名刺管理のデジタル化を検討しているビジネスパーソンや、会社に名刺管理ツールの導入を検討していて使用感を知りたいと考えている管理部門担当者へ。無料で使える名刺管理アプリに加えて、名刺管理に活用できるメモツールなどを紹介します。
名刺管理アプリとは、スマートフォンのカメラなどで名刺を撮影し、デジタル化して保存するツールです。OCR(光学文字認識)技術によって、名前、会社名、役職、電話番号、メールアドレスなどの文字情報を自動で読み取り。物理的な名刺の管理負担を軽減するだけでなく、保存したデータからテキスト検索も可能となります。そのため、名刺管理の効率化や人脈形成の強化に寄与します。
本記事では、無料で使える個人向け名刺管理アプリや、使い方次第で名刺を管理できるメモツールなどを「無料の名刺管理アプリ」として紹介します。
なお、企業単位での名刺管理を効率化するためには、有料サービスの機能が必要となります。本格的なビジネスユースを想定している場合は、「名刺管理アプリおすすめ10選!個人向け(無料・有料)・法人向け」をご覧ください。
名刺管理アプリの主な機能は以下の通りです。
名刺情報のデジタル化 | 名刺の情報をデータ化して保存する機能。主に、OCR技術を使って、スマホで撮影した写真データからテキスト情報を読み取る |
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名刺情報の検索 | 氏名や会社名など、保存した名刺のテキスト情報から、特定の名刺を検索する機能 |
デジタル名刺の作成・交換 | 同じサービス同士で、デジタル名刺を作成・交換できる機能。異動や転職でプロフィールが変更されると、交換した名刺も自動更新される |
連絡先との同期 | 登録した名刺情報をスマホの連絡先に自動登録する機能。中には、スマホへの着信時に名刺情報を表示するサービスも |
名刺情報の共有 | チームメンバーと名刺情報を共有する機能。取引先・業務引き継ぎなどの際に役立つ |
データのダウンロード | 名刺情報をExcelやCSVファイルでダウンロードする機能。多くの無料サービスは対応していない |
名刺管理アプリを無料で使うにはいくつかの条件があり、条件別に下記の4タイプに分けられます。それぞれの使い方や特徴を解説していきます。
名刺管理アプリの中には、完全に無料で利用できるものもあります。ただし、使える機能や、登録できる名刺の枚数に制限がついていることがほとんどです。一方で、名刺管理専用アプリではないものの、使い方次第で名刺管理ツールとして活用できるものがあります。
たとえば、Googleのメモツール「Google Keep」は、スマホで撮影した名刺画像をデータとして保存可能。画像から抽出したテキストは、必要に応じて手動編集できます。テキスト検索のほかタグ情報の付与にも対応。同様に、Microsoft のメモツール「OneNote」でも、名刺画像を管理できます。スキャンアプリ「Office Lens」と連携できるほか、名刺管理用の無料テンプレートが用意されているのも特徴です。
様々なドキュメントを読み取る「スキャンアプリ」にも、名刺管理用途で使えるものがあります。
たとえば、スキャンアプリ「Adobe Scan」を使えば、スマホで撮影した名刺をPDFデータとしてクラウドストレージの「Adobe Document Cloud」に保存できます。スキャンした名刺情報は、連絡先リストに直接保存することも可能です。
名刺の登録枚数や利用期間に制限なく使える、無料の名刺管理アプリ。同サービスの有料プランよりも使える機能が限られているものの、名刺管理のための基本機能は一通り利用できます。
たとえば、「Eight」は、名刺の登録枚数は無制限です。ただし、「データ化の対象が名刺のおもて面のみ」「登録項目が会社名・氏名・電話番号・メールアドレスのみ」といった制限があります。名刺の両面に記載された全項目の登録や、登録データのCSVダウンロード機能、連絡先連携機能などが必要な場合は、有料プランの「Eightプレミアム」がおすすめです。
機能制限に加えて、名刺の登録枚数にも制限があるタイプ。「有料サービスを利用する前に使用感を試してみたい」「特定の数人の名刺管理ができれば十分」といった場合に、選択肢となります。
たとえば「名刺ファイリングCLOUD」や「CAMCARD」は名刺の登録枚数が100枚まで、「名刺マネージャ」は10枚までに制限されています。
無料の名刺管理アプリを選ぶ際には、まず自分の使いたい機能を備えているかどうか確認しておきましょう。以下、比較検討時に必ずチェックしておきたい3つの機能を紹介します。
スキャンした名刺情報をチームで共有する機能。営業活動や顧客管理の効率化が見込めるほか、異動時や退職時の業務引き継ぎなどにも役立ちます。本記事で紹介している中では、以下のアプリ・サービスが名刺情報の共有機能を備えています。
