AWSを使ってサーバー運用をしているが、請求処理が大変で代行サービスを利用したいと考えている情シス(インフラ)部門の方へ。AWS請求代行サービスについて、タイプや選び方、比較のポイントとともに、おすすめのサービスを紹介します。
AWS請求代行サービスとは、AWS(Amazon Web Services)の利用料金の請求処理を代行し、支払いの利便性を向上させるサービスです。AWSリセールやAWS支払い代行とも呼ばれます。支払い業務の効率化だけでなく、技術支援やセキュリティサポートなども提供し、AWS全体の運用最適化が図れるサービスも多くあります。
AWS請求代行サービスの提供会社は、AWSパートナーとして登録されており、その本業はSIerや技術コンサルタント、電気通信事業など様々。パートナー値引きや、大量契約によるボリュームディスカウントを受けることで、通常より安価にAWSのサービスを購入できます。そのため、AWSを直接契約するよりも、代行サービス会社(パートナー)と契約したほうが安価にAWSを使えるようになるのです。加えて、以下のようなメリットも得られます。
また、以下のようなメリットを得られるサービスもあります。
サービスによって異なりますが、AWS請求代行サービスの主な提供内容は以下の通りです。
請求管理 | 米ドル建てのクレジットカード払いではなく、「円建て」の「請求書払い」が可能。サービスによっては、月末締め・翌月払いなどの柔軟な支払いスケジュールに対応する。複数アカウントの請求の一本化ができる場合も |
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コスト最適化の支援 | 割引が適用され、AWSと直接契約するよりも低コストで利用できる場合が多い。サービスごとの利用明細を可視化したり、コスト分析をサポートしたりするサービスも |
技術サポートの提供 | 独自の技術サポートや、AWS公式サポートを提供。AWSの設計相談やパフォーマンスの改善提案などを提供するサービスも |
セキュリティ強化の支援 | アクセス管理の最適化や脆弱性診断などを行う。また、トラブル発生時には、原因調査や対策支援を提供する。「AWSクラウド保険」を提供するサービスも多い |
運用管理(監視) | システムの監視や障害対応を行う。24時間365日の監視を提供するサービスも |
AWS請求代行サービスは、提供サービスの内容によって以下の4タイプに分けられます。まずは自社のAWS利用状況などと照らし合わせて、最適なタイプを選びましょう。
パートナーがAWSを大口で契約することで、割引率を高く設定しているタイプ。コスト抑制に重きを置いている場合は、こちらのタイプがおすすめです。
たとえば、クラスメソッド株式会社の「AWS請求代行」は、どのサービスも7%引きになるプランを用意。AWS運用自動化ツールが無料で利用できるうえ、セキュアアカウントの提供・セキュア設定の自動更新とったセキュリティ対策も無償で提供しています。ただし、自社でAWSアカウントを発行・管理できる「AWS Organizagtions」を利用する場合は、割引率が4%になるので注意が必要です。
また「C-Chorus AWS請求代行サービス」には、全リージョン・サービスに10%の割引が適用されるプランがあります。リザーブドインスタンス・SavingsPlansの利用がある場合は8%割引のプランがおすすめです。
NRIネットコムの「AWS請求代行&AWSアカウント管理サービス」は、「AWS Organizations」利用時でも5%割引に。月額30,000円の組織管理料が別途必要となりますが、管理するAWSアカウントが多い場合に適しています。
AWSの技術的な問題に対するサポートに強みを持つタイプ。一般的には、AWSサービスの契約と同時に有償のAWSサポートプランに入ることが多いですが、AWS請求代行サービスの中には、無償または比較的安価な追加料金で、AWSサポートプランと同等のサービスを提供するものがあります。
たとえば、サーバーワークスの「AWS請求代行サービス」ガバナンスプランでは、追加料金なしでAWSエンタープライズサポート相当のサービスが受けられます。
また、アシストの「AWS請求代行サービス」では、24時間365日体制でエンジニアが対応するAWSビジネスプラン相当のサポートを、AWS利用料金の10%分の価格で利用できます。すべての質問に対して1時間以内に回答が得られるので安心です。
AWS運用管理のアウトソーシングも視野に入れている場合に適したタイプ。オプション料金を払うことで、運用管理を委託できます。
ARアドバンストテクノロジの「AWS請求代行サービス」は、顧客の希望や利用状況に合わせて運用監視を行うMSPサービスを用意。最大24時間365日の有人監視や、障害発生時の情報提供、障害対応、アカウント管理など、様々なメニューを提供しています。
セキュリティの検知や損害の補償など、セキュリティ対策に力を入れているタイプ。セキュリティ対策に詳しい社員がいない場合には、こちらのタイプがおすすめです。
「CloudCREW AWS請求代行サービス」では、初年度無料で「自動クラウドセキュリティ診断」が利用可能。「社内ポリシーや業界標準のコンプライアンス基準を満たしているか」といったリスクの診断や、リスクへの適切な修正などを行います。
