最終更新日:2021-11-24
電話でのクレジットカード決済の方法を変更したい、PCI DSSに準拠した安全な決済手段を新たに取り入れたいと考えている、販売業の管理者の方へ。IVR決済のメリット、費用の目安や選び方、主なサービスをご紹介します。
IVR決済サービスとは、IVR(自動音声応答システム)でクレジットカード決済が完了するサービスのことです。
通販やテレビショッピングなどにおける顧客への電話対応の中で、クレジットカード決済をする場合、電話口でクレジットカード情報を伝えてもらうことは、高い漏洩リスクが伴います。そこで、自動音声応答の仕組みであるIVRを使って、クレジットカード情報を顧客側で入力してもらうのがIVR決済サービスです。
IVR決済サービスは、カタログ販売やTV通販、予約サービス、交通機関や宿泊施設の電話注文、宅配ピザのようなデリバリーサービス、保険のサービスの申し込みなど、クレジットカード決済が必要となる様々な場面で利用されています。
IVR決済サービスの仕組みとしては、まず、顧客がクレジットカードでの決済を希望した場合に、電話対応オペレーターが電話決済サービスのIVRに電話を転送します。次に、電話決済サービス側は自動音声案内により、顧客にクレジットカード情報をプッシュボタン操作で入力してもらいます。その後、電話決済サービスがカード会社に決済情報を送信し、決済結果を通知することで、クレジットカード決済が完了します。
IVR決済サービスをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
IVR決済サービスには以下のようなメリットがあります。
個人情報に関する研修などを行ったとしても、情報漏洩リスクをゼロにすることは難しいでしょう。IVR決済サービスを導入すると、オペレーターが直接クレジットカード情報に接触することがなくなるため、盗み聞きや人為的なミスなどによる情報漏洩を回避することができます。
2018年に割賦販売法が改正され、クレジット取引セキュリティ対策協議会は「クレジットカード・セキュリティガイドライン」を発表しました。クレジットカード加盟店は、国際セキュリティ規格である「PCI DSS」への準拠、またはカード情報の非保持化が要請されています。カード情報の非保持化とは、自社でカード情報を「保存・通過・処理」しないことを指します。
電話でクレジットカード情報を聞く場合、そのカード情報を自社のシステムに入力してしまうと「通過」に該当するため、カード情報の非保持化になりません。クレジットカード情報は、CCTなどの専用の決済端末に入力し、独立した通信回線で処理する等、PCI DSSに準拠した手法で取り扱う必要があります。IVR決済サービスは基本的にPCI DSSに準拠したサービスなので、オペレーターを介すことなく、カード情報を非保持化する手段として注目されています。
従来であれば、オペレーターはカード情報に誤りがないように、復唱確認をして二重チェックを行うなど、丁寧な確認をしていました。IVR決済サービスであれば、オペレーターがカード情報を直接扱わないため、カード情報の誤りを防止しながらオペレーターの心理的負担を軽減することができます。
電話を転送してカード情報を顧客に入力してもらった後に、通話に戻したいケースでは、多くのサービスに備えられる「通話戻し機能」を活用できます。何らかの理由で決済が完了しない場合や、確認したいことがある場合などにオペレーターとの通話へ戻すことができるので、顧客の待ち時間や、オペレーターが電話をかけ直す手間も削減できます。
標準機能ではありませんが、IVR決済サービスの中には、カード情報以外に顧客管理システムと連携して、カード以外の情報入力に利用できるものもあります。
たとえば「カード決済IVR(株式会社電話放送局)」の場合、受注までを自動化することが可能です。これにより、オペレーターの負荷軽減だけでなく、「電話に出られず受注を取り逃してしまう」といった機会損失も防ぐことができます。また、「IVR決済ソリューション(株式会社DGフィナンシャルテクノロジー)」では、受注システムと連携することで、事前の決済情報を自動反映することができます。オペレーターによる入力の手間を省き、効率化につなげることができるでしょう。
IVR決済サービスの費用はおおよそ月額30,000円〜200,000円、初期費用330,000円〜400,000円のサービスが多くなっています。月額の幅が大きいのは回線数に左右されるためです。
