英語や多言語に対応した経費精算システムを検討している経理担当者へ。主な機能やメリットと一緒に、選び方やおすすめの経費精算システムも合わせて紹介します。
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英語対応の経費精算システムとは、立替購入や交通費、出張経費などに関わる経費精算手続きを効率化できるうえに、英語や多言語に対応しているシステムです。
経費精算には専門用語が多く、法律の知識も必要です。加えて、多くの企業が暗黙知の社内規定を有しています。そのため、どこの企業も不備記載や申請ミスなどで課題を抱えている場合が少なくありません。海外展開する企業や外国籍人材を活用する企業はなおさらです。たとえば、次のような課題が頻発し、経費精算にかかる工数が増えてしまいます。
英語や多言語対応の経費精算システムを導入すれば、自社で申請書を英訳したり、操作方法を英語で説明したりする必要がありません。英訳にかかる業務がなくなり、トラブルも減らせるため、経理担当者の負担を大幅に減らすことができます。
また、近年の経費精算システムには、OCRで領収書を自動で読み取ってくれたり、為替レートを自動的に取得してレート換算してくれる便利なものも。手入力や為替レート計算の手間を省けるとあって、多くの企業で利用が進んでいます。
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近年、主流の経費精算システムはクラウド型で、どこにいても自分のPCやスマホからログインできます。また、システム全体として一つの言語に統一する必要がなく、従業員側がボタン一つで英語と日本語の表記を切り替えることができるのもポイント。もちろん、管理者側から変更することもできるので心配ありません。
そのほかにも、最近の経費精算システムには多少の差異はあるものの、下記のような便利な機能が搭載されています。
便利な機能 | できること |
---|---|
領収書の自動読み取り | 紙の領収書をスマホアプリで撮影するだけで、日付・項目名・金額までAIが自動で読み取って、明細に反映してくれる。 |
経理項目の自動仕訳 | 取り込んだ情報をもとに適切な勘定科目に自動で仕訳する。AI搭載のシステムが多く、学習を繰り返すことで、精度が向上する。 |
自動で申請ルートを分岐 | 事前に申請ルートを設定しておけば、金額や項目などの申請内容に応じて、自動で申請経路を選択してくれる。 |
承認通知(承認漏れ防止) | 承認依頼があった際に、承認者にメールなどで通知が送信される。申請者も申請の進捗状況の通知を受けることができる。 |
経路検索(定期区間控除) | 事前に定期区間を登録しておけば、経路検索を行った際に、定期の区間は自動的に控除してくれる。 |
交通系ICカードの取り込み | 交通系ICカードを専用リーダーやアプリにかざすだけで、履歴を読み込み可能。取り込んだデータを交通費精算に使用できる。 |
会計システム連携・ 振込データ作成 |
システム間でのデータ連携により、会計システムに自動で入力。承認済の申請データから銀行振込データも自動で作成してくれる。 |
電子帳簿保存法・ インボイス制度対応 |
電子帳簿保存法の要件を満たした状態で領収書を保存。発行者のインボイス登録番号を国税庁のデータベースと自動照会してくれる。 |
続いては、英語対応の経費精算システムの選び方です。自社に合ったシステムを検討するには、下記のポイントを参考にするとスムーズです。
英語対応と言っても、システムによって「英語のみ」「多言語に対応可能」なのかは異なります。また、Webブラウザとスマホアプリでは使用できる言語が違う場合があります。自社の取引先や従業員のニーズが高い言語を使用できるかは、必ず確認しておきましょう。
たとえば、「Concur Expense」はグローバル基準で開発された国産製品。英語はもちろん、日本語やフランス語、イタリア語、中国語、韓国語など21カ国以上の言語に対応しています。
海外で多数・高額な経費申請を行う場合は、言語だけでなく、通貨も柔軟に変更できるかどうかが重要なポイント。利用通貨を選ぶだけで自動でレート換算してくれる機能があると、自分で計算したり、為替レートを都度確認したりといった手間が省けます。システムによって対応する通貨には差があるため注意が必要です。
たとえば、「TOKIUM」では100以上の外貨に対応。システム上の為替レートは、毎朝自動取得されるため、精算のたびに過去のレートを調べる手間をなくせます。海外に拠点を持つ企業や海外出張で従業員が様々な国へ行く企業は、対応通貨や為替レートの自動取得機能について確認しましょう。
