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RPAのメリットとは?導入効果だけでなく注意点・対策も紹介

RPAのメリットとは?導入効果だけでなく注意点・対策も紹介

最終更新日:2025-01-30

RPAのメリットには、「業務の自動化・標準化」「ミス防止」「モチベーションアップ」「労働環境の改善」などが挙げられます。その一方、RPAには「メンテナンス」「セキュリティリスク」などの弱点もあります。導入を検討する前に両者を正しく理解しておきましょう。

目次

RPAの利便性について

RPAとは、Robotic Process Automationの略称で、データ転記や情報収集といった定型業務をロボットで自動化する仕組みを指します。

RPAの主な活用シーンとしては、たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • 経理部門での転記作業(Excelの記入情報を業務システムへ入力)
  • 営業部門での案件管理情報の自動入力、契約情報の転記作業
  • 各種情報ソースからデータを取得して、提出書類や稟議資料を作成
  • 販売情報の転記作業、基幹システムへの入力作業
  • Webサイトに表示されている情報の自動取得 など

システムとシステムの間をつなぐ役割

RPAが最も効果を発揮するのは、異なるアプリケーション間のやりとりです。

複数のアプリを利用する場合、データを連携させると便利ですが、自社開発した基幹システムと既存のクラウドサービスなど、環境によってはスムーズに連携できない場合もあります。その場合、現場スタッフが一つずつ人力で転記したり、情シスがAPI連携などでつなぎこんだりするのが一般的ですが、相応の手間やコストがかかります。

RPAなら、基幹システムから出力したCSVの項目をコピーして、クラウドサービスの該当する箇所にペーストするという、従来なら人力で行っていた作業をロボットで自動化。一度ロボットを作成すれば、24時間365日いつでも業務を代行してくれるため、人手不足の解消や人的コストの削減が期待できます。

本記事では、RPAについて「具体的にどのような導入効果があるのか」「どのような点に注意すればよいのか」、メリットだけでなくデメリットまでわかりやすく紹介します。RPA導入を検討している方は検討や稟議にお役立てください。

なお、「今すぐRPAツールの選定に移りたい」「どんなRPAツールがあるか知りたい」という方は「RPAツール比較15選!種類・料金相場・活用のコツや選び方」をご覧ください。選び方や比較ポイントなどをおすすめのツールを交えて紹介しています。

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RPAの導入メリットとは?

まず、RAPの導入メリットについてです。分類すると7点挙げられます。

  1. 業務効率化と人件費の削減
  2. ミス防止と業務品質の均一化
  3. 従業員のモチベーション向上
  4. 労働環境の改善
  5. 対応スピード短縮による顧客満足度アップ
  6. 業務フロー改善のきっかけづくり
  7. 現場レベルでのDX推進

以下、それぞれのメリットについてわかりやすく解説していきます。

1. 業務効率化と人件費の削減

RPAが得意とするのは、データ入力や転記作業、データの突合、ファイル作成・変換といった定型作業です。これらは、たとえばPDF形式の発注書の内容を読み取って、受注管理システムへ入力するなど定期的にまとまった量が発生するため、RPAで自動処理を行うことで全体として大幅な業務効率化が実現できます。

業務効率化に加えて、これまで人力作業に費やしていた人件費を削減できるのもRPA導入の大きなメリットです。たとえば、月初の請求書発行など、一時的な繁忙期を乗り切るために抱えていた余剰人員や、スポット増員が不要になります。

2. ミス防止と業務品質の均一化

RPAは指示されたことしかできませんが、その一方で、指示されたこと以外を行うことはありません。そのため、RPAを導入すれば、人間の手作業では一定の割合で発生する「入力間違い」「読み取りミス」などのヒューマンエラーによるミスも防止することができます。

また、RPAは業務の標準化にも有効です。「従業員によって作業手順が異なる」「成果物の品質にバラつきがある」といった属人的なやり方に課題を抱えている場合でも、RPA導入により業務品質の均一化が期待できます。また、品質維持・向上のための従業員への教育コストを抑制できるのもポイントです。

