iLect(アイレクト)|インタビュー掲載

NABLAS株式会社

東京大学で開発された実践的な学習コンテンツをもとにした、ハンズオン型のAI人材育成サービス。プログラミングによるモデル実装やプロジェクト発表など学習効果を重視。

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サービス概要

「iLect (アイレクト)」は、東京大学で開発された実践的な学習コンテンツをもとにした、ハンズオン型の法人向けAI人材育成サービスです。受講者間のコンペティションやプロジェクト発表など学習効果を重視。クラウド上のGPU環境を利用するため、開発環境の準備をすることなく学習を開始。ニーズに合わせたカリキュラムのカスタマイズも可能。
研修形態は、企業様の研修会場での対面、オンライン実施、対面とオンラインの併用から選べます。

 

主なポイント

  • 東京大学で開発された実践的な学習コンテンツ

東京大学で開発されたDeep Learning講座・データサイエンティスト育成講座などの講座について正式にライセンスを受け、AI人材育成事業を行っています。演習を中心とした実践的なコンテンツとメソッドによる技術習得を重視しています。

提供講座例
・Deep Learning基礎講座(E資格対応版)
・Deep Learning実践開発講座
・データサイエンティスト育成講座
・AI革命ビジネス講座

  • 受講者同士の刺激で学習効果を高める

プログラミング中心の実践的な講座の中で、ただ課題を提出するだけでなく、受講者同士がAIの精度を競い合うコンペティション、情報共有の場となるディスカッションボード、取得技術を受講者各自の業務課題の解決に適用するプロジェクト発表などで学習効果を高めます。

  • プログラミング環境「iLect System」ですぐに学習を開始

iLect Systemは、機械学習・深層学習に適した開発・計算機能を提供するほか、深層強化学習機能、環境の共有機能、ファイル共有機能など、研究・開発に適した機能を搭載しています。高価なGPU機器の購入や事前の環境構築は不要で、クラウド上のGPUを利用することで、ブラウザを通じてすぐに学習を開始できます。

プログラミング環境「iLect System」ですぐに学習を開始

 

インタビュー

開発環境を活かした実践力重視の教育でAI人材育成を促進。企業課題への応用までも伴走

NABLAS株式会社 代表取締役 所長 中山 浩太郎様

NABLAS株式会社 代表取締役 所長 中山 浩太郎様

―iLect (アイレクト)はどのようなサービスでしょうか?

iLectは最先端の技術を網羅したハンズオン志向の教育コンテンツを利用した法人向けのAI人材育成サービスです。ビジネス課題の解決をゴールにしたプログラミング中心の実践的なAI人材育成講座と、クラウド型の科学計算環境「iLect System」を提供しています。

iLect Systemは弊社が創業の以前から取り組んでいたプロジェクトで開発されたシステムです。私が東京大学に勤めていた際にDeep Learningの講座を担当していたのですが、当時はGPUを使った計算環境として良いものがなく、良質な環境を容易に提供するにはどうすればよいかと頭を悩ませていました。購入すると数億円はかかりますし、当時はまだAWSも機械学習の機能が作り込まれていなかったのです。

そこで自分たちでサービスを作ろうという結論に至りました。2015年の夏に取り組みはじめて秋からスタートさせるというチャレンジングなものになりましたが、GPUをうまく仮想化して受講者同士で共有することで、ランニングコストを大幅に抑えられるシステムを作ることができました。それから実際に様々な講座でiLect Systemを使いはじめ、その後は応用講座やデータサイエンスなどの講座にも展開していきました。会社としては2017年に事業化したという経緯になります。

―GPUの基盤もNABLAS様が持っているのでしょうか?

