最終更新日:2024-04-23
安全かつ効率的に会社で使用している幅広いデータやシステムのバックアップ作業を行いたいと考えている企業のシステム部門の方へ。仮想サーバーにデータを保存する仕組み「クラウドバックアップ」の概要やタイプ、比較ポイント、おすすめのサービスをご紹介します。
クラウドバックアップとは、事業者が提供するクラウド上の仮想サーバーにデータを複製・保管することです。ファイルだけではなく、システム全体を網羅的にバックアップできます。
企業の安定した事業継続には、WordやExcelなどのファイル資料に留まらず、アプリケーション、ユーザーアカウント、ユーザー設定など、OSを含むシステム全体に至るまで、幅広いデータ(システム構成)の維持が不可欠です。
従来は「Arcserve Backup」「Backup Exec」などのソフトや「Windows Server」の機能を利用して、HDD・SSD、NASなどに定期的にバックアップするのが一般的でしたが、その場合、「工数・時間がかかる」「運用・体制維持にコストがかかる」「容量を逐次増やす必要がある」などの課題がありました。
このような課題解決に寄与するのが、クラウドバックアップサービスです。HDD・SSD、NASのように自社で設備を構築・運用する必要がないため、迅速に導入可能。初期投資や運用コストも抑えられます。容量増設なども管理画面からプラン変更するだけ。サーバー保守やメンテナンス不要なため、人的リソースの削減にも有効です。
「システム全体を網羅的にバックアップしたい」
→使えるクラウドバックアップ、BackStore、EASYクラウドバックアップなど
「ファイルだけバックアップできれば十分」
→AOSBOX Business PRO、コワークストレージなど
本記事では、クラウドバックアップの概要、メリット、タイプと選び方、比較ポイントなどをおすすめのサービスを交えながらご紹介します。
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こちらでは、法人向けクラウドバックアップを導入した際のメリットについて、5つに分けて詳しくご紹介します。
大半のクラウドバックアップは、エージェントソフトをインストールし、「いつ、どの範囲をバックアップするか」などを設定するだけで、自動でバックアップ可能。進捗はWebコンソール管理画面で確認でき、何かあればアラートで知らせてくれます。従来のようにバックアップ作業中にずっと張り付き、エラーのたびに対処するといった必要がなくなるため、ほぼ人手も要しません。
近年、従業員が社外で働く機会が多くなりました。モバイルPC内のファイルやクラウドストレージ上の保存データは、従来の手法ではバックアップが困難でした。しかし、クラウドバックアップなら、様々な端末を保護できるようになります(サービスによる)。
クラウドバックアップのサーバーは事業者管轄のため、自社で設置・運用する必要がありません。もちろんサービスの機能・容量に対する料金は発生しますが、自社でバックアップ専用サーバーやNASを設置・維持するのと比べて安価なケースが多いです。
クラウドバックアップは、遠隔地にあるデータセンターをバックアップ先として選べます。データセンターのほとんどは、自家発電などの対策・設備が充実しており、堅牢なセキュリティで保護されているため、災害時の被害の懸念を軽減できます。なかには、国内だけでなく国外にデータセンターを設置しているサービスも。複数のバックアップ先を設定することでリスク分散も可能です。
感染したコンピューターをロックしたり、不正にファイルを暗号化したりするランサムウェアは、同一ネットワーク上にあるデバイスや物理的に接続したデバイスのデータすべてに被害を及ぼします。従って、残念ながらNASや外付けHDDは対抗策にはなりえません。その点、共有機能のないバックアップ専用クラウドであれば、ユーザー側にクラウド上のファイルに書き込む権限がないため、バックアップファイルを守り抜けます。
クラウドバックアップは、大きく2つのタイプに分類できます。それぞれの特徴は以下の通りです。
