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AI外観検査サービスの比較11選。自動化のメリットは?

AI外観検査サービスの比較11選。自動化のメリットは?

最終更新日:2024-10-17

製造ラインでの外観検査(目視検査)を、AIを使って自動化したいと考えている方へ。AI外観検査サービスの仕組みや導入メリット、比較ポイントとともに、装置開発に対応したシステムもあわせて、おすすめのサービスを紹介します。

目次

AI外観検査サービスとは?

外観検査サービスとは、品質の維持・保証のために部品や製品にキズや汚れ、異物混入などの欠陥がないか、外観をチェックするサービス。従来、目視で行われていた外観検査をAIで自動化・省人化するのが、AI外観検査サービスです。

部品や製品をカメラで撮影した画像をAIで解析し、キズや異物の混入などがないかを確認。目視での検査よりもスピーディーかつ正確に行えるのが強みです。人間と違って集中力が切れたり、習熟度に左右されたりすることがないため、「検査品質が安定する」「検査要員の人件費を抑えられる」といった強みがあります。

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AI外観検査サービスの仕組み

AIを使った外観検査がどのように行われるのか、大まかな流れを紹介します。

学習用の画像を用意

製品が正常な状態の画像と、異常がある画像とを用意します。これらの画像をAIに学習させることで、画像から異常を検知できるように。学習用画像を生成できるサービスもあります。

AIのモデル学習

正常・異常な製品の画像を読み込むことでAIが学習し、高精度な異常検査が可能に。

検査用カメラの設置

製品や部品を撮影するためのカメラを設置。異常を検知しやすいよう、設置位置や明るさなどの環境を整える必要があります。カメラ設置からサポートが受けられるサービスも。

PLC連携

異常を検知した際にラインを止めたり、不良品を排出したりできるよう、工場の設備を制御するPLC(Programmable Logic Controller)と連携させます。

外観検査の開始

学習したAIを使って製造品を画像判定し、異常を検知します。

AIのチューニング

運用開始後も精度が安定するまでは、実践を通じて蓄積したデータを学習したり、判定結果を見直したりすることで、異常検知の精度を向上させます。

 

AI外観検査サービスのメリット

AI外観検査サービスを導入することで得られる、4つのメリットについて解説します。

1.人による検査作業を削減

これまで検査要員を確保して目視で行っていた検査作業を、AI外観検査サービスで代替できるように。完全に自動化することも、目視確認と併用して更に精度を向上させることも可能です。

目視よりも検査スピードが速いうえ、PLC連携をしていれば、異常検知時の対応も自動化。人件費の削減が見込めます。

2.検査品質の担保

人間による目視チェックだと、検査要員の経験値や疲労度、集中度によって検査品質にバラつきが出てしまうことも。一方で、AIを使った外観検査なら検査品質はいつでも均一に。製造業に欠かせない「品質の担保」に貢献します。

3.様々な異常パターンも検知

従来の外観検査サービスでは、検知できる異常パターンは限定的でした。AIを活用することで、入力されたデータに含まれる特徴を自ら学習して判定できるように。従来のように明確にルールを定義しなくても、様々な異常パターンの検知を実現します。

「オキカエ for AI外観検査」のように、微細なキズや毛髪の混入といった異常検知はもちろん、個体ごとに外見が異なるランダムな模様やグラデーション、凹凸のある製品に対応しているサービスも。

4.誤検知の防止

検知精度の低い外観検査サービスだと、異常の見逃しだけでなく誤検知も多数発生します。そのため、異常が検知されるごとにラインを止めて目視チェックする必要があったり、正常品を廃棄することになってしまったりといったロスに。AIを使った高精度の外観検査サービスはこれらのロスを防止し、生産性の向上にも役立ちます。

 

AI外観検査サービスの比較のポイント

導入サービスを検討する際に着目したい、3つの比較ポイントを紹介します。

1. モデル作成機能の有無

AIモデルの作成を委託できるシステムもありますが、自社で内製したい場合はモデル作成に対応したものがおすすめです。

たとえば「Phoenix Vision / Eye」や「WisSight」では、良品をはじめとするAI学習モデルの作成が可能なソフトウェアを提供。「WisSight」はGUIによるシンプルな操作性に加え、Windows PCで動作するため、現場の担当者自身にて手軽にAIモデルを作成できます。