そうですね。iLectは人材育成のブランド名ですが、そこで使っている仮想化された計算環境プラットフォームを「iLect System」と呼んで区別しています。これはWebサービスになっていて、ブラウザのみでGPUを使ったPythonのプログラミングができます。類似サービスとして2018年に提供開始されたGoogle Colabがありますが、iLectは独自開発したものでクラウド以外の形態でも提供できるという点に違いがあります。

また、iLectは教育に特化した機能を多数備えています。例えば、受講者同士がAIのモデルの性能を競い合うことでスコアが付く機能があります。コンペ形式の課題に対して成果物を出していただき、より良いものから順にランキングして、上位10名ほどをリーダーボードに表示します。人事部や教育担当の方々はそれらを参考に能力のあるAI人材を把握できるというわけです。

―iLectがこだわっていることは?

iLect Systemは実際の教育の中で進化していったものですので、実際的に役立つ機能を盛り込むという点にはこだわっています。具体的には、コンペ機能以外にも、人工知能の開発に特化した機能が多々あります。例えば仮想デスクトップ環境機能では、サーバーサイドで描画した結果をブラウザに表示させることで、クライアント側の負荷をかけずに使えるようになっています。そうするとAIでどんな学習をしているのかをビジュアルで確かめられますので、開発がはかどります。

―教育にあたってベースにしている方法論などがあれば教えてください。

我々の教育の根底には「ラーニングピラミッド」というものがあって、教育段階に合わせて教育方法を階層化しています。そのモデルで言うと、学習の際に講義を聞いたり本を読んだりするだけでは理解が及ばないので、実践してみる・互いに教え合うというプロセスが、効果を高める上で非常に重要です。AIに関しても実際にモデルを作って検証し、性能をどんどん上げていくという経験の中で、実践的な技術や知識を身につけていくということを重視しています。

―ユーザー同士が教え合う機能もあるんですね。

情報共有ツールを使って講義ごとにチャットボードを描出してユーザー同士が話せるようになっています。実は、弊社では受講生の皆さまが同じタイミングで同じトピックを学んでいただくということを大切にしています。当然、業務の都合でどうしても受講できない場合には後日ビデオを見ていただくこともできますが、できるだけ同じタイミングで同じ授業を受けていただくことで、そのトピックについて深く議論できるというメリットが生まれます。

―どういった企業様の導入が多いですか?

製造業の企業様が比較的多いですが、銀行・証券系、保険系、エネルギー系など、様々な業界からお引き合いをいただいています。規模としては、大手が多いですね。とりわけDeep Learningを使える技術者を多く育成することで、次世代に向けた競争力を培っていきたいと考えているお客様が多くいらっしゃいますが、そもそもAIで何ができて何ができないかが分からないので基本的な知識を付けたい、というお客様もいます。

また、最近では「DL4Biz」というビジネス講座にも注力していまして、こちらはプログラミング経験が無い方でもAIとは何かということがわかる講座になっています。あらゆる業界、あらゆる業種の方が受けていただける内容ですので、様々な企業様や経営者の方から大変ご好評いただいています。

―iLectが選ばれる決め手になるのは?

やはり「実践的である」という点です。継続してご利用いただいている企業様のお話を伺っても、学んだ知識を最終的に業務に活かすということを大事にしていまして、そういった点をご評価いただいています。その際、iLect Systemは講座で学ぶ内容をこちらで事前にセットアップして受講者の方にお配りしますので、ブラウザを開いてシステムにログインするだけですぐに学習を開始できるという手軽さもポイントですね。

あとは今までの講座運営で培ってきた知見やノウハウを活かした講座を提供していますので、品質が担保されていること、なおかつ研修カリキュラムを弊社で考えて組んでいますので、法人様のニーズにより適合したコンテンツになっているという点もご好評いただいています。

―お客様に合わせたコンテンツのカスタマイズなどもしているのですね。

そうですね。基本的に講座はテーマごとに分かれていますが、お客様によってはこれまでの研修で学習済みの項目があったり、この点をより深く学びたいというご要望があったりします。そこで学習済みの項目を省いてニーズに沿った形で提供したり、製造業様の場合であれば画像認識などのニーズが強い内容にフォーカスしたりと、柔軟な対応をしています。あとは開催の頻度ですね。隔週での開催を推奨していますが、より長い時間をかけて教育したいというご要望もあれば、月に1回にするなどの対応もします。