「Vポータルダイレクト クレジットカード電話決済システム(NTTコミュニケーションズ株式会社)」のように、初期費用や、月額費用、音声ガイダンス製作費などをまとめた電話決済パッケージを提供しているソリューションもあります。IVR決済に必要なものが包括的に用意されており、月額費用262,900円〜、初期費用は1,222,000円〜という料金体系になっています。個別に電話フローやナレーター音声などを作成するリソースを用意できない場合に活用すると良いでしょう。
次に、IVR決済サービスの選び方について見ていきましょう。IVR決済サービスは、「IVR決済サービスを単体で提供しているタイプ」と「決済代行会社が決済サービスの一つとして提供しているタイプ」の2つに分けられます。
IVR決済サービスを単体で提供しているタイプは、決済代行サービスと切り離されていることが特徴です。国内主要クレジットカードや国際5ブランドなど、現在自社で利用しているクレジットカード決済会社・決済代行会社に対応させたい場合や、連携したい決済代行会社が複数あり、それぞれに対応したい場合に向いています。
「カード決済IVR(株式会社電話放送局)」は、連携可能な決済代行会社が複数用意されているほか、IVR自体が自社開発のため、要望に応じて音声変更や受注までを完結できる機能の追加など、カスタマイズが可能。「IVR決済サービス(ヤマト運輸株式会社)」は、自社とカード会社の間にヤマト運輸が入るため、複数のカード会社とのやりとりが不要になる利点もあります。
現在利用している決済代行会社がIVR決済をメニューとして提供していれば、管理を一本化することができ、困った時にもカスタマーサポート1箇所に相談すれば済むなど、契約管理や運用面での手間が省けます。新規で導入する場合でも、クレジットカード決済の代行と併せて導入できるので効率的です。ただし、基本的には決済代行サービスの利用が前提となるため、IVR決済サービスのみの導入はできない点に注意が必要です。
たとえば、「IVR決済ソリューション(株式会社DGフィナンシャルテクノロジー)」を利用するためには、多彩な決済手段を一括で導入し一元管理できるマルチ決済サービス「VeriTrans4G」の契約が必要になります。また、「IVR決済サービス(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)」の場合、PGマルチペイメントサービスクレジットカード決済の契約と本審査の通過が利用条件となっています。
IVR決済サービスを単体で提供しているタイプのサービスをご紹介します。
(出所:カード決済IVR公式Webサイト)
設立当初からIVR専門企業として、アウトバウンド、インバウンド、SMS発信・活用サービスやロボット自動受付サービスを提供する、株式会社電話放送局のIVR決済サービス。
自社開発のIVRのため、ニーズに合わせた音声変更や機能追加など、柔軟なカスタマイズに対応する。クレジットカード情報においては、ターゲットとなる顧客層やコールセンターの運営方針に応じ、代理入力と直接入力の選択が可能。代理入力では、カード情報の入力が手間という顧客に対して、オペレーターが代わりにカード情報を入力。直接入力を選択した場合は、顧客が直接カード情報を入力する。
座席数に関わらず月額費用は固定で、導入後に増減した場合でも追加費用は発生しない。また、受付体制が複数拠点にわたる場合や、外部に委託している場合でも、1契約でまとめて運用できるため、管理コストが抑えられる。自社の顧客管理システムやCRMとのAPI連携により、決済を実行することが可能。
(出所:Vポータルダイレクト クレジットカード電話決済システム公式Webサイト)
クラウドIVRを利用したクレジットカード電話決済システム。既存のカード決済システムに音声自動応答によるカード決済を追加することができる。大量回線と豊富なオプション機能があり、コンテンツを自由に構築することが可能。24時間電話受付システム、予約・注文・問い合わせ受付ダイヤル、顧客満足度調査ダイヤルや販売促進ダイヤルなど、様々な利用シーンが想定されたサービスを電話決済IVRサービスと組み合わせることで、相乗効果を得られる。
包括的に導入できる電話決済パッケージを提供している点が特徴。基本料金から回線、保守料金、音声ガイダンス製作費までが一括りになった料金体系となっており、音声ガイダンスの製作も行ってくれるので、導入時の不安も解消される。
(出所:IVR決済サービス公式Webサイト)