また、「Google Keep」や「OneNote」では、共同編集者設定という方法で、他の人と名刺情報を共有できます。
同じ名刺管理アプリを使っている相手の名刺を登録すると、アプリ上でつながりができ、名刺情報が自動で更新されるサービスがあります。たとえば、異動や転職で相手のプロフィールを更新されると、名刺情報の自動アップデートされたり、通知が届いたりします。相手の現所属組織を把握できるほか、通知をきっかけに連絡を入れるといった営業アプローチを行うのに便利です。
たとえば「Eight」では、つながった相手が異動・昇進・転職などをした場合、近況情報の通知が届きます。「Wantedly People」でも同様に、つながった相手がプロフィールを更新すると、アプリを開いた際に最新情報が表示され「いいね」などのリアクションも送れます。
管理している名刺情報をCRMやSFAに連携させるなど、より高度なデータ活用を目指す場合には、データの一括出力機能が必要となります。しかし、無料アプリではExcelやCSVファイルに出力する機能を提供していないケースがほとんどです。頻繁にデータ出力を行う予定があれば、有料版を検討しましょう。
たとえば「Eight」や「Wantedly People」、「myBridge」には、CSVファイルの出力機能がありますが、すべて有料版のみでの提供です。
アプリ名 | 無料で使える範囲/条件 | 有料版の料金 |
---|---|---|
Google Keep |
|
完全無料で利用可能 |
OneNote |
|
月額1,079円/名(Basicプランの場合) |
Adobe Scan |
|
月額1,080円/名(Scan premiumの場合) |
Eight |
|
月額600円(税込)/名(Eightプレミアムの場合) |
myBridge |
|
月額990円/名(プレミアムプラン・1~10名までの場合) |
Wantedly People |
|
月額600円(税込)/名(People Premiumプランの場合) |
名刺ファイリングCLOUD |
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月額200円/名(Standardプランの場合) |
CAMCARD |
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月額1700円〜/名(法人向けプランの場合) |
名刺マネージャ |
|
月額300円/名(Proプランの場合) |
(出所:Google Keep公式Webサイト)
メモ、音声、画像などを保存できるメモツール。名刺をスマホで撮影してデータ化することで、名刺管理ツールとしても使える。写真からテキストを抽出するOCR機能を活用することで、氏名や会社名、電話番号、住所、メールアドレスといった情報を画像データと一緒に管理できる。
また、「ラベル」付与機能を使えば、通常のメモと分けて名刺データを保存できるほか、会社やプロジェクトごとでの分類も可能だ。スマホアプリだけでなく、PCブラウザでの検索・編集に対応。ほかのGoogleアカウントユーザーを共同編集者に設定できるため、連絡先を共有する際にも役立つ。
(出所:Microsoft OneNote公式Webサイト)
テキストメモや手書きメモ、画像などを保存・編集できるデジタルノートブック。同社が提供するスキャンアプリ「Office Lens」と併用することで、名刺管理アプリとして機能する。
「Office Lens」には、「名刺撮影モード」が搭載されており、OCR機能によって名刺から連絡先情報を抽出して、スマホの連絡先やOneNoteに保存できる。OneNoteには、公式の「簡単名刺管理ノート」テンプレートが用意されており、顔写真や連絡先といった情報を追加できるようになる。加えて、企業・業界・部署といった分類ができるセクション設定のほか、ノートブックの共有機能も搭載。
(出所:Adobe Scan公式Webサイト)
スマホカメラで撮影した書類をPDF化できるスキャンツール。書類やフォーム、ホワイトボード、名刺など、スキャンする被写体に応じたキャプチャモードを用意している。
まず、アプリを開くと自動でカメラが起動。名刺を撮影すると、AIによって余計なノイズを除去された高品質のPDFデータが、Adobeのクラウドストレージに保存される仕組みだ。OCR機能が搭載されているため、名刺の情報をテキストとして認識したうえで、テキストのコピーや検索が可能なPDFファイルとして保存される。更に、名刺から取得した情報を、スマホの連絡先に自動保存することもできる。
(出所:Eight公式Webサイト)
名刺を撮影するだけで、スピーディーかつ正確にデータ化できるアプリ。名刺の登録枚数に制限がなく、期間も無制限で利用できる。
