レジ会計の効率化のため、クリニック向けPOSレジの導入を検討している医療機関の方へ。クリニック向けPOSレジの機能やタイプと選び方、比較のポイントなどとともに、おすすめのクリニック向けPOSレジを紹介します。
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クリニック向けPOSレジとは、POSレジ機能に加えて、クリニック・小規模病院における受付・会計業務を効率化する機能を備えるシステムです。
電子カルテやレセプトコンピューター（レセコン）との連携、会計待ち患者の一覧表示など、クリニック特有の会計作業を効率化する機能を搭載。キャッシュレス決済やセミセルフ会計に対応するシステムもあり、待機時間の削減や会計・受付業務の負担軽減といった導入メリットが期待できます。
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クリニック向けPOSレジの主な機能を以下にまとめました。以下は、汎用的なPOSレジシステムと共通する機能です。
| レジ機能 | 「保険適用」「自費診療」「物販」といった売上項目の登録、決済、レシート発行などの基本的な会計処理を行う機能。また、多くのPOSレジはキャッシュレス決済に対応している ※別途、手数料や端末購入費が必要 |
|---|---|
| 売上管理 | 日次・月次の売上集計や、売上項目別の売上分析などを行う機能。複数拠点における売上の一元管理に対応するPOSレジも |
| 商品登録 | 標品の値段やバリエーション、税率などを登録する機能。バーコードに商品価格を設定する「NON-PLUバーコード」に対応するPOSレジも |
| 顧客管理機能 | 顧客の名前や電話番号、メモなどを登録・管理する機能 |
| 外部機器との連携 | 外部機器と連携する機能。領収書・明細を発行するレシートプリンター、レセコンの請求内容等を読み取るバーコードリーダー、金銭の授受による感染リスクを防ぐ自動釣銭機などに対応 |
| 外部システムとの連携 | CRMや会計ソフト、経営管理システムといった、外部システムとの連携に対応。レジ業務以外の効率化に有用だ |
以下はクリニック・小規模病院に特有の業務領域に対応する機能です。
| レセコン・電子カルテとの連携 | レセコン・電子カルテと連携して、請求内容をPOSレジに反映する機能。レセコン・電子カルテのデータをPOSレジに送信するタイプのほか、レセコン・電子カルテが出力したバーコードをPOS端末で読み取るタイプがある |
|---|---|
| 患者と請求情報の紐づけ | レセコンやその他医療システムとの連携により、患者情報と請求内容を紐づけ・管理。保険証忘れへの対応や後述の未収金管理など、患者の事情に応じたイレギュラーな会計処理も容易に |
| 未収金の管理 | 患者ごとに未収金情報を管理する機能。次回会計時に未収金を表示して、回収忘れを防止する |
| 複数患者(家族)をまとめた 会計 |
親子や兄弟などで来院した場合に、まとめて会計を行う機能 |
なお、上記のほかに在庫管理や予約管理（再来受付）といった機能も搭載されてますが、多くの場合は小売業やサービス業などでの運用を想定した機能です。そのため、医療機関向けの在庫・予約管理には、専用システムが必要となります。専用の医薬品在庫管理システム、診療予約システムを検討される方は以下の記事をご参照ください。
クリニック向けPOSレジは、会計方法によって以下の3タイプに分けられます。
iPadまたはAndroidのタブレット端末で利用するPOSレジ。専用端末と比べて低コストかつ省スペースで導入できます。また、移動しづらい患者のところも端末を持っていき、その場で決済することも可能です。
たとえば「ユビレジ」は、外にも持ち運べるため、発熱外来などの屋外診療でも活用できます。更に、予防接種や保険診療、健康診断など細かな売上項目の登録も可能。
スタッフが支払い金額を確定したのちに、患者が自動精算機を使って支払いを行うタイプ。精算にかかる手間・時間の削減に加えて、直接的な金銭の授受を避けることで感染リスクの低減も図れます。
たとえば「ライブレジ」は、「対面式」「リレー式」「独立式」３種類のセミセルフレジを提供。レジから独立した精算機で患者が精算を行う「独立式」を選べば、レセコンと連携した完全セルフ精算も可能に。
セミセルフレジに加えて、自動精算機との連動にも対応しているタイプ。患者自身で支払いを完結させられるため、スタッフによる会計案内も不要。スタッフの負担軽減や、会計の待ち時間短縮に寄与します。
たとえば「ハヤレジ」は、卓上またはスタンド型の自動精算機が利用可能。請求情報の読み込み、会計、領収書・お薬引換券の発行まで簡単操作で進められ、スピーディーに精算を済ませられます。
クリニック向けPOSレジを具体的に比較する際は、以下の4つのポイントに留意してください。
電子カルテ・レセコンと連携すれば、計算した請求内容が自動的にPOSレジに反映されるので、会計業務がスムーズになります。ただし、連携先が限定されているサービスもあるため、自院で利用している電子カルテ・レセコンとの連携可否を確認しておきましょう。
