クレジットカード決済の導入を検討しているものの、どれを選べばいいか悩んでいるECサイトなどの運営者や店舗責任者へ。クレジットカード決済代行会社の種類と選び方、比較する際のポイント、各種手数料の目安について、おすすめの会社と併せて紹介します。
クレジットカード決済代行会社とは、クレジットカード決済を導入したいと考えている事業者と各クレジットカード会社の仲介役となり、契約や決済サービスの提供を行う会社のことです。また、クレジットカード決済だけでなく、QRコード決済や電子マネー決済などに対応している会社もあります。
<クレジット決済代行会社を利用するメリット>
クレジットカード決済代行会社は、主に「オンライン向け」「店舗向け」「オンライン・店舗対応」の3タイプに分類されます。以下に、それぞれの特徴について紹介します。
ECサイト、オンラインスクール、有料会員サイト、サブスクサービスなどオンラインサイト上でクレジットカード決済を利用したい場合に最適なタイプ。オンライン向けクレジットカード決済にはいくつかの接続方式がありますが、中でも「リンク式」と「API式」が主流です。
リンク型とは、決済代行会社が提供するリンクから専用の決済ページにアクセスして、決済処理を行う方法。自社サイト内に決済システムを構築したり、自社サーバにクレジット情報を保持したりする必要がないのがメリットです。一方、API型は事業者と決済代行会社のサーバー間で決済データをやり取りし、決済処理を行う方法。決済画面を自由に設計して、自社システム内で決済処理が完結できるのがメリットです。
たとえば「ASJペイメント」は、リンク型決済を採用。購入者が初回時に入力したカード情報が自動的に保持される機能を搭載しているため、リピート購入が手軽となり、購買率の向上が見込めます。
また「ペイジェント」のようにトークン型決済を採用しているサービスも。購入者が入力したカード情報が、事業者のサーバを通さずに直接ペイジェントに送信されるため、情報漏えいリスクが軽減されます。
実店舗において、決済端末を使ったクレジットカード決済を導入したい場合におすすめのタイプ。実店舗の場合は、クレジットカード決済に加えて、電子マネーやQRコードといった幅広い決済方法に対応できる代行会社が適しています。
たとえば「楽天ペイメント株式会社」は、クレジットカード決済・電子マネー決済・QRコード決済に対応した決済端末「楽天ペイ ターミナル」を用意。決済手段は、各種クレジットカードはもちろん、各種QRコード決済や交通系電子マネー、iD、楽天Edyなどに幅広く対応しています。加えて、WeChat PayやAlipayといった、外国人観光客向けの決済手段もカバーしています。
また、電子決済環境の構築に加えてPOSレジの導入も検討している場合は、「Square」のようにPOSレジ機能を搭載する決済代行システムを利用するのも一手です。対面で使える決済方法は、クレジットカードや交通系電子マネー、各種QRコード決済サービスまで幅広く対応。決済情報は自動的にSquare POSレジに集約されるため、一元管理が可能です。
オンラインサイトと店舗決済の両方に対応できるタイプ。どちらか一方での導入にも対応できますが、実店舗とオンラインショップの両方を経営している場合に特に向いています。
たとえば「SBペイメントサービス」は、ECと店舗の決済を連携させられるオールインワン決済端末を提供。端末で決済した情報を同社サーバーで保持し、クライアントのECサイトの顧客データと一元化できます。そのため、購買の利便性向上はもちろん、顧客データの活用、会費制サービスの支払いの簡略化といったメリットが見込めます。
クレジットカード決済代行会社を比較検討する際は、以下のポイントに留意すると選びやすくなります。
<オンライン向けの場合>
オンライン向けクレジットカード決済代行会社を選ぶ際は、以下の点に着目しましょう。
クレジットカード決済には、前述のリンク式とAPI式に加えて、モジュール埋込式やトークン式など幅広い接続方式があります。代行会社によって対応している接続方式が異なるため、自社が運営・利用しているオンラインサイトとの連携可否を事前に確認しておきましょう。
また、最近はメールリンク型を採用する会社も増えています。メールアドレスやSNSから決済用URL/QRコードを案内するだけで決済が完結。開発不要で手軽に利用できるのがメリットです。