上記のタイプに加えて以下の3ポイントに留意しながら、具体的なサービスの比較検討を進めてください。
多くのサービスにおいて、サービス提供者側がAWSのルート(全体の管理者)アカウントの所有・管理を行い、企業側は発行されたIAM(特定の権限を持ったユーザー)アカウントを利用することになります。セキュリティ上のルールや運用の利便性などの理由で、自社でルートアカウントを所有・管理したい場合は、対応したサービス(プラン)を選ぶことが必要です。
該当プランがあるサービスは以下のとおりです。
基本的には、サポートを得るには追加料金が必要ですが、無料で付帯するものも多くあります。サービス支援を重視する場合は、無償提供があるサービスがおすすめです。
該当プランがあるサービスは以下のとおりです。
アカウントの発行と同時に、セキュリティ設定が付与されるサービスがあります。たとえば、クラスメソッド株式会社の「AWS請求代行」では、AWS利用時に推奨されるセキュリティ設定が適用されたアカウントが発行されます。セキュリティ対策にかかる負荷を抑えたい場合には、セキュリティの事前設定に対応しているサービスがおすすめです。
以下のサービスも、基本的なセキュリティ設定を付与しています。
まずは、割引率に強みのあるAWS請求代行サービスを紹介します。
(出所:AWS請求代行公式Webサイト)
初期費用や月額手数料無料で、AWSの総合的な支援を行うサービス。円建て請求書払いや高品質なサポート、無償セキュリティ設定、AWSのボリュームディスカウントといったサービスを提供する。
コストを抑えて複数のAWSサービスが利用できる7%一律割引プランや、AWS Organizationsを利用できる4%割引の組織管理プランなど、クライアントの用途に合わせた3つのプランを用意。更に、24時間365日の無償技術サポートを提供する「AWSクラウド保険」や不正利用・障害発生時の復旧支援といったサービスも無料で付帯し、万が一のリスクにも対応する。
(出所:C-Chorus AWS請求代行サービス公式Webサイト)
国内最高水準である最大10%の割引と、24時間365日の無料AWS技術サポートを提供するAWS請求代行サービス。専用管理ポータル「Chorus Portal」により、AWSの利用状況やコストの可視化もできる。
また、AWSエンタープライズサポート相当の技術支援が無償で提供され、24時間365日のサポート体制を担保。更に、東京海上日動と提携したクラウド保険を標準付帯し、サイバーセキュリティ事故にも対応。AWS利用時のコスト削減と運用最適化を両立する。
(出所:JIG-SAW Prime公式Webサイト)
請求代行から技術解決、セキュリティ支援なども行う、包括的なサービス。AWS利用料は10%割引、リザーブドインスタンスやSavings Plansも5%割引で提供する。ただし、ルートアカウントを所有できる「JIG-SAW Prime Lite」プランは、割引対象外となる。
サイバーリスク保険を無料で標準付帯し、不正アクセスやセキュリティ事故に対応。更に、「ビジネスサポート」相当の技術サポートと、URI監視サービス(5FQDNまで)を無料で提供し、AWSの安定運用を支援する。更新作業などのシステム運用サポートや、クラウド環境の新規構築・移行サポートなど、オプションも充実。
(出所:AWS請求代行&AWSアカウント管理サービス公式Webサイト)
請求代行に加えて、コストダウンのためのコンサルティングやセキュリティ向上の支援を行うサービス。AWS利用料を一律5%割引するほか、Savings Plansの購入で最大72%の割引を実現する。コスト削減コンサルティングでは、年間の使用状況を分析し、最適なプランを無料で提案。請求書の発行は、部門・プロジェクトごとの利用実績に応じて柔軟に対応する。
セキュリティ設定済みの安全な新規アカウントを引き渡してくれるほか、既存アカウントに対しても実績に基づいたアドバイスを実施。最小限のコストで安全に運用できる仕組みを提供する。
次に、サポートに強みのあるAWS請求代行サービスを紹介します。
(出所:AWS請求代行サービス公式Webサイト)
提案から設計、構築、運用までワンストップの支援を行う請求代行サービス。大企業向けからスタートアップ向けまで、企業規模や利用状況に合わせて4つの請求代行プランを用意し、それぞれに必要なサポートを提供する。
たとえば、人気のガバナンスプランでは利用料を5%割引したうえで、AWSエンタープライズサポート相当の技術支援を無料で提供。更に、AWS運用自動化ツール「Cloud Automator」(年間178万円相当)を無料提供するほか、AWS OrganizationsやControl Towerも利用できる。導入後すぐ使えるように標準的な設計構築が完了したアカウントを提供するなど、安定したAWS環境の維持をサポートする。
(出所:SunnyPay公式Webサイト)
コスト削減に加え、手厚いサポートとリスク管理が充実したAWSリセールサービス。利用料の最大5%割引や、24時間365日体制でのAWSビジネスサポート、AWSインフラ保険の無料付帯といったサービスを提供。AWSの責任範囲の障害を補償し、予期せぬコスト負担を軽減する。