システムによって、どこまで英語表記にできるかは異なります。経費の承認は、本部で行う企業が多いと思いますが、場合によっては現地に承認者を置くケースも考えられます。その場合、申請画面だけでなく、承認画面も柔軟に切り替えられるシステムがおすすめです。
たとえば、「経費BANK」は承認画面も英語表記に対応しています。また、「WiMS/SaaS経費精算システム」は承認画面で英語以外の表記も相談可能。海外拠点に外国人の承認者を置く可能性がある企業は、承認画面の言語対応機能も確認してください。
製品の中には、ほかのバックオフィス業務にも対応したシリーズ製品を多く出しているものもあります。勤怠管理、請求書発行、販売管理、タレントマネジメントなど、今後の企業の成長を見据えて、拡張性の高いシステムが必要な場合は、あらかじめ対応業務をチェックしておきましょう。
たとえば、「楽楽精算」は請求書発行や販売管理、勤怠管理など姉妹製品やサービスが豊富。「WiMS/SaaS経費精算システム」も関連サービスのラインナップが充実しており、導入時にはコンサルタントが詳細にヒアリングを行い、最適なサービスを提案してくれます。
また、「Concur Expense」はSAP連携に強みを持つサービス。「MAJOR FLOW Z CLOUD」もERP連携できるため、プロジェクトごとに予算を管理するなど、全社的にDXを推進したい企業に適しています。
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(出所:ハーモス経費公式Webサイト)
2000年の販売開始から20年以上にわたって利用されている実績豊富な経費精算システム。ログインユーザーごとに日本語か英語への切り替えが可能。画面表示やメッセージが設定された言語で表示される。外貨レートへの自動対応機能もあるため、従業員の海外出張が多い企業にマッチしている。
基本プランに多彩な機能が搭載されており、PCやスマホから経費申請から承認までのフローを簡単に行えるほか、AI OCRによる領収書の自動読み込み、交通系ICカードや各種会計ソフトとの連携も可能。駅すぱあとやAmazonビジネス連携なども基本プランに含まれているのも嬉しいポイント。そのほか、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応も万全。
(出所:楽楽精算公式Webサイト)
国内累計導入社数トップクラスの経費精算システム。申請画面と承認画面の両方を英語表記に切り替え可能。また外貨レートをマスタ登録しておけば、日本円へレート換算された金額を自動的に反映。英語圏に拠点を持つなど、外国人従業員が多い企業には特に利便性が高い。
「経理業務をラクにすること」に注力しているだけあって、自動仕訳や会計システム連携などに強みを持つ。ほかにも、ルールに反する申請は自動でブロックするなど、経理担当に寄り添った機能が搭載されている。システム設定の自由度が高いのも評価されているポイント。申請項目やレイアウト、承認フローなどを自社のルールに合わせてカスタマイズできる。
(出所:WiMS/SaaS経費精算システム公式Webサイト)
大規模組織での利用を前提に開発された経費精算システム。表示画面の言語は申請者・承認者の両方が、マスタ設定で日本語か英語に変更可能。依頼をすれば、ほかの言語にも対応してくれる。外貨のレート換算機能もあり、グローバル展開する大企業におすすめ。内部統制の面でも、多段階承認や申請内容による承認フローの分岐など、カスタマイズ性の高いワークフロー機能を装備しているのが心強い。
関連サービスのラインナップが充実しており、導入時にコンサルタントが詳細なヒアリングを行い、課題解決のためのソリューションを提案してくれるのもポイント。ジョルダン乗換案内やコーポレートカードなどとの連携機能があり、会計システムとの親和性も高いため、柔軟なシステム連携が実現できる。
(出所:経費BANK公式Webサイト)
1ID300円(利用は5ID以上)という料金面に強みを持つ、中小企業に特化した経費精算システム。言語設定はユーザーごとに、日本語か英語への切り替えが可能。申請画面に加え、承認画面も英語表記に対応している。できるだけコストを抑えて経費精算システムを導入したいと考える、外国人従業員がいる中小企業におすすめ。
低価格ながら機能は充実しており、AI OCRによる領収書の自動読み取りや電子マネーの履歴取得、出張旅費精算、インボイスや電子帳簿保存法にも対応。自動仕訳や会計ソフトとの連携といった経理業務を効率化する機能もしっかり搭載されている。
(出所:TOKIUM経費精算公式Webサイト)
