商品の販売価格を調査・調整することで売上増を目指したいと考えている、ECサイトの運営担当者へ。手作業では時間と労力がかかってしまう価格調査を自動化できる「EC価格調査ツール」について、機能や選び方、比較のポイントとともに、おすすめのサービスを紹介します。
EC向け価格調査ツールは、競合他社の価格動向を把握し、自社商品の価格戦略を最適化するためのツールです。主に、Amazonや楽天など大手を含む複数のECサイトからデータを収集し、競合の価格や在庫状況、販売戦略を分析します。
価格調査を手作業で行うと労力と時間がかかってしまいます。しかし、ツールを使って自動化すれば、価格設定の変動にタイムリーに対応できるため、価格戦略の迅速な立案や業務効率化に有用です。
ツールの種類によって違いがありますが、EC向け価格調査ツールには主に以下のような機能があります。
機能 | 概要 |
---|---|
競合他社の価格調査 | 検索対象や条件を設定し、競合他社の価格をリアルタイムで収集・分析する機能。自社の価格が市場でどの位置にあるのか、競争力があるのかを把握できる |
価格の動向分析 | 市場での価格変動をモニタリングし、過去のデータをもとに価格のトレンドを分析。価格が高騰または低下している時期を特定し、価格戦略を調整できる |
自動価格調整 | 競合の価格動向に基づいて、自動的に価格を調整。確認が難しい時間帯も含め、常に最適な価格を維持できる。対象サイトが限られるケースもあるので要注意 |
データの出力 | 画面・Excel・メール通知など、用途に応じて調査結果を出力。日次/週次/月次などの定期レポートを自動生成できるツールも |
EC向け価格調査ツールは、対応する機能などによって以下の4つのタイプに分けられます。
ポイント付与、配送の最短日数などといった価格以外の情報を取得できるタイプ。競合サイトから様々な情報を取得することで、より競争優位性を意識した販売価格設定が可能になります
たとえば「プライスサーチ」は、商品価格のほかに、ポイントや送料、配送速度、販売店舗数といった情報の取得が可能。総合的な条件を比較することで、消費者にとってより魅力的な価格・サービスの提案を実現します。
また、「Octoparse」のECサイトデータ収集サービスを利用すれば、価格や送料のほか、人気ランキングやレビュー情報なども取得可能。人気商品やライバル商品の売れゆきを把握するほか、競合他社の監視、レビューからの顧客感情の分析などができるようになります。
価格変動をリアルタイムに把握するだけで十分、もしくは自社の価格の最適化を迅速に検討したい場合におすすめのタイプ。価格調査に特化しており、スピーディーな意思決定をサポートします。
たとえば「価格調査のミカタ」は、対象サイトと調査項目、提出期間を伝えるだけで、商品情報を自動的に収集・加工し、レポートとして納品。数万ページ規模の価格調査レポートの作成にかかっていた、労力とコストを大幅に削減できます。
調査した価格をもとに、自社ECサイトの販売価格を自動更新する機能を持つタイプ。手動での価格調整が難しい深夜や休日でも適正価格を維持できるのがメリットです。
たとえば「PriceChanger」は、価格.comとショッピングカートの価格を同時に自動更新。商品ごとに上限価格と下限価格を設定しておけば、定めた範囲内で調整を行います。最短1分間隔で更新できるので、販売機会のロス防止に有用です。
また、「らくらく最安更新」は3つの価格調整方式に対応。「最安値の価格を反映する」だけでなく、「最安値の価格に、設定した加減算を行う」、「最安値の価格に、設定したパーセントを乗算する」の中から、希望する方式を選んで活用できます。
一定の機能を備えながら、価格調査を無料で行えるタイプ。まずは無料で使い始めて、より便利な機能を必要となった場合に、オプションを付加した有料版を選ぶこともできます。
たとえば、「Nint ECommerce Free」では、該当商品の1週間分の価格推移や、商品ランキング・付与ポイント推移の確認といった機能が無料で利用可能。売上データや過去の長期間のデータを確認する場合は、有料サービスへのアップデートが必要です。
そのほか「Keepa」では、日本を含むほぼ全世界のAmazonの商品データを一画面で確認できます。加えて、在庫数の確認や、指定価格以下になった際の通知など、無料でありながら機能が充実しています。
EC向け価格調査ツールの比較を進める際には、以下のポイントも参考にしてみてください。
調査対象はツールによって異なり、様々なECサイト・モールの価格調査に対応するものもあれば、Amazonや楽天市場といった特定モールのみに特化したツールもあります。自社製品を販売している、または競合製品の価格を監視したい主要なモールを明確にし、それらをカバーできるツールを選定することが重要です。
