作成した大量のコンテンツや書類の校正・校閲作業を効率化したい方へ。AI文章校正ツールの便利な機能や、無料版と有料版の違い、目的別の選び方、そしておすすめのツールを紹介します。
AI文章校正ツールとは、AIを用いた自然言語処理技術などにより文章の正誤を判断し、より良い文章表現を提案するツールです。誤字脱字などの単純なミスだけではなく、文脈を理解して同音異義語や変換ミス、二重敬語なども修正できる点がメリット。
ツールによっては、企業独自に校正ルールを設定したり、メディアや使用する商品ごとにより細かくルールをカスタマイズできたりするものもあります。AI文章校正ツールを導入することで、人による校正の手間の軽減と品質向上を両立できます。
AI文章校正ツールはすべてのミスを確実に指摘できるわけではありません。また、AIの指摘が間違っていることも。AI文章校正ツールの提案を参考にしつつも、最終的には人間によるダブルチェックが必要です。
AI文章校正ツールの対象範囲には限界があります。対応範囲は製品ごとに異なりますが、たとえば以下のケースについての注意が必要です。あらかじめ確認しておきましょう。
校正履歴や、記者ハンドブックなど、あらかじめ学習データが提供されていない場合、自社でルールを用意して、設定する手間がかかります。
また、大文字小文字の区別や固有名詞の設定など、自社独自の表記ルールが膨大にある場合は、それを整理して学習させる必要もあります。精度高く校正・校閲できる環境を構築するまでには、ある程度の時間を要します。
多くのAI文章校正ツールは、校正時の文書データをAIの学習データとして使用するためにサーバーに保存しないことを規約などに明記しています。しかし、規約に明記されていない場合には、学習データとして使用される可能性を否定できません。また、データ使用に関する規約が変更になる場合もあるので、契約後の規約変更にも注意が必要です。
AI文章校正ツールには無料で使えるものや、有料プランと無料プランから選べるものがあります。無料版は有料版へ切り替える前のお試しで使うことを想定した作りになっており、機能面や文字数、利用回数などに制限が設けられています。
無料版の場合は、基本的な誤字脱字などのチェックや、簡単な文章表現の提案がメインです。
有料版では、無料版で使える機能に加え、次のような機能が使えるようになります。
無料版の場合は、チェックできる文字数や利用できる機能に制限あります。一方、有料版なら、利用回数や文字数の制限が緩和され、プランによっては無制限での利用できるものもあります。
たとえば、「IWI日本語校正ツール」は無料版では1,000文字まで対応ですが、有料版は、10万文字まで対応。「Shodo」は無料版では、校正API 4,000文字で個人・非商用利用となっていますが、有料にすれば、校正API 20,000文字で、商用利用も可能になります。
この章では、有料版ならではの便利な機能について、詳しく解説していきます。
汎用的なAIではなく、校正・校閲に特化して開発された機能が使えるのが特徴です。
たとえば、「Typoless」では経験豊富な校正・校閲者により選ばれた膨大な校正履歴や長年にわたる記事データを学習したAIを使用。
「Shodo」はAIが日本語や文脈を判断して正誤を検出し、単純な置き換えルールでは対応できないミスも修正可能。「review-it! for Document」は文章自動チェック機能が搭載されており、誤字脱字や表記ルール違反を検出でき、制作業務を効率よく進められます。
ほかにも、「IWI日本語校正ツール」は「公用文作成の考え方」に即したチェックに対応。「AI editor」は「エンターテインメント」と「エンターテイメント」のように、一つ単語を登録しておけば同じ意味合いの単語でも言葉に揺らぎがあるものを見分けられる曖昧検出機能を搭載しています。
独自ルールを設定できるAI文章校正ツールが多いことも、有料版ならではの特徴です。同じ単語でも会社によって文章内の表記ルールは異なります。「分かる」「わかる」のように、単語ごとに漢字かひらがなか、ルール設定も可能です。
「文賢」や「IWI日本語校正ツール」のように独自ルールを辞書としてまとめるツールなら、会社内の部署で辞書を分けて使用する際、毎回ルールを設定しなおすことなくスムーズな校正チェックができます。
また、「review-it! for Document」のようにツールの導入前に検証をして、自社の業界ならではのルールに沿った校正を提供できるところも。特有のルールが多い業界におすすめです。
アップロードしたファイルを校正・校閲できるツールもあります。サービスによってアップロードできるデータの種類は異なるため、事前に確認が必要です。
たとえば、「AI editor」や「IWI日本語校正ツール」ではExcel、Word、PowerPointに対応しています。一方、「review-it! for Document」では、PDFファイルの読み取りとチェックが可能です。
