事務所にかかってくる電話への対応負荷を軽減するために、代行サービスの利用を検討している経営者や管理部門のマネージャーへ。電話代行サービスでできることや選び方、比較のポイントを紹介します。
電話代行サービスとは、プロのオペレーターが電話対応を代行するサービスです。顧客・取引先からの連絡や予約受付、問い合わせなどの一次対応やメッセージ伝達・転送、取次といった業務を行います。
「従業員の電話対応コストを削減して生産性を上げる」「電話の取り逃がしによる機会損失を防ぐ」「プロの丁寧な対応によって企業イメージや顧客満足度を向上させる」といったメリットが見込めます。また、休日・夜間を含めた24時間365日体制での顧客対応も可能に。
電話代行サービスに依頼できる主な業務として、以下が挙げられます。
| 一般的な電話対応 | 顧客や取引先からの電話応対、予約受付や問い合わせへの対応を行う |
|---|---|
| 電話取り次ぎ | 電話の内容を確認し、適切な担当者に転送する |
| スケジュール管理 | 電話で受け付けたアポイントや打ち合わせなどのスケジュールを管理。予約受付などに対応する、店舗向けサービスも |
| 入電内容の報告 | 通話内容を要約し、報告書として提供する。また、通話内容をメールや専用システムで共有するサービスも |
| クレーム対応 | 顧客からのクレームを受け付け、状況を報告する。必要に応じて、問題解決のサポートを行う |
| 緊急時対応 | 急ぎの問い合わせや二度目の入電などがあった場合、携帯電話などに連絡する |
※代行サービスによって内容が異なります
電話代行サービスはいくつかのタイプに分けられます。それぞれ特徴を把握し、自社に適したサービスを探しましょう。
一律的な対応で電話を受け付けるだけでなく、柔軟な対応ができるタイプ。経験豊富なオペレーターが所属しているサービスが多く、事前に対応方法を伝えておけば、依頼内容に沿った方法で応対してくれます。
たとえば、株式会社ビジネスアシストの「電話代行・電話秘書代行サービス」は、正社員の秘書スタッフによる質も高いサービスが特徴。特定の相手から電話があった場合の伝言や、外出時などに「帰社時間を伝える」「担当者から折り返しする」といった対応も依頼できます。
また、「オフィスのでんわばん」も、経験豊富なオペレーターによる対応を提供。「商品番号を聞いてほしい」「特定の発信者に伝言をしてほしい」など、発信者への応答指示にも柔軟に対応できます。また、忙しい時間帯や5コール以内に出ないときだけ電話代行に転送する設定ができるなど、利用タイミングの柔軟さも特徴です。
顧客からの電話での予約受付や質問応対を依頼したいときに適したタイプ。病院や美容サロンなどでの予約受付、ECサイトでの予約・注文受付といったシーンで利用されています。
たとえば、「秘書プラス」は、「BtoC 対応 カスタマーコース」を用意。ネットショップでの受注受付、クレームや問い合わせへの対応、サロンやクリニックにおける電話予約受付など対応します。
また、株式会社オフィスジャパンの「電話代行・電話秘書サービス」は通信販売・EC受注代行メニューを提供。自社スタッフに負荷をかけることなく、通販サイト・ECサイトに問い合わせ窓口を設置できます。
特定業種に対する専門プランを用意しているタイプ。電話対応にある程度の専門知識が必要な業種に向いています。
電話代行サービス株式会社の「電話代行サービス」は特定業種向けのサービスを用意。「不動産専門」「士業専門」「水道修理専門」「ネットショップ専門」のメニューをラインナップしており、各業種の専門知識を持つオペレーターが対応します。たとえば「不動産専門」メニューでは、空室状況や物件資料内の説明なども行えます。
電話受付の代行に特化したタイプ。電話の要件を聞き、内容をチャットやメールで報告します。その場での案内や回答などは依頼できないものの、シンプルなサービスとコストパフォーマンスの良さが特徴です。折り返し電話をすることを前提に、電話の用件を聞いて伝えてくれれば十分、という場合に向いています。
たとえば「fondesk」は、指定の番号に着信を自動転送すれば、オペレーターが電話対応を開始。チャットやメールで内容を知らせるというシンプルなサービスを提供しています。加えて、月額10,000円で50コールまで対応できるコストの低さも魅力です。
電話代行サービスを選ぶ際に留意しておくべき3つの比較ポイントを解説します。
電話の要件を聞いて終わらせるのではなく、内線のように従業員に電話を取り次いでほしい場合は、取次転送に対応したサービスを選びましょう。