ファイルだけではなく、アプリケーション、ユーザーアカウント、ユーザー設定など、OSを含むシステム全体を網羅的にバックアップできるタイプです。仮に企業が特殊なアプリケーションやデータベース、基幹システムなどを運用している場合、ファイルだけ保護・復元できても意味がありません。このタイプなら、復元の際に1からアプリをインストールしたり、データベースを構築したり、設定したりする手間を省けます。
たとえば、「使えるクラウドバックアップ」は、PCやサーバーのデータを丸ごと同社のデータセンターへ保存できます。オプションのDR機能をあわせて利用することで、障害発生時にはボタンひとつでバックアップデータからクラウド上の仮想マシンへ瞬時に切り替え可能。システムのダウンタイムを最小限に留められます。
「ワイドネット」は、バックアップの対象を「システムイメージ」もしくは「ファイルとフォルダー」から選択できます。故障によりHDDやSSDの入れ替えを行った場合なども、イメージバックアップを利用して簡単に復元可能です。
「汎用性の高いOSやアプリ中心で復元が容易」「NASなどほかのバックアップで補完している」「クラウドでは特定のファイルのみ効率的にバックアップしたい」という場合におすすめのタイプです。たとえば、「Excelの顧客管理情報だけ保護したい」「テレワーク中の従業員のPCのローカルファイルだけクラウドに自動バックアップしたい」というときに効率的です。
たとえば、「コワークストレージ」は、フォルダの階層ごとにアクセス権を設定可能で、企業ごとのセキュリティ要件に合わせて柔軟にアクセス権を設定することができます。
「Dropbox」「Box」「Google ドライブ」などのクラウドストレージを使っている企業も少なくありません。基本的にはデータの共有を目的としたサービスですが、データのバックアップ先としても利用できます。
ただし、可能なのはファイルのバックアップだけで、システムのイメージバックアップまではできません。また、運用管理者は以下のような注意が必要です(いずれもサービスによって異なります)。
こうした注意点を踏まえると、ある程度はバックアップツールとしての役割を果たせるものの、バックアップに特化したサービスの機能の手厚さには及ばないと言えるでしょう。
自社での利用に適しているのは、「イメージバックアップ対応型」「ファイルバックアップのみ対応型」のどちらなのかを確認したうえで、具体的なサービスを絞り込む際に重視したい5つの比較検討ポイントを見ていきましょう。
地震など万一の自然災害発生時に、速やかにBCP対策を取れるかを確認しましょう。「東日本と西日本に複数のバックアップ先を用意しているか」「システムの設備や装置に予備を設けているか」などのチェックは必須。「使えるクラウドバックアップ」のようにバックアップ先を日本、シンガポール、インドネシアの3拠点のデータセンターから選べるサービスも存在します。
クラウドバックアップの際に、変更の必要がない部分まで上書きすると、限られたストレージ容量やネットワーク帯域幅の無駄使いに。「重複排除機能」があれば、そうした無駄を防げます。同一データを一度だけ保存することで、記憶領域を最小限に抑えられます。「BackStore」の場合、重複排除後、実際にクラウドに保存された容量をベースに課金されるので、コスト削減にもつながります。
ほとんどアクセスされる見込みのないデータを圧縮して保存することで、ストレージ容量を節約することを「コールドストレージ」と呼びます。たとえば、「AOSBOX Business PRO」はこの機能により、従来のオンラインストレージに比べ、低コストでクラウドデータ保存を可能にします。
ファイルを誤って削除・上書きした場合も、バックアップから以前のファイルを速やかに復元可能です。この場合、ファイルを何世代前まで復元できるかが重要になってきます。たとえば、「USEN GATE 02 クラウドバックアップサービス」は世代無制限で復元可能。また、「先月のこの時の、このファイルがほしい」となった場合など、管理者だけではなく従業員にも権限を委譲して復元できると便利です。
「DirectCloud」のようにバックアップと同時に、クラウドストレージとしてファイル共有のために普段使いできるサービスもあります。このような場合は、複数ユーザーで同時編集ができたり、ファイルを編集すると自動で参加ユーザーに通知メールが届いたり、コラボレーション機能が備わっていると使い勝手が良いでしょう。