―実践的な技能を身につけてもらうために取り組んでいることを教えてください。

オプションになりますが、これまでに身につけた技能を活かしながら、受講者各自が抱えている業務課題に対処するプロジェクトを立ち上げてもらうといった取り組みをしています。1ヶ月ほど期間を設けて、受講者の方に取り組むべき課題を設定していただき、そこで実行するために必要なデータを集めたり、最適なAIのモデルを選定したり、チューニングしたりといった一連のフローをこなしていただきます。その結果をレポートしてもらい、弊社で採点を行って、受講者全員にフィードバックをします。そして最終日に特に優秀だった方を中心に発表していただきます。

もちろん、発表の後には受講者同士で情報共有をしたり知見を深めたりする場もありますし、講師が参加して、改めて講評やアドバイスをします。その発表が実際に開発に繋がった例もありますし、その後は引き続きコンサルティングや共同研究などでお付き合いさせていただくという事例もあります。

―お客様からは実際にどのような点をご評価いただくことが多いですか?

コンテンツが充実している点ですね。我々は教育にも力を入れていますが、コンサルティング事業と、R&Dという技術開発を一緒にやっていく事業も行っています。教育面で様々なコンテンツを提供させていただき、弊社のことをご評価いただいてから、実際に企業様が抱える課題に沿った技術開発を一緒に行っていくという流れです。課題も企業様ごとに異なりますので、データ分析をしながら丁寧に取り組んでいます。

―人材育成の先にあるプロダクト開発まで取り組んでいるということですね。

そうですね。企業様はAI人材を育成した上で、その方々が企業の課題を解決することを期待していますが、そこに至る道筋が分断されている場合が少なくありません。弊社ではまず教育をさせていただいて、それと並行しながら、あるいは一通り完了した後に、個々の課題にアプローチしていけるというのも強みになっています。

―AIが実際に企業の課題を解決してくれる場面は今後、増えていきそうですね。

その通りです。新型コロナ禍の影響で世界経済が大打撃を受けていますが、AI分野は2020年も堅調に成長しているという結果が出ています。とはいえ、技術の進化と比較して世間に浸透している割合が少ないため、伸びしろがまだまだありますし、競争も激化していくでしょうね。また、新型コロナ禍で変化した生活様式にあわせて様々なものが電子化されて、対人接触を減らしていくという流れですから、AIによる無人化やリモート上での対応が役立つ機会はいっそう増えていくと思います。

―今後、力を入れていきたいことを教えてください。

iLectは世界最高のAI教育サービスを目指しています。そのためには人材育成だけでなく、人材の発掘も大切だと考えています。優秀なAI人材がすでに企業内にいるかもしれませんので、そういう方たちをどうやって発掘していくかという観点が重要です。そのあたりの機能作りを今後やっていきたいですね。

実際に、すでに「PyGrade」というPythonのスキルをトレーニングしたりテストしたりできるシステムを稼働させて、各人のスキルを可視化するという取り組みをしています。講義を受けるだけのスキルを持っているかが判定できないと、せっかくモチベーションが高くても断念せざるをえなかったり、理解できなかったりといった結果になりかねませんので、受講者にマッチしたコースを選ぶ上でも、PyGradeは重要なシステムです。

あとはコンテンツの拡充にも注力していきたいところです。自動運転、医療AI、ゲームAIなど、各領域に特化したコンテンツを作って、引き続きスムーズな技術習得をご支援していければと考えています。

 

料金

  • お問い合わせください。

 

会社概要

会社名 NABLAS株式会社
代表者名 中⼭ 浩太郎
資本金 200万円
所在地 〒113-0033 東京都文京区本郷6-17-9 本郷綱ビル 10F 総合受付 / 1F iLect Studio

 

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