月額課金制サービスや定期購入、サブスクリプション事業などを行っている、あるいは新しく展開したいと考えている場合は、継続課金システムへの有無をチェックしておきましょう。会員IDにクレジット情報を紐付けて登録・管理することで、顧客は都度カード情報を入力する手間から解放され、事業者側は代金未回収のリスクが軽減されるため、双方にとってのメリットが見込めます。
更に「VeriTrans4G」は、有効期限切れのカード情報を更新する「カード情報更新(洗替)」機能を搭載。代金未回収リスクと運用コストを大幅に削減します。
<店舗向けの場合>
店舗向けクレジットカード決済代行会社を選ぶ際には、以下の点に着目しましょう。
実店舗がクレジットカード決済代行会社と契約する際、指定された決済端末を使用するのが一般的です。クレジットカード決済のみを導入する場合は、カード決済専用端末で運用が可能です。しかし、電子マネーやQRコード決済などを導入するつもりであれば、幅広い決済方法に対応するマルチ決済端末が必要となります。
たとえば「SBペイメントサービス」は、クレジットカードから電子マネーやQRコードにいたるまで、様々な決済手段に対応したオールインワン決済端末を用意しています。「Square」の決済端末も同様に、クレジットカードのタッチ決済や、QRコード決済、ICカード、電子マネーと、幅広い決済手段に対応。
クレジットカード決済代行会社によって、取り扱う決済ブランドが異なります。多くの代行会社が対応している「VISA」「Mastercard」「American Express」といった主要6ブランド以外は、どのような決済ブランドへの対応しているか事前確認が必要です。たとえば、インバウンド需要が見込まれる観光地などの場合は「WeChat Pay」や「UnionPay」、「Alipay」といった海外ブランドまで対応するものを選ぶと利便性が向上します。
たとえばアルファノートの決済端末「アルファポータブル」は60種類以上の決済ブランドに対応。WeChat PayやAlipayといった海外決済ブランドもカバーしています。
クレジットカード決済代行会社を利用した際にかかる料金の目安は、下記の通りです。
区分 | サービス名 | 手数料 |
---|---|---|
オンライン向け | サブスクペイ | 2.65%~ |
ASJペイメント | 3.1%~ | |
テレコムクレジット | 3.0%~ | |
店舗向け | 楽天ペイメント | 2.95%~ |
Square | 3.25%~ | |
オンライン・店舗向け | ゼウス | ~3.5% |
決済手数料については区分による大きな違いはなく、3%前後となるのが一般的です。ほとんどの代行会社が決済ブランドごとに異なる手数料を設定しているため、詳細は個別で確認しましょう。
オンライン向けのクレジットカード決済代行会社を紹介します。
(出所:VeriTrans4G公式Webサイト)
クレジットカード決済やコンビニ決済、キャリア決済、Alipayなどの国際決済まで、幅広い決済手段を提供するマルチ決済サービス。国内EC・店舗はもちろん、越境ECでも利用できる。
クレジットカード主要6ブランド以外に、コンビニ決済やID決済、キャリア決済、PayPal決済、多通貨クレジットカード決済など70以上の決済手段に対応している。また、接続方式はトークン式・リンク式・メールリンク式を用意。カード情報の非保持化・非通過化に完全対応した、国内最高水準のセキュアなシステムを提供する。継続課金やカード情報更新機能といったオプション機能も充実。
(出所:サブスクペイ公式Webサイト)
継続課金・サブスクモデルに強みを持つ決済代行会社。メルマガやオンラインサロンの月額費用やスクール・ジムの月謝、協会・団体の会費などの集金を主な目的として導入されている。クレジットカード決済のほか、口座振替や銀行振込、コンビニ決済などに幅広く対応。
顧客の契約・支払い状況・行動履歴まで一括管理できる顧客管理データベースなど、サブスクビジネスに必要な機能を搭載しているのが特徴。安価なシステム投資でオンライン決済環境を構築できる。取得したデータは単一のデータベース内で一元管理するため、業務の自動化や管理コストの削減も見込める。