3. 従業員のモチベーション向上

入力作業などの誰にでもできるルーティンワークをロボットに任せることで、従業員は企画の検討や業務改善といった、より本質的な業務や創造的な仕事に充てることができるようになります。それがひいては従業員満足度(ES)の向上や個々の従業員の成長にもつながります。

4. 労働環境の改善

ロボットは24時間365日稼働可能なため、深夜・早朝などの従業員の労働時間外にも作業を進められます。現状「データ取得のために誰かが早朝出勤しないといけない」「月に何度が深夜作業の当番がある」といった場合には、労働環境改善に役立ちます。繁忙期あるいは慢性的な残業を減らす効果も期待できます。

5. 対応スピード短縮による顧客満足度アップ

データベースから必要な情報を複数探し出して分析をした後に、フォーマットに入力をして資料を作るといった複雑な作業も、RPAなら短時間でミスなく完了できます。対応スピードを短縮することで顧客満足度の向上にもつながりますし、空いた時間を別のコア業務に充てることで、サービス品質の向上も期待できます。

6. 業務フロー改善のきっかけづくり

RPA導入時には「業務内容の調査」「業務フローの確認」など既存業務の棚卸しが必要ですが、それが業務改善のきっかけになりえます。また、自動化を進めていくうちに、現場からその業務自体の是非や効率化のアイディアといった声が自発的に上がるといった効果も。無駄な仕事を減らすことで業務効率化への機運が高まります。

7. 現場レベルでのDX推進

RPAツールの中にはプログラミングの専門知識がなくても感覚的にロボットの設計・変更ができるものもあります。そういったものを利用すれば情シスに頼らずとも、現場目線のDX推進が可能です。現場目線で作成したロボットは実用性が高い場合が多く、業務フローやルールの変更にも迅速かつ柔軟に対応できるのも魅力です。

 

RPAツールの弱点(注意点・対策)

RPAツールには、数多くのメリットが期待できますが、その一方で、うまく導入効果がでない場面やデメリットに直面することも。RPAの弱点としては具体的に以下のようなものが挙げられます。

  • 費用対効果が高いとは限らない
  • リソース不足に陥りやすい
  • 導入後もメンテナンス・管理が必要
  • RPAだけで効率化できない業務がある
  • セキュリティリスクの増大

一つずつ具体的に「どのようなデメリットがあるのか」「どう対策すればよいのか」について解説します。

費用対効果が高いとは限らない

導入時には、RPAツールの選定や指示書の策定、業務の洗い出しやといったコストが発生します。導入後にも、従業員への研修はもちろん、ロボットの作成や動作テストといった作業が必要に。

これらの作業を通常業務と並行して行うことは難しく、専門の会社に外注するケースも。また、RPAツール自体に最低でも年間数十万円がかかるため、ロボットで自動化できる業務が少ないと、コストに見合った効果は得られません。

<対策>
RPAツールの導入を検討する際に、「自動化できそうな業務はどのくらいあるのか」「自動化によって、どのくらいのコスト削減が見込めるのか」といった費用対効果を十分に精査しておきましょう。

リソース不足に陥りやすい

RPAを導入したらロボット作成の前に、運用ルールの策定や操作方法の学習、オリエンテーションなど、やらなければいけないことがたくさんあります。そのため、「情シス担当者リソースが足りなくなる」「なかなか運用に乗せられない」といった恐れが。

加えて、導入フェーズをおろそかにすると、運用段階でトラブルが発生するかもしれません。

<対策>
自社リソースに不安がある場合は、サポート体制が充実しているベンダーを選択しましょう。ベンダーのサポート範囲はヘルプデスクやトライアル支援サービス、社員教育、シナリオの作成やロボット作成支援など様々なので、支援方法(アドバイスのみか、代行依頼ができるのかなど)と一緒に確認しておくのがおすすめです。