個人ではなくチームで文章チェックを行う場合、チームで共有できる機能を搭載しているAI文章校正ツールも存在します。「Shodo」は相互レビュー機能を搭載しており、オンライン上で記事をチーム内でチェックしあったり修正履歴も管理したりでき、必要に応じて文章の確認依頼やコメントの添付が可能です。
文章内のミスを指摘するだけでなく、文章の改善案を提案したり読み上げたりといったサポート機能が付属しているAI文章校正ツールもあります。
たとえば、「Typoless」では偏見や差別的表現が含まれていないか確認できる「炎上リスクチェッカー」や、18個のチェック項目からなる文章を読みやすくするための「良文サポート」を搭載。「文賢」は、ChatGPTに使用されている言語モデル「GPT-3.5」「GPT-4」を活用したAIによるサポートを備えるほか、文章の読み上げ機能や、漢字の使用率チェック、ツール側が指摘した内容をコメントとして印刷できる機能も。
そのほか、「Shodo」では、日付や曜日の間違いチェックや技術用語の修正にも対応しています。
ファイルの読み込みだけでなく、Wordや Google Chromeのアドオン・アドインとして使える校正ツールも。使い慣れたツール上でそのまま校正・校閲作業が行えるため便利です。
「文賢」のGmai送信時の校正ツールチェックによる誤送信予防など通常業務のミス防止に貢献する機能を備えたものもあります。
導入目的によって、AI文章校正ツールは主に次の分類ができます。
文章のクオリティーを高められるAI文章校正ツールには、校正機能以外にも文章作成で役立つ様々なアシスト機能が充実している点が特徴です。より文章を読みやすくわかりやすい表現にしたい場合に向いています。
たとえば、「Typoless」ではAIとルール辞書を併用した精度の高い校正を提供。8項目の多種多様なチェックができるため、文章の品質を効率よく高められます。更に、「良文サポート機能」「炎上リスクチェッカー」をはじめとするサポート機能も豊富です。
また、「文賢」も校正チェックのほかに文章表現サポートも対応しています。言い換えや慣用句など幅広い表現を提案してもらえるため、コンテンツのクオリティー向上が期待できます。
シンプルな機能であれば、無料ツールから手軽に導入できます。誤字脱字や二重敬語など、日本語の不自然な点を効率よく削減したい場合におすすめです。
たとえば、「IWI日本語校正ツール」の無料版はアカウント登録をせずに利用可能。文章をコピー&ペーストしてからチェック開始をクリックするだけで使える手軽さです。無料版でもファイル読み込みに対応しています。
また、「Shodo」の無料版では一部制限はあるものの、AI校正の基本機能を利用できます。有料版は、プランに応じて二重敬語や日付の間違い検知などより高度な機能が追加される点が特徴です。
チームメンバー全員が、誰でも同じように会社特有の校正ルールにそって校正できる環境を構築したい場合におすすめです。会社の独自ルールだけでなく、メディアや商品ごとなど対象に合わせて細かくルール設定ができます。複雑なルール設定がしたい場合にもぴったりです。
たとえば、「AI editor」では独自の校正ルールを登録したうえで校正チェックができます。独自ルールは使用禁止の単語だけでなく、「1人」や「一人」といった表記ゆれしやすい単語の正誤表現、電話番号など組み合わせが固定されている単語との関係性をもとにした表記ルールなども設定可能です。
更に、複数ルールのグループ化にも対応しており、ルール同士を組み合わせた利用にも対応しています。
法的問題の発生や問題による信頼の低下を防ぐために、AI以外のシステムも併用してミスや抜けもれを徹底的に予防したい場合におすすめのツールです。金融機関などミスが許されない書類の作成にも向いています。
たとえば、「review-it! for Document」では、金融業界(銀行・保険・カード)や製薬業界での導入実績が豊富。表記ゆれだけでなく西暦や日付、呼応表現など細かな文章表現の正誤判定ができます。
更に、「お客様用語ルール」として企業ごとの制作ルールに基づいて禁止語句や注意語句も検出、注意喚起アラートによりミスの発生を予防します。特定の文章に対する必須文言にも対応しています。
(出所:Typoless公式Webサイト)
AIと朝日新聞社のルール辞書を駆使した校正が特徴のAI文章校正ツール。朝日新聞社が保有する40年分の記事データをAIに学習させており、新聞に使われるようなフォーマルな文章校正を得意とする。AIは定期的に朝日新聞の校正履歴を追加学習するため、新たな単語やミスにも対応しやすい。
「看護婦」や「父母会」などジェンダー表現をはじめとする避けたほうがよい言い回しも指摘。多様性の社会に配慮した言葉選びができる。
プランは「スタンダード」「プレミアム」「エンタープライズ」の3種類。プランによっては、偏見や攻撃的な表現の可能性がある文章をチェックできる「炎上リスクチェッカー」や、年月日と曜日の不一致などを確認する「良文サポート」なども利用できる。
(出所:文賢公式Webサイト)
細かく項目分けされた文章チェックと、幅広い文章表現の提案を得意とするAI文章校正ツール。「推敲支援」「校閲支援」だけでも合計39項目にわたるチェック項目があり、より読みやすく、間違いの少ない文章になるようサポートする。文章でチェックされた場所には解説や改善例が提示されるため、ただ修正するだけでなく知識が文章作成者の身に付きやすい点が特徴。