こちらでは、ファイルからシステムまで網羅的にバックアップできる「イメージバックアップ対応型」のサービスを5つご紹介します。
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(出所:使えるクラウドバックアップ公式Webサイト)
次世代データ保護におけるグローバルリーダーであるアクロニス社の「Acronis Cloud Backup」をベースとしたサービス。
ファイル・フォルダのみならず、アプリケーション、ユーザーアカウント、ユーザー設定など、OSを含むシステム全体を丸ごとバックアップし、短時間で全データをクラウド・ローカル双方に復元できる。
ISO27001(ISMS)認定の万全なセキュリティ対策に加え、ネットワーク冗長化、自家発電設備など、データセンター運用歴20年以上の経験とノウハウを活かし、セキュリティポリシーは最高基準。バックアップ先は日本(長野)、シンガポール、インドネシアの3拠点から選択でき、複数箇所へのデータ保存も可能。
オプションで、故障や災害、不正アクセスなどの障害発生時にバックアップイメージからクラウドの仮想マシンへ瞬時に切り替えられる「BCP対策ディザスタリカバリー」も備える。
(出所:BackStore公式Webサイト)
全自動クラウドバックアップにより、不正や改ざん、自然災害などから重要なデータ資を保護するサービス。国内 1,700 社以上へのバックアップ導入・運用実績を持つ。
物理や仮想、DBサーバー、PC、クラウドアプリなど、あらゆる環境に対応。Web上で「いつ、どこの、何をバックアップするか」を設定後、ソフトをインストールするだけで、初回設定が最短10分で完了。専用機器や回線の設定・構築や日々の手作業も不要で、自動でバックアップされる。
「全国に無数の拠点がある」「多くの従業員がテレワークしている」「仮想・物理サーバー、DB、クラウドなど環境がバラバラ」といった場合も、効率的なバックアップが可能。高度な重複排除機能により、仮に全社員の PC とサーバーをバックアップしても、クラウドへの転送は最小限に抑えられる。
(出所:EASYクラウドバックアップ公式Webサイト)
世界シェア最大級のイメージバックアップ「Acronis Cloud Backup」のエンジンを使ったクラウド型バックアップサービス。
ファイル単位でのバックアップはもちろん、アプリケーションやユーザーアカウント、OS丸ごとなど、様々なバックアップ形式に対応可能。初回のフルバックアップ後は、変更分のみをバックアップして帯域や容量を節約できる(重複排除機能)。
低コストで運用負荷の少ないバックアップサービスを導入したい企業におすすめ。同社のマルウェア感染早期発見サービス「EISS(アイズ)」との併用により、サイバー攻撃の際の被害軽減策としても活用できる。
(出所:ワイドネット公式Webサイト)
群馬県に自社データセンターを20年近く運営する同社が提供するクラウドバックアップサービス。
最初にバックアップ箇所やスケジュールを指定すれば、後の処理は完全自動化。バックアップの対象は「システムイメージ」or「ファイルとフォルダー」から選択でき、前者なら、ファイルに限らず、アプリ、ファイル、ユーザーアカウント、各種設定、OSを含むシステムイメージ全体を一気にバックアップ。ハード故障に備えて、完全なシステムイメージから要件を満たしたハードウェアに復元できる。
ISO27001(ISMS)取得に基づく万全なセキュリティ対策に加え、その取得実績を活かした情報資産管理のアドバイスも実施。そのほか、トラブルの解決から講習まで、担当者の顔が見える徹底したサポート体制も魅力。
(出所:USEN GATE 02 クラウドバックアップサービス公式Webサイト)
物理サーバー、仮想マシン、PC、アプリケーション、モバイルなど、あらゆるシステム環境に応じてカスタマイズ可能なデータバックアップサービス。
イメージバックアップとファイルバックアップ、双方に対応。バックアップ対象となるPCの利用台数も、バージョン管理も世代も無制限。いざという時は、バックアップ元にブロック単位で丸ごと復元できるだけでなく、異なるメーカーや機種のハードウェアへの復元、仮想マシンへの復元・移行、IaaSクラウドへの復元・移行も可能。