たとえば「スマレジ」は、日本医師会が提供している「日医標準レセプトソフト ORCA」をはじめ、「MRN」「BrainBox V Ⅲ」といった電子カルテ・レセコンとの連携に対応。「ハヤレジ」は多数の電子カルテ・レセコンとの連携実績を持つほか、必要に応じて連携機能の開発に対応しています。
電子カルテ・レセコンとの連携に対応していない場合、レセコンで出力した診療明細書に印字されているバーコードをPOSレジ側で読み取って、会計情報に反映できると便利です。
「Airレジ」や「スマレジ」は、バーコードそのものに金額情報を含むNON-PLUバーコードの読み取りに対応。レセコンが出力した診療報酬の精算ができます。
クリニック向けPOSレジの料金体系は、月額（年額）課金タイプと買い切りタイプに大別できます。月額制の場合、導入時にタブレットや自動釣銭機、決済端末などを購入して、POSレジアプリの月額（年額）利用料を支払うという仕組みです。一方で買い切りタイプは導入費用がかかるものの、長期的に利用する場合にはコストを抑えやすい傾向があります。
たとえば「ライブレジ」は、端末・アプリを買い切りで提供（年間保守費用を除く）。POS端末・アプリに、自動釣銭機や周辺機器を含めた「医療機関向けセルフ精算パッケージ（Ａ）」は、117万9,500円で購入できます。「ビジコム」も端末のメーカー別に買い切りのパッケージを提供。「富士電機 クリニックセット」は96万円で購入できます。
また、「REGIX」は月額料金に機器代金を含めた定額課金サービスを提供。5年間の利用契約が必要となりますが、「ベーシックプラン」であれば1セットあたり月額30,000円で利用できます。
クリニックや病院では、保険証や所持金の未所持により発生する未収金の管理や、家族まとめての同時精算といったイレギュラーな会計処理への対応も必要です。
「PayCAS POS for クリニック」や「レセPOS」は、未収金の管理や家族まとめての会計に対応。支払い忘れの防止に寄与します。
また「Clinic POS」は返金処理に対応しているので、保険証未所持で全額自費支払いをした患者に、再訪時に返金するといったケースで役立ちます。
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（出所：スマレジ公式Webサイト）
高機能かつシンプルな使用感が特徴の汎用型クラウドPOSレジ。非課税処理が可能なため、クリニックでの利用にも向いている。「日医標準レセプトソフト ORCA」をはじめ多数の電子カルテ・レセコンとのAPI連携に対応。保険別の会計金額、患者の基本情報をPOSレジに反映して、会計業務を効率化する。加えて、別売の自動釣銭機と連動すれば、セミセルフレジとしても利用できる。
また、専用のアプリマーケットで自由に機能を追加・拡張できるのも特徴。クリニック・薬局で役立つ機能として、予約管理やLINEミニアプリ連携などが用意されている。
（出所：ユビレジ公式Webサイト）
直感的に操作できるUIと、業種別に充実した機能を備えるiPad POSレジ。「日医標準レセプトソフト ORCA」との連携に対応。省スペースかつ持ち運び用途に優れているため、移動が困難な患者のそばで会計を行うといった使い方も可能だ。
日々の会計業務を効率化するためのレジ機能を豊富に搭載。返金や取り消しなどのイレギュラーな会計処理にもシステム上で対応でき、窓口対応をスムーズにする。また、検診や予防接種など、メニューごとの売上集計を自動化できるほか、複数レジの会計データをクラウド上で合算。経理の負担軽減や経営分析の高度化などに貢献する。
（出所：Airレジ公式Webサイト）
基本のレジ機能に加えて、キャッシュレス決済への対応や売上管理・分析、会計ソフトとの連携といった豊富な機能を備えた無料POSレジアプリ。別途バーコードリーダーを購入すれば、レセコンから出力されたNON-PLUバーコードを読み取って、請求内容をPOSレジに連携できるようになる。非課税会計にも対応できるため、クリニック向けの効率的な運用が可能だ。シンプルな操作性で、レジ業務の負担軽減、患者の待ち時間の削減に貢献する。また、在庫管理や棚卸機能が充実しており、薬局での利用にも向いている。
キャッシュレス決済サービス「Airペイ」や外部の会計ソフトなど、外部システムとの連携オプションも豊富。幅広いバックオフィス業務まで一元管理できる。
（出所：ビジコム セミセルフレジ公式Webサイト）
クリニックから総合病院まで、様々な医療機関の会計業務を効率化するPOSレジシステム。タッチパネルPCとバーコードリーダー、POSソフト、自動釣銭機をセットで提供。レセコンから出力されたバーコードの読み取りに対応し、手入力の手間を削減する。
歯科医院や動物病院のように業態特有の仕様を持つレセコンや、調剤薬局向け仕様「NSIPS®」データとの連携にも対応する。また、日々の業務で扱いやすさを重視したハードウェアも魅力。自動釣銭機は釣銭補充の頻度を少なくする循環式で、レジ締め作業の負担を軽減する。加えて、釣銭不足や満杯の際にはPOSレジ画面にアラートを表示するなど、運用をスムーズにするための機能がそろう。
