最終更新日:2024-10-07
建築業界において、Excelを利用した工程表の作成・共有に課題を感じ、業務効率化のために専用ソフトの導入を検討している方へ。建設業向け工程管理ソフトの選び方や比較のポイントとともに、おすすめのソフトを紹介します。
建設業向け工程管理ソフトとは、工事の進行を効率的に管理し、現場の生産性を向上させるためのソフトです。主に工程表の作成・共有や、スケジュール調整にかかわる作業を効率化します。
建設プロジェクトでは工事費や工期、資材や作業量など多岐にわたる要素を管理する必要があります。また天候や資材調達のトラブルなどにより工程の調整を求められる場面も少なくありません。そのため、Excelや紙を使った工程管理では、工程表の作成・修正にかかる作業量の多さや、現場・工事関係者への共有に時間がかかることが課題となっていました。
工程管理ソフトでは、必要なデータを入力することで最適な作業経路を割り出せるなど、複雑な工程管理を簡便化するための機能が搭載されています。また、スマホやタブレット上で工程表を確認できるソフトや、Excel形式で工程表を出力できるソフトなどもあり、現場の運用に合わせて素早く工程表を共有できるというメリットも。予定とのズレを素早く把握できるため、納期遵守の効果も期待できます。
工程管理ソフトで作成できる主な工程表には、以下のタイプがあります。
バーチャート工程表 | 工程の日数の視覚化に強み。スケジュールの流れを把握するのに適している |
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ガントチャート工程表 | 工程の進捗率の視覚化に強み。進捗管理に適している |
ネットワーク工程表 | 各タスクの作業日、作業順序などを矢印で視覚化。工程間の関係を把握するのに適している |
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工程管理ソフトの主な機能は以下の通りです。
工程の入力・編集 | マウス操作による作業線(1つの作業を表す線)の入力や図面の貼り付けなど、簡単な操作で工程表を作成する機能。作業量や工事費など、工程表作成に関わるデータの入力・管理も行える |
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工程表のテンプレート利用 | ソフトに備わっている工程表のテンプレートをアレンジして利用できる機能。過去に作成した工程表を取り込み、テンプレート化できるソフトも |
工期の自動計算 | 入力データに基づいて工期を自動計算する機能。歩掛・投入数・作業量といったデータをもとに工期を算出できるソフトや、ネットワーク工程表の自動作成や工期シミュレーションを行えるソフトなども |
クリティカルパスの設定 | 各工程に基づき、クリティカルパス(プロジェクトで最も時間がかかり、スケジュール管理に影響が出る作業経路)を割り出す機能 |
チャート表示の切り替え | バーチャート工程表、ネットワーク工程表など複数種類の工程表を切り替え表示。目的に応じて情報を素早く把握できる |
Excel形式への入出力 | Excelで作成した既存の工程表をインポートして、ソフトで再編集する機能。反対にソフトで作成した工程表を印刷用にExcel形式でエクスポートすることも可能 |
PC、スマホ、 タブレット上での確認 |
クラウド対応のソフトは、PCのほかに、スマホやタブレットに対応。外出先や現場でも工程表を確認できる |
工程管理ソフトは、以下の2タイプに分けられます。それぞれの特徴と選び方について解説します。
工程管理のうち、工程表作成業務の効率化を重視する場合におすすめのタイプ。工期の自動計算や、出来高・進捗の詳細表示といった機能が搭載されています。複雑な書式やデータの計算が求められる工事を手掛ける場合には、ゼネコンでの導入実績を持つ「コストナビ工程表」や「現場ナビ工程」を選ぶなど、自社の事業規模に見合った機能を備えているか、あらかじめ確認しておきましょう。
たとえば「コストナビ工程表」は、着工日と竣工日をカレンダーで指定するだけで、自動で工期を計算・描画。加えて、全体工程と詳細工程の切り替え、工期の伸縮を簡単に行えるなど、柔軟かつ使いやすい編集機能を多数そろえています。