更に、「Phoenix Vision / Eye」では様々な最新AIアルゴリズムによる高精度検査が可能。「WisSight」では、ソフトウェアの特性を熟知した提供会社のエンジニアによる提案を受けられます。

2. レポーティング機能の有無

AIモデルの作成は外部に委託して、判定精度を高めるためのチューニングは自社で行いたいという場合には、判定結果や要因を分析できるレポーティング機能を搭載したシステムが適しています。

「AISIA-AD」は検査結果の確認や判定根拠の可視化に加えて、AIの判断根拠である閾値の調整といったチューニングが可能です。

3. 装置開発への対応

AIモデルだけでなく、作業自動化の装置開発を提供しているシステムも。単に既存の設備付近にカメラを設置するよりも、製造装置の中にカメラを入れるなど、連携性を高めたほうが生産性の向上が見込めます。

たとえば、「オキカエ for AI外観検査」は装置開発により、カメラで異常を検知したら排出ロボットで不良品を自動的に排除する、といったことが可能に。外観検査の完全な自動化に役立ちます。

 

おすすめのAI外観検査サービス

おすすめのAI外観検査サービスを紹介します。料金については要件により大幅に異なるため、各社へお問合せください。

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Phoenix Vision / Eye(株式会社VRAIN Solution)

Phoenix Vision / Eye公式Webサイト

(出所:Phoenix Vision / Eye公式Webサイト)

最新の高精度AIアルゴリズムを搭載したAI外観検査ソフトウェア。自動車業界や食品業界など、様々な分野で利用されている。操作性の高さに特徴があり、たとえば不良品の検出であれば、実際の不良品を撮影した画像を使って「検出したい不良項目」をクリックして囲むだけでAI学習が可能。実際の検査では、「分類」「検出」「領域抽出」「良品学習」など検査ごとに最適なAIを選択するだけで、検査の高精度化を実現。ルールベースを併用したハイブリッド検査もカバーし、難易度の高い複雑な検査にも柔軟に対応する。
カメラ・PLC・照明などの現場設備とも直接連携でき、製造現場の効率化や検査品質の向上に役立つ。設備がない場合は最適な設備の提案・導入をサポートしてもらえるので、コストや導入までの時間を最小限に抑えられる。

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StellaController 2.0(株式会社Phoxter)

StellaController 2.0公式Webサイト

(出所:StellaController 2.0公式Webサイト)

AIとルールベースで課題に適した検査を構築できるバイブリッドな画像処理システムプラットフォーム。柔軟性と拡張性が強み。筐体に備わった共通ハードウェアなら、機能拡張するだけで検査工程や要求の変化にも対応可能。位置決め、計測、キズ検査など豊富なルールベース画像処理機能と組み合わせて利用するAI外観検査機能を搭載。ばらつきも考慮した高精度な検査で、過検知や無駄を削減する。特殊な撮像方法や既存設備へのAI検査追加など、課題に応じたカスタマイズも可能だ。
シンプルな開発手順のため複雑な設定・調整は不要。少ないデータでも学習でき、検査自動化の手間も抑えられる。良品・不良品画像を生成できる画像生成機能を用いれば、不良品サンプルが入手できない場合の課題検討もスムーズに。

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AISIA-AD(株式会社システムインテグレータ)

AISIA-AD公式Webサイト

(出所:AISIA-AD公式Webサイト)

最新のAI画像認識技術を活用した外観検査システム。Microsoft社が開発した機械学習ツール「Azure Machine Learning」を利用し、キズや凹み、異物混入といった異常をAIで自動検知する。
AIモデルを限定せずに、適合するAIモデルや機器類を組み合わせることで、企業ごとの条件にあったAI外観検査システムを構築。また、照明・カメラ・センサーをはじめ、判定前後の搬送機器といった各種機器に対応。データを連携することで、画像データ処理、判定、判定後の処理まで、外観検査の業務効率化をトータルでサポートする。
検査結果の詳細画面では、判定根拠を可視化して表示。判定精度に問題がある場合は、使用者自身でAIの判断根拠となる閾値の調整も可能に。そのほか、企業の検討フェーズにあわせた検証サービスを用意。「外観検査がAI化できそうか、まずは確認したい」「コストを抑えてAI導入が実現できるか検証したい」「本格的に運用を見据えて実証実験をしたい」といった、幅広いニーズに応えている。