Eightユーザー同士であれば、スマホをかざすだけでデジタル名刺を交換できる「タッチ名刺交換」機能を搭載。加えて、昇進・異動・転職に伴う名刺変更があった際には、情報が自動更新されるほか通知が届くため、相手の近況を把握するのにも役立つ。また、ユーザー同士でメッセージのやり取りができるなど、営業強化につながる機能も備える。
名刺情報の両面登録や名刺データのダウンロードなどが使える有料版「プレミアム」も用意。
(出所:myBridge公式Webサイト)
撮影するだけで名刺を正確にデータ化し、名刺管理を効率化するアプリ。「共有名刺帳」でデジタル化された名刺を社内メンバーとシェアし、共同で管理できる。メンバーそれぞれの名刺をまとめることで顧客DB(データベース)を構築するのに役立つ。
スマホで撮影した名刺情報は、OCR技術と人の手による作業で正確にデータ化。登録後は、名前・会社名・部署・役職などのキーワードで検索できる。また、URLを送るだけで名刺情報を届けられる「オンライン名刺」機能も備える。無料の「ベーシック」プランの場合、共有できる名刺数は100枚まで。
有料プラン「プレミアム」と「プレミアムプラス」では、ExcelやCSVファイルの出力に対応するほか、登録数無制限で共有名刺帳を使える。
(出所:Wantedly People公式Webサイト)
400万人以上が使っている人脈・名刺アプリ。一度の撮影で最大10枚の名刺を読み込め、OCR技術で瞬時に名刺をデータ化する。ビジネスSNS「Wantedly」のプロフィールと連動しており、職歴や会社のURL、実績なども掲載可能。また、プロフィールのURLをシェアするだけで、オンラインの名刺としても活用できる。名刺データから、相手に関する情報を検索できる、プロフィール更新に対して「いいね」を送れるなど、コミュニケーション機能が充実しているのが特徴だ。
有料プランの「People Premium」に加入すると、名刺読み取り後の広告を非表示にできるほか、CSVダウンロードが可能になる。
(出所:名刺ファイリングCLOUD公式Webサイト)
OCR専門メーカーならではの高性能OCRで、入手した名刺を瞬時にデータ化する管理サービス。スマホをかざすと自動で名刺を撮影し、OCR処理後にデータを登録。名刺100枚までなら無料で登録できる。
登録した名刺データをもとに、キーワード検索や電話発信やメールのワンタッチ起動が可能に。加えて、訪問履歴やメモの登録など、営業活動をサポートする機能が充実している。
有料プランとして、名刺登録枚数上限別に「Standard」「Pro」や、Windowsパソコン用のアプリなどを用意。複数ライセンス契約をすれば、ユーザーごとに権限設定をしたうえで、名刺情報を「全社」「部」「課」レベルで共有することもできる。
(出所:CAMCARD公式Webサイト)
日本語、英語、中国語など16言語の認識に対応する名刺管理ソリューション。名刺のスキャン・交換・管理・共有に対応しており、全世界1億人以上が利用している。スキャンした名刺には、OCR技術で読み取った情報が付与されるほか、タグやメモの追加が可能。検索や並び替えにも対応しており、目当ての情報にスムーズにたどり着ける。
法人向けの有料サービスとして「CAMCARD BUSINESS」を提供。権限設定をしたうえでの名刺情報共有や、スキャナでの一括読み込み、商談情報の登録、メルマガ配信といった高度な機能が利用できる。
(出所:名刺マネージャー公式Webサイト)
撮影した名刺データをiCloudに自動バックアップするAppleデバイス向け名刺管理アプリ。iOS 15.0以降のiPhoneや、iPadOS 15.0以降のiPadなどで利用でき、登録データはAppleデバイス間で自動同期される。
英語、日本語、フランス語をはじめとする14言語の文字認識に対応。
無料版では名刺10枚までしか保存できないが、月額300円のPro版であれば、名刺の保存枚数は無制限。加えて、ExcelやCSV形式でのエクスポート、ユーザー間の共有、複数枚の名刺読み込みといった高度な機能を利用できる。
スマホのカメラなどで撮影した名刺をデジタル保存する名刺管理アプリ。紙の名刺とは違って、物理的な保管場所が不要なうえ、検索性にも優れています。
無料で使えるサービスは、制限の有無・使用条件に応じて、大きく以下の3タイプに分けられます
名刺の枚数が多い人は登録枚数無制限のタイプ、将来的に有料版を検討している人はトライアルとして多言語・多機能のタイプがおすすめです。また、GoogleアカウントやMicrosoftアカウント、Adobe IDを持っている場合は、ひと手間かかるものの、それぞれのメモツール、スキャンツールで名刺を管理するのも一手です。
本記事を参考に、利用シーンや目的に合わせて、無料で使える名刺アプリ、サービスの利用を検討してみてください。
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