業務を効率化するために、旅行業システムの導入・入替を検討している方へ。旅行業システムで実現できることや、タイプ別の選び方などと合わせて、おすすめのサービスを紹介します。
旅行業システムとは、旅行業の業務を効率的に進行・管理するためのシステムです。導入することで、次のようなメリットが得られます。
業務全般を効率化できることから、旅行会社の基幹システムとして導入・運用されているケースも。また、低コストなものやカスタマイズ可能なものなどバリエーションに富んでいるので、企業の規模にかかわらず導入が可能です。
旅行業システムには主に以下の機能が搭載されています。
予約管理 | 各旅行商品の予約データを管理するための機能。顧客や行程のデータを閲覧・編集できるほか、手配や進捗の状況もチェック可能 |
---|---|
顧客管理 | 顧客情報をマスタデータとして管理するための機能。データを参照入力できるので、事務処理の効率が高まる。また、提案の精度向上に利用履歴を役立てられるほか、販促効果アップにも使える |
商品管理 | 旅行商品の在庫を管理するための機能。観光施設や宿泊施設といった旅行素材をマスタデータ化できるほか、仕入や売上のデータに基づいて在庫の残数を更新できる |
入出金管理 | 金銭の出入りを把握するための機能。未入金や未払金を行程に紐付けられるのでミス防止に有用だ。売上の集計や損益の計算など会計業務を自動化できるシステムも |
行程作成 | 観光施設や宿泊施設などの旅行素材のデータを利用して、行程を手軽に作成できる機能。作成した行程を出力すれば、利用客配布する行程表として利用可能。また、ルート・所要時間・総費用の自動計算や、見積り書の自動作成に対応しているシステムも |
帳票出力 | データの参照入力で、旅行業務の書類を効率的に作成できる機能。出力形式は、請求書や領収書などの経理書類のほか、一部のシステムは一通りの出入国書類にも対応している |
GDS連携 | GDSの発券データを取り込めるほか、システム上のデータをGDSエントリに変換することもできる |
バックアップ・ セキュリティ |
データを安全に保管・通信するための機能。データの保管方法は、オンプレミスとクラウドの2種類がある。また、暗号化が備わったシステムなら、テレワーク時の安全性を高めるのに有用だ。アクセスの権限設定を活用すると、データの一元管理と閲覧者の制限を両立。不正の予防・調査のためにアクセスログも保管できる |
旅行業システムは以下の4タイプに大きく分けられます。それぞれのタイプと選び方について解説します。
導入や運用にかかるコストを安価に抑えたい場合、クラウド型の旅行業システムがおすすめです。自社でサーバーを用意する必要がないため、保守・メンテナンスの手間も省けます。
たとえば「おまかせ君Pro」は、機能の数に応じて1アカウントごとの月額利用料が変動。フル機能を利用すると月額18,000円ですが、顧客管理機能に絞り込めば月額3,000円という低価格で運用できます。また、「idd TRAVEL worker」も2アカウントで月額6,400円と安価です。
旅行素材を多く収録したシステムを使えば、行程作成がよりスムーズに。特に、行程表の作成業務を効率化したい場合には、観光施設や宿泊施設、マップといった旅行素材が豊富にそろうシステムがおすすめです。
たとえば「旅行業システムSP」は、約16万4,800件の観光施設データや、約18,000件の宿泊施設データを収録。また、主要道路の時間・距離・料金を収録しているほか、鉄道・飛行機・船の時刻表も参照でき、所要時間や総費用の計算が自動で実行されます。
また、「旅nes Pro JP」は地図ソフト「スーパーマップル・デジタル」のデータベースを搭載。約17万2,000件の旅行素材データを活用できるほか、主要な道路の時間・距離・料金も収録しています。更に、関連法規に沿って適切な貸切バス運賃を自動計算する機能も。
自社で企画・催行するツアーなど、旅行商品の販売機会を最大化するために、Web予約との連動に対応したタイプがおすすめです。たとえば「SPICE erp」は、旅行商品を多言語で登録できるのが強み。顧客の幅を広げられるほか、海外エージェントとの取引獲得が期待できます。
