最終更新日:2022-10-11
名刺情報は人脈を有効に活用して、見込み顧客を獲得するだけでなく、見込み顧客の育成(ナーチャリングや接点づくり)にも役立ちます。ここでは、名刺管理ツール導入の目的、メリット、活用する際の注意点についてご紹介します。
名刺管理ツールは近年急速に普及してきています。その種類、機能も様々ですが、その基本は取引先や営業先からもらった名刺の情報をデータベース化し、顧客や見込み顧客の情報、個々の営業担当者がもつ人脈を可視化することで、営業活動に活用しよう、というものです。
その導入目的としては、主に「業務の効率化」、「見込み顧客の獲得」、「見込み顧客の育成」の3つが挙げられます。以下、それぞれについてご説明します。
これまでSFAやCRMで取引先/見込み顧客に対する活動履歴を管理するために、コンタクト先情報を手入力で行ってこられた会社も多いと思います。名刺管理ツールを使用すればスキャナーやスマホによる撮影によりデータを取り込めるため、この入力の手間が削減できます。
また、名刺管理ツールは上述のようにデータベースですので、「以前会ったあの人と連絡したい」という場合、名前や会社名、部署、役職などをキーとして、速やかに検索できます。
さらに、名刺情報や企業情報がスマホなどで参照できるようになるのもポイントのひとつです。営業担当者が出先でお客様と連絡をとりたい時や、訪問先を地図で確認したい時など、会社に名刺を取りに戻ったり、会社に連絡して訪問先の住所を確認したり、といった無駄がなくなります。
新規営業などのターゲット企業に対して、これまでアプローチした実績がないか(アプローチ先とアプローチした担当者)が検索できるようになります。当時の担当者の人脈を生かしてアプローチ先を紹介してもらう、情報を教えてもらうなどすれば、初回のアプローチから確度の高い商談を行うことが可能になります。
また、名刺管理ツールの中にはアンケートと連動する機能を持つものもあります。たとえば展示会に来場され、アンケートで「詳しい説明が聞きたい」と回答された方に、翌日にはお礼を兼ねたメールを送信することが可能になります。このように素早く対応することにより、アポ獲得のチャンスも増えるでしょう。
見込み顧客を絞り込み、重点的に営業活動を行うためには優先順位をつける必要があります。名刺管理ツールの中には、コンタクト先の属性(企業規模、業種、職位など)と行動履歴(自社HPの閲覧履歴、セミナー参加など)によって見込み顧客をスコアリングすることで、ターゲットの選定を自動で行うものもあります。
また、見込み顧客に継続的に接触し続けるために、メルマガの閲覧履歴やメルマガで紹介したURLのクリック履歴などによって、あらかじめ決めておいたシナリオに従って、商品案内を自動で送付する機能を持つものもあります。
このようにしてターゲットを絞り込み、継続的なアプローチを行うことで、当初はあまり成約の可能性のなかった見込み顧客を、確度の高いターゲットにしていくことを目指します。
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上記のように名刺管理ツールは、社内に分散している名刺の情報をスキャナーなどで読み込み、一元的なデータベースを作成します。これにより以下のようなメリットが生じます
最近では、これに加えて在宅勤務や、コロナ対策としての非対面での商談が増加しているのに対応して、
の機能を持つ名刺管理ツールが増加しています。これは自分の名刺を登録したURLにアクセスしてもらうことにより、名刺の画像、データにアクセスしてもらうものですが、これにより次のメリットも生じます。
オンライン名刺は現在のところ双方が同じ名刺管理ツールを使用していないとこの機能は使えません。この機能は、実質的に顧客が自社のデータをメンテナンスしてくれるので大変便利です。今後異なるツール間でも使えるようになることも期待されます。
名刺管理ツールのデメリットというほどではありませんが、うまく活用するにはいくつか注意点があります。
名刺管理ツールは、基本はデータベースです。 もとになる情報を正確に入力しなければ役に立ちません。メリットの項で手入力の手間が省けるとは申しましたが、とはいえ、ついつい面倒になり、「あとでまとめてやろう」ということになりがちです。
しかし、特に在宅勤務ですとスキャナーでまとめて一気に入力することもできません。営業日報と共にその日のうちにいただいた名刺はスマホで撮影して入力するのをルールにする、などの方策が必要でしょう。