(出所:ASJペイメント公式Webサイト)
インターネットビジネスに欠かせない、オンライン決済に関する業務を代行するサービス。サイト運営者と各決済機関の間に立ち、安心・安全・便利な決済インフラを提供する。決済機関とのやり取りや決済システムの構築はすべて同社が代行。事業者は最低限の手間でクレジットカード決済を導入できる。
また、クレジットカード決済のほか、後払い決済、コンビニ決済、銀行振込にも対応。カード情報保持機能や定期購入・継続課金機能を使えば、カード決済の自動化も実現できる。加えて、3Dセキュア2.0(EMV3Dセキュア)を標準搭載。不正注文の抑止に加えて、クレジットカード決済への安心感が高まるといったメリットが期待できる。
(出所:PGマルチペイメントサービス公式Webサイト)
高機能かつ安全なカード決済サービス。5大国際ブランドのほか、日本国内の各種クレジットカード会社発行のクレジットカードに対応している。更に、購入時にカード情報を都度入力する「都度決済対応」や、会員IDとカード情報を紐づけて都度入力を省く「会員ID決済対応」、月額課金タイプの事業に適した「洗替機能対応」といった決済運用プランを用意。事業内容に応じて、最適なプランの提案が受けられる。クレジットカード決済のほかに、ID決済や電子マネー決済、コンビニ決済など多様な決済手段を用意しており、顧客ニーズに合わせて追加することもできる。
また、EMV 3Dセキュアやトークン決済により、不正利用のリスクを大幅に軽減するなど、セキュリティにも強みを持つ。
(出所:ペイジェント公式Webサイト)
EC事業者向けに決済代行システムや決済インフラを提供する決済代行サービス。クレジットカード決済はもちろん、キャリア決済や銀行振込、QRコード決済など、豊富な決済手段を一括導入できる。加えて、世界23通貨対応の海外クレジットカード決済も用意。海外のユーザに、現地通貨で固定の商品価格を表示できるため、高い売上効果が見込める。海外に現地法人を設立することなく、外貨建てのクレジットカード決済を導入できるのも魅力。
また、リンク式やメールリンク式、API式といった接続方式に対応しており、特にメールリンク式はサイトとのシステム連携不要で、手軽に導入できる。
(出所:テレコムクレジット公式Webサイト)
入金サイクルの速さや最短即日でのスピード導入、セキュリティ体制の強固さが特徴のクレジットカード決済代行会社。クレジットカード決済のほかに、電子マネー決済やQRコード決済、銀行振込、口座振替、後払い決済など幅広い決済方法に対応している。
また、クレジットカードを使った決済手段の豊富さも強み。メールにURLを貼り付けて送るだけのメールリンク決済や、決済したいユーザーと金額を指定したCSVを使うCSV一括決済、希望の決済間隔で自動的な決済ができる継続決済などから、自社ニーズに合うものを選べる。
月末締め翌月10日支払というスピーディーな入金で、キャッシュフロー改善にも有効だ。
店舗向けのクレジットカード決済代行会社を紹介します。
(出所:JMSおまかせサービス公式Webサイト)
JCB・三菱UFJニコス・UCカードの出資により設立された、クレジットカード決済代行会社。国内大手カード会社のおける高い信頼や利便性に強みを持つ。決済手段はクレジットカードのほかに電子マネーやQRコード決済などに対応。また、加盟店向けに、レジとの決済連動サービスや免税システム(J-TaxFreeシステム)などを提供している。加盟店となることで、各決済ブランドとの契約・振込・問い合わせの一元化以外にも、様々なメリットが得られる。
店舗向けの決済端末は、本体だけで決済から売上表印字まで行えるマルチ端末と、iPadやiPhoneと接続するモバイル端末の2種類。店舗のインターネット環境や営業形態に合わせて選択ができる。
(出所:店舗決済サービス公式Webサイト)
楽天ペイ加盟店向けに展開している店舗向け決済サービス。加盟店では楽天ペイに加えて、PayPay、d払いといったQRコード決済のほか、各種クレジットカート決済、SuicaやPASMOなどの電子マネー決済にも広く対応できるようになる。
クレジットカード決済は、主要6ブランドをカバー。提供される決済端末はタッチ決済に対応しているため、決済業務の効率化が見込める。また、楽天銀行を振込指定口座に登録すれば、土日・祝日問わず前日分の売上が毎日入金されるため、キャッシュフロー改善にも有用だ。加えて、取引履歴や日次売上の確認、売上金の入金依頼など、クレジットカード決済における管理機能も充実。