導入後にベンダーを切り替えると、「実用まで時間がかかりすぎる」「切り替えコストがかかる」といったリスクがあるため、慎重に見極めてください。

導入後もメンテナンス・管理が必要

ロボットは決められたルールに基づいて作業をするため、使用する帳簿や記入項目が変われば、修正が必要になります。適切な修正を行わないと、誤作動が発生して業務に支障をきたしてしまいます。

また、RPAは何らかの理由により勝手に停止するリスクがあります。自動停止する要因としてWi-Fiの切断やGoogle Chromeなどのブラウザのバージョンアップ、OSのアップデートなどが挙げられます。

<対策>
メンテナンスや管理が必要となることを前提に、運用ルールやフローを策定しておきましょう。導入時にベンダーに、ノウハウを提供してもらうのも一手です。RPAを自前でメンテナンス・修正する専門チームを作っておく、現場や社員に使いやすいRPAツールを選定するといった対策も有効です。

また、運用ルールの中に、事前に停止した際のフローやテスト項目、メンテナンス方法を盛り込んでおけば、停止リスクも低減できます。

RPAだけで効率化できない業務がある

RPAで1つのシステム・アプリの動作を自動化するだけでは、十分な業務効率化ができない場合も。しかし、複数のシステムを連携させて業務プロセス全体を自動化するのは難易度が高いため、RPA導入自体を断念してしまうケースも見られます。

<対策>
近年では、複数のシステムをつないで業務全体を自動化する「ハイパーオートメーション」が主流になりつつあります。たとえばAI-OCRとRPAを組み合わせることで、紙の書類をデータ化し、そのデータをほかのシステムに入力するといった作業も自動化可能に。

ただし前述の通り、複数システムを連携させることは容易ではないため、外部システム連携のノウハウを持つベンダーを選ぶのがおすすめです。中には、他社と提携してサポートをしてくれるベンダーも。

また、RPAのタイプによって連携できるシステムの得意・不得意が異なるため、事前にチェックしておきましょう。

AI-OCRの活用も視野に入れている方は「AI OCR比較15選!OCRとの違い、選び方、利用上の注意点まで」もご確認ください。

セキュリティリスクの増大

RPA導入にはセキュリティリスクも伴います。たとえば、「サイバー攻撃によってロボットが乗っ取られて不正なアクセスを行う」「誤作動による想定外のトラブル」など、様々なリスクが想定されます。

<対策>
金融機関をはじめ機密性の高い情報を扱う組織では、デスクトップ型かサーバー型のRPAを利用するなど、セキュリティリスクを抑制するための対策が必要不可欠に。また、ユーザーや部署ごとに権限を出し分けるのも有効な対策です。

RPAツール側にも「ログの取得・保存」「エラー通知」といったセキュリティリスクに備えた機能が搭載されています。安全性を重視したい場合には、これらの機能が充実したツールを選んでください。

RPAの更に詳しい選び方については、こちらの選び方ガイドでも解説しています。

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まとめ

RPAを導入すると、「手作業の削減と業務効率化」、「時間の有効活用とそれによる成果の向上」、「コスト削減」、「作業ミスの抑制」、「対応スピードの向上」、業務見直しのきっかけになる」、「スケジュールを短縮できる」、「現場レベルで設計、開発ができる」など、様々なメリットが期待できます。

書類記入といった事務作業の効率化により、コストを大幅に削減。更に、24時間365日稼働できるため、業務の時短につながり、全体のサービス向上や働き方改革にも貢献します。また、単純なヒューマンミスが甚大な被害を与えうると考れば、RPA導入は会社そのものを守ることにもつながるでしょう。

一方、RPAツールは決して安い買い物ではなく、導入後もメンテナンスや修正が必要です。そのため、社内にRPAを管理・運用する専門チームを作って、導入前の業務の洗い出しや見直しも行わなければいけないなど、金銭面でも人的リソース面でもコストがかかります。

これらのメリット・デメリットを比較検討したうえで、ぜひRPAツールの導入を検討してみてください。

 

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