株式会社 TBM
温室効果ガス排出量の可視化から削減施策までをトータルサポートするプラットフォーム。直感的なUIにより、専門知識不要で情報の管理が可能。脱炭素経営にも貢献します。
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ScopeXは、原材料調達、製造、物流、廃棄など、一連の事業活動から発生する温室効果ガスの排出量を把握できるクラウドサービスです。環境配慮型の新素材などの開発・製造・販売を手がけ、ユニコーン企業としても知られるTBMのノウハウをもとに開発されています。以下のような課題を持つ企業におすすめです。
直感的に入力できるUIを備えているので、誰でも簡単に操作できるのが特長。環境データを入力するだけで、SCOPE 1、2、3の温室効果ガスの排出量を可視化。会社全体や事業所別、更には部署別に結果を表示することができるので、排出量が多い場所をピンポイントで特定可能。拠点ごとの分析や拠点間の比較にも対応しているため、優先的に削減すべき対象を一目で把握することができます。
また、排出量の算定だけでなく、排出量の削減施策をレコメンデーションする機能も搭載しています。Scope1、2、3別に最適な温室効果ガス削減施策を選べるので、今後の具体的な対策として活用することができます。
請求書やレシート情報を入力するだけで、温室効果ガス排出量を一目で把握可能。専⾨知識は必要ありません。また、独自システムによって算定結果は会社単位から部署別まで細かく分析。ダッシュボードを直感的に操作するだけで、環境関連データを簡単に一元管理できます。作業工数を増やすことなく情報管理の内製化につながり、外部委託費用など削減することが可能です。更に、投資家などのステークホルダーから環境データの開⽰を求められた際にも迅速に対応できるので、企業価値の向上にもつながります。
輸送、製造、廃棄などの観点から最適なサービスをレコメンドする機能を搭載。データ分析と同時に、物流改善、環境配慮素材、リサイクル、再生可能エネルギーなどのソリューションを持つ具体的なサービスが提案されます。更に、ワンクリックでLPへのアクセスや資料ダウンロードも可能。脱炭素社会の実現に挑戦する企業をサポートします。
成長の要因はパートナー企業との協業。
他社にはない幅広い削減策で身近なところから脱炭素化を
株式会社TBM 林 映里菜様
―ScopeXはどのようなサービスですか?
ScopeXは、温室効果ガス排出量(以降、GHG)の算定から削減策の提案までを一気通貫でサポートするサービスです。
弊社TBMは、もともと環境に配慮した新素材の開発・製造を手がけており、営業先で「新素材を導入することで、どれくらいGHGが減るのか」「それは企業に対してどのくらいのインパクトがあるのか」と聞かれる機会がよくありました。
しかし、2020年ごろは国産のGHG算定サービスがほとんどなく、製品の製造から破棄までに排出されるGHGを示す「ライフサイクルアセスメント」は、Excelで算定するしかありませんでした。そこで、GHGの可視化から削減策までを一気通貫で提案できるサービスがあれば、多くの企業で使っていただけるのではないか、と考えたのが開発のきっかけです。
2021年初頭にサービス開発がはじまり、2021年11月には取引のあった約30社に完全クローズドβ版を無償提供しました。そして、β版でいただいたフィードバックを反映して、2022年の9月に製品版をリリースしました。
―新たな分野への挑戦だと思いますが、開発はスムーズに進みましたか?
創業以来、手で触れられる“素材”を作ってきた会社ですので、デジタルサービスの開発には試行錯誤しました。社内にはシステム開発のプロフェッショナルが少ないうえ、環境市場は導入に至るまで時間がかかるため、開発に充てられるスタッフの数を絞らなければいけませんでした。
そこで、ソフトウェア開発のプロの方を外部から招いて、進行の仕方や注意点のアドバイスをいただきながら開発を進めていきました。最低限の人数で最大限のパフォーマンスを出すという、チャレンジングな取り組みだったと思います。
そもそも「GHGプロトコル」の読み解き自体も難しかったのですが、そこは弊社サステナビリティ部の知恵を借りてアプローチしました。祖業である“ものづくり”での経験が活きた形ですね。
また、パートナー企業様のご協力も大きかったです。パートナー企業様からのフィードバックを反映しながら開発を進められたことが、ものづくりの現場に寄り添ったシステム開発につながったと思います。
―社外のパートナー企業との協力について詳しく教えてください。
創業時から環境関連のスタートアップと親交を持ち、「City Lab Ventures」という、サステナブルな社会の創造を目指す会合を行ってきました。その会合でコネクションができたパートナー企業様を、「削減施策パートナー」として提案・紹介させていただいています。他社のGHG算定サービスでは、再生可能エネルギーの導入や省エネのコンサルといった削減策を提案されることが多いと思いますが、ScopeXではそれら以外にも幅広い削減策を提案できます。
たとえば、株式会社エコ配様は、主たる配送手段に自転車を活用しております。また配送手段に自動車を持たざるを得ないエリアについては、カーボン・オフセット・クレジットの購入により、温暖化ガスの排出枠を購入し、排出されるCO2の量を事実上ゼロとし環境にやさしい宅配便サービスを提供しております。
またエプソン販売株式会社様が提供するインクジェットプリンター「スマートチャージ」は、従来の同社レーザープリンターに比べ消費電力量、CO2排出量を62~66%削減することが可能です(エプソンのスマートチャージ<LMシリーズの場合>)。稼働時の消費電力だけでなく、待機時も含めたトータルの消費電力量を示すTEC値も低く、脱炭素社会形成に貢献できる製品を販売しております。