管理ポータル「SunnyView」では請求書のダウンロードができるほか、AWSの利用状況やコストの可視化、予算管理の効率化ができる。既存アカウントに関しても、同社へのROOTアカウントの譲渡は不要なので、データ移行などもなくそのまま利用できる点も魅力。
(出所:AWS請求代行サービス公式Webサイト)
パッケージソフトウェアのサポートにおいて約50年の実績を持つ同社が提供する、AWS請求代行サービス。手数料無料で、AWSの請求・運用・アカウント管理を支援する。
AWS利用料金の10%の月額料金で、AWSビジネスプラン相当のサポートサービスを提供。たとえば問い合わせには、24時間365日すべての質問に1時間以内で返答するための、トラブルを迅速に解決できる。また、AWS Organizationsが利用できるため、複数のAWSアカウントの一元管理も可能。CloudTrailやGuardDutyなどの基本セキュリティ設定を有効化したアカウントを引き渡し、セキュリティリスク低減にも寄与する。
(出所:AWS請求代行公式Webサイト)
アカウント管理などの基本支援に加え、AWS環境の最適化もフォローするサービス。AWSアカウントの発行・IAM(ユーザー)アカウントの管理・操作ログ管理を代行し、企業の運用負担を軽減する。
技術的な問い合わせや各種申請は、ポータルサイト「SKY-PORTAL」を通じて対応。AWS認定エンジニアが技術サポートを担当し、AWSのベストプラクティスに基づく改善提案やTrusted Advisorレポートを自動で提供。そのほか、AWS利用料金の閲覧ツール「Wave PRO」により利用料金の可視化やコスト分析など、AWS環境の最適化に向けた支援が充実している。
運用管理に強みのあるAWS請求代行サービスを紹介します。
(出所:AWS請求代行サービス公式Webサイト)
企画(調査・分析)から保守・運用まで、ワンストップの支援が強みのサービス。AWSアドバンストティアサービスパートナーとしての知見を活かした高度な支援を提供し、システムの最適化と安定した運用をサポートする。
AWS Well-Architected Frameworkに基づいたセキュリティ設定を標準適用し、リスクを最小限に抑える。サポートへの問い合せ代行も無料で提供。また、希望に合わせてAWSの運用監視(MSP)のアウトソースが可能。運用監視のみの契約や、他社で設計・構築されたAWS環境にも対応でき、使い勝手がいい。
(出所:AWS請求代行サービス公式Webサイト)
AWSの運用監視やアカウント管理まで、総合的にサポートするAWS請求代行サービス。請求代行やアカウント管理といった基本支援に加え、専用ポータルサイト内のチケットシステムを用いた迅速なコミュニケーションや、エンジニアによるWell-Architectedレビューなど、AWS環境の最適化に向けた4つの支援を提供する。
また、オプションのフルマネージドサービスと連携すれば、運用監視・保守やバックアップ管理にも対応。24時間365日、エンジニアが有人監視を行い、平日9〜17時の間はサーバー運用管理代行も担う。そのほか、専用管理画面で利用コストを可視化し、最適なコスト管理も実現する。
(出所:AWSリセールサービス公式Webサイト)
AWSのアカウント管理やサポート窓口の一元化に対応するAWSリセールサービス。ルートアカウントは同社がベストプラクティスに基づいて管理代行し、クライアントにはIAM(ユーザー)アカウントを提供するため、管理業務の負荷軽減に役立つ。更に、AWSサポート窓口を一本化し、問い合わせ対応や制限解除申請、オペレーションの代行などもまかせられる。
オプションとして、AWS導入へのサポートや、運用管理の代行にも対応。オペレーションや監視、障害時の個別対応をアウトソーシングすることで、運用負荷を軽減できる。
(出所:CloudCREW AWS請求代行サービス公式Webサイト)
最新のクラウドセキュリティ技術を活用することで、AWS環境全体のセキュリティ強化に寄与するAWS請求代行サービス。無料のサイバーリスク保険によって、AWSの障害やサイバーセキュリティ事故の損害を補償する。また、初年度には無料で自動クラウドセキュリティ診断を提供。AWS環境のリスクを検知する。更に、「クラウドポータル」では、契約者情報やお問い合わせ状況の照会なども一元管理でき、運用管理の負担軽減に役立つ。
AWS利用料金の割引率は5%。有料オプションを利用すれば、AWS監視・運用、AWS対応脆弱性診断といったサービスも利用可能だ。
AWS請求代行サービスは、アメリカの企業であるAWSとの直接契約ではなく、日本のパートナー企業を介することで、円建て・請求書払いでの請求代行を可能にするサービスです。更に、割引価格での契約や、技術サポートやセキュリティ対策など、様々なサービスが包括されていることが多く、管理負担の軽減も期待できます。
AWS請求代行サービスは、大きく以下の3つのタイプに分類されます。自社の利用状況を踏まえて、何に重点を置きたいかを明確にしておきましょう。
加えて、サービスの特徴となる以下の点に留意しながら比較すると、より選びやすくなります。
技術サポートの質・運用管理の範囲など、サービスによって異なる点が多いため、ポイントを整理しながら自社のAWS運用方針に合ったサービスを選んでみてください。
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