100以上の外貨に対応した経費精算システム(言語は英語のみ設定可能)。日本円に自動換算された額で精算可能。為替レートは毎朝システムが自動取得してくれるため、精算のたびに過去のレートを調べる手間をなくせるものメリット。
ペーパーレス化に強みを持ち、一番の特徴は、スマホで領収書の写真を撮って、原本を郵送するだけで申請が完了するところ。画像はオペレーターとAI OCR自動読み込み機能を合わせることで、99%以上の精度でデータ化。原本との突合、保管作業まで代行してくれる。また、電子帳簿保存法にも完全対応しており、領収書撮影時には自動的にタイムスタンプが付与される。申請はもちろん、承認もスマホやPCから簡単に行えるなど、経費精算の手間を大幅に削減できるのが魅力。
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(出所:Concur Expense公式Webサイト)
グローバル基準の経費精算システム。英語や日本語はもちろん、フランス語やイタリア語、中国語、韓国語など21カ国以上の言語に対応。更に世界の国々の法的慣習や税慣習に対応できるのも強み。経費精算が申請された国に応じて日当や出張手当、通貨が自動的に変更される機能も有しており、多国籍企業や海外出張が多い企業におすすめ。
多くのサービスと連携機能を持つのが特徴で、QRコード決済アプリやコーポレートカード支払い、オンラインホテル予約やタクシー配車などの明細も自動で取得。SAP連携も可能で、同社が提供する別サービスConcur Invoice、Concur Travelを採用すれば、従業員の使用経費、旅費、請求書の支払いを一つのシステムで管理できる。
(出所:Spendia公式Webサイト)
大手企業での利用実績が豊富な経費精算システム。多言語・多通貨に対応しており、グループ会社と共通設定することも、会社ごとに個別の設定にすることも可能。海外にグループ会社を持つ企業が効率的に経費精算・管理を行う機能がそろっている。
顔・指紋などによる生体認証機能やGPS機能を活用した移動距離精算など、スマホ利用を前提に設計されているのが特徴。また、設定を柔軟に変更でき、自社ルールが複雑な場合でも則したレイアウトやワークフローが実装できる。更に、プロジェクトや製品カテゴリーごとにコストを管理する機能もあり、予算と実績を見える化したい企業に適している。
(出所:MAJOR FLOW Z CLOUD経費精算公式Webサイト)
英語と中国語に標準対応した経費精算システム。最大5つまで言語を設定可能で、ユーザーごとにデフォルト言語を個別に設定できるのも魅力。また、外貨の精算機能も搭載。明細ごとに円貨・外貨を選択する仕様のため、円貨と外貨が混在する場合も1枚の申請書で精算が完了する。外貨レートはマスタ登録しておけば、発生日に合わせて自動計算される。
また、ペーパーレス化と経費精算作業を効率化するための機能を多く備えており、たとえばERP連携、グループウエア連携、その他交通系ICカードやクレジットカード、会計システムなどとの連携機能も充実。申請フォームやワークフローを自由に設定できるなどカスタマイズ性が高いため、柔軟性・拡張性を求める場合にもおすすめ。
(出所:マネーフォワード クラウド経費公式Webサイト)
導入実績は4,000社以上、中小企業から従業員数10,000名以上の企業でも利用されている経費精算システム。言語はWebブラウザとスマホのどちらも設定可能。システム上で切り替えができるのは日本語か英語だが、Webブラウザのデフォルト言語を選択すれば、個人のブラウザやスマホで設定した言語で表示される。英語圏以外にも様々な国の従業員が在籍する企業におすすめ。
Webやスマホで申請・承認が行えるうえに、OCR入力・オペレーター入力により、領収書をスマホカメラで撮影するだけで、自動的にデータ入力できる機能も。2,500を超えるサービスとの連携機能を持ち、交通系ICカードやクレジットカードなどからは明細データを自動取得してくれる。時間短縮に加え、二重申請があった際には重複アラートが届くなど、ミスを減らせるのが魅力。
海外展開する企業や外国人従業員が在籍する企業では、経費精算に手間と時間がかかりがちです。英語対応の経費精算システムを導入すれば、便利な機能を活用し、誰もが簡単に経費精算を行えるうえに、経理業務の大幅な効率化が期待できます。
英語対応の経費精算システムを選ぶ際には、下記のポイントに注意するとスムーズです。
外国人従業員の使用言語や、出張回数が多い渡航国、今後の事業計画など、自社の現状と展望に照らし合わせて、最適なシステムを検討してみてください。
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