たとえば「らくらく最安更新」は、楽天市場とYahoo!ショッピングに特化。商品価格のほか、それぞれのポイントや送料も調査対象にできます。
一方、「プライスサーチ」のようにAmazon、楽天市場といった主要モールのほか、大手量販店の直販サイトなどを含む150サイト以上に対応したツールなら、あらゆる業界の調査に活用できます。
どの項目を軸にして価格調査を行うかによって、調査の効率は大きく異なります。多くのツールが確実に商品を識別するためJANコードを使った調査に対応していますが、JANコードがない商品も調査対象に含める場合は、ほかの調査項目もカバーしていると便利です。ただし、キーワード調査の場合は、サイトごとに商品の表現が異なるケースもあり、自社が想定している商品と異なるデータが収集される可能性もあるので、留意しておきましょう。
たとえば「プライスサーチ」では、JANコードとキーワードに加えて、除外キーワードや調査下限/上限価格、ASINコードを使った調査が可能。これらの項目を活用することで、必要なデータに確実にリーチし、不要な情報を除外できるようになります。
「らくらく最安更新」も同様に、JANコードとキーワード、除外キーワードの利用が可能。そのほか、設定価格以下の商品や、特定のショップの除外すなどができるため、精度の高いデータ収集が見込めます。
業界や商品の特性にあわせて、価格調査の頻度を調整する必要があります。価格が安定している商品なら1日1回の価格調査でも十分ですが、価格競争が激しい商品は数時間単位で調査できるツールがおすすめです。
たとえば、「Pricewalker」は、1日複数回〜月次まで、自社に適した収集頻度を選択可能。加えて、数千万・数億ページ規模のWebクローリングを実現できるのが強みです。
更に高頻度でデータを取得したい場合は、「らくらく最安更新」がおすすめ。1日24回まで調査設定が可能で、プランによっては10分ごとの調査にも対応。販売価格設定ミスによる機会損失を防ぎます。
(出所:プライスサーチ公式Webサイト)
高精度な価格調査が実現できる自動化ツール。適正価格への対応を主な目的とする小売向けと、値崩れの原因を探るメーカー向けの2種類が用意されてる。どちらも150サイト以上の主要ECモール(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど)から価格データを自動収集し、価格設定業務の最適化・効率化をサポートする。
「JANコード」や「商品名」、「型番」のほか、キーワードを組み合わせた細かい検索設定に対応。高度なクローリング技術を駆使し、商品価格だけでなく、送料やポイント、配送速度、販売店舗数などのデータも取得できる。小売向けツールでは有料オプションとして、自動価格更新にも対応している。
(出所:Octoparse公式Webサイト)
数クリックで商品データの自動収集を行える、ノーコードのWebスクレイピングツール。ツール内で提供されている調査テンプレートを選んで、パラメーターに収集したいページのURLを入力するだけで、価格や送料、店舗名といった商品データを抽出できる。Amazonや楽天市場のほか、東南アジアのECサイトにも対応。ログインが必要なサイトや複雑な技術を用いたサイトからも高精度なデータを取得する。
また、ECサイト上に存在する商品情報データを収集し、要望に合わせた形式でデータを提供する収集サービスも展開。価格調査のほか、在庫、送料、レビューなど複数項目の商品情報をリアルタイムに収集する。更に、競合他社の監視、売上予測、顧客の感情分析などにも対応。
(出所:価格調査のミカタ公式Webサイト)
Webクローリング技術を使った価格調査ツール。ECサイトなどに掲載されている商品情報を自動的に収集・加工し、レポートとして顧客に提供する。利用開始時に、調査対象となる競合サイトの情報を指定すれば、数万ページ規模の価格調査が自動で行われるようになる。
情報収集からレポート作成まで一貫してサポートするため、プログラミングやデータ分析に関する専門知識は不要。自社に専門人材がいない場合も安心だ。価格のほか、商品名や商品型番での調査にも対応。導入した企業の中には、値下げ対応が早くなったことで30%の売上増につながった事例も。
(出所:らくらく最安更新公式Webサイト)
楽天市場とYahoo!ショッピングにおいて、対象商品の最安値の調査・更新を自動化するツール。自社サイトでの商品価格を「最安値に合わせる」だけでなく、最安値に「一定の加減算を行う」、「パーセンテージをかける」といった調整が可能だ。また、モールごとに価格の上限・下限を設定したり、ポイントや送料を含んだ価格を調査対象にしたりもできる。