情報の正確な入力とともに、メンテナンスも重要です。お客様の異動(転勤や昇進)の情報を、日経人事ウオッチProや新聞に掲載される人事情報から配信する名刺管理ツールもありますが、ツールが対応しているのはあくまで情報の配信までです。名刺データを最新に保つには、配信された人事情報をもとにするか新しい名刺を頂戴するかで、名刺データを手動で更新する必要があります。
転勤の場合であればメールアドレスは変わらないのがほとんどですが、部署が変わってしまった後に営業メールを送っても効果は期待できません。
名刺情報の読み込みは、スマホのカメラとOCRを使うものが多いですが、ツールによっては、オペレーターが目視で確認して誤って読み取った文字を手動で修正したり、紙の名刺を送付するとスキャナーで読み込んでくれたりするサービスを提供するものもありますが、それには当然コストもかかります。
また、上記「名刺管理ツールの導入目的」の「(3)見込み顧客の育成」で述べたようなコンタクト先のスコアリングとターゲット選定、シナリオを作成してのステップメールを配信、A/Bテストによる効果測定のようなことをやろうとすると、とても労力を要します。それを名刺管理ツールで行うのか、専門のMAツールを導入するのかも検討すべきです。自社にとってのツール導入の目的と必要な機能、コストを勘案して導入するツールを選択すべきでしょう。
名刺管理ツールを導入する目的やそのメリット、導入する際の注意点に関しては以上でおわかりいただけたかと思います。それでは、実際にどのような名刺管理ツールがあるのかを見ていきましょう。
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なお、「法人向け名刺管理ソフト比較14選!有料・無料、選び方も紹介」でも名刺管理ソフトをご紹介しておりますのであわせてご覧ください。
今回は、上記の記事でご紹介したもののうち、オンライン名刺交換に対応しているツールを中心にご紹介したいと思います。コロナの影響、在宅勤務の普及により、オンライン名刺交換は不可欠の機能になりつつありますし、前に述べた通り、これによって実現されるお客様の名刺データ変更が自社のデータベースにも反映されるという機能は魅力的です。おそらく、今回ご紹介できなかった名刺管理ツールも将来的にはこの機能を備えるようになると思われます。
他に名刺管理ツールの選考基準としては、以下のものがあります。
(出所:Sansan公式Webサイト)
導入企業10,000社以上。名刺管理サービスシェア82%(同社HP)を誇る名刺管理サービス。業種・業態問わず、中小企業から数万人規模の大手企業まで幅広く利用されており、CMでもおなじみ。
名刺データ取込はスキャン、またはスマホなどでの撮影とオペレーターにより行われ、99.9%の精度を誇り、名寄せも行える。名刺交換した相手の方の人事異動や企業情報の通知に対応。
データベース化された情報の活用に関しては、Salesforceをはじめとする各種SFA・CRM・MAツールとデータの連携が可能となっているほか、取引先の組織のツリー表示、キーマンの表示など人脈形成のための機能が充実。
(出所:トーニチ・ネクスタ・メイシ公式Webサイト)
名刺情報を効率的に管理するためのシステム。各社員が持っている名刺情報を社内全体や部署単位で共有することが可能になる。名刺管理ツールに必要な機能に絞り込み、1ユーザー月額660円(税込)~という手頃な価格を実現。スキャナやモバイルカメラとOCRを使った名刺の読み取り精度は約93%。もし文字に誤りがあった場合でも、それを一度修正すればAIが学習し、次回以降の編集の際に入力文字列の下に候補が表示されるようになるため、入力作業を効率化することができる。
名刺検索では、検索エンジンのように複数ワードによる絞り込み検索や所在地による検索が可能で、ある特定の地域を対象としてアンケートやプロモーションを展開したい時に便利。検索機能と一斉送信メールを組み合わせることで、マーケティングツールとしても利用することができる。
(出所:ホットプロファイル公式Webサイト)
導入実績1,500社以上。「名刺管理」「チャット」「SFA」「MA」の機能を備え、顧客情報を一元管理できる営業支援システム。名刺をスキャンあるいはスマホで撮影すればオペレーターが目視により会社名や氏名、メールアドレスなどを正確に入力しデータ化します。同一人物は関連付けて登録され、新しい名刺のステータスは「アクティブ」、過去は「非アクティブ」になり、手間をかけることなく最新の情報で名刺管理ができる。
