最終更新日:2024-08-23
新規店舗の準備やレジの交換にあたり、POSシステムの導入を検討している方へ。POSシステムの主な機能や種類、導入の手順など、検討するにあたり必要な知識を紹介します。
POSは「Point of Sale」の略称、「販売時点情報管理」という意味です。POSシステムは、キャッシュレジスターの会計機能に加え、販売を支援・管理・分析する様々な機能を搭載したシステムのことを指します。キャッシュレジスターは商品取引のための金額提示や釣り銭計算などを機能としますが、POSシステムはそれらに加えて、顧客や価格、売り上げ、在庫などのデータを管理できます。
POSシステムとほぼ同じ意味で使われる言葉に「POSレジ」があります。POSシステムは、店舗のシステムとそれらを集約するサーバー、レジ端末を含むシステムの総称です。
一方のPOSレジは、 POSシステムの一部で、ソフトウェアがインストールされている端末のことを指します。ただし、近年はスマホ・タブレット型POSシステムが普及したことで、予約や注文受付、会計、在庫・顧客管理まで幅広い機能を備えるものが定着したため、POSレジとPOSシステムはほぼ同義で使われることも多くなりました。
基本的なPOSシステムでは、バーコードを読み取ることで、商品名・価格・数量などの商品情報がシステムに送信されます。スマホやタブレット型のPOSシステムでは専用アプリが使われ、商品登録後はスキャン不要。レシートはプリンタで簡単に印刷できます。
また、小売店などタグで商品を管理する場合や、ポイントカードを使用する場合はバーコードリーダーを使用。支払いは専用端末でクレジットカードや電子マネーといったキャッシュレス決済に対応することで、手続きを迅速化。顧客は店舗をスムーズに利用できます。
更に、POSシステムは売上や顧客情報の管理・分析にも役立ちます。商品が「いつ」「どこで」「いくらで」販売されたのか、などの情報を把握・分析することが可能です。仕入れや在庫管理はもちろん、「何時頃に人員を増やせばいいか」といった店舗運営における改善点の洗い出し、「毎月何日にキャンペーンを打ち出すと良いか」といった販促計画にも、情報を活用することができます。
特に、クラウド型のPOSシステムはデータの集計・分析を容易にし、店舗運営の改善に役立ちます。顧客の購買履歴や来店頻度などの情報を活用して、ターゲットに合ったキャンペーンやサービスを展開することが可能です。
スマホ・タブレット型では、ネットワークを通じてデータを集計・分析するクラウド型POSシステムが主流。クラウド型POSシステムは、多彩な関連サービスと連携できる点も強みで、様々な業務を一元管理することができます。
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POSシステムの主な機能は次の6つです。
【会計・決済機能】多くの業種に対応できる会計機能、幅広い決済方法
【販促支援機能】LINE、ポイントサービスやポイントカードとの連携
【商品・売上分析機能】様々なデータを可視化・分析
【在庫管理機能】在庫の推移をリアルタイムに把握
【顧客管理機能】購買履歴や購入金額を把握
【オーダリング機能】オーダーミスの防止や商品提供の効率化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
クラウド型POSシステムのレジには基本的な会計機能はもちろん、以下のように多くの業種に対応できる機能を搭載しています。
また、スマホ・タブレット型の場合、入出金はキャッシュドロアー、レシートなどの印刷はプリンタとの連動で可能になり、これらをセットで提供しているサービスも多くあります。プリンタは据え置き型やモバイル型など様々なサイズがあるので、店舗のカウンタースペースの大きさやイメージに合わせて選ぶことができます。
更に、軽減税率に対応するシステムも数多くあります。テイクアウトと店内飲食といった区分けが可能なので、今後税率改定があった場合でも、アプリケーションをアップデートすることで対応できるでしょう。
クレジットカード、電子マネー、QRコードなど、幅広い決済手段に対応しています。それぞれに必要となる専用端末を別途用意して連携する必要はありますが、キャッシュレス決済には会計時間やレジ締め作業の短縮、機会損失の防止、ウイルス感染予防など、数多くのメリットがあります。ニーズに合ったPOSシステム選びは必須と言えるでしょう。