パートナー企業様のご協力なしには、ScopeXはここまで順調に成長できなかったと思います。これからも、環境への意識が高い企業間でスクラムを組み、東京をはじめ全国の環境課題を解決していきたいですね。
̶ ScopeXの強みを教えてください。
サポートの手厚さです。GHGの算定はまだまだ新しい分野の業務で、担当になられる方もわからないことが多い状況です。まず、アカウント設定に必要な情報はなにか、社内のどの部署を連携すべきなのか、といったセットアップをしっかりとサポートすることにしています。導入後の3カ月は特に手厚くアカウント担当が伴走して、お手本を見せながら使い方を覚えていただくようなイメージですね。
中でもScope3は15のカテゴリーに分かれているため、かかった経費を適切な項目に振り分けるだけでも一苦労です。環境庁と産業省が共同で作ったデータベースの中で、どの項目に該当するかを一つひとつ登録していかないといけません。こうした作業もアカウント担当がサポートさせていただきます。
セッティングが完了し、運用が軌道に乗った後のサポートにも注力しています。戦略の方向転換があった場合は算定方法も変える必要がありますし、年に1、2回ある国の排出原単位データベースの更新時には前年度の内容と照らし合わせながら項目のアップデートを行います。
また、お客様から連絡や質問がなくとも、「最近どうですか」「何か困ったことはありませんか」とこちらから積極的に声掛けをさせていただいています。特に、中小企業だと本業と並行して担当している方も多いので、弊社でサポートできることがないかを伺うようにしています。たとえば、レポートの作り方がわからないという場合には、他社事例も交えながらデータの使用方法を提示します。実際に、客先に足を運んで、一緒に状況分析を行うこともあります。
―ほかにも強みはありますか?
使い勝手の良さです。とにかく直感的に操作できるUIにするため、かなり力を入れています。GHGの算定はかなり複雑なので、システム上ではわかりにくい箇所をできるだけ減らしています。初心者の方でも3カ月ほどで十分に使いこなせるようになるかと思います。
開発・改修にあたって、お客さまの生の声を大事にしてきました。「こういうツールがあったらいいのに」「ここの動線が楽だったらいいのに」というフィードバックをチーム内で揉んで、お客様の声を反映できるよう工夫しながら作っています。
また、アカウント担当も、お客様がどう動けばいいのか理解しやすい説明を心がけて、知識に磨きをかけています。システムづくりも顧客サポートも、「わかりにくいところはすべて弊社が請け負って、わかりやすくしてお届けする」というイメージです。
―どのような企業が導入候補となるのでしょうか?
大企業様でも導入いただいていますが、もっとも使っていただきたいのは中小企業様です。規制の強化や環境問題への関心の高まりにより、GHGの可視化を求める大手企業が増えています。その影響で、サプライヤーとなる中小企業様の負荷はこれまで以上に重くなっていくはずなので、テクノロジーの力で業務量を減らすお手伝いをしたいですね。導入ハードルを低くするため、サービスの利用価格はかなり抑えています。
環境分野はまだまだ若い市場ですので、ユーザーと一緒に育てていかなければならないと思っています。そのためにも、GHG算定に苦手意識を持たず、楽しくやってもらえるように、「最近どうですか」「気軽に質問してくださいね」と声をかけ、互いに協力しやすい体制を作るようにしています。注目度も高い分野ですので、GHGの測定を起点に新たなビジネスチャンスを掴んでいただけたら嬉しいです。
―代表的な導入事例があれば教えてください。
昭和初期より操業されている、ある部品で日本一のシェアを誇るメーカーの事例です。取引先の大手企業からサステナビリティに関する質問があり、対応策に困っているという課題をお持ちでした。
導入の理由は、グラフ形式でGHGを出力できること。このグラフを使って、公式HPに環境関連ページを作成し、新規案件の獲得、既存顧客との取引継続につなげたいとのことです。まだまだ導入してから日は浅いですが、時には明確に方向性を示しながら説明を重ね、算定を進めている状況です。
また、福岡の北九州市と共催して、ESG人材の育成にも携わっています。具体的には、ScopeXを使って北九州市立大学学生に地場企業のGHGを算定してもらい、学生の自由な発想で削減施策を提案してもらう、という取り組みを行っています。環境関連の話題は、地方だとなかなか浸透しづらい側面があるようなので、こういったプロジェクトで官学と協力することで、少しでも情報格差を埋められればと思っています。
―今後、注力していきたいことがあれば教えてください。
1つ目が、削減策パートナー様の拡大です。特に、ScopeXのお客様は地方にもいらっしゃるので、そこで優良なソリューションを提供できる企業とはぜひ一緒にお仕事したいですね。
2つ目は、算定がもっと楽になる仕組み作りです。企業間のデータ連携にはまだまだ課題があります。たとえば、子会社の算定結果を親会社の算定システムと連携できるようにするなど、データ連携によって算定自体の工数も減らしていきたいです。
弊社には「後世が喜ぶように」というモットーがあります。そして、ScopeXを導入される企業のご担当者様も、同じ思いを持っている方が多い印象です。そんな思いとともにScopeXを利用いただき、いつの日か「良い結果が出たよ」と褒めていただけるようなことがあったら嬉しいです。
会社名 | 株式会社 TBM |
代表者名 | 山﨑 敦義 |
資本金 | 234億2,993万円(資本準備金含む ) |
所在地 | 〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-2-2 東宝日比谷ビル15F |
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