調査にはJANコードやキーワードを用い、24時間365日、1日最大24回の調査が可能。夜間や休日でも最安価格が即時反映されるので、従業員の負荷を軽減しつつ、販売機会の損失を防止する。
(出所:PriceChanger公式Webサイト)
価格.comと連動して、各種モール・ショッピングカートの価格を自動変更する、リアルタイム価格更新ツール。最短1分間隔で更新でき、AmazonやYahoo!ショッピングなど9種類のモール・カートに対応している。
自動更新したい商品を選択し、上限価格・下限価格や更新タイプを設定するだけで、自動更新がスタート。最安値を追うだけでなく、2位以下の価格を基準とした設定もできるため、在庫状況や販売戦略に応じた柔軟な価格調整に役立てられる。
(出所:Pricewalker公式Webサイト)
価格情報の自動収集からデータの整形・分析・可視化まで、一括提供する価格戦略支援サービス。長年培ってきたWebクローリング技術により、数百万~数億件の大規模サイトから40,000SKU以上のデータを収集できる。加えて、日次・週次・月次の収集頻度指定など、柔軟な設定に対応している。
サービス提供型なので、顧客の様々な要望に通りに整形・可視化されたデータが納品される。収集したデータをもとに価格が自動更新されるダイナミックプライシングや、競合価格が自社を下回った際にアラートを出すといった機能も搭載。ECサイト上の価格競争をトータルサポートする。また、BIツール「Tableau」との連携にも対応。
(出所:Prisync公式Webサイト)
価格の最適化や収益の最大化を実現するための価格追跡ソフトウェア。ShopifyやGoogleショッピングといったチャネルから、ユーザーが指定した競合他社の価格追跡・監視を行い、自社サイトの価格を自動で最適化する。競合他社のデータがどの地域の通貨であっても自国通貨に換算して比較できるなど、グローバル対応にも強みを持つ。
商品価格や在庫状況といった情報は単一の使いやすいダッシュボードに収集され、わかりやすいレポートとグラフで表示。複雑なデータも容易に把握できるようになる。また、価格変更や在庫状況の通知、詳細なExcelレポートなども提供している。
(出所:Nint ECommerce Free公式Webサイト)
国内3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)全体の価格やランキング情報を把握できる、ECモール無料調査ツール。競合他社の価格変動やランキング推移のほか、楽天市場とYahoo!ショッピングにおけるポイントの変動も簡単に調査できる。
知りたい商品のページに遷移するだけで、該当商品ごとに1週間分の価格推移を確認でき、日々の価格調査にかかる手間を削減。データ保存機能はないものの、コストをかけずに自社サイトの価格最適化を実現できる。有料サービスにアップグレードすれば、過去情報との比較も可能に。
(出所:Keepa公式Webサイト)
Amazon内の商品の価格推移を追跡できる、無料の価格履歴ツール。日本を含むほぼ全世界のAmazonサイトに対応し、複数の国のAmazon商品データを一画面で確認できる。
ChromeやFirefoxなどのWebブラウザにプラグインを追加すれば、Amazonの商品ページに価格変動グラフを表示。価格の上昇や下落のタイミングを簡単に把握できる。また、指定価格以下になった際に通知を受け取れるトラッキング機能も備えており、頻繁に価格をチェックする手間が省ける。
有料版では商品ベストセラーやトップセラーリストなど、より広範なデータへのアクセスが可能に。
EC価格調査ツールはECサイトにおける商品の価格やランキング、在庫状況などを把握するためのツールです。競合他社の価格情報などを収集・分析することで、市場動向を正確に把握し、価格設定を最適化できます。
EC価格調査ツールを選ぶ際は、まず以下の4タイプの中から、自社のニーズに合致するものを選びましょう。
更に比較・検討を進める際には、調査の機能について、以下の3点に注目してみてください。
EC価格調査ツールを導入すれば、手動で調査をする手間を削減できるほか、リアルタイムでの情報収集と分析、価格設定の最適化が可能に。競争が激しいオンライン市場において、店舗運営の大きな助けになります。EC価格調査ツールをお探しの際は、ぜひ本記事を参考に、自社に合ったツールの活用を検討してみてください。
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