(出所:Square公式Webサイト)
主要6大ブランドのクレジットカード+デビットカード決済をはじめ、幅広い決済手段をそろえている決済プラットフォーム。QRコード決済や電子マネー決済といった決済手段、タッチ決済やモバイルウォレット、ICカードといった支払い方法にそれぞれ対応している。
クレジットカード決済を導入方法は、メールアドレスや事業内容といった情報を入力して、無料アカウントを作成するだけと簡単だ。また、決済からレシート印刷までオールインワンの「Squareターミナル」、POS機能をそなえた「Squareレジスター」といった複数の決済端末を用意。加えて、飲食店向けやサロン向けなど、各業種に向けた機能もそろう。
オンラインと店舗、両方に対応するクレジットカード決済代行会社を紹介します。
(出所:SBペイメントサービス公式Webサイト)
クレジットカード決済はもちろん、QRコード決済やキャリア決済など様々な決済手段を一括導入できる決済プラットフォーム。オンライン決済から実店舗決済まで、総合的な決済サービスを提供する。主要6大ブランドのクレジットカード決済をはじめ、取り扱う決済ブランドは40種類以上。各業態・ニーズ別に決済手段を組み合わせて、決済業務を最適化できる。また、オンライン決済では、リンク式とAPI式の接続方式を用意。
自社オールインワン端末を利用すれば、ECサイトと店舗の決済連携も可能に。在庫管理や予約管理、勤怠管理、広告運用といった運営管理が1台で叶う。
(出所:ゼウス公式Webサイト)
SBIグループ企業である同社が提供する、安心・安全の決済サービス。主要6ブランドに加えて、セゾンカードや楽天カード、エポスカードなど30種類ものブランドに対応している。オンラインと店舗それぞれに向けたクレジット決済サービスを提供し、双方の決済情報を売上管理画面で一元管理できる。
ECサイトの場合はリンク式、トークン式、メールリンク式など6種類の接続方式を用意。一方、決済端末は、クレジットカード決済専用端末とPOSレジ対応端末、電子マネーやQRコード決済、継続課金まで対応するマルチ決済端末の3種類がそろう。業種・業態やニーズに合わせて、最適な接続方式や決済端末を選ぶことができる。
(出所:アルファノート公式Webサイト)
実店舗とオンラインサービスの両方にクレジットカード決済サービスを提供する決済代行会社。主要6大ブランドのクレジットカード決済に加え、QRコード決済や電子マネー、コンビニ決済などに幅広く対応している。更に「WeChat Pay」や「Alipay」といった海外系の決済サービスも利用できる。
オンライン決済の接続方式は、手早く利用開始できるリンク式と、セキュリティ重視のトークン式の2種類。WordPress内部でのインストールができるほか、ECカート用のプラグイン「WooCommerce」に対応しているため、幅広いWebサイトでの導入が可能だ。また、店舗やイベントでの決済に使える「アルファポータブル」はタッチ決済やレシートプリント、継続課金(オプション)といった機能を搭載。最短1日からレンタルもできる。
クレジットカード決済代行会社は、クレジットカード決済を導入したい事業者と各クレジットカード会社の仲介役として、契約代行や決済サービスの提供を行う会社です。クレジットカード決済代行会社に依頼することで、導入時に生じる複数の審査や複雑なシステム開発が不要となり、最小限の労力でクレジットカード決済を導入できます。
クレジットカード決済代行会社は、以下3タイプに分けられます。
オンライン向けのタイプはクレジットカード対応のみとシンプルですが、クレジットカード情報保持や継続課金など会社ごとに異なる機能が搭載されています。一方、店舗にはクレジットカードのほか、電子マネーやQRコード決済といった幅広い決済方法に対応するタイプがおすすめです。導入の目的を明確にし、業種や業態に合ったものを選びましょう。
導入サービスを比較検討する際は、前述のタイプに加えて、以下の点に留意すると選びやすくなります。
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