ほかにも、現金支払いの際に過不足金なく会計できる自動釣銭機との連動、顧客側で決済を行うセルフ決済端末との連動、電子レシート発行アプリへの対応など、様々な機能を活用できるシステムもあります。
販売促進では、LINEなどと連携させることで会員カードを発行し、誕生日メッセージ、アンケート、クーポンなどの配布ができます。クーポンやプレゼントは事前に登録したシリアル番号で管理でき、それぞれの利用回数をアプリの管理画面で効果測定することもできます。
各社ポイントサービスとの連携や、店舗のポイントカードの独自発行も可能です。
たとえば「Airレジ」の「Airペイ ポイント」では、「Tポイント」「dポイント」「Ponta」などのポイントカードを専用端末で読み取ることで、ポイントの付与や利用が可能になります。「スマレジ」のポイント機能では、ポイントカード会員のポイント付与・利用だけでなく、会員や会員ランクに応じてポイント付与率に差を設けることもできます。こうした機能は、リピーター率向上などに役立てられるでしょう。
管理画面を備えるPOSシステムでは、日別、月別、時間帯別、曜日別といった時間区分、商品やカテゴリ、人数など、様々なデータをグラフで可視化・分析することが可能。また、「DealerShip」のように、担当者別の分析や複数店舗がある際の店舗ごとの分析など、更に細かく可視化できるシステムもあります。入荷や発注の調整、メニューリストや陳列、商品開発などを様々な側面から最適化できるでしょう。
更に、クラウド型システムを活用すれば、本部で一元的にデータを管理・分析することも可能。結果をもとに店舗へ指示を出すことで、従業員の配置調整も効率化できます。また、従業員各自がスマホでリアルタイムに売上を把握することもできるので、現場視点での意識改善や従業員の当事者意識の醸成につなげることもできます。
クラウド型の場合は、入荷や出荷などのデータが自動集計されるので、リアルタイムに在庫の推移を把握できます。なかには、在庫切れのタイミングを自動計算し、発注アラートを表示してくれる機能を搭載したPOSシステムもあります。
商品の店舗間移動について、他店舗に対する出庫依頼や入庫予定に基づいた検品にも対応するシステムもあります。電波によってタグと連動するRFIDのリーダーを利用すれば、入出荷や管理、棚卸の大幅な時間短縮が可能になります。
POSシステムに入力した顧客情報を参照することで、顧客一人ひとりの購買履歴や合計購入金額を把握でき、より質の高い接客サービスを行うことができます。美容院やエステサロン、バーなど、リピーター比率が高い業態で有効です。
たとえば、美容室やサロンでの顧客管理に特化したPOSシステム「StoreTouch」は、顧客の名前、住所、来店記録だけでなく、施術内容、会話、諸注意、写真などのカルテを作成でき、詳細な顧客情報を接客サービスに活用できます。
飲食店などでのオーダーをサポートする機能です。オーダーミスの防止や迅速な商品提供が可能になります。たとえば、ホールスタッフがスマホで受けた注文を、キッチンに設置したプリンタで伝票を発行、会計時はタブレットに金額を一覧表示させるといった流れにすれば、サービス向上と業務効率化を同時に実現できるでしょう。
また、品切れのメニューの表示や、オーダー時に「ピーマン抜き」といったコメントを入力することもできます。滞在時間も一覧表示されるので、コース利用の顧客に残り待ち時間の声かけをすることも可能です。
タブレットをテーブルに設置することもできます。タブレット端末から来店客自身がメニューの選択、注文を行い、オーダー内容がキッチンに送付されるセルフオーダーの機能、さらには来店客が自身のスマホから注文できるシステムもあります。セルフオーダーやモバイルオーダーは、顧客の待ち時間を減らすだけでなく、客単価の向上も期待できます。
上記の機能のほかにも、様々なシステムと連携させることで、原価・勤怠・予実管理、予約管理、確定申告などを一本化することができます。
一口にPOSシステムといっても、そのタイプは様々。ここでは店舗で運用されるPOSシステムについて、3つのタイプを紹介します。
POSシステムの機能が搭載された端末です。キャッシュドロアーやレシート発行プリンタが付属しているため、周辺機器を購入する必要がありません。主にスーパーやコンビニ、百貨店などに設置されているレジが該当します。初期費用が高額になりやすく、老朽化や故障の場合にはシステムそのものを買い換える必要があり、大型端末なため設置スペースも必要になります。