「CADPERT」は、作業量と歩掛のデータをインプットすることで、工程とリソース状況を視覚化できる山積み表示機能を搭載。必要に応じて、山崩しなどの調整を行ったうえで、工期計算によるシミュレーションも行えます。
また、予算をおさえて導入したい場合は「工程さん」のように、無料で週間工程表を作成できるソフトがおすすめ。加えて、60日間の試用期間なら全機能が使えるので、使い勝手を手軽に試せます。
工程表の作成・管理だけでなく、現場管理業務を全体的に効率化させたい場合は、施工管理も行えるソフト(アプリ)がおすすめです。施工管理機能を使えば、工程表の作成に加えて、人員の稼働管理や図面の共有、日報の作成などを行えます。
なお、施工管理アプリに絞って検討している場合は「施工管理アプリの比較13選。無料含めメリットや選び方を紹介」もご参照ください。
施工管理では、工事規模の大小や、リフォームか新築かといった工事の種類によって必要となる機能が変わるため、自社に合ったものを選びましょう。本記事では、以下の2タイプに細分化して紹介します。
新築、特に大規模工事の場合には、複雑な工程や管理項目に対応できる機能や、多数の協力会社や現場責任者との正確な情報共有をサポートする機能が必要です。たとえば、大規模案件に対応する「ANDPAD」では、工程表への入力・修正が発生すると工事関係者に自動で通知され、すぐに最新の工程表を共有できるため、共有もれや見落としの防止に役立ちます。
また「ダンドリワーク」では、利用者一人ひとりに個別のアカウントを付与できます。そのため、更新内容に応じて、ユーザーごとに異なる通知を送ったり、詳細なアクセス権限を設定したりといった運用が可能に。セキュリティ面の安全性と情報共有の効率化を両立できます。
一方、中小規模向けでは、現場の使いやすさにこだわって、シンプルな機能構成のソフトを選ぶのも一手。「現場ポケット」では、シンプルな工程表作成機能に加え、日報、報告書作成、グループチャットなど、工程管理に欠かせない機能を搭載しています。
また、「アイピア」は直感的に操作しやすい画面レイアウト・ボタン配置が強み。使わない機能を非表示にしたり、入力項目数を調整したりできるので、PC操作に慣れていない社員でもスムーズに使いこなせます。
(出所:コストナビ工程表公式Webサイト)
効率的な工期シミュレーションで、現場監督の生産性向上を実現する工程表作成ソフト。マウス操作で作業線の編集・追加ができるほか、カレンダーに着工日と竣工日を指定するだけ工期の伸縮ができるなど、シンプルな操作性に強みを持つ。工程表の書式は自由にカスタマイズ可能で、オリジナルのテンプレートを自作して保存することもできる。
クリティカルパスや出来高曲線など、複雑な計算が必要な管理項目を入力データに基づき自動で生成。工程表の作成に加え、最短納期やコストを考慮した工程シミュレーションを容易に行える。また、出来高曲線を工程表と重ねて印刷するなど、クライアントへの提出資料として活用しやすい仕様も魅力。
(出所:現場ナビ工程公式Webサイト)
複数のスーパーゼネコンで標準ソフトとして採用されている工程表作成ソフト。表や画像の挿入、ネットワーク工程とバーチャート工程の混在、工程名と実働日数の表示など、わかりやすく多くの情報を盛り込んだ工程表を作成できる。また、簡単なマウス操作で工程を変更できるため、悪天候による工事状況の変動にも即時対応が可能だ。
また、開始日と終了日をクリックするだけで工程線の追加や変更を行えるなど、手書き感覚で工程線を描ける。加えて、7種類の線種や色の指定、傾斜の有無など描線のオプションも豊富。Excelファイルへの書き出しにも対応している。
(出所:工程さん公式Webサイト)
Excelライクな操作感と豊富な編集機能で、工程表の作成を効率化するソフト。全体の工程をまとめて伸縮・移動させる機能や、既存の図形をもとに新しい図形を作成する機能などを搭載しており、スムーズな作図操作に強みを持つ。一般的な工程表の様式なら、「初期設定ウィザード」に従って素早くレイアウトを設定できる。