また、データ化される際には、「ホットプロファイル」に搭載された企業データベースと照合され、企業の属性情報(業種、業種(詳細)、上場区分、従業員数、資本金)が自動で付与されるため、すぐに営業活動に役立てることができる。 iPhone と Android に対応した名刺管理アプリを提供しており、外出先からでもスピーディーに顧客情報などの確認や、リアルタイムで訪問後の状況報告ができることもポイントです。料金は目的に応じたプランの用意があり、ベースになるプランを選んだ上でオプションを追加する形式。
(出所:Eight Team公式Webサイト)
同じSansan株式会社が提供する、国内で200万人を超えるユーザーを誇る無料の名刺管理サービス「Eight」のアップグレード企業版。利用者がEightを使用していることが前提となっており、Eightのユーザーは簡単にこちらのサービスに移行することが可能。
データの取り込みはスマホなどによる撮影とオペレーターにより行われるのはSansanと同様。同じEightを使っている方とオンライン名刺を交換した場合にはデータが更新される都度最新状態に保てるし、紙の名刺をスキャンした場合でもSansan同様、人事異動などの情報が通知される。
(出所:CAMCARD BUSINESS公式Webサイト)
全世界で1億人以上が利用するCAMCARDのビジネス版で、17か国語に対応。特徴は世界最高クラスの画像補正とOCR(文字認識)機能+オペレーターによる補正による精度と、スマホで名刺を撮影したのち最短5分で名刺情報をPCやスマホで検索・活用できるというスピード。オンライン名刺や人事異動通知などにも対応。
取り込んだデータの活用に関しては、Salesforce、Dynamics CRM、SugarCRM、Google Contact、Kairos3、Oracle Sales Cloudといった主要SFA・CRMツールとの連携が図られている。
料金:月額2,500円/ID(プロフェッショナルプランの場合。5IDから購入可)
ここまでオンライン名刺交換に対応したツールをご紹介しましたが、最後に名刺の連絡先を組織でより活用したいという方向けに、Web電話帳の機能が強みのサービスを一つご紹介します。撮影した名刺情報をスマホ内の電話帳として活用・共有できる点が人気です。
(出所:PHONE APPLI PEOPLE公式Webサイト)
社員やお客様の連絡先や名刺情報をクラウドで一元管理し、連絡先を一つにまとめるクラウド電話帳サービス。スマホで名刺を撮影するだけで名刺情報として格納し、全社・部署・ユーザー単位で閲覧範囲を設定して共有することが可能。
他のアプリケーションと連携できる点が強みで、電話番号をクリックすると、クラウドPBXのアプリを立ち上げて電話を発信する機能や、ファイル共有サービスのBoxと連携すると、Box内の資料を検索し、作成者に聞きたいことがあれば、「PHONE APPLI PEOPLE」から連絡手段を選んで連絡する、といった使い方もできる。名刺管理ツールとしてだけでなく、クラウドPBXも導入してスマホの内線化を推し進めたい企業にも最適。
上記のように名刺管理ツールには多様な機能があります。どのツールを選択するかを検討する際には、まず導入の目的をはっきりさせる必要があります。
Zoomなどを使った非対面での商談でも使えるオンライン名刺交換機能は欲しいが、とりあえずは名刺情報と社内にある人脈情報を共有できれば十分、というのであれば比較的安価なツールを導入すべきですし、名刺情報を営業支援に生かしたいという場合には外部SFA、CRM、MAツールとの連携が充実しているツールや、ホットプロファイルのようなその方面の機能が充実しているツールを選ぶべきでしょう。自社ですでに導入されているSFAツールがあるのであれば、それとの連携の取れているツールを選択すべきです。
今後の動向としては、すでに個人向け(無料)ツールのEightやWantedly People、Sacivaなどで導入されている、異動情報の自動更新機能に注目すべきです。これが普及した場合にはいわゆる「ネットワークの経済」が効くようになります。取引先数千社の名刺交換相手のデータが自動更新されるのと、数百社しかされないのでは、名刺情報のメンテナンスの業務負荷が大きく異なってくるからです。
以上のような点に留意されれば、貴社にとってベストの名刺管理ツールが選択できるのではないでしょうか。
なお、こちらの名刺管理システムの選び方ガイドでは、5つの観点の「計30項目」でシステムの機能を比較しています。
名刺管理システムの選び方ガイド
名刺管理ツールをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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