専用のハンディ端末で操作するタイプのPOSシステムです。ボタンで商品を入力するものや、バーコードリーダー一体型のものなどがあり、飲食店や催事場、イベント会場でのオーダー時に利用されることが多いです。在庫管理機能を搭載するものでは、大型の倉庫やラックでの商品管理に役立ちます。
スマホやタブレット端末にアプリケーションをインストールするタイプのPOSシステムです。近年導入店舗が増えている新しいタイプのシステムで、持ち運びがしやすく、設置スペースも取りません。
本記事で紹介しているような一般的に「クラウド型POSシステム」と呼ばれるタイプはこのタイプ。クラウドでのリアルタイム管理や複数スタッフでのデータ共有、他のソリューションとの連携が可能になります。必要に応じてプリンタやキャッシュドロアーを別途購入する必要がありますが、一体型POSよりも安価に導入できるものがほとんどです。直感的なUIで、従業員の作業負荷や教育コストを下げられるメリットもあります。
たとえば、「ハピレジ」はタブレット型で手軽に導入できる上、ハンディ端末やレシートプリンタと連携したり、セルフレジ機能を使えたりと、幅広く対応しています。
スマホ・タブレット型POSシステムは、飲食店や小売店、薬局・クニリックなどの医療機関、美容院・サロンといったサービス業を含む業種での普及が進んでいます。従来のPOSシステムからリプレースする場合、新規店舗展開に伴いPOSシステムを刷新したい場合などは、安価で高機能な「スマホ・タブレット型POSシステム」の導入を検討してみると良いでしょう。
次に、POSシステムを導入する際に追加や連携をすべき機能・サービスについて、「飲食店」「EC」「医療機関」「その他のサービス業」の業態別に見ていきましょう。
先述したオーダリング機能は、最初に検討すべきといえるでしょう。セルフオーダーやモバイルオーダーにより、オーダーが効率的になるだけでなく、ホールスタッフの削減、オーダーミスといったトラブルの防止など、飲食店経営を多方面からサポートします。
最近はデリバリーサービスと契約している飲食店も多くなっていますが、各デリバリーサービスはPOSシステムを連携させられることがあります。たとえば「スマレジ」はUber eatsと、「Airレジ」は出前館とシステム連携しており、受けた注文内容を自動的にそれぞれのPOSシステムに連動させることが可能。注文内容や金額を二度打ちする手間を省くことができます。
「トレタ」のような予約管理システムをPOSシステムと連携することで、顧客台帳として過去に注文した料理や飲み物などを簡単に記録でき、次回来店時のメニュー提案やサービス向上につなげることができます。電話やWebでの予約受付から来店時の接客応対を通じ、リピーターの獲得に貢献します。
実店舗に加えてオンラインショップを運営する場合などは、ECサイトを開設・運営できるサービスとPOSシステムを連携させることで、在庫管理などを最適化することができます。また、Amazonや楽天、Yahoo!などのECプラットフォームと連携するシステムでは、実店舗を含む複数のチャネルで在庫を同期させるといったことが可能になります。
たとえば、「スマレジ」は「BASE」との連携により、「スマレジ」での在庫推移を「BASE」に、「BASE」での受注を「スマレジ」に反映させることができます。これにより、ECサイトでの売り越しを事前に防ぎ、在庫の一元管理が可能になります。「Shopify」や「STORES」はPOSシステムそのものを提供しており、実店舗とECでの在庫を共有できる機能が搭載されています。
クリニックや薬局の場合、診療報酬明細書の発行に欠かせないレセコンとの連携が必要になるでしょう。レセコンとPOSシステムを連携させることで、会計内容が自動的にPOSシステムに反映されます。また、自動釣銭機能との連携による衛生面の向上、電子カルテとの連動による管理の一本化も可能です。
様々な業態にPOSシステムを提供する株式会社ポスコは、レセコン、電子カルテ連携とPOSシステム、自動釣り銭機能をトータルで提供しています。「スマレジ」も、レセコン連携が可能なPOSシステムを周辺機器とセットにした「スマレジforMedical」を提供するほか、電子カルテシステム「MRN」「CLIUS」との連携も可能です。
