ずらりと並ぶ鍵の中から必要とする鍵を見つけやすい仕組みが。鍵管理機のディスプレイが取り出し可能な鍵の位置を点滅で示すため、迷わず鍵を抜き取れます。
「CREONE」も、何千本もの鍵が取り付けられたキーラックから、利用したい鍵をすぐに見つけられます。たとえばレンタカーの鍵を探したい場合、車のナンバーを途中まで入力すると、ディスプレイに候補が表示されてすぐにピックアップできます。
「Keycafe」は、不特定多数の利用者に鍵を貸し出す体制を整えやすいです。たとえば、レンタカー利用者や宿泊客など一時的に鍵を使うユーザーに期限付きの暗証番号を発行し、指定日時以外は使えないようにできます。暗証番号の発行は、PCだけでなくスマホからでも簡単に行えるのがポイントです。
オフィスや店舗などの施設で特定の従業員が利用可能なタイプ。顔認証や入退室管理システムとの連携ができる鍵管理機もあり、セキュリティを強化した運用が実現します。このタイプは、更に以下2種類に分けられます。
数百本の鍵を管理する大型オフィス・施設に対応するタイプ。
たとえば「クマヒラの鍵管理システム」は、同社提供の入退室管理システムと連携可能。利用者が鍵を返さなければ退出できないよう規制したり、部屋の入室自体を制御したりなどの複雑な運用が実現します。更に、同社提供の監視カメラと連携できるのも強み。鍵管理機の操作に異常があった時は映像が自動で立ち上がり、迅速に状況確認する体制が整います。
パナソニック コネクト株式会社の「顔認証・鍵管理サービス」の本人認証方法は、顔認証のみ。ICカードや暗証番号の利用はできないので、なりすましが一切きかなくなっています。セキュリティの強化につながるうえ、カードや暗証番号の管理工数を削減できるのも嬉しいポイントです。
鍵を常時10〜30本程度管理する中小規模のオフィス・施設向けのタイプ。鍵の利用者履歴を印字できるプリンター付きの管理機もあります。
グローリー株式会社の「重要鍵管理機」は、鍵の使用目的や長時間使用した理由をタッチパネル内で選択可能。鍵管理簿に理由書きする手間が省けます。また、同社が提供する鍵管理専用クラウドと連携すれば、利用者はスマホやPCから必要な鍵を予約できるように。会議室の予約の際などに重宝します。
ローレルバンクマシン株式会社の「KM-Nシリーズ」、東名通信工業株式会社の「鍵管理システム」は、鍵管理機を開ける際に二者認証を設定できます。たとえば、担当者が管理者の承認を得るべき重要な鍵を利用する場面で役立ちます。
「W-Keyシステム」は、オプションでセコムの警備員が鍵管理機の状態を24時間見守るサービスを提供。何らかの異常があれば、警備員がすぐに駆け付けます。金融機関など、特にセキュリティを重視する企業におすすめです。
鍵以外にも、重要物を含めた管理を重視したタイプ。重要物にもタグを付けることで利用状況を追跡し、紛失や盗難を防ぎます。
たとえば「キャビマッチ」の場合、オプションで、利用者に応じて開けられる扉を制限できる機能が。その利用者にとって必要ではない重要物が入った扉を開けられないようコントロール可能です。
「安心キャビネット for RFID」は、キャビネットの中に同社提供の「PC・鍵・カード貸出機」を組み合わせて二重管理ができます。たとえば、キャビネットの扉を開けられても貸出機のロックを解除できない設定にすれば、重要物が不用意に持ち出されるリスクを抑えられます。
鍵管理システムのキャビネットやボックスは、大きく分けて3つの種類があります。前の章で説明したタイプを念頭に入れつつ、建物のスペース・レイアウトに合わせて設置に適した製品を選びましょう。メーカーによっては、複数種類のキャビネット・ボックスを扱っている場合もあります。
壁に取り付けるタイプ。基本的に取り付けたボックスを移動することはできないため、各エリアで鍵を使う本数や用途がある程度決まっている場合におすすめです。
「Traka Touch Pro」の製品ラインナップは4種類あり、鍵を最小5本〜最大360本まで管理可能です。また、各製品は拡張アレンジができ、一カ所で最大720本の鍵を扱えます。ボックスの扉は耐久性に優れており、歪むくらいの力が加わってもロックが外れにくい仕組みになっています。
「Keycafe」の壁面取り付け型のボックスも、「Traka Touch Pro」と同様、ボックス本体と拡張ユニットを連携すれば更に多くの鍵を管理できます。また、どの製品も奥行きが10cm以下でスリムなうえ、オプションで屋外用カバーも付けられるので、設置場所を選びません。