たとえば、株式会社ビジネスアシストの「電話代行・電話秘書代行サービス」は、スタンダードより上位のプランで「電話取次・取次転送」を用意。内線感覚で電話を直接つないでもらえるので、折り返しの手間が省けます。ただし、「ライト」プランでは対応していないので、注意が必要です。
また、「CUBE 電話代行サービス」は応答後転送に対応。内線のように対応内容を指示できるほか、そのまま電話を取り次いでもらうことも可能です。
応対内容の報告形式は、サービスによって対応ツールが異なります。社内で利用しているツールが使えるか、また、メールや電話での共有に対応しているか、事前に確認しておきましょう。
たとえば「CUBE 電話代行サービス」では、LINE、Chatwork、slack、Microsoft Teams、LINE WORKS、Google Chatでの報告に対応（オプションサービス）。トークルームに内容が共有されるので、チームメンバーへの周知がスピーディーに。共有相手を絞りたい内容の場合は、LINEとメールを使い分けることも可能です。
一方、株式会社プレッシオの「電話受付代行サービス」は、⼊電内容の報告はLINEに限定されます（メール報告はオプション）。また、「fondesk」のように、PCやスマホから着信履歴を確認できる「マイページ」をWeb上に用意しているサービスも。
休日や夜間の電話対応が必要な場合は、その時間帯でも対応できるサービスを選びましょう。ただし、料金は割高になる傾向があるので注意してください。
たとえば「e秘書」は、24時間対応のプランを用意。メッセージコースの24時間対応の場合、月額65,000円/30コールに加えて、超過分は380円/コール必要です。中には、「BusinessCall」のように、30分単位で必要な時間帯、曜日だけ電話代行を依頼できるサービスもあります。
電話代行サービスの料金は、サービス内容やコール数によって様々です。月額5,000円程度でシンプルなメニューを提供する低コストなサービスがあれば、月額30,000円かかるものの高度な対応を依頼できるサービスもあります。また、初期費用が必要だったり、最低契約期間を設定していたりするサービスもあるので、事前にしっかりチェックしましょう。
| サービス名 | プランや条件 | コール数 | 月額料金 |
|---|---|---|---|
| 電話代行・電話秘書代行サービス（株式会社ビジネスアシスト） | スタンダードプラン（平日9時～18時）超過分は300円/コール | 150 | 30,000円 |
| CUBE 電話代行サービス | スタンダードプラン（平日9時～18時）超過分は300円/コール | 100 | 25,000円 |
| e秘書 | メッセージコース（平日9時～18時）超過分は200円/コール | 100 | 15,000円 |
| 秘書プラス | ビジネスコース スタンダードプラン（平日9時～18時）超過分は150円/コール | 50 | 6,900円 |
| 電話代行サービス（電話代行サービス株式会社） | 秘書代行・電話秘書（平日9時～18時）超過分は280円/コール | 15 | 7,000円 |
| 電話代行サービス（株式会社タスク） | 電話代行・電話秘書（平日9時～18時） | 無制限 | 8,000円 |
| fondesk | 超過分は200円/コール | 50 | 10,000円 |
| BusinessCall | スタンダードプラン（9時～21時のうち最大7時間）超過分は160円/コール | 40 | 5,000円 |
（出所：電話代行・電話秘書代行サービス公式Webサイト）
自社の業種・業務内容に合わせて、対応ワークフローを自由にデザインできる電話アウトソーシングサービス。電話の内容によって応対や取次先を変えるばど、業務に沿った細かいカスタマイズが可能だ。
主なサービス内容として、「特定の相手への言付け伝言」「スケジュールを踏まえた応対」「電話取次・取次転送」など。報告内容は、従業員の個別アドレス宛にメールで送信されるため、見落とし・取りこぼしが起きにくい。また、企業のカラーやビジネスの種類、部署に応じたコミュニケーションを提供できるのも特徴。
弁護士や税理士などが対象の「士業向けプラン」や、保険代理店やコンサルティング会社などが対象の「専門業向けプラン」も用意。
（出所：CUBE 電話代行サービス公式Webサイト）
電話応対技能検定（もしもし検定）・秘書検定を取得し、正しいビジネスマナーと電話応対スキルを身に着けたスタッフが所属する電話代行サービス。6カ月の新人研修を行ったうえで、入社後も継続的に研修を実施するなど、人材育成に力を入れ、高品質な電話対応を実現している。