文章表現の分野では、感情や行動を表現している言葉の関連表現が提案される。単語だけでなくことわざやたとえの表現にも対応しており、文章表現の幅を広げやすい。特定のキーワードに対して「問いかけ機能」も搭載。問いかけにより具体性の高い文章を作成しやすくなる。
更に、Google Chromeの拡張機能に対応。Webページで気になった文章を文賢に送信してすぐチェックできる。
(出所:Shodo公式Webサイト)
文章を打ち込むだけで校正をしてくれるAI文章校正ツール。ソフトのインストールは必要なく、プランを選択、購入すればすぐに使用できる。独自ルールにも対応しており、表記ゆれをExcelファイルなどから一括インポートすれば簡単にルール通りのチェックが可能。活用形や助詞の間違いもチェックする。
記事の執筆ステータスや期限をまとめてわかりやすく管理できるため、記事の見落としをはじめとするヒューマンエラーを削減。同じ記事に対してチームメンバーのコメントが付けられ、お互いにコメントをしあって記事のクオリティーを向上させられる。
無料版もあり、使用感を気軽に試しやすい。無料版では文字数制限などはあるが、AI校正や相互コメント、記事のステータス管理など基本的な機能を使用できる。
(出所:IWI日本語校正ツール公式Webサイト)
公用文のチェックに対応しているAI文章校正ツール。「公用文作成の考え方(令和4年1月11日内閣官房長官通知)」に従って校正を実施し、常用漢字でない漢字や外来語の使い方のチェックなども行う。
AIが文脈を考慮した上で文章チェックをするため、修正しても違和感のない文章作成を可能。ブラウザ上で文章を入力し「チェック開始」をクリックするだけで簡単に利用できる。用語集を作成し、必要に応じてオリジナルの校正パターンを保管。独自ルールに沿った文章作成を効率よく行える。1,000文字まで対応する無料版では標準設定のルールをもとに校正する。
(出所:ユーザーローカル文章校正AI公式Webサイト)
無料で使えるAI文章校正ツール。ChatGPTと連携し、誤字脱字、助詞のミスなどを検知する。
文体を「である調」「ですます調」から優先したいほうを選択可能。選択しなかった場合でも、自動で判断する。ブラウザ上のテキストボックスに文章を入力して「校正」ボタンを押すだけと使用方法も簡単。
そのほか、記事・レポートが生成AIで書かれた可能性を推定する「生成AIチェッカー」や、文章を生成AIで自動要約する機能なども無料で提供している。
(出所:AI editor公式Webサイト)
商品ごとにルール設定ができるAI文章校正ツール。「いたします」「ください」など、人によって表記が分かれがちな表現にひらがなを指定したり、使用禁止ワードを設定したりと柔軟なルール設定ができる。この単語の次には決められたキーワードが来る、というような単語同士の関係性の登録も可能。自社の商品ならではのミスを防ぎやすい。
アカウントは企業ごとに発行されるため、同じチームに属していれば共通のルールで作業を進められる。ツールの導入は「ブラウザ」「API連携」「Chromeエクステンション」「Excel」「Word」「PowerPoint」に対応。利用用途に応じて選択できる。
(出所:review-it! for Document公式Webサイト)
校正業務における幅広い文章チェックを一括で実行できるAI文章校正ツール。本格導入をする前に実証実験を実施。実証実験では用語ルールの設定や活用方法の検討などを行い、結果にもとづいてより適したシステムを提供する。システム運用後も定期的にルールのメンテナンスや利用状況の確認を実施し、運用改善をサポート。
原稿作成やデザインの製作時から活用できるため、初校の時点で記載ミスや抜けもれを削減できる。全体の修正回数が減ることで、チームの作業効率化にもつながる。
「業務支援機能」「業務管理機能」「日本語文章校正」「お客様用語ルール」「一般用語ルール」「文字列一致判定」などの機能を搭載。表記ゆれや特定文字列の誤字脱字など、細かな設定が可能。
また、PDFファイルにも対応しており、2枚のPDF間の差分を検知したりテキストチェックを行ったりできる。
AI文章校正ツールを利用することで、100%の精度ではないものの、見落としがちな二重敬語や誤字脱字を効率よく見つけられるため、文章作成におけるタイムパフォーマンスと制作物の品質の向上につながります。
AI文章校正ツールは、利用目的によって以下の4種類に分類されるため、目的に応じたサービスを選択することが大切です。
(1)文章の品質を高めたい
(2)誤字脱字を効率的に削減したい
(3)独自の校正ルールをチームで共有したい
(4)記載ミス・モレの防止を徹底したい
AI文章校正ツールは、無料で利用できるものから有料のものまで幅広い種類があります。予算や求める機能を事前に決めておくと、必要なツールを絞りやすくなります。
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