料金はバックアップしたいデータの契約容量(10GB〜8TB)に応じた従量課金のため、スタートアップなど、今後成長が見込まれる企業におすすめ。
こちらでは、ファイルの保管に特化した「ファイルバックアップのみ対応型」のサービスを4つご紹介します。
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(出所:AOSBOX Business PRO公式Webサイト)
法人導入実績8,000社超。ファイル単位でデータ管理・保護できるクラウドバックアップサービス。あらゆるデバイスのデータをクラウド上にバックアップし、セキュアな環境で共有できるクラウドサービス。軍事レベルの暗号化技術AES-256で、データ暗号化を3重に施すことで、堅牢なセキュリティを実現。2段階認証や監査(ログ)機能も搭載している。
ユーザー数もサーバー台数も無制限で利用できるのが特徴。1契約で全社員分のバックアップが可能で、サーバー増設時や複数拠点のサーバーバックアップもスムーズに対応できる。
料金プランは、復元速度が速い「通常ストレージプラン」と、大量データを安価で長期保存するのに適した「コールドストレージプラン」から選べる。
(出所:コワークストレージ公式Webサイト)
累計27,000販売を突破。強固なセキュリティ機能により、どこからでも安全に社内データが利用できるクラウドストレージサービス。クラウド上のファイルをローカルファイルのように扱える「使いやすさ」が魅力。
フォルダは「社内共有」「個人」「外部共有」と、用途によって使い分けられ、URLリンクによるファイル共有、社外とのフォルダ共有といった、会社や組織間をまたいだやりとりもスムーズに。
オプションの「コワークストレージプラス」の追加により、従来電話やメールで行っていた業務フローをコワークストレージ上で完結できる「ドキュメントレビュー機能」、保存したファイルをAIが自動整理する「スマートフォルダ機能」を利用可能。業務時間やコストの大幅軽減に寄与し、更なる業務効率化を実現する。
(出所:DirectCloud公式Webサイト)
社内外との安全なファイル共有・共同作業を実現する、ユーザー数無制限の法人向けクラウドストレージ。
バックアップをとりつつ、ファイルサーバーとしても普段使いできるのが特徴。専用アプリケーション「DirectCloudドライブ」のインストールにより、エクスプローラーやFinderでクラウドに格納しているファイル・フォルダをPC上のファイル・フォルダ同様に操作できるように。
複数人のアクセスによる「オンライン編集」や、複数人からアクセスされるファイルのデータの整合性を保証する「排他制御」といったコラボレーション機能を持つため、単にバックアップとしてではなく、組織全体の業務効率化も期待できる。NAS、ファイルサーバーからの移行にもおすすめ。
なお、法人でも利用できそうなセキュリティを備えたクラウドストレージは、以下の記事でご紹介しています。参考にしてください。
法人向けクラウドバックアップとは、事業者が提供するクラウド上の仮想サーバーに、ファイル、もしくはシステム全体を網羅的にバックアップできるサービスのことです。「効率的なバックアップを実現」するほか、「バックアップ対象となる端末が増える」「運用コストの節減」「災害対策(BCP・DR)の強化」「ランサムウェア対策に有効」といったメリットがあります。
法人向けクラウドバックアップは、以下に大別されます。
(1)イメージバックアップ対応型
(2)ファイルバックアップのみ対応型
自社のニーズや求める機能などを考慮したうえで、以下のポイントを比較検討しましょう。
(1)BCP対策は万全か
(2)重複排除機能があるか
(3)コールドストレージ機能の有無
(4)何世代前のバージョンまで復元できるか
(5)コラボレーション機能
企業は顧客や売上の情報をデータで保管することが当たり前の時代、バックアップは事業継続に必要不可欠とはいえ、大量のデータを安全に保管するには、手間もコストもかかります。その意味で、クラウドバックアップは極めて合理的な手段と言えるでしょう。
本記事を参考にしながら、自社に適したサービスを検討してみてください。
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