「CREONE」では、キャビネットを使わず壁や金庫に直接キーラックを設置する「KEYRACK」シリーズを展開しています。キャビネットに比べて場所を取らず、部屋全体を鍵の保管場所とする場合の設置に適しています。鍵の保管場所のセキュリティを強化するには、入退室管理システムや防犯カメラを併用するのがおすすめです。
そのほか、東名通信工業株式会社の「鍵管理システム」や、セコム株式会社が提供する「W-Keyシステム」も壁への取り付け型。グローリー株式会社の小型キーボックス「KBS-1000シリーズ」も、別途料金で壁への取り付けができます。
設置型の大型キャビネットタイプ。このタイプは、鍵のみを管理できるタイプと、鍵以外の重要物も管理可能なタイプが存在します。
株式会社クマヒラの鍵管理システムシリーズ「セキュアキーデポジット2」は、一本の鍵を収納するための小さな扉が付いている構造になっており、ほかの利用者から鍵の存在が見えないように。鍵の複製・盗難リスクを抑えられます。サーバールームなどの機密情報が多く含まれた場所や、店舗など不特定多数の人が出入りする場所への設置に適しています。
パナソニック コネクト株式会社の「顔認証・鍵管理サービス」も、クマヒラの鍵管理機本体を採用しているため、上記のメリットを享受できます。
鍵以外の重要物も収納可能なキャビネットタイプ。
「キャビマッチ」の場合、鍵とあわせてバインダーなどの書類や、ノートPCなどのIT資産を本格的に収納管理できます。鍵だけでなく、収納物にもICタグを貼付しておくことで、従業員の持ち出し、返却状況をもれなく追跡。製品ラインナップは5種類あり、設置スペースや収納したい重要物にあわせて導入できます。
ほかに、大型キャビネットをメインで展開している株式会社クマヒラも、重要物を管理できる「セキュアキーロック2」を販売しています、上段に鍵、下段にスマホ、カードなどの小物が収納可能なトレーが設置されています。紛失リスクが高い小物を鍵とあわせて安全に管理できます。
小型ボックスを中心にそろえているグローリー株式会社も、鍵とあわせて重要物を保管できる「BK-100 シリーズ」を用意。耐火仕様のユニットを組み合わせられるので、現金や復元の難しい重要書類の保管に適しています。
比較的コンパクトで、場所の移動がしやすいボックスタイプ。
グローリー株式会社には、鍵を10個、20個、30個管理できるボックスタイプ「KBS-1000シリーズ」があります。オプションで顔認証機器を取り付けられるので、セキュリティを更に強化した運用が可能です。
株式会社ムサシにも、鍵を30本まで管理でき、持ち手付きで運搬が容易な製品「テラック MK30J」があります。
ローレルバンクマシン株式会社の「KM-Nシリーズ」の場合、ガイダンスやヘルプ機能が付いたディスプレイが備えつけられており、鍵管理機の利用が初めてでも使いやすいです。また、停電などの非常時にはダイヤル錠で扉を開けられるので、非常用の鍵を管理する必要がありません。
そのほか、大型キャビネットを扱っている株式会社クマヒラも、持ち運び可能な小型ボックスシリーズ「セキュア・プライムキーボックス」をラインナップしています。
鍵管理システムの価格は、機器の種類をはじめ、設置数や設置方法(工事の有無)によっても変動するので、見積もりが必須です。参考で、価格を公開している会社の相場を紹介します。
たとえば、「Keycafe」の機器の価格は以下の通りです。
別途、鍵を管理するシステム利用料が発生します。一カ所に設置された機器のみを管理する場合、月額7,900円/台(ライトプラン)。複数の拠点の機器を管理する場合、月額12,900円/台(プレミアムプラン)かかります。
また、「Traka Touch Pro」の販売元・株式会社トータルリンクでは、小型ボックスタイプの鍵管理システムレンタルサービス「Traka21」を提供しています。鍵管理本数は21本で、月額12,000円/台。本格的に導入する前に、まずは使用感を試してみたい場合にもおすすめです。
オフィスをはじめ、ホテル、レンタカー店など複数拠点の施設で数百〜数千本単位の鍵を管理したい場合におすすめのシステムを紹介します。
(出所:Traka Touch Pro公式Webサイト)