（出所：REGIX公式Webサイト）
現金処理技術の領域において、国内外で高いシェアを有する同社が提供するPOSレジ。最新の決済事情に合わせたアップデートや、正確性の高い現金処理に強みを持つ。自動釣銭機が一体となった多機能レジで、レセコンとのバーコード連携にも対応。対面でのセミセルフレジ運用を実現する。
画角の大きい両面タッチパネルや操作ガイドランプ、釣銭取り忘れアラートなど、スタッフの操作ミスを防止する機能が充実。また、システム上での日別売上の確認や、集計結果のレシート出力ができるため、締め作業の負担軽減に役立つ。スタッフごとにレジ操作範囲の権限を設定できるため、セキュリティ面も安心だ。
（出所：ライブレジ公式Webサイト）
「わかりやすく使いやすい」がコンセプトの多業種向けPOSレジ。飲食店やアパレル、美容院、時間貸し店舗などに対応しているほか、病院・クリニック、薬局向けパッケージを用意。NON-PLUバーコードの読み取りによるレセコン連携や、セルフ清算機能を提供している。
セミセルフレジは、「対面式」「リレー式」「独立式」の3種類の清算方式に対応。導入端末やスペースに応じた運用方式を採用できる。導入プランはサブスクリプションのほかに、買い切りプラン、リースプランなどを用意。医療機関向けには、自動釣銭機との連携などセルフ精算運用に特化した「レセコン連携セルフレジ 導入パッケージ」を提供している。
（出所：PayCAS POS for クリニック公式Webサイト）
クリニック向けに特化した、レセコン連動型POSレジシステム。連携している電子カルテやレセコンから会計データを呼び出して、決済を行える。未連携の電子カルテ・レセコンでも、バーコード読み取りで会計を自動化できる。
その他、会計待ち患者の一覧表示や、家族まとめての会計、未収金の管理など、クリニックの窓口業務に役立つ機能を豊富に搭載。加えて、物販商品の在庫管理や、キャッシュレスブランド別の売上分析など、経営面を支援する機能も充実している。同社が提供するマルチ決済サービス「PayCAS」と別途契約することで、多彩なブランドのキャッシュレス決済に対応できる。
（出所：ハヤレジ公式Webサイト）
会計待ちや締め作業の負担を軽減し、違算をゼロにする医科・歯科・調剤専用POSレジ。電子カルテ・レセコンとのデータ連携に加え、バーコード読み取りにも対応する。
セミセルフ方式に対応する「ハヤレジ」、患者自身で清算が完結する卓上型の自動精算機「ハヤレジセルフ」、自立型の自動精算機「ハヤレジスタンド」を提供。自動精算機には、電子カルテと連携した再来受付機能も追加可能（オプション）。また、ハヤレジからハヤレジセルフ・ハヤレジスタンドへのアップグレードや、製品を組み合わせ運用にも対応しているため、段階的な導入にも向いている。
（出所：レセPOS公式Webサイト）
正確かつ効率的な会計処理を実現する、クリニック・病院特化型の自動精算機・POSレジ。医療会計独特の会計用語や経理フローなどに対応しているため、スタッフへの負担を最低限に抑えながら、業務の効率化・IT化を進められる。
電子カルテ・レセコンはもちろん、会計ソフトとも強力なデータ連携に対応。窓口の会計からバックオフィスの経理まで効率化する。また、導入前・導入後のいずれにおいても、システム追加などのカスタマイズに柔軟に対応。既存の書式に合わせた帳票の出力、担当者別の売上集計など、個別の事情に合った機能を提供する。
（出所：Clinic POS公式Webサイト）
医療機関の多様なニーズに応える、医事会計データ連動型POSシステム。クリニックや小規模病院のニーズに合ったサイズ感で、レジ会計の効率化に貢献する。
様々な電子カルテ・レセコンとのデータ連携に対応し、クラウド型も含め、数十社との連携実績を持つ。医療機関特有の要件にも対応しており、「診察券番号をベースにした請求データの取得」「返金処理の対応」「自費診療への対応」なども可能だ。また、売上のみの回収や釣銭機内の現金回収といった柔軟な締め作業を行えるなど、日々の窓口業務を効率化する機能も備える。また、オプションにより、キャッシュレス端末との連携や再来受付といった機能も追加できる。
クリニック向けPOSレジを導入すれば、電子カルテ・レセコンとの連携により、窓口のレジ会計を効率化・省力化できます。
クリニック向けPOSレジには、対応端末により「タブレット対応型」「セミセルフレジ対応型」「自動精算機・セミセルフレジ対応型」といったタイプに分けられます。これらのタイプ分けに加えて、「電子カルテ・レセコン連携の対応範囲」「バーコード読み取りへの対応可否」「料金体系」「支払方法の対応範囲」といったポイントに留意しながら、比較・検討を進めましょう。
クリニック向けPOSレジを導入することで、スタッフの窓口業務の負担を軽減できるとともに、待機時間の減少により患者の満足度向上も期待できます。本記事を参考に、ぜひクリニック向けPOSレジの導入を検討してみてください。
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