また「Tabie」は、関連システム「Triwwwp2」と連携することで、HTMLの知識なしで旅行販売サイトを作れるうえ、予約・顧客・商品など様々な業務データを一元管理できるようになります。
中規模以上の旅行会社においては、内部統制や会計基準といった社内規則が複雑化している場合も。そのようなケースでは、内部統制のための各種履歴管理や細かな権限設定に対応できるシステムや、高度なカスタマイズに対応できるシステムが適しています。
たとえば「AVION」は、セミオーダー式でシステムを構築できる点が特徴。機能の選択肢が豊富なので、あらゆる業態の旅行会社に対応可能です。総合旅行会社・インハウス・国内バスツアー・オンライン販売・ランドオペレーターなど、様々な業態に合わせたカスタマイズを実現できます。
また、「Dream Journey.NET」はきめ細やかなカスタマイズに対応している一方で、汎用性が高い標準機能が用意されているため、カスタマイズの範囲を小規模に抑制して、準備期間の圧縮を見込めます。
目的に合った旅行業システムのタイプが絞り込めたら、具体的な導入サービスを検討しましょう。比較の際には、下記の3つのポイントを意識してみてください。
効率化できる業務の種類は、システムごとに異なります。たとえば「SOL-T」は、入出金の管理機能を搭載しており、未収金や未払金の消込処理を効率化。未払金は仮消込に対応しているほか、未収金の消込処理では振込・現金・返金・損金・預かり金など、入金方法の属性を分けられます。
また「旅行業システムSP」のように、DM発行の効率化に強みを持つシステムも。蓄積された顧客情報に基づいて、個人宛と法人宛のDMをそれぞれ発行できるほか、はがきの宛名の印刷機能を搭載しています。
行程表や見積書をはじめ、様々な帳票を出力しなければいけない場合、必要な様式を選べるかどうか確認しておきましょう。
たとえば「旅nes Pro JP」は、複数の帳票を紙一枚にまとめる機能が充実。A3サイズに行程表・見積書・ルート地図・画像をまとめてレイアウトできるほか、A4サイズでは行程表と見積書を紙一枚で印刷できるなど、一覧性に優れた資料作成に強みを持ちます。
また、「旅行業システムSP」は添乗指示書や予約確認書といった業務に欠かせない帳票出力に加えて、団体旅行履歴一覧や損益検討書など経営分析に使える様式も選べます。
GDSとの連携機能が搭載されていると、航空券や宿泊施設の手配業務の管理に役立ちます。特に、海外旅行に強い会社にとって、GDSの連携機能は手配業務を効率化するために欠かせません。なお、連携可能なGDSの種類はシステムごとに異なります。
たとえば「おまかせ君Pro」は、「Amadeus Travel Platform」と「INFINI LINX PLUS 」といったGDSに連携可能。PNRデータを簡単に取り込めるほか、顧客情報をGDSエントリに変換できます。
(出所:おまかせ君Pro公式Webサイト)
旅行会社の業務をトータルサポートする基幹システム。名前や住所、パスポート期限や手配履歴といった顧客情報や、フライト時間や部屋割りなどの工程情報を登録できるなど、詳細なデータを扱える点が特徴だ。加えて、入出金の状況を行程情報に紐付けられるので、未収金・未払金を見落としにくいというメリットも。
GDS連携は、「Amadeus Travel Platform」と「INFINI LINX PLUS 」に対応。航空券などの手配データをGDSから取り込める。また、約200種類の帳票テンプレートを提供しており、出入国書類・経理書類・行程表など様々な形式でデータを出力できる。
(出所:SOL-T公式Webサイト)
便利な機能の充実度に強みを持つ、クラウド型の旅行業務システム。予約・顧客・入出金・マスタなど、様々なデータの管理に対応している。入金情報は振込・現金・返金・損金・預かり金など属性を分けられるので確認作業がスムーズに。メールのテンプレートにもデータを差し込めるので、顧客とのコミュニケーションの効率化に役立つ。