利用業種を問わず、鍵の安全な保管と管理の手間削減を実現するシステム。本人認証方法は、ID入力、指紋認証、カード認証。暗証番号をプラスして二重認証にもできる。取り出し可能な鍵はディスプレイ上で緑色に点滅するため、並ぶ鍵が多くても見つけやすい。鍵の利用・返却履歴は管理機本体に記録されるほか、ソフト「Traka WEB」に転記も可能。ソフトを利用すると複数拠点の鍵管理機を遠隔管理でき、異常な動作は管理者にメール通知する。ソフトにはほかにも、鍵の予約機能や、曜日ごとに鍵の取り出しを制限する機能を搭載(オプション)。製品は4種類あり、拡張アレンジをすれば一カ所で最大720本の鍵を取り扱える。
そのほか、車両鍵を管理する機能も充実。管理機をアレンジすれば車両鍵とETCカードをまとめて保管できるほか、鍵返却時に残燃料・走行距離・駐車位置番号をディスプレイ上に入力して、運転日報代わりにすることも。
(出所:CREONE公式Webサイト)
数千本単位の鍵を一元管理できるシステム。固有のIDが付与されている専用のピンをキーラックに差し込んで使用する。管理機のディスプレイには、欲しい鍵を簡単に検索できる機能を搭載。一例としてレンタカーの鍵を探したい場合、車のナンバーを途中まで入力すると候補がディスプレイに表示され、すぐにピックアップできる。管理したい鍵の本数に応じて、キャビネットを自在にアレンジ可能な点も強み。たとえば同社の「System」シリーズの場合、メインキャビネットに加えて最大15台のキャビネットを増設可能。ほかにも、スタンドアロン型の「BASIC」シリーズや、キャビネットを使わず壁や金庫にキーラックを設置する「KEYRACK」シリーズなど、全部で4種類のバリエーションを展開している。
暗証番号での本人認証が基本だが、ICカードタッチや顔認証、指紋認証が行える外部認証機との接続も可能だ。
(出所:Keycafe公式Webサイト)
オフィスをはじめ、レンタカー店、ホテル、マンションなど様々な施設で利用できる壁面取り付けタイプの鍵管理システム。鍵の管理は、Webブラウザもしくはスマホで実施。複数拠点に鍵管理機があっても一つのアカウントで管理できる。すべての鍵に専用のタグを取り付けてトラッキングすることで、持ち出し、返却履歴を厳重に追跡する。また、鍵の利用者権限の付与方法が柔軟な点も特徴。たとえば、レンタカーの利用者や宿泊客など、一度しか鍵を使う予定のないユーザーには、期限付きの暗証番号を発行することで、指定日時以外は使えないようにできる。
ボックスのラインナップは、鍵を8本、9本、26本管理可能な3種類。別途、管理できる鍵の数を増やせる拡張ボックスもあり、大量の鍵管理にも対応する。いずれのボックスも奥行き10cmと省スペースで、更に屋外カバーも付けられるため、設置場所を選ばない。
数百本単位の鍵を管理する大型オフィス・施設におすすめの鍵管理システムを紹介します。
(出所:クマヒラの鍵管理システム公式Webサイト)
数百本の鍵管理が必要な施設に対応する鍵管理システム。大きく分けて、入退室管理システムと連動して利用するセキュアシリーズと、鍵管理機単独で運用可能なプライムシリーズの2種類が存在。セキュアシリーズは、ソフト「セキュアモニタ」を利用して、PC内で鍵利用履歴の閲覧や、利用者権限の設定が可能。
また、入退室管理システムとの連携により、鍵を返さなければ退出できないよう規制したり、部屋の入室自体を制御したりするなどの複雑な運用も実現する。更に、同社提供の監視カメラと連携できるのもポイント。たとえば、鍵管理機の操作に異常があった時は映像が自動で立ち上がり、迅速な状況確認が行える。
ラインナップが多彩で、鍵のみ管理できるタイプの場合、一台で最小20本〜最大500本まで扱える。ほかにも、鍵とあわせてスマホ・カードなどの重要物を最大480個収納できるタイプがあり、紛失しやすい小物をあわせて管理するのに適している。
(出所:顔認証・鍵管理サービス公式Webサイト)
鍵管理機に顔認証機能を組み合わせて、鍵の不正利用や盗難防止の強化をはかれるシステム。あらかじめPCかタブレットで顔写真を登録しておけば、管理機に設置された顔認証専用のカメラが読み取りを開始。なりすましは一切きかない仕様になっている。カメラが高性能なため、マスクをしたままでの顔認証も実現。ICカードの発行や暗証番号の設定が不要で、管理工数を削減できるのもポイントだ。