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Impulse(ブレインズテクノロジー株式会社)

Impulse(AI外観検査システム)公式Webサイト

(出所:Impulse公式Webサイト)

撮影・モデルの学習・判定・分析まで、AI活用で自動化する外観検査システム。特許取得済みの最先端アルゴリズムで、人による目視検査や従来のシステムでは発見できなかった未知の異常、複雑な条件下で発生するキズ・異物を自動検知する。
撮影データの前処理機能を搭載し、異常が出やすい領域のピックアップや撮影状態の自動補正も可能。CADデータといった3Dデータや動画にも対応し、深さ・奥行など複数の角度方向からの撮像を用いた精度の高い判定も実現する。一度に大量の撮影データを処理できるため、業務効率化にも役立つ。
無料でのデータ分析相談を実施しており、導入・運用を専門スタッフが伴走しながら支援。悩みがちなカメラ設置や精度のチューニングまで、トータルでサポートを受けられる。

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InspectAI(株式会社アラヤ)

InspectAI公式Webサイト

(出所:InspectAI公式Webサイト)

製造ラインでの活用をメインに、高精度かつスピーディーな外観検査を実現するパッケージソフト。従来のAI開発手法よりも少ない枚数の異常品画像で、毛髪の混入や1/10mm程度の異常を検出できるように学習させられる。学習時間は短時間で済むため、導入後すぐ利用したい場合に適している。
異常箇所が際立つ最適なカメラや撮影方法の提案を受けられたり、複数カメラを使った多面的な検査に対応していたりと、検査の精度を上げるためのハード面でのサポートや機能も充実。PLC連携が可能なので、不良品を検知した際の処理も自動化する。
検査品目の追加や段取り替えの設定も、現場担当者レベルで手軽に行えるため安心だ。

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WisSight(パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社)

WisSight公式Webサイト

(出所:WisSight公式Webサイト)

パナソニックの豊富な知見を活かし、検査品質の向上と効率化を実現するAI外観検査ソリューション。検査用の標準ソフトウェアが用意されているので、現場へのスムーズな導入が強みだ。
GUIで操作できるAI画像認識モデル作成ソフトウェアを提供。Windows PCで動作するため、専門的な知識がなくても自社専用のAIモデルの作成が可能に。SEによるサポートサービスも受けられる。更に、学習用の不良品画像生成や、学習作業の効率化を支援する機能など、AIの認識精度の改善に役立つ機能も充実。PLC連携にも対応している。
BIツール「Tableau」との連携によるデータの可視化・分析など、工程改善に向けた継続的な運用支援も手掛けている。

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オキカエ for AI外観検査(株式会社ASTINA)

オキカエ for AI外観検査公式Webサイト

(出所:オキカエ for AI外観検査公式Webサイト)

柔軟物や不定形をはじめ、均一ではない表面の物体の外観検査にも対応したシステム。装置開発から設置、運用、保守まで一貫したサポートを提供している。
従来の画像処理では難しかった、ランダムな模様が入る製品や、光の反射で見え方が変わるラメ・光沢などがある製品、NGの種類が多い製品なども検品可能な独自AIを開発。熟練者しか担当できない検品作業の自動化も実現する。金属部品や工業製品、食品などはもちろん、化粧品や化学製品の検品にも利用されている。
装置とあわせて開発が行えるため、大幅な作業効率化に役立つ。既存設備を利用し、AI外観検査システムだけ追加するといった活用法も。運用後のサポートも充実しており、初めてのAI導入でも安心。

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AIによる外観検査自動化(株式会社マクニカ)

AIによる外観検査自動化公式Webサイト

(出所:AIによる外観検査自動化公式Webサイト)