「Amadeus」「INFINI」「GALILEO」といったGDSとの連携に対応しており、航空券などの手配データをシステムに取り込むことも可能。また、入出金のデータが自動でレポート化されるので、経営分析にも役立てられる。
(出所:idd TRAVEL worker公式Webサイト)
小〜中規模事業者(リテーラー)向けの旅行業務支援サービス。顧客・行程・販売・仕入などの業務データを蓄積・管理できる。データの保管にはGoogleアカウントを活用し、安価ながらも高水準のセキュリティを確保している。
法人顧客への請求は、支店や部署といった単位で管理可能。また、旅行業務に直接関係する経費だけでなく、交通費や事務用品費など販管費までカバーしているので、従業員の経費精算の手間を一括で低減できる。また、Googleカレンダーとの連携に対応したToDo管理機能を搭載。作業のもれを防げるうえ、進捗の共有にも活用できる。
(出所:旅行業システムSP公式Webサイト)
国内旅行素材の大規模データベースに強みを持つ旅行業システム。約16万4,800件の観光施設データや、約18,000件の宿泊施設データから工程表を作成できる。データベースには高速道路や有料道路の時間・距離・料金に加えて、各種交通機関の時刻表も収録。行程表の作成と同時に移動時間や交通費が自動計算される。
複数の書類を同時に作成できる点も魅力のひとつ。行程表のデータに基づいて見積書を自動作成し、契約書や請求書に連動させるなど、書類作成の手間を省きつつ、手作業による入力ミスを防ぐ。
(出所:旅nes Pro JP公式Webサイト)
貸切バスの行程作成に強みを持つ旅行業システム。走行する距離・時間に基づいて、法的に適切なバス運賃を自動計算する。国内旅行素材の大規模データベースを搭載しており、観光施設・宿泊施設・食事施設に関する約17万2,000件のデータを利用可能。各施設のデータは、100位までの人気ランキング形式で一覧表示できるので、行程立案の効率化にも寄与する。更に、施設を選択するだけで行程表・見積書・請求書を自動で作れる。
加えて、利用できる帳票テンプレートが充実。経理書類や行程表のほかに、見積書や提案書類のテンプレートが用意されており、海外旅行に最適化した様式も使える。
(出所:SPICE erp公式Webサイト)
Web連動にてツアー予約決済ができる、クラウド型の旅行販売サイト構築プラットフォーム。豊富に用意されたテンプレートを使って、旅行販売サイトを簡単に構築できる。予約・顧客・商品・入出金などのデータ管理にも対応。
構築した旅行販売サイトには、旅行商品を多言語で登録できるため、インバウンド需用への対応とSEO対策の強化に寄与する。更に、旅行商品の在庫が切れても、キャンセル待ちやリクエスト予約を受け付けられるので、販売機会の最大化を図れる。また、売上の集計では、基準日に出発日と予約日をそれぞれ選べるので、経理業務の効率化にも役立つ。
(出所:Tabie公式Webサイト)
必要な機能だけを選んで利用できるため、導入コストを抑えられる旅行業システム。導入環境は、オンプレミスとクラウドの両方に対応している。顧客・商品データ管理、ToDoリスト・問い合わせ管理といった機能を標準で搭載。加えて、幅広いオプションが用意されており、予約・入出金の管理や、渡航書類の出力といった機能を必要に応じて追加できる。
Web販売もオプション機能のひとつ。旅行商品の料金表(タリフ)を作成でき、予約や顧客データを蓄積する。更に、関連ソフト「Triwwwp2」に連携すれば、HTMLの知識がなくても旅行販売サイトを作れるほか、申込情報に基づいて予約カルテの自動作成が可能に。
(出所:マタタビ Suite公式Webサイト)
高度な要求水準に応じられるクラウド型旅行業システム。システムの操作は履歴が保存されるほか、第三者チェックを設定できるので、自社の監査基準に沿って導入を進められる。また、予約情報を入力するだけで、旅行業界ならではの複雑な経理処理も自動化できる。