美容室やネイルサロン、エステサロンといったサービス要素の大きい店舗の場合は、予約管理システムと連携すると良いでしょう。「Airレジ」では予約管理システムの「SALON BOARD」と連携することで、紙の予約台帳をなくすだけでなく、HOT PEPPER Beautyと予約枠を連携することもできます。
LINEアプリと連携することも効果的でしょう。たとえば、初回来店時にLINEミニアプリ上に表示された会員証のバーコードを読み取ることで、LINEアカウントとPOSの顧客データを紐づけ、LINE上での予約、予約のリマインド機能、顧客をセグメントしたメッセージ配信を行えるサービスなどがあります。
ここでは、POSシステムを実際に導入する際の手順を整理すると、次のようになります。
システム導入が円滑に進まない場合、会計ができないなど店舗運営そのものに影響するため、注意が必要です。手順を押さえ、効率的に導入してください。
まず、初期投資が少なく簡単に導入できるクラウド型のPOSシステムを導入できるかどうか検討しましょう。小売やアパレル、飲食店、美容室やサロン、クリニックや薬局であれば、クラウド型POSシステムがマッチすることが多いです。ECサイトを運営中または参入段階の場合も該当します。
一方、スーパーやコンビニなど、業態として導入が難しい場合は、一体型POSシステムや端末型POSシステムを視野に入れていきます。
次に、データ分析や効率化をしたい業務範囲を確認します。既存のPOSシステムの改善点を洗い出した上で、先述した「POSシステムの主な機能」「POSシステムと一緒に導入を検討したいサービス」から、業務に必要であると想定される機能やサービスを確認します。
たとえば、飲食店であれば、下記のようにオーダーを受ける方法を検討し直します。
予約管理や顧客管理についても同様に検討しましょう。
「ハピレジ」「POS+food」は、ハンディオーダー、テーブルトップオーダー、モバイルオーダーのすべてに対応可能。セルフレジとしてもPOSシステムを利用できるため、セルフカフェや食堂など、無人店舗運営も可能です。
オペレーション検討後は、決済サービスへの対応範囲・対応方法も確認していきます。POSシステムによって対応できる決済サービスの範囲が異なるため、現状の会計方法との親和性を確かめましょう。
たとえば、「ユビレジ」では、STORES 決済・StarPay・楽天ペイ・食べログPayなどと、「POS+food」では、STORES決済・楽天ペイ・PAYGATE と連携することで、クレジットカード、電子マネー、QR・バーコード決済に対応。「Airレジ」における「Airペイ」など、関連ソリューションとして決済サービスを備えるものもあります。
つづいて、導入する際の予算範囲を確認します。一体型POSシステムの初期費用は50万円〜100万円前後。月額料金はかかりませんが、アップデート費用や保守費用が発生することがあります。
クラウド型POSシステムの場合、初期費用は市販のタブレット端末代として4万円程度。キャッシュドロアやレシートプリンタなどが必要な場合は別途コストが10〜20万円ほど発生します。月額料金はプランにより異なり、無料から1万円前後のものが多いです。
本記事内で紹介したPOSシステムは一例であり、現在、各社が様々な製品を提供しています。現状の課題や業態に合わせ、最適なPOSシステムを比較していってください。各社のサービスの特徴について、詳しくは「POSレジ比較15選!汎用型から業界特化型まで選び方を解説」で紹介しています。
近年のPOSシステムは、レシートプリンタやキャッシュドロアー、決済端末、自動釣り銭機などの周辺機器、電話サポートや導入補助といったオプションの選択肢の幅が広くなっています。価格や導入については、提供会社の営業担当者に相談しながら進めるとよいでしょう。
在庫管理やレジ締め、会計の効率化だけでなく、予約管理や顧客管理まで、POSシステムは幅広く業務を効率化してくれます。アップデートがしやすいスマホ・タブレット端末は、今後さらに機能が充実し、利便性が高くなることが期待できます。顧客満足度はもちろん、従業員の働きやすい環境づくりにもつながるため、導入を検討してみてください。
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