物流輸送だけでなく、在庫適正化や販売支援、バックオフィス効率化など、ECに関連するサービスも展開するヤマト運輸のIVR決済サービス。電話受注において顧客が商品購入時にクレジットカード決済を希望した際に、電話対応オペレーターから自動音声に切り替わることで、自社の運用体制を変更せずに利用できる。IVRシステムと自社の受注管理システムのAPI連携が可能。
ベストエフォート式の同時接続回線数は3回線まで、回線数を追加する場合は1回線ごとに月額10,000円費用が発生するので、比較的小規模なコールセンターにおいて低コストで運用したい場合に向いている。同社のクレジット決済サービス「クロネコwebコレクト」は、国際5ブランドと国内主要クレジットカードに対応しているため、同社のIVR決済サービスと相性が良く、運用面で効率化を図ることができる。
こちらで紹介するサービスはクレジットカード決済の契約が必要なサービス、または決済代行サービスのオプションメニューです。
(出所:IVR決済ソリューション公式Webサイト)
マルチ決済、越境EC向け、EC総合支援、店舗・業界向け決済サービスを提供する同社のIVR決済サービス。電話決済IVRサービスとして特許取得済み。電話機とインターネットに接続されたPCのみで簡単に導入でき、新たな設備投資は不要。
IVRに入った後でも、受電したオペレーター、または指定した人へ通話を戻すことができるオペレーター通話戻し機能を搭載。初回でのIVR決済以降は顧客からの連絡やカード情報の入力が不要で、継続課金対応や未払い督促電話の際の決済にも活用できる。決済代行企業独自のシステム設計となっているため、初期費用を大幅に圧縮し、ランニングコストも低価格に抑えられている。利用する際はマルチ決済ソリューションVeriTrans 4Gの契約が必要。
(出所:IVR決済サービス公式Webサイト)
クレジットカードの不正利用に関するセキュリティに強みがある、GMOペイメントゲートウェイのIVR決済サービス。カード決済完了後に顧客とオペレーターが通話可能になるオペレーター通話戻し機能、受注システムの受注情報とIVR決済サービスで実行した決済情報を自動連携するAPI連携機能を標準装備。申し込みから約1カ月程度で導入できる。
顧客のクレジットカード番号を別の文字列(トークン)置き換えて通信を行うトークン決済、決済処理専用のタブレット端末、決済画面を同社が提供することで、カード情報に触れることなく安全な決済を行うことができるリダイレクト型など、GMOが提供するセキュリティソリューションとIVR決済サービスを組み合わせることで、さらに堅牢なセキュリティを構築できることが特徴。IVR決済サービスの利用にはPGマルチペイメントサービスのクレジットカード決済の契約および本番審査通過が必要となる。
(出所:IVR決済サービス公式Webサイト)
オンライン決済サービスや店舗向け決済サービス、セキュリティ・決済オプションサービスを提供する、SBペイメントサービスのIVR決済サービス。座席数やオペレーター数ではなく、電話回線数に応じて料金が設定される。クラウドサービスのため、インターネット環境があれば簡単に導入できる。IVRの受電番号はコールセンターで共通の番号を利用するため、拠点変更や座席増減による煩雑な設定が不要。
顧客との取引ごとにIVRの設定を変更できるので、クレジットカード番号の分割入力や入力されたカード情報の復唱設定などを、オペレーターが都度選択できる点が特徴。クレジットカード決済が失敗した場合でも、オペレーターが顧客をフォローできるコール戻しがオプションで提供される。また、オプションで英語、中国語、広東語、韓国語やスペイン語などの多言語に対応しているため、海外向けサービスにも最適。IVR事業者との別途契約が必要となる。
「個人情報取得におけるセキュリティの強化」「カード情報非保持化への対応」に対応するだけでなく、「オペレーターの負担軽減」「決済以外の業務の自動化」という業務効率化にも貢献するIVR決済サービス。
導入費用は回線数やプランにもよりますが月額数万円から導入できますし、対応する決済代行サービスも多いため、導入ハードルが決して高いサービスではありません。サービスの選び方を参考に、自社に最適なIVR決済サービスを導入することで、リスク回避や顧客満足度向上を実現してください。
IVR決済サービスをお探しの方は、こちらからサービス紹介資料をダウンロードいただけます。
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