記号やマイルストーンを簡単に貼り付けられるスタンプ機能に加え、頻繁に使用する文字や記号の登録機能など、繰り返しの多いデータ入力を効率化する機能が充実。また、週間工程表の作成のみであれば、無期間で無料利用できるのも魅力だ。
(出所:CADPERT公式Webサイト)
簡単にネットワーク工程表を作成でき、快適な施工環境を実現する工程表作成ソフト。ネットワークの自動作成機能を中心に、クリティカルパスの自動表示、出来高管理など、プロジェクト管理を効率化するための機能を豊富に備える。
自動工期計算機能では、関連した作業矢印をダミー矢線で結合して、工期計算ボタンをクリックするだけでネットワーク工程表を自動で作成。作業矢線の所要時間などを変更して、工期シミュレーションも行える。作成した工程表はバーチャート形式への変換も可能。
また、効率的なリソース配分に役立つ山積み表示機能や、金額ベースや資源数ベースで表示できる出来高曲線表示機能など、コスト管理に役立つ機能も多くそろう。
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(出所:ANDPAD公式Webサイト)
現場の効率化から経営改善まで実現するクラウド型建設プロジェクト管理サービス。施工管理機能では、工程表作成をはじめ、写真、図面、報告などをクラウド上で効率的に管理・共有できる。
加えて、連絡もれの防止に役立つ担当者への自動通知機能を搭載。報告内容と工程表を連動させらる報告機能や現場の情報共有に便利なチャット機能と合わせて、業務効率化をサポートする。また、紙やPDF形式での出力にも対応。既存の業務フローと柔軟に連携できるのも魅力だ。
粗利・原価管理や営業進捗を集約する引合粗利管理機能など、経営課題を可視化するオプション機能も用意されている。
(出所:ダンドリワーク公式Webサイト)
建築現場の効率化と品質管理を支援するクラウドアプリ。新築・リフォーム・専門工事など、幅広い工事に対応する。図面や報告書、写真などを含むあらゆる現場情報を一元管理することで、関係者間での円滑な情報共有を実現する。また、一人ひとりに個別アカウントを付与できるため、関係者の所属会社や立場に合わせて通知の内容を出し分けるなど、セキュリティ面に配慮した運用が可能に。
また、管理しているすべての現場を横断的に把握できる横断工程表を自動で生成。全現場の工程状況をガントチャート式で確認できるのに加え、時間帯別の担当者などを一目で確認できるカレンダー式にも対応。検査基準に基づく品質管理機能、報告書の作成・共有機能といった機能も搭載している。
(出所:Photoruction公式Webサイト)
写真管理や図面管理、工程管理などをはじめとした、主に施工管理の業務プロセスを効率化する建設生産支援クラウドシステム。ソフトウェアを使った業務効率化に加え、BPO機能を使った業務プロセスの半自動化が可能となる。また、企業ごとに最適化された建設生産プラットフォームを構築するためのカスタマイズにも対応。
工程表作成機能では、ネットワーク工程表の作成が可能。加えて手書きや画像ファイルの豆図を挿入できる電子黒板、図面の高速閲覧機能、検査管理機能などを搭載している。また、プロジェクト管理機能では、必要な現場情報を一元管理し、多数のプロジェクト管理を効率化。更に、BPOを利用すれば、施工計画書の作成や杭工事検査の準備といったノンコア業務をアウトソーシングできる。
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(出所:KANNA公式Webサイト)
建設・土木業界を中心に、現場管理や進捗管理を効率化する施工管理アプリ。進捗ステータスを管理しやすいボード形式や、スケジュールを管理しやすいカレンダー形式などに対応。目的に応じて現場の情報に素早くアクセス・管理できることから、複数現場の統合管理に強みを持つ。
オプションとして、工程表作成機能を提供。以前に作成した工程表のテンプレートを取り込めるため、工程表作成の手間軽減に寄与する。また、数無制限で社外メンバーにアカウントを配れるため、コストを抑えながら現場の生産性向上を実現できる。
(出所:現場ポケット公式Webサイト)
施工管理者にとっての使いやすさにこだわった、シンプルな設計が魅力のアプリ。工程管理に加え、日報・報告書作成機能やグループチャット、現場の画像共有に便利なアルバム機能が利用できる。