更に、独自開発のUI/UXで日常的な使いやすさが特徴。団体旅行・国内旅行・海外旅行といった3種の予約を、1画面で操作でき、Webブラウザで軽快に動作する。また、契約書などの書類データと、顧客や予約のデータと紐付けられるため、ペーパーレス化の推進にも役立つ。
(出所:AVION公式Webサイト)
セミオーダーで構築できる旅行業システム。予約・顧客・商品のデータを管理できるほか、会計・経理に役立つ機能が充実。売上や仕入に基づいて、仕訳データを勘定科目ごとに自動集計するので、リアルタイムで資金繰りを把握できる。
多彩な機能を提供しており、自社の業務フローに合わせたカスタマイズが可能。あらゆる業態の旅行会社に対応できる。加えて、導入機能を厳選すれば、コストを抑えられるという利点も。また、標準で「勘定奉行」との連携に対応しているほか、様々な会計ソフトに合わせてデータの書き出し形式をカスタマイズできるのも便利。
(出所:Dream Journey.NET公式Webサイト)
大手・中堅規模の旅行会社で広く使われている旅行業向け総合システム。汎用性の高い機能や業務の特色が強い機能を標準機能として備えているほか、それらを組み込んだ複数のテンプレートを用意。その中から最適なテンプレートを選べるため、カスタマイズの範囲を最小限に抑えられ、開発期間や導入コストの削減につながる。
予約・顧客・商品のデータ管理に加え、会計・経理業務の効率化に役立つ機能が豊富にそろう。加えて、GDS・決済サービス・サイトコントローラーなど、その他のシステムとの連携実績が豊富だ。更に、インターネット予約システム「Dream Journey Web」と組み合わせれば、効率的なWeb販売も実現できる。
(出所:エスペラント公式Webサイト)
国内・海外を問わず、FITや団体手配旅行、業務渡航、個札管理に対応した旅行業システム。最短1カ月でカスタマイズ・導入できるなど、導入期間の短さとコストの低さを特徴とする一方で、機能の選択肢も豊富にそろう。予約・顧客・商品などのデータ管理はもちろん、経理データを集計したり各種帳票を出力したりといった操作も可能だ。また、航空会社や宿泊施設の初期データも充実している。
様々な外部アプリと連携して、データを取り込めるのも特徴。GDSとの連携はもちろん、勘定奉行・弥生会計・PCA会計といった会計ソフトとの連動にも対応している。また、旅行業向けWeb販売支援ツール「24+(TWENTY FOUR PLUS)」を導入すれば、Web販売サイトも簡単に構築できる。
旅行業システムを導入すると、予約・顧客・商品・入出金などの業務データを一元管理できるようになります。主な導入メリットは、ペーパーレス化の促進や、誤入力防止による旅行業務の効率向上など。また、旅行業ならではの複雑な経理処理の自動化や、リアルタイムでの資金繰りの把握にも対応しているため、経営改善も期待できます。
旅行業システムは、以下の4タイプに分けられます。
目的に合ったタイプを選んでから、具体的なサービスの比較検討を進めると選びやすくなります。
旅行業システムを活用すれば、事務作業にかける時間を削減できるため、空いた時間で営業活動を強化できるのはもちろん、サービスの質的な向上により顧客満足度の向上も期待できるでしょう。旅行業システムをお探しの際は、ぜひこの記事を参考に自社にあったシステムを検討してみてください。
<重要なお知らせ> サイトリニューアルに伴い、初回ログインにはパスワードの再設定が必要です。
アスピックご利用のメールアドレスを入力ください。
パスワード再発行手続きのメールをお送りします。
パスワード再設定依頼の自動メールを送信しました。
メール文のURLより、パスワード再登録のお手続きをお願いします。
ご入力いただいたメールアドレスに誤りがあった場合がございます。
お手数おかけしますが、再度ご入力をお試しください。
ご登録いただいているメールアドレスにダウンロードURLをお送りしています。ご確認ください。
サービスの導入検討状況を教えて下さい。
本資料に含まれる企業(社)よりご案内を差し上げる場合があります。