「撮像」「判定」「運用」の3つのノウハウを統合したワンストップソリューション。自動化に向けた全体計画の策定から運用支援まで、網羅的にサービスを提供する。
「撮像」においては、対象を撮ることにフォーカスしすぎずに、視野を広げた状態でAI学習を行うことで見逃しのないモデルを開発。「判定」では、学習量だけでNG検出をカバーしようとせず、特定のNGに特化した撮像を実施することで高精度なAI判定を実現する。「運用」においては、経験豊富なデータサイエンティストにてAIモデル精度の検証を行い、AIが見逃している画像や過検知している画像を再学習することで、更なる精度向上を支援している。
そのほか、取得した画像データを活用して不良原因を分析し、不良を特定する品質改善のソリューション提供や、製造現場全体のデジタル化もサポートする。

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MENOU(株式会社MENOU)

MENOU公式Webサイト

(出所:MENOU公式Webサイト)

高品質なモノづくりの現場に欠かせない、高精度な目視検査作業を実現するAI外観検査導入サービス。AIの導入により、熟練者しかできなかった高度な目視検査作業を多ライン・多拠点で展開できるように。加えて、検査にかかる人的コストの削減にも貢献する。
ノーコードAIのため、現場で検査を行う担当者によるAIの作成・メンテナンスが可能に。外部機器との連携もノーコードで行えるため、現場での手軽な排出設定にも役立つ。ルールベースライクな定量化や閾値設定にも対応し、検査基準のばらつきを抑えた運用にも有効だ。AIだけでなく画像加工や測長も実行でき、組み合わせることで難しい検査もカバーしている。
インフラから自動車部品、食品、医薬品などまで、幅広い品種での検査事例も豊富だ。

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Deeptector(NTTコムウェア株式会社)

Deeptector公式Webサイト

(出所:Deeptector公式Webサイト)

人の目による監視・検閲、保全・点検、製品検査といった作業が必要な幅広い業種・業態において、判定・判別作業工程の自動化・省人化を実現する画像認識AI。トンネルや建物などのインフラ劣化診断、製造業における外観検査といった分野に定評がある。
簡単な操作で繰り返し学習を行うだけで、現場が求める観点を備えた画像認識 AIモデルを作成。自社の課題にあわせて、「検出型」「分類型」「レベル判定型」「アナログメーター読み取り型」「正例判定型」といった、画像認識の判定パターンを選択できる。外部システムとの柔軟なAPI連携にも対応し、既存システムと連携して業務効率化も支援する。
画像を社外に出したくない場合はインストール型、初期投資を抑えたい場合はクラウド型と、利用環境にあったタイプを選べる。同一の学習済みのモデルは双方で利用が可能だ。

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外観検査サービス(株式会社PALTEK)

外観検査サービス公式Webサイト

(出所:外観検査サービス公式Webサイト)

AIシステム開発会社「HACARUS」のAIをベースにした外観検査サービス。単体のアプリケーションとして利用できるほか、既存のシステムにモジュールとして組み込める。単体アプリとして使う場合には、管理者向けのダッシュボードと作業者向けの操作パネルをインターフェースとして提供。タブレットやタッチパネルを使用した迅速な検査オペレーションを実現する。
少量の教師データまたは教師データなしで学習できるため、簡単かつスピーディーな導入に貢献。基板や精密部品、金属、プラスチック、食品といった様々な製造現場に最適なAIのモデルを多数用意しており、幅広い業種での導入・運用に役立つ。

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まとめ

製造現場では人手不足が深刻な問題に。熟練スタッフと新人スタッフとで検査品質に差が生まれることや、AIを使わない外観検査サービスの精度の低さによるロス発生といった課題も抱えがちです。

これらの課題解決に役立つのがAI外観検査サービスです。AIを使うことで、これまで人の目でしかできなかった検査を自動化・省人化し、検査品質の均質化に貢献。最低限の学習データで、スピーディーにAIモデルが作成できるサービスが多いのも特徴です。

ただし、製造ラインとの連携や、撮像用のカメラ・照明の設置といった手間がかかるので、自社設備や製品特性にあったサービスを吟味して、導入する必要があるでしょう。

本記事で紹介した比較ポイントなどを参考に、自社に最適なAI外観検査サービスの導入を検討してみてください。

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