ベンチャー研究会

第11回ベンチャー研究会 兼 第16回オープンデータ研究会
「ビッグデータの活用で女性の社会進出を支える方法」実施報告

フェムテック業界をリードしているFlora社のCEO アンナ・クレシェンコ様に、フェムテックについてだけでなく、起業からの経緯、多くの企業との協業事例等についても講演いただいた。

CEO のアンナ・クレシェンコ様は、ウクライナ国立オデッサ大学の国際関係学部を卒業。

2017年に文部科学省の奨学金を受賞し来日。2022年に京都大学法学部卒業し、京都大学経営管理大学院に入学。同年S&R Foundationに選抜され、Kingfisher Leadership Programでシリコンバレーに渡航、同年京都フェニクシーインキュベーションに選抜。身近な人の妊娠うつ発症により、女性の体とメンタルケアを目的にFloraを日本で創業された。2022年に関西経済連合会や関西経済同友会が主催する関西財界セミナーの輝く女性賞を受賞。同年に京都府総合計画策定検討委員会の委員に就任。

日時

2023年3月16日(木) 15:00〜16:40

主催

ASPICセミナー事務局

講演内容

タイトル

「ビッグデータの活用で女性の社会進出を支える方法」

講師

flora株式会社 CEO アンナ・クレシェンコ様

講演概要

FemTech市場では、新規性や科学的根拠が曖昧な商品が続々と参入しており、このままでは、良いムーブメントがブームで終わってしまうのではないかと危惧している。

女性の健康データは国際的にも発展途上で、ビッグデータを保有する企業は多くない。
Floraでは、月経から更年期まで、全てのライフステージにおける、横断型FemTechビッグデータ構築を目指している。
B2Cでのデータを、他社にはない高度なパーソナライズAI/ML(機械学習)開発へ活かし、リリース4ヶ月で50,000DLを達成することができた。

そこから、B2Bでの市場調査や実験、マーケティングテストにデータを活用し、これまでにないソリューションを提供してきており、B2Bでのデータでは、ビジネスパーソンとしての女性のデータや、周りの管理職、男性のケアラーとしてのデータを蓄積し、お客様毎に、組織のダイバーシティ状況を可視化する日本初のサーベイやレポートを提供している。
さらに連動する形で、AIがパーソナライズするプラットフォームアプリも展開している。
女性をサポートすることで、生産性だけではなく、仕事への満足度・定着率・志望度が向上する傾向にある。Floraでは、ITやクラウドの使い方の一つとして、「女性の活躍できる」方法を提案している。協業等少しでも興味を持って頂けたら、気軽に連絡頂きたい。

質問・コメント

次のような質問がありました。

  1. Q1:@貴社サービスと他社サービス(女性関連データやサービス)との連携以外にどのようなソービスとの連携が考えられますか?
    A貴サービスはSDGs分類として第5分類(ジェンダー平等を実現しよう)に該当すると理解して良いですか?
  2. Q2:取り扱っている情報は、「個人や家庭内の私事・私生活。個人の秘密。」の情報となると思いますので、プライバシー情報にあたると思います。従って、情報の取り扱いは、厳しく管理しないといけないと思います。
    1)御社では、会社内のルールや規定、作業方法など、どのような取り扱い方法や管理をされていますか?
    2)サービスを提供するシステムとして、どのような対策をされていますか?
    3)サービスを利用する利用者に対する利用規定では、どのように記述されているのですか?
    4)サービス利用者に安心して使っていただけるように、どのようなことを行われていますか?"
  3. Q3:15万件のデータから個社用にカスタマイズするためには、個社用にカスタマイズしたソリューションを提供するには、AIで個社の特徴を抽出して、学習するわけでしょうが、その精度の向上はどのようになされたのでしょうか?
  4. Q4:京都大学に所属されていることも大きな要因だと思いますが、京都で起業された理由を教えてください。京都という街は伝統を守っている街のように思うのですが、ベンチャー企業に対して、行政のサポートや街の雰囲気等はどうなのでしょうか?
  5. Q5:スタートから、現在の状況になるまでにどのくらいの期間がかかりましたか?私も同じような新規事業の開拓を実施しているので大変楽しく伺いました。ぜひ対面でお会いできる機会があるといいなと思っています。応援しています。(働く母親より)
  6. Q6:こういったソリューションを弊社でもぜひ導入して、女性の生活のクオリティを上げたいと考えております。しかし、まだまだ弊社も男性が多い職場です。
    反対はされないと思いますが、切実さが伝わりにくく、男性も積極的に理解しようという姿勢には中々ならないと感じています。男性の幹部、上司向けに導入を提案する際にどうしたら共感や理解を得られるかアドバイスいただけたらと思います。

講演模様

  • アンナ様の講演模様

資料:ASPIC会員限定のHPに掲載

本件問合せ先

ASPICセミナー事務局
E-mail:seminar@aspicjapan.org
TEL:03-6662-6591