代表番号への着信を携帯電話などに転送する「応答後転送」や、時間外アナウンス、日々の予定に合わせたスケジュール案内に加えて、クレーム対応まで基本サービスとして提供。オプションで、チャット報告やフリーダイヤルサービスなどにも対応する。弁護士や税理士などの士業に加えて、ネットショップや病院・クリニックなどでも導入事例を持つ。
（出所：オフィスのでんわばん公式Webサイト）
経験豊富なオペレーターが社内で受電対応を行う電話代行サービス。充実した管理画面が特徴で、通話内容メールの送り先や、社員ごとの在席状況を選択し、電話代行の利用時間を簡単に変更できる。また、詳細な通話履歴も確認でき、不要な営業電話を着信拒否することで、コスト削減に役立てられる。オプションで、通話録音サービスも提供。
スマホアプリの内線通話機能でで取次をするため、社内と同じような電話対応が可能となる。担当者が不在、もしくは電話対応を行いたくない時間、迷惑電話の場合は、メールやチャットで内容を報告。受電内容は専用のビジネスチャット「MOT/Cha（モッチャ）」で通知される。
（出所：電話受付代行サービス公式Webサイト）
ベテランオペレーターによる高い応対品質に強みを持つ電話対応代⾏サービス。LINEで⼊電内容を報告してくれるため、グループ機能を使った複数⼈への共有も可能に。
対応についても要望に応じた柔軟なカスタマイズに対応しており、「依頼企業名を名乗る」「コールセンターを名乗る」「すべてコールセンターに転送する」「一定秒数経過した場合のみ転送する」など、様々な選択肢が用意されている。加えて、特定の問い合わせに対する回答なども指定できる。また、シニア層の顧客への対応や、緊急事態・クレームへの対応にも強みを持ち、マニュアルにしばられない臨機応変な対応が可能。
（出所：e秘書公式Webサイト）
契約者数24,000社以上の電話代行・秘書代行サービス。大手企業のコールセンターサービスを構築・運用してきた知見を活かし、小規模ビジネスでも導入しやすいパッケージサービスとして提供する。依頼社名で電話を受け、用件を伺い、メールで即時報告を行う仕組みだ。
「メッセージコース」では、スケジュール案内や折り返し先のヒアリングに加えて、オペレータが要件を聞いたうえで、事前に共有した「Q＆A」をもとに回答を行う。また、特定の相手に向けた伝言を依頼することもできる。
多言語サービス、報告メールアドレス追加、取次転送、受信回線追加などのオプションも多数用意。ニーズに応じたカスタマイズが可能だ。24時間・土日・夜間対応のプランも用意する。
（出所：秘書プラス公式Webサイト）
電話マナー・ビジネスマナーを習得した秘書スタッフが、様々な業種に柔軟に対応する電話代行サービス。セキュリティ対策に強みを持ち、警備員が常勤しているほか、センター内にオペレーターの私物の持ち込み・持ち出しができない環境を整備することで、クライアントの情報を保護する。
Web制作会社や法律事務所、不動産業などを対象とした「ビジネスコース」では、社名対応やメール報告といった基本サービスを提供。また、ECサイトや飲食店、美容サロンなどを対象とした「カスタマーコース」では、顧客情報管理や受付、クレーム対応といったメニューを用意している。更に、社長・役員向けの「グランドコース」では、タクシー手配、会食予約などに対応する。
（出所：電話代行・電話秘書サービス公式Webサイト）
研修を受けた専属オペレーターが対応を行う電話代行サービス。創業26年・18,000社以上での利用実績を持ち、そこで培ったノウハウを活かして高品質なサービスを提供する。
通常時はメールやFAX報告、緊急時は電話報告といった柔軟な報告方法に対応。応対方法や聞き取り項目なども、ニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできる。また、時間外ガイダンスや電話番号貸し、住所貸し、フリーダイヤル貸し、転送切替、受電レポート、チャット報告といった、豊富なオプションサービスがそろうのも特徴だ。
加えて、主要都市に展開する同社営業所ネットワークを活かし、利用地域・電話局番などを問わず、全国で利用可能。対応曜日や時間帯、コール数は応相談で、24時間365日体制にも対応する。
（出所：電話代行サービス公式Webサイト）
クライアントの業種や経営方針など、様々な要望に合わせたオーダーメイド型プランに強みを持つ電話代行サービス。秘書代行や夜間休日電話代行、コールセンター代行といった基本的な電話代行業務を、企業の要望に合わせたプランで提供する。
不動産専門、士業専門、水道修理専門、ネットショップ専門といった業種別プランを用意。たとえば不動産専門プランであれば、空室一覧や物件資料の預かり、送付などの専門業務に対応する。また、士業専門プランであれば、法曹界で使用される特有の言葉や表現を理解するオペレーターが対応する。その他、求人受付専門やクレーム対応専門、全国電話番号 貸出サービスなど用途別のサービスもそろう。