別途クラウド型の管理ソフトを利用すれば、遠隔で顔写真情報の登録や利用者権限の設定が可能。鍵の利用・返却履歴はリアルタイムで管理者に通知される。いくつかの拠点を構える企業や、店舗スタッフ、警備員など関係者の出入りが多い商業施設でも活用しやすい。
ラインナップは、鍵を個別収納できるタイプと、鍵とあわせて重要物の収納が可能な2種類。自社のニーズや設置環境に応じて選べる。
鍵を常時10〜30本程度管理したい中小規模のオフィス・施設に適した鍵管理システムを紹介します。
(出所:重要鍵管理機KBS-1000シリーズ公式Webサイト)
使いやすさとセキュリティを兼ね備えた鍵管理システム。本人認証方法は、ICカード、ICカード+パスワードなど6パターン。別途顔認証センサーを付けられるので、より厳密に鍵を管理したい企業にも適している。利用者情報の登録や権限設定はタッチパネルで完結。鍵の利用目的や長時間使った理由をタッチパネルで選べるのも特徴で、鍵管理台帳に理由書きする工数を削減できる。
オプションで、同社提供のクラウド「CKS-1000」と連携可能。管理者は、各拠点に設置された鍵管理機をスマホやPCで一括管理できる。また、クラウドには不特定の利用者が鍵を予約可能なシステムを搭載。会議室の鍵や、オフィスに一時的に出入りする外部業者の鍵の予約がスムーズになる。機器はプリンター搭載/非搭載タイプがあり、プリンターでは鍵の利用履歴を印字できる。
本項目で取り上げたKBS-1000シリーズ以外に、鍵と重要物を管理するタイプも。
(出所:鍵管理機KM-Nシリーズ公式Webサイト)
高度なセキュリティで鍵を安全に管理できるシステム。本体搭載の直感的に操作できるタッチパネルが特徴。パネル上に、ガイダンス機能や操作に困った時のヘルプ機能が集約されているのが嬉しい。本人認証はIDコードの入力や、ICカードタッチなどの方法を選択可能。パスワードとの二重認証や、担当者・管理者での二者認証も設定可能で、鍵の重要度に応じた管理が実現する。鍵の取り出し・返却履歴の検索や利用者権限の登録はWebブラウザで操作でき、専用ソフトのインストールは必要ない。そのほか、非常時はダイヤル錠で本体扉を開けられるので、非常用の鍵を管理する負担がないのもポイント。
鍵を10本、20本、30本管理できる3種類のタイプがあり、いずれも持ち運び可能。オプションで、指静脈認証機器やプリンターを付属できる。更に、呼気アルコール検知器とも連携可能で、社用車の鍵管理の際、ドライバーが酒気帯びで車を運転するリスクを防げる。
(出所:鍵管理システム公式Webサイト)
社員証や、手持ちの交通系ICカードで本人認証、扉の開け閉めが可能な鍵管理システム。本人認証方法は、ICカード、ICカード+暗証番号など複数選べる。二者認証もできるので、担当者と管理者双方の承認を得るべき重要な鍵の管理に役立つ。PCに専用管理ソフトを入れれば、各鍵の利用者権限はチェックを入れるだけで簡単に設定。持ち出し状況も検索できる。オプションで、同社の提供する入退室管理システムと連携すれば、たとえば鍵を返していない利用者が部屋から退出できないようロックをかける対策が実現。社外への鍵の不正持ち出しを防げる。そのほか、管理機には⼊出⼒端⼦を4点装備しており、警備機器や防犯装置の接続も可能だ。
壁に取り付けて設置するタイプだが、オプションで据置台も利用できる。ラインナップは鍵を5本、10本、20本、30本管理可能な4種類。
(出所:W-Keyシステム公式Webサイト)
セキュリティ事業を運営するセコムが提供する鍵管理システム。管理機の扉を開けるには、セコムオリジナルの複製・偽造ができないカードか、ICカード「MIFARE」「FeliCa」が必要に。カードのタッチに加えて、暗証番号の入力が必要な設定にもできる。本体に記録された鍵の利用履歴はPCに取り込んで、台帳として出力可能な点が便利。また、鍵の利用者権限登録、変更、削除もPCで操作できる。本体は壁への取付型で、鍵を10本、または30本管理できるタイプを用意。バールやハンマーなどによるこじ開け、破壊行為に強い素材で作られており、物理的な被害を最小限に抑えられるのもポイントだ。
オプションで、セコムが鍵管理機を24時間見守るサービスも付けられる。何らかの異常があれば警備員がすぐに駆け付けるため、金融機関など特にセキュリティを重視する企業におすすめ。