工程管理機能では、複数現場の進捗確認がひと目で確認できるほか、工程表の作成・変更を簡単に行える。更に、作業や提出先などに合わせたテンプレートを登録できるため、工程表作成の手間を大幅に軽減する。また、タグ付け機能を搭載したアルバムも便利。施工中の写真に部位や工程に関するキーワードを記録しておけば、検索が容易になり、写真整理の手間を大幅に軽減する。
(出所:アイピア公式Webサイト)
リフォーム・建築業に特化した管理システム。進捗管理に加え、原価発注管理や現場日報管理、労務管理など、営業・事務から経営まで業務全体を一気通貫で効率化する機能を提供する。
工程管理機能では、マウス操作と簡単な情報入力で工程表を作成でき、項目の並びや工期の変更などの微調整にも対応。また、指定した期間で行う工事の工程をまとめてチェックでき、取引業者の空き具合や全体の進捗もひと目で把握可能。トラブルや確認もれを防止する。また、以前に作成した工程表をテンプレートとして取り込めたり、ドラッグで工程の移動や期間を変更できたりと、工程表作成を効率化するための機能も充実。
(出所:建て役者公式Webサイト)
建築・リフォーム業に特化した業務基幹システム。工事管理のみならず、顧客管理からアフター対応まで、一気通貫で業務を効率化する。工程管理機能では、ガントチャート形式のシンプルな日程表をマウス操作で作成可能。工程の予定日周辺で通知を出すアラーム機能も備えている。
また、過去に作成した見積もりを引用できる見積もり機能や、引き合いの経緯からアプローチ予定・実績まで細かに記録できる商談管理機能など、顧客管理の効率化にも強み。オプションとして、クラウドサインやLINE WORKSとの連携に対応。契約業務や顧客へのアプローチ、点検通知まで効率化できる。
汎用的なガントチャート作成ツールの中には、一定条件下で無料利用できるものがあります。建設業に特化したサービスではないため、作業線の編集など、業態特有の工期シミュレーションには向きませんが、シンプルな進捗管理のみ行いたい場合には十分機能です。
ソフト名 | 概要 | 無料で使える条件 |
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ブラビオ | シンプルなガントチャート作成に対応したクラウドツール。主な機能に、プロジェクト横断ビュー、マイルストーン管理、タスクリンク、進捗率管理、次工程担当者への通知、カレンダービューへの切り替えなど | ユーザー数: 5名まで |
Jooto | カンバンとガントチャートで、プロジェクトの進捗管理ができるクラウドツール。複数のプロジェクトにまたがるタスク管理機能や、タスクの優先度・分類を管理できるラベル機能なども搭載 | ユーザー数: 1名まで ストレージ:100MBまで アップロード制限:10MB |
シェアガント | カンバン、ガントチャート、リスト、カレンダーでプロジェクトの進捗を管理できるツール。チャートはカレンダー、カンバン方式などに切り替えながら使用可能。Slackとの連携によるタスク通知、親子タスクの自動スケジュール調整機能といった機能も | ユーザー数:1名まで プロジェクト作成数:5件まで ストレージ:100MBまで ※チーム利用の場合、管理ユーザーのみ料金が発生 |
本記事では、建設業向け工程管理ソフトについて解説・紹介しました。建設業向け工程管理ソフトを利用することで、効率的に工程表を作成・共有できるほか、複雑な工程や頻繁な変更を管理するのにかかる負荷の軽減に役立ちます。
建設業向け工程管理ソフトは、「工程表作成に特化したタイプ」「施工管理×大規模工事・建設にも対応するタイプ」「施工管理×中小規模工事に対応するタイプ」といったタイプに分かれます。自社が手掛ける工事の種類や規模に応じて、最適なタイプのソフトを選びましょう。
建設業向け工程管理ソフトを導入することで、進捗管理の効率化を実現すれば、納期の遅れ防止やコスト低減といった効果も期待できます。本記事を参考に、ぜひ建設業向け工程管理ソフトの導入を検討してみてください。
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