（出所：電話代行サービス公式Webサイト）
創業40年以上の実績と経験を持つ電話代行サービス。個人事業主や一人親方、個人店舗など小規模事業者での利用が多い。月間コール数が無制限で、着信過多による追加料金が発生しないのが特徴だ。受信内容の報告形式は、「都度携帯電話へ報告」「FAXで日報として報告」「メールで都度報告」などから選べる。
1日からでも契約できるので、出張で数日不在にしている間のみ利用することも可能。フリーダイヤルの貸し出しはできないが、クライアント企業のフリーダイヤル番号の転送受付には対応する。
汎用的な電話代行サービスに加えて、物件説明に対応する「不動産コース」や、商品説明や受注受付ができる「通販コース」などを用意。
（出所：電話代行サービス公式Webサイト）
官公庁含む15,000社との取引実績を持つ代表電話代行サービス。顧客や取引先からの電話応対に加えて、予約受付やクレーム処理、緊急連絡の一次対応などに幅広く対応する。
特に医療機関や建設業界、官公庁での実績が豊富で、緊急時の対応や予約管理、人員手配、厳格なセキュリティ基準に強みがある。セキュリティ面では、官公庁から求められる厳格なセキュリティ基準をクリア。入退室管理やネットワーク監視、報告データの暗号化などを徹底している。加えて、個人情報を適正に取り扱うため、オペレーター向けに個人情報取扱いに関する定期研修を実施する。
その他、大手通販会社のコールセンター代行、医療機器メーカーのカスタマーサポートサービスといった実績も持つ。
（出所：fondesk公式Webサイト）
会社・事務所の電話対応をオペレーターが代行し、着信内容をメッセージで知らせるシンプルな電話代行サービス。報告先は、SlackやChatwork、Teams、LINEなど様々なツールに対応する。
5分程度のオンライン手続きで即日開通し、指定の番号に電話転送するだけでオペレーターによる対応が開始される。PCやスマホからマイページにアクセスすれば、電話の履歴を確認できるほか、電話応対の設定変更や支払い手続きなどもすべてオンラインで完結する。
夜間・休日対応、クレーム対応、応答のカスタマイズなどはできないため、低コストで電話対応をアウトソースしたい場合に適している。
（出所：BusinessCall公式Webサイト）
低価格ながらも品質にこだわった電話代行サービス。オペレーター全員に、電話受付代行の対応基礎・言葉遣い・クレーム対応技術の研修を行っているほか、リアルタイムでのモニタリングや通話録音から、オペレーターの応対品質を評価している。
企業にかかってきた電話がコールセンターに転送され、オペレーターによる応対後、受電内容がメールやSlack、LINE、チャットワークなどで共有される仕組みだ。また、30分単位での契約時間を設定できるため、人手が少なくなる昼の時間帯と社員退社後の数時間のみ依頼するといった、柔軟な使い方が可能。
（出所：あんしん電話当番サービス公式Webサイト）
オフィス・店舗の代表電話の応対を代行するサービス。不在時や時間外の入電時にコールセンターへ自動転送し、訓練されたオペレーターが対応する。対応範囲は、一般的な用件のヒアリングと、よくある質問への回答（5件まで設定可）。受電内容はメールもしくは電話にて担当者に報告する。また、要望に応じたオプションメニューも用意されている。
夜間・休日・不在時など、電話が負担になっている時間帯を切り出して、応対業務をアウトソースできるので、コスト最適化に強みを持つ。
電話の対応をプロのオペレーターに代行してもらえる、電話代行サービス。限られた社内の人的リソースをコア業務に注力させられるほか、プロの丁寧な対応によって企業イメージ向上にも寄与します。
依頼できる内容はサービスによって様々。あらかじめ伝えておいた内容に沿って柔軟に対応するタイプや、電話予約や受注を行ってくれるタイプ、特定の業種の専門知識を持っているタイプ、電話受付に特化したタイプなどがあります。
【電話代行サービスの主なタイプ】
また、取次転送への対応有無や、LINEやメールといった応対内容の報告方法などもサービスによって異なります。あわせて、料金プランや月間コール数などの条件、最低契約期間などもチェックしておく必要があります。
【電話代行サービスの比較ポイント】
それらの情報を比較したうえで、本記事を参考に自社に合った電話代行サービスの導入を検討してみてください。
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