(出所:テラックMK30J公式Webサイト)
鍵の授受を自動管理し、管理者の業務負担削減につなげるシステム。キーボックスにはタッチパネルが付いており、本人認証はカード、パスワードの入力により実施。「誰が・いつ・どの鍵を」利用したのかをシステムが自動記録する。
鍵を30本管理できる小型ボックスは、軽量で持ち手が付いてるため簡単に移動しやすい。社内のレイアウトを大幅変更する場合にも柔軟に対応可能だ。そのほか、鍵を35本、カードを50枚管理できる設置型タイプ「KC350Y」も。たとえば、金融機関でオペレーションをする際に必要なカードを鍵とともに保管しておける。
最後に、鍵とあわせて重要物の利用・返却管理を重視したタイプのシステムを紹介します。
(出所:キャビマッチ公式Webサイト)
オフィスの重要物を24時間365日管理して、セキュリティ体制強化に貢献するキャビネット型システム。ICカードでキャビネットを開けられる仕組みで、鍵や重要物に専用のICタグを取り付ければ、キャビネット内蔵のシステムが利用・返却履歴を記録。未返却のものがあっても、誰が持ち出しているのか一目でわかる。管理画面で設定した返却期限を過ぎた際は、管理者宛てにアラートメールを送信。本体が施錠されていない場合はアラームが鳴るため、閉め忘れ防止にも役立つ。これまで鍵やPC、重要書類をバラバラに管理していた企業にとって、キャビマッチ一台あればまとめて管理できるのが利点だ。
製品ラインナップは、高さ55cmの比較的小さなタイプから、2m超えの大型タイプまで5種類。オプションで、利用者に応じて開けられる扉を制限できる機能や、指静脈認証リーダーを付けられる。管理対象物は、鍵以外にバインダー、ノートPC、カメラなど。
(出所:安心キャビネット for RFID公式Webサイト)
RFID(電波を用いてデータを読み込むID)タグを鍵やPCに紐付けて重要物を管理できるキャビネット型のシステム。キャビネット本体が、貸出・返却履歴を自動取得可能。運用管理者のPCに専用ソフトをインストールすれば、リモート環境でも貸出・返却履歴が管理できる。認証方法はICカード、暗証番号、ICカード+暗証番号の3種類。カスタマイズにより指静脈認証にも対応可能だ。また、キャビネットの中に同社が提供する「PC・鍵・カード貸出機」を組み合わせて二重に管理可能な点も特徴。たとえば、安心キャビネットの扉を開けられても、PC貸出機のロックは解除できない設定にすれば、不用意に重要物が持ち出されるリスクを防げる。
キャビネットのサイズは大小あわせて4種類。導入企業の一例として、在宅勤務によってノートPCの社外持ち出し状況の把握が煩雑になっていたところ、同システムの利用によって管理工数削減を実現した。
鍵を正確に管理するための管理台帳を手書きやExcelで運用する場合、もれやミスが発生しがちです。鍵の数が多ければ多いほど、管理者が鍵の実際の本数と管理台帳を目視で照合する手間もかかります。
煩雑な鍵の管理に悩む企業におすすめなのが、鍵管理システムです。システムが、鍵の利用・返却状況や本数を自動記録。記録情報はPCに取り込めるので、鍵管理台帳をイチから作り、照合する手間が省けます。鍵管理機の扉は利用者のICカードや暗証番号で開けられて、必要な鍵だけ取り出せる仕組みに。管理者が利用者に鍵を渡す手間がかからず、無人管理が実現できます。
鍵管理システムでは、中小規模の施設で利用する数十本の鍵から、複数拠点を持つ施設が扱う数千本単位の鍵も管理できます。また、管理機のタイプは壁への取り付け型、据置型などがあり、サイズも多岐にわたります。鍵だけでなく、重要書類やスマホ・PCなどをあわせて管理できるタイプもあるので、本記事を参考に、自社のニーズや建物のスペース・レイアウトに合ったシステムを選んでみてください。
鍵管理システムをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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鍵の受け渡しに必要な承認や報告項目を細かく設定し、不正利用や盗難の抑止力に。車両管理やリモートリリース機能も対応。規模問わず、鍵